先週末、「灘の高台の家」の1年点検へ行っていました。
西宮から神戸にかけて、夙川、芦屋川、夙川、石屋川と何本も川があります。北から南に流れるので明るい。並木が多いのも特徴でしょうか。
近くの青谷川も、ここまで遡ると随分狭くなります。
八重桜が満開。紅葉も小さな花を付け、まさに新緑の季節。
こちらのご夫妻は「物を持たずに空間を持つ」タイプ。
2階のLDKは、1年前となんら変わらないほど、美しく保たれていました。1時間程滞在し、いくつかの是正工事を施工会社に依頼。全く問題ないでしょう。
今月初め、オーストラリアで働く日本人女性からメールが届きました。
メルボルンの設計事務所に勤め、日本から建築家を呼ぶ小さなイベントを企画しているとのこと。
所用で帰国しており、一度訪問しても良いかという内容でした。
現在はオーストラリア大使館に支援金の手続きを行っている最中で、スムーズに進めば11月の開催予定です。
5年程前に「つるみ歯科クリニック」で治療を受けた際、気持ちの良い空間だったので、受付で設計者を聞きました。
個人情報保護の観点から、教えて貰えなかったそうですが、建築家を探す過程で、当事務所のサイトを見つけたそうです。
「もしオファーがあればメルボルンに来てくれますか」という質問には「喜んで」と答えました。
偶然「つるみ歯科クリニック」へ通院経験があったからこそ生れた縁ですが、改めて建築は世界の共通言語だと感じます。
彼女は、オーストアラリアの自由な風土を気に入り、ここで働くと決めました。永住権を手に入れる為に翻訳の資格をとり、働くために200通の履歴書を送ったそうです。
そして、建築の仕事に関わりながら、オーストラリアと日本の架け橋になりというのが、このプロジェクトの動機。
仕事がないなど、働き先がない、このエネルギーに比べれば戯言でしかありません。
オーストラリアは乾燥しているので、防火の観点から木造建築が難しいそう。一方、地震がないので、開口部はかなりの大きさが可能だそうです。
私達が設計した建築が、オーストラリアの地に建つ景色を、想像するだけで楽しくなってきます。