先週末、庭樹園で選んだ木々が(2006/9/4参照)、大阪市内の建築現場に届きました。
設計した住宅の庭に植付けられるのです。
庭の中央付近には、ヤマザクラ。
山の中を歩いて廻り、この一本に決めました。散り際も美しいソメイヨシノは、日本人が最も愛する桜ですが、葉と花が共存するヤマザクラも、また美しいのです。
接木で増えていったソメイヨシノに対し、自然に繁殖したこの種は、生命力が強いのも特徴。
植付けの当日、造園会社の社長も見えていました。
御歳、六十数歳。とっても元気です。表情が柔らかく、笑顔がなんとも素敵な方なのです。
ふと思いました。この間の庭樹園のスタッフといい、造園会社の社長といい、やや荒っぽい気質もある、建築現場では異彩を放っています。
常に木々に触れるというのは、それだけ人に影響を与えると言う事なのかもしれません。
庭の中央には、ぼんやりとライトアップされたヤマザクラ。夕食の済んだご夫妻は、他愛のない話をしながら、時折庭に目をくれる。
そんな風景をイメージしながら1階との繋がりを考えていました。
昨年の5月から設計を始めたこの家も、ようやく完成を迎えます。
次の春には、庭の木々も色鮮やかな花を咲かせてくれるでしょう・・・・・・
無事竣工を迎えるというのは、設計者にとって何より幸せな事ですが、やはり寂しい気持ちもあります。