カテゴリー別アーカイブ: 05 芸術・エンターテイメント

関西万博<後編>ガンダムで締め‐2225‐

日曜日にはじめて訪れた、関西万博の後編です。

ほとんど予備知識無しにいったので、気になった建築をピックアップしてみます。

日本館はいい感じですが、ややさっぱりしているなあと思っていたら、日建設計の設計でした。

ただ、デザイナーの佐藤ナオキのプロデュースでした。

万博らしい建築だなと思ったのはシャインハット。

伊東豊雄でした。

1970年の万博を意識したとありましたが、確かにクラッシックな感じがします。

東ゲートから入ると、大屋根リングをくぐると正面に見えてくるのが、左からフランス館とアメリカ館。

それぞれ、大国の威信をかけ、有名建築家の仕事ですがそこまでのインパクトは無かったでしょうか。

すぐ近くにある、マレーシア館は隈研吾だろうなと思ったらその通りでした。

永山裕子が2つのパビリオンを設計していて凄いと書きましたが、隈研吾に至っては4つを担当していました。

その数字を見ても、彼が現時点で日本のトップ建築家であることは間違いありません。

ただ、レジェンドも黙っていません。

飯田グループホールディングス✕大阪公立大学のパビリオンは高松伸の設計です。

今回、安藤忠雄の作品がないなか、76歳での担当は流石です。

西ゲート近くにはミャクミャクとよしもと館。

そしてパソナグループ館。

らしさがでていて、良かったと思います。

アイデア賞はタイ館でしょうか。

半分だけで全部とは笑ってしまいました。

夕方になり列が短くなってきたので、少し並んで入れそうなパビリオンに入ってみました。

ロシアとイランに挟まれ、天然資源に恵まれた国です。

アゼルバイジャン館はスイスの設計事務所ベルプラット・パートナー。

内部は、360度スクリーンに写される映像ショーがメインです。

続けて、会期中に完成したインド館へ。

かなり混んでいましたが、入れたのをよしとしなければなりません。

少し後には、再び入場制限をしてましたから。

ただ、並んで入るほどでは……

この情報化社会です。面白いところが、簡単に空くことはないはずです。

西ゲート近くには、実物大ガンダムが。

目が光り、胸から煙をだす姿をみるだけで満足です。

一日歩き回ったので、ドローンショーはパスして帰ることにしました。

天気は雨が降ったりもしましたが、最後は夕焼けに。

この日の入場者数は12万6千人。収支ラインは約15万人とのことですが、これくらいが目一杯ではと思いました。

残念ながら、パビリン内部に入れたのは数えるほどでしたが、大屋根リングとガンダムはよかったです。


建築設計を生業とするものとして、1970年の万博の年に生まれ、55年後に向かえたこの地元開催で、全く関われなかったことに悔しさはありますが、おおいに刺激を受けました。

私にとっての関西万博はこれで終わり。

日常に戻って頑張っています。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

関西万博<前編>やっぱり大屋根リング?‐2224‐

昨日の日曜日、ようやく関西万博へ行ってきました。

11時からの入場枠でしたが、夢洲駅はかなりの人でした。

噂通り、東ゲートはかなりの列でしたが、それでも並んだのは35分くらいだったでしょうか。

入場すると、まずは大屋根リングが出迎えてくれます。

設計は藤本壮介。

開催寸前まで、行くかどうかも決めていませんでしたが、折角の地元開催ということで、7月18日まで1回入場できる前期券を寸前に購入しました。

事前にいくつかのパビリオンに入る権利を持っていたのですが、2回の日程変更でそれらは消滅。

よって、基本は歩いて、歩いて、歩くのみのウォーキングデーになったのです。

大屋根リングはかなりの迫力で、海にせり出したこのあたりの景色が一番気に入りました。

まったく事前調査はしていませんでしたが、それでも耳に入ってくるのは、こちらのパナソニックグループパビリオン。

設計は、永山祐子。

ウーマンズパビリオンも同じく永山祐子の設計です。

2つのパビリオンを設計しているのです。凄い、の一言につきます。

「コモンズ」は、小さなブースが集まったパビリオン。

このスペースで、1国を紹介するのはちょっと大変でしょうか。

反対に、シグニチャー館のひとつ、落合陽一プロデュースの「Null2」は、外から見ただけでも流石だなという感じでした。

以前の万博において、建築は主役でもありましたが、その役割は大きく変わっていくのだと思います。

仮設であることが大前提ということは、建築との相性が決して良いと言えないからです。

岡本太郎の太陽の塔や、前川國男設計の鉄鋼館は現存していることからもよく分かります。

当日、空きができると募集するパビリオンがいくつかあり、「電力館」だけ入場することができました。

入場すると卵型の装置を首からさげます。

そして色々な体験をし、その情報がその装置に記録されるしくみです。

最後は、圧巻の照明と音楽のショーで締め括られます。

ニュースで、皇族の愛子様も体験した、結構な人気パビリオンですが、妻が当日の応募で何とか確保してくれました。

十分凄くはありましたが、ディズニーランドやUSJを体験している今の世代の人たちは、万博に何を求めるのだろうと考えていました。

そうそう、こちらも何度か話題になっていたネパール館。

まだ工事が続いているのか、もう諦めたのか分かりませんが、天井の断熱材がむき出しでした。

正面にあるこちらの像は、「べー」と舌を出しているようにもみえます。

こんなことも含めて万博なのでしょう。

雨も少し降ったこともあり、「大屋根リング」が一番楽しめたでしょうか。

誰にも頼まれていませんが、私ならもう少し海を取りこみたいと思ったのと、大屋根の中央にある白いシート部が気になりました。

元の設計ではこの部分は解放されていたのかなと考えていました。

この日の入場者数は12万6千人。最多ではないものの、かなりの人数だったようです。

次回の木曜日の後編で完結したいと思います。

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必見、世界遺産・二条城での アンゼルム・キーファー展‐2213‐

4月29日は昭和の日。

二条城で開催中の アンゼルム・キーファーの展覧会へ行ってきました。

東大手門にの前にも案内がでていました。

正確には「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展

「ラー」  940×950cm  2019年

受付を過ぎると、いきなり巨大なオブジェ「ラー」が現れます。

パレットから羽が生えている!

9.4m×9.5mとサイズ感も圧倒的でした。

アンゼルム・キーファーは1945年、ドイツ生まれの80歳。

現代で最も重要な重要なアーティストの1人と紹介されていました。

ナチス、戦争、神話と作品のモチーフは変化しますが、ヘビも色々な所に登場しています。

二条城、二の丸御殿台所・御清所に入っていきます。

「オクタビオ・パスのために」380×950cm 2024年

キャンパスに岩石などを貼りつけ、立体的な作品です。

この作品は、この展示会のために製作した作品で、原爆投下が題材です。

詩人、オクタビオ・パスの詩が引用されています。

またゴッホにも影響を受けているという点も納得できます。

「ボソン開放弦」 280×380cm 2023年

キーファーは、この展示会で会場となる二条城にある狩野派による障壁画にもインスパイアされ、金を多用したようです。

谷崎潤一郎は「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」の中で、軒の深い日本家屋の奥深くで、金襖や金屏風がほのかに光るさまに、美を見出しました。

その精神性は、かなり日本人に近いのかもしれません。

「ダナエ」 242×120×91cm 2018-24年

今回の展示は、本格的な照明設備が設置できないので、基本は自然光です。

それが、より金色の輝きを際立たせています。

ダナエはギリシャ神話に登場する、美貌の女王。

クリムトも同じタイトルの傑作があります。

その淫靡な空気感や、金色の使い方はクリムトの影響も受けているのかもしれません。

「ウルズ、ヴェルザンディ、スクルド−ノルンたち」 210×121×50cm 2014年

「ウルズ、ヴェルザンディ、スクルド−ノルン」は、北欧神話の最も有名な女神の3姉妹でした。

電線に使われる碍子(がいし)をワイヤーで縛ったもので、なぜ女神たちを表現したかったか分かりませんが、そんなことを、スマホでいちいち調べながら見て回りました。

アートに浸る時、そういった機器は邪魔になると考えていましたが、今回は全く逆でした。

会場に入ると、QRコードで作品リストがダウンロードできるのです。

それを見ながら、かつ調べながら観て回るのは極めて楽しかったのです。

「マアト=アニ」 188×150×124cm 2018‐24年

極めつけはこの作品。

「マアト」は古代エジプトの「法」「真理」「正義」を司る女神のようでした。

「アニ」はテーベの書記官とありました。

石膏のドレスの上で、分銅と羽が釣り合っているというこの構図。

土間での展示だったので、風が吹きこみ、羽が舞い上がった時にその意図がある程度理解できたのです。

作品であり、もうエンターテイメントです。

「モーゲンソー計画」 部屋いっぱい 2025年

戦後、アメリカの主導により、荒廃したドイツを農業国化するという「モーゲンソー計画」。

部屋いっぱいに砂が敷き詰められ、麦畑があらわれました。

そして、一番奥まで行くと、国宝、二の丸御殿との間の中庭にも、数多くの作品がありました。

これだけ面白かった展示会はなかなか経験がありません。

会場は、二条城とだけ書きましたが、正確に書くと、重要文化財「台所/御清所(おきよどころ)」です。

要するに、台所なのです。

天井はこの小屋組みです。

また、クリムトに同題があるといった「ダナエ」の奥に見える台は、見張り台のようです。

そこで、毒が混入されないように見張っていたとのこと。

アンゼルム・キーファーの極上のアートと、徳川の威光にもうお腹一杯でした。

この後、京都を散策したのですが、それはまた機会があれば書いてみたいと思います。

「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展、控えめに言って最高でした。

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博覧会の時代の後‐2208‐

昨日、関西万博が開幕しました。

それを記念して、ブルーインパルスが大阪城上空を2回通過するとのこと。

近所の方も、難波宮跡公園へ向かっているようです。

予定時刻は11時50分と、11時56分。

時刻が近付くにつれて、雨がやや強くなってきましたが、「関空を離陸したよ」という声も聞こえてきました。

ワクワクして待っていると、今度は「中止になったみたい」と。

徐々に、皆が帰路についたのです。

大阪では35年振りと聞いていたので残念です。また機会を作って貰えると嬉しいのですが。

直前まで、万博の盛りあがりをあまり感じていませんでした。

しかし、折角の地元開催なので前売チケットを買ったのは先週のこと。

高島屋東別館で「EXPO 博覧会の時代」という企画展があると知り、のぞいてみました。

難波の大阪高島屋から言えば、南西にあたる堺筋沿いにあります。

エントランスも立派。

2020年にリノベーションし、2021年には国の重要文化財に指定されています。

タイトルからすると「博覧会の時代」と言われた、1990年代の万博の歴史を紐解く内容を想像していました。

しかしここは高島屋資料館なので、高島屋が出品した室内装飾品などの展示がメインでした。

考えてみれば当たり前ですが、こちらが万博モード過ぎていたようです。

それでも、万博に関する資料もいくつかありました。

第1回目は1851年、ロンドン万博ですが、最も知られているのは1889年のパリ万博ではないでしょうか。

フランス革命100周年を記念し、開催にあわせて完成したエッフェル塔は、現在でもパリのシンボルです。

資料には、エジソンの蓄音機が大変な人気を博したとあります。万博の果たした役割がうかがい知れます。

また、1970年の前回大阪万博では、お祭り広場と太陽の塔がシンボルとなりました。

どちらにおいても、建築は主役的な役割を担ってきました。

1970年生まれの私は、この万博が開催中に55歳になります。

建築家としても十分キャリアを積んできたつもりですが、今回の万博に全く関われなかったのはとても残念です。

大小さまざまなコンペがあったのですが、何一つ参加できていないので当然と言えば当然ですが、それでも忸怩たる思いがあるのは間違いありません。

公共建築で指名を受けたければ、実績を積み重ねていくしかないので、ひとつずつの仕事で結果を残していくしかありません。アトリエ移転もきっかけとして、ギアを上げて行きたいと思います。

高島屋東別館があるあたりは、でんでんタウンと呼ばれ、家電量販店、電気部品店等が並びますが、現在は「オタロード」なる名前も付加されています。

アニメ、フィギュア、同人誌を扱う店が多くあり、「西の秋葉原」とも言われているのです。

以前とは全く風景が変わり、メイド喫茶も沢山あります。

その店員さんが道に並んで、店の案内?客引き?をしていました。

私が学生の頃は、オーディオオタク、家電オタクが集まる場所というイメージでしたが、時代が変わればこれだけ変わるのです。

加えて言うなら、これだけ情報があふれていると、「観る」というアトラクションでは、刺激が足りないのだと思います。

USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)にしても、メイド喫茶にしても体験型です。

そう考えると、 「博覧会の時代」と言われた、1990年代後の万博は、なかなか難しいものがあると思います。

日本橋と難波の境目あたりにある、焼売(シュウマイ)の名店「一芳亭」。

黄色い皮の焼売(シュウマイ) は、美味しくかつリーズナブル。

長らく行っていないので、帰りに前を通ってみました。

体験型アトラクションの最たるものは、やはり「食べる」につきるでしょう。

向いにあるメイド喫茶には長蛇の列ができていました。

金額もそれなりだったので、時代を感じずにはいられなかったのです。

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名品珍品大公開‼の中に、本当の名品見たり‐2196‐

昨日は小雨の降る中、天王寺に寄ってきました。

ハルカスに春霞、はまだ気が早いでしょうか。

3月1日(土)にリニューアルオープンした大阪市立美術館。

オープニングイベントは「What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」です。

東は天王寺動物園を見下ろし、鳥の声ならぬ動物の声を聞き、通天閣を眺めるアプローチは圧巻です。

これはリニューアル前から変わりませんが。

かなり久し振りなので、エントランスホールが以前とどう変わったのかが分かりません。

それでも、気持ち良い空間なのは間違いありません。

今回、画期的なのは一部を除いて撮影可なのと、ラベリングしてあることです。

佐伯祐三の「教会」はもちろん「名品」。

上村松園の「晩秋」も勿論のこと「名品」。

多くの「名品」が出展されていましたが、北大路魯山人の黄瀬戸もありました。

「珍品」は、平野区から。

6世紀とあるので、その創造性に驚きます。

こちらは「鳥人」ならぬ「羽人(うじん)」。

このイベントのマスコット的存在です。

「名品」「珍品」のダブルラベルとは、なかなか楽しませてくれます。

そもそも、アートにラベリングするという発想が凄いのですが。

非常に多彩な展示会ですが、陶器も充実していました。

こちらは、樂家三代目の道入(どうにゅう)。

別名「のんこう」として知られる、樂家随一の名匠です。

赤樂の深い色合いと、手びねりの風合いが特に椀の端部に表れています。

九代目、樂了入(りょうにゅう)の黒楽も並んで展示されていました。

その艶めかしさは際立っています。

京都の樂美術館には何度か通いましたが、一度で良いので手で触れてみたいものです。

ここまでは、以前から好きなものが大半でしたが、この青磁には思わず見入ってしまいました。

その美しさが、写真では伝わらないことに、逆に迫力を感じます。

大正10年(1921年)富本憲吉の「青磁 長頸瓶」とあります。

楽焼とは対照的に、厚みをもち、しっかりエッジの効いた口まわりが品格を漂わせています。

紹介を見ると、「自らの理念・思想を実現するために陶芸家を志した」とあります。

昭和55年(1980年)に人間国宝認定第一号となった陶芸家でした。

美しいはずです。

赤い九谷の絵皿も圧巻でした。

焼き物は、楽焼や備前焼が好みでしたが、こんな多彩な人がいるのかと感心しました。

展示会の魅力は、自分の好きなもの以外を見れることだと痛切に実感したのです。

あわせて、アート全般に興味を持っていたつもりですが、人間国宝第一号をしっかり見たことが無かったことにも、若干のショックを受けました。

今回のチケット、実は貰い物。

ただ、一見の価値ありとお勧めいたします。

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エゴ無し、無私無欲、利他の心のMV3‐2161‐

3連勝のあと1敗はしましたが、今年のロサンゼルス・ドジャースは強かった。

今日も5点差をひっくり返すビッグゲームで、大谷翔平選手は移籍1年目でワールドチャンピオンとなりました。

日本人ファンとしては、レギュラーシーズンの活躍が凄まじかっただけに、ワールドシリーズ第2線の左肩の怪我が残念でなりません。

その大谷選手が本調子でなくても、過去にMVP受賞者のフリーマン、ベッツと役者がそろっている上に、メンタリティの違いも感じました。

期待の若手、セカンドを守るギャビン・ラックス選手は、昨日の会見でこう語っていました。

「彼らにはエゴがない。ただ勝ちたいという気持ちしかないと思うし、ワールドチャンピオンが僕たちの最終目標であることも分かっている。3人が球界最高の選手であることは間違いなく、そこに秘密なんてものはない。しかし、同時にエゴが全く存在せず、無私無欲であり、ただ勝ちたいだけなんです」

また、シーズン途中に移籍してきたジャック・フラーティ投手は、ラックス選手の会見前にこう語っていました。

「彼らは利他的なんです。彼らはずっとそうしてきた。スポーツ界のトップにいる選手と同じです。彼らはこれからもっとMVPを獲るかもしれないが、努力もしています。そのことは学ぶべきことであり、周りの選手全員にも伝わっていると思う」

フラーティ投手も今シーズン13勝をあげる、エース級の活躍でしたが、やんちゃ坊主感が見え隠れするところも、魅力です。

地区シリーズで、ダルビッシュ有投手所属の、サンディエゴ・パドレスの主砲、マニー・マチャドとトラッシュ・トーク(口喧嘩)をやりあっている場面は、褒められたものではありませんが盛り上がりました。

MLBをポストシーズンまで観たのは今年が初めてですが、かなり面白かったです。

キャラクターが立っている選手が多く、誤解を恐れずいえば最上級のプロレスを観ている感じ。

ティム・ヒルの投げ方、ジアンカルロ・スタントンの打ち方、エリー・デラクルーズのユニフォームの着こなし、そしてフェルナンド・タティスの髪型も本当個性的です。

超一流選手が、更に個性を際立たせるのですから、このあたりは、日本のプロ野球も見習って良いのではと思いました。

もっと言えば、大谷翔平選手、山本由伸選手の出場で、地上波で世界基準を観てしまった以上、そこが競争相手になることを意識しなければならないと思います。

私はABEMAの有料会員なので、ドジャースの試合の2/3くらいは観ることができました。

しかしポストシーズは有料会員用の中継がなく、ドジャース戦は3試合くらいだったと思います。

これは大変と、ポストシーズンを唯一日本語解説で全試合観れる、SPOTV NOWにこの1カ月加入したことは以前書きました。

結果的には、フジテレビが地上波で中継した、ワールドシリーズだけは無料で観れました。

しかし、パドレスとの地区シリーズ、ニューヨーク・メッツとのリーグチャンピオンシップはかなり面白かったので、加入して良かったと思っています。

特に、最終戦までもつれ込んだパドレスとのマッチアップは最高でした。

38歳、ダルビッシュ有のピッチングは素晴らしく、その後の大谷対策を世界中継してしまったようなものでしたが。

しかしやはり大谷選手です。前日、遅くまで働いていても、翌朝試合が観れると思うと、頑張りもきくというものです。

来年は2刀流復活なので、2/3で我慢するか、開幕したらSPOTV NOWに加入するか今はまだ決めていませんが、本当に楽しい、観ているファンに元気を与えてくれる素晴らしい1年でした。

ただ、本当に面白いものは、有料でなければ観れない時代に入ったようです。

尊敬する京セラ名誉会長だった稲盛和夫さんが、最も多く口にする言葉は「利他の心」でした。

それが、やんちゃ坊主フラーティ投手から、今年最後に聞くとは何だか感慨深いものがあります。

確かに、スーパースタークラスの選手でも利他心をあまり感じない選手もいます。

才能ある人間にエゴが無く、無私無欲で、利他の心を持っている。そして努力を惜しまない。勝てない理由を探す方が難しそうです。

MVPが3人でMV3。今年のMV3は最高でした。

楽しませて貰ったことに感謝し、今度は自分の仕事で利他心をもって頑張らなければなりません。

ただ、数日はMV3ロスに悩まされると思います。

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■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

写真スタジオ、時々ギャラリー‐2136‐

昼下がりの天満橋。

見事なまでに人がいない。

流石にこの暑さは、木陰でも無理ということでしょう。

反対に、冷房の効いたマクドナルドはぎっしりです。

京阪電車に乗り換え、萱島へ向かいますが、いつもちょっと大川をのぞきたくなるのです。

2022年竣工の「あの森のOhana」にやってきました。

1年半振りくらいでしょうか。

娘さんの大学繋がりで、3人の作家さんの展示会の最終日でした。

現役大学生や社会人など、経歴は様々ですが、こういった展示会を積極的に開催しているそうです。

計画当初から、クライアントの石井さんはギャラリーとしても使えたら、と言っていました。

昨年の夏も開催されたので、今回は2回目でした。

絵を観ていると17時頃に、ざっと夕立がありました。

木々は雨濡れ、少しは暑さが凌げたでしょうか。

先日、近所の方が、「昔からここにあった感じに馴染んできたね」と言ってくれたそうです。

樹々は背が高くなり、少しずつ「あの森」に近づいています。

ピカピカでなくなっても、愛おしい建物を目指したので、とても嬉しい感想です。

私の母校は、結構な進学校でしたが、芸大に進学した同級生も結構いました。

作家として生きる者、企業の中でデザイナーとして生きる者、全くアートとは関係ない仕事に就いた者と様々です。

私も物作りの世界に生きていますが、ゼロから何かを作り上げていく過程は、単純に楽しいものです。単純に楽しいからこそ、競争もやはり厳しいのは必然です。

若い作家の皆さんも、是非好きな道を歩み続けて欲しいものです。

愛は時間といいますが、物作りもまったく同じ。最後は単純に時間勝負だと思っています。

■■■9月7日(土)、8日(日)10時から14時 「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」 内覧会開催 ■■■

■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

メディア掲載情報

わすれな草‐2125‐

6月もまもなく終わりです。

梅雨時は、どうしても外出機会が減ります。

しかし、この日記に使う写真も要るので、まめに写真は撮っているほうだと思います。

これは平野のアジサイ。

これは下北山村のアジサイ。

これは「ドッグランのあるタイル床の家」の現場近くのアジサイ。

アジサイは種類が多く、結構形も違うのです。

ジョギングコースは時々変えますが、大方写真も撮りつくしたと思ったのも、引っ越しを考え始めた理由のひとつでした。


しかし、通いなれた公園の花壇に「わすれな草」の表記をみつけました。

「わすれな草」と聞いて思い出すのは、尾崎豊の『Forget-me-not』です。

尾崎の絶頂期は80年代中盤から、90年代のはじめ。年代でいうと私より5歳上で、18歳でデビューし26歳で亡くなると言う、怒涛の人生でした。

あまりにもストレートな歌詞は、当時の私にはちょっとしんどかった気がします。

しかし、先日後輩がずっと尾崎の唄を歌っているのを聞いて、久し振りに聞き返していました。

『Forget-me-not』が、何とも良かったのです。

歌詞は、昔付き合っていた彼女に、その花の名前を教えて貰ったことを思い出す、という内容ですが、最後はこの言葉で終わります。

街にうもれそうな 小さなわすれな草

何とも切ないのです。

圧倒的歌唱力を持ち、繊細なメロディメーカーであり、18歳からカリスマ。

男なら、誰だってそんな人生を歩んでみたいものです。しかし、26歳までで良いか?と聞かれたら尻込みしてしまいます。

すでにその倍を生きた私に、もう選択権はありませんが(笑)

よく見れば なずな花咲く 垣根かな

これは、芭蕉の中でも、最も好きな句のひとつ。センスもほぼ芭蕉並みだと分かります。

今頃になって、時々尾崎を聴いているのです。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

メディア掲載情報

背景に人生をかける‐2122‐

先週、長らく企画を練っていたプレゼンテーションを終えたので、日曜日は大丸梅田店へ。

お得意様シークレットセール。

いつものように、その甘いささやきに負け、夏物の上下や小物を購入。

と言っても全て仕事着ですが。

その足で、阪神高速湾岸線で六甲アイランドまで移動します。

梅雨前の快晴で、フンデルトヴァッサー設計の舞洲ゴミ焼却場も輝いていました。

神戸ファッション美術館は初めての訪問だと思います。

ただ、建物自体は見に来たことがあります。

巨大な吹き抜け空間を持つ建物で、UFOを乗せたような外観が特徴です。なのですが、外観を撮り忘れてしまいました。

日曜日が最終日だった「新・山本二三(にぞう)展」。

いつものことながら、館内は撮影禁止。

本当にもったいない気がしますが、仕方ありません。

山本二三さんは、アニメーション映画やテレビアニメなどで背景を担当してきましたが、昨年の8月にお亡くなりになりました。。

何と言っても印象に残るのは、「天空の城ラピュタ」の背景です。

他にも、「もののけ姫」「時をかける少女」「名探偵ホームズ」「火垂るの墓」「ルパン三世」等を担当。

日本人で見たことがない人はいないかもしれません。

美しく、繊細に描かれた、手書きの背景画等、250点の展示がありました。

一番驚いたのは、テレビアニメ「じゃりン子チエ」も担当されていたことです。

この日記の検索ワードで、かなり上位にあるのが「じゃりン子チエ」なのです。

2度程、アニメの中で描かれる風景について書きました。

舞台は昭和50年代の設定となっていましたが、漫画の中の街の風景は、おそらく作者の幼少期、昭和30年台前半から、40年代前半までの記憶だと思います。

私は昭和45年生まれですから、幼少期が昭和50年代の中盤。この頃の景色とそれまでの景色は大きく違いがあります。

具体的に言えば、万博のあった昭和45年以降に建った家は、多くが木造モルタル塗りの家。それ以前は、板壁か、土壁に漆喰の家が主なのです。

と書きました。

山本さんは1953年(昭和28年)生まれですから、時期はピタリと一致します。もしかすると出身地、長崎県五島列島の記憶も少し含まれていたのかもしれません。

展示の中で、屋根瓦を一枚一枚丁寧に塗り分けているという解説もありました。この作品の風景に惹かれていた理由が、自分の中で腑に落ちたのです。

アニメーション映画において、背景は画の70%を占めるそうです。私の仕事、建築設計も背景を考える仕事と言って良いと思います。

無用に出しゃばる必要はありませんが、時には主役になり得る。そんなところがとても似ていると感じます。

山本さんは、亡くなる寸前まで故郷の五島列島の画を描いていたそうです。

背景に人生をかけた偉大な先輩に心から敬意を表したいと思います。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

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10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

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あったとしても、無かったとしても、答えは風の中 ‐2109‐

ゴールデンウィークの中日ですが、仕事の人が多いのでしょうか?休みの人が多いのでしょうか?

いずれにしても天気は最高でした。

弟の家であり、私のアトリエでもある「平野西の家」。今日もクライアントが足を運んでくれました。

2004年の完成なので20年が経ちました。

完成時に私が植えたアイビーも、この時期一気に葉を増やします。

何軒もの作品に株分けした、親株?でもあります。

西隣に建つ「R Grey」もそうですが、減額で植栽を削った場合の裏オプションです。

ここに書いたら「裏」にはなりませんが。

最近の、中学、高校の学園祭は春にあることが多いと聞きますが、娘の学校もゴールデンウィーク直前に開催されました。

基本、体育会で頑張っているのですが、友達とバンドを組んで演奏するとのこと。

娘はベースの担当で、最低限の機材は購入。何回かスタジオで練習した音源も聞かせてもらいました。

初めての時はかなり大変そうでしたが、徐々に上達するものです。

妻が観に行ってきたので、動画で演奏を聞かせてもらいました。

演奏も大分しっかりしてきて、友人たちの友情もあるでしょうが、かなり盛り上がっています。

本人としてはかなり満足だったようで、数日間は余韻に浸っていました。私も高校時代はバンドをしていたので気持ちは分かります。青春の1ページとして心に刻まれたでしょう。

長男はかなり歌がうまかったので、妻に「なぜ、あいつはバンドをしなかったんかな?」と聞くと、「コロナで無かったやん」と。

そう言えば、2020年が高校1年だったので、学園祭で言えば一番不遇だった時期です。

可哀そうと言えば可哀そうですが、それもまた運命。それをエネルギーに変え、志望大学に入学できたのかもしれません。

2016年にノーベル文学賞を受賞した、ボブ・デュランの代表曲「風に吹かれて」は1962年の発表です。

リアルタイムでは知らないのですが、当時のインタビューで、曲の意味をこう語っていたそうです。

答えは、本や映画、テレビ、討論会の中にはない。風の中にある。

前回、「本を読み続けるのは、立派な人になれる、と思っているから」と書いたばかりですが、フォークの巨人からすると、全く違うようです。

学園祭があったとしても、無かったとしても、答えは風の中。

分かるようで、分かりませんが、やっぱり分かるような気もするのです。

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