先週、長らく企画を練っていたプレゼンテーションを終えたので、日曜日は大丸梅田店へ。
お得意様シークレットセール。
いつものように、その甘いささやきに負け、夏物の上下や小物を購入。
と言っても全て仕事着ですが。
その足で、阪神高速湾岸線で六甲アイランドまで移動します。
梅雨前の快晴で、フンデルトヴァッサー設計の舞洲ゴミ焼却場も輝いていました。
神戸ファッション美術館は初めての訪問だと思います。
ただ、建物自体は見に来たことがあります。
巨大な吹き抜け空間を持つ建物で、UFOを乗せたような外観が特徴です。なのですが、外観を撮り忘れてしまいました。
日曜日が最終日だった「新・山本二三(にぞう)展」。
いつものことながら、館内は撮影禁止。
本当にもったいない気がしますが、仕方ありません。
山本二三さんは、アニメーション映画やテレビアニメなどで背景を担当してきましたが、昨年の8月にお亡くなりになりました。。
何と言っても印象に残るのは、「天空の城ラピュタ」の背景です。
他にも、「もののけ姫」「時をかける少女」「名探偵ホームズ」「火垂るの墓」「ルパン三世」等を担当。
日本人で見たことがない人はいないかもしれません。
美しく、繊細に描かれた、手書きの背景画等、250点の展示がありました。
一番驚いたのは、テレビアニメ「じゃりン子チエ」も担当されていたことです。
この日記の検索ワードで、かなり上位にあるのが「じゃりン子チエ」なのです。
2度程、アニメの中で描かれる風景について書きました。
舞台は昭和50年代の設定となっていましたが、漫画の中の街の風景は、おそらく作者の幼少期、昭和30年台前半から、40年代前半までの記憶だと思います。
私は昭和45年生まれですから、幼少期が昭和50年代の中盤。この頃の景色とそれまでの景色は大きく違いがあります。
具体的に言えば、万博のあった昭和45年以降に建った家は、多くが木造モルタル塗りの家。それ以前は、板壁か、土壁に漆喰の家が主なのです。
と書きました。
山本さんは1953年(昭和28年)生まれですから、時期はピタリと一致します。もしかすると出身地、長崎県五島列島の記憶も少し含まれていたのかもしれません。
展示の中で、屋根瓦を一枚一枚丁寧に塗り分けているという解説もありました。この作品の風景に惹かれていた理由が、自分の中で腑に落ちたのです。
アニメーション映画において、背景は画の70%を占めるそうです。私の仕事、建築設計も背景を考える仕事と言って良いと思います。
無用に出しゃばる必要はありませんが、時には主役になり得る。そんなところがとても似ていると感じます。
山本さんは、亡くなる寸前まで故郷の五島列島の画を描いていたそうです。
背景に人生をかけた偉大な先輩に心から敬意を表したいと思います。
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