カテゴリー別アーカイブ: 02 ことば・本

戦うに値する、この美しい世界‐1812‐

 土曜日の朝、八尾ICから近畿道に乗りました。

 現場へ向かうためですが、すぐに「東大阪JCTから事故渋滞」の表示が目に入りました。

 遅れるかなと思いながら八尾料金所を通過すると、すぐに出口が。

 そのまま流出して、阪神高速に乗りなおし。第二阪奈で雨上がりの奈良へ入りました。

 近畿道1km250円。高いのか、安いのか分かりませんが、間に合ったので良しとしましょう。

 「3つの庭を持つコートハウス」の打合せが終わり、次の現場へ移動します。

 こちらの現場は、完成後に現場日記を公開予定です。

 かなりダイナミックなリノベーション計画なので、楽しみにしていてください。

 どんどん天気が回復してきて、真夏のような日差しになりました。

 雨と日差し。

 植物にとって、最も好ましい季節が梅雨です。

 近所の家庭菜園でもグングン成長するのが、見ていて楽しいくらい。

 青いミニトマトも愛らしく。

 すでに熟しているものもありました。

 そう言えばOhanaの裏庭で、カメラマンの石井さんがナスビを育てていました。

 菜園をしている人にとっては当たり前なのでしょうが、茎から葉脈まで紫でびっくりしましたのです。

 よくみるとアブのような虫が。アブもミツを吸うのでしょうか。

 紫の花も極めて美しいのです。

 「この世界は美しいところであり、そのために戦うに値するものであり、そしておれは、この世界を去ることを心からいやだと思う」

 『誰がために鐘は鳴る』でアーネスト・ヘミングウェイは語りました。

 少し目をこらして見ると、世の中は美しいもので溢れています。

 そして自ら去らなくとも、命はいつか尽きます。

 日々飛び込んでくる朗報、訃報を見ながら、そんなことを考えていました。
 
 やはり、戦うに値するのが、この美しい世界。

 それは、ヘミングウェイだけでなく、誰にも等しいはずなのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

バイバイする木‐1803‐

 梅雨の合間というよりは、晴れの合間の梅雨といった感じです。 

 郊外の現場から移動しますが、カーナビが普及するまでは「抜け道マップ」にお世話になりました。

 こんな道路は「快走ルート」と表記されていたはずです。 

 道端に咲くマツバギクは、日の光を浴びてキラキラと。

 写真ではそこまで伝わらないのですが、まるで天使の輪のようでした。

 野花は語らぬところに美しさがあるものです。

人は人であり
草は草であり
松は松であり
椎は椎であり
おのおの栄えあるすがたを見せる
進歩というような言葉にだまされない
懸命に 無意識になるほど懸命に
各各自らを生きている

木と草と人と栄えを異にする
木と草はうごかず 人はうごく
しかし うごかぬところへ行くためにうごくのだ
木と草には天国のおもかげがある
もううごかなくてもいいという
その事だけでも天国のおもかげをあらわしているといえる
-八木重吉- 詩人 「万象」より

 八木重吉は、昭和初期に29歳の若さで没した自然派の詩人です。

 現在の筑波大を出ると、御影師範学校で英語教師として教鞭をとりました。

 第一詩集『貧しき信徒』は「野菊社」から出版されましたが、結核に倒れた4ヵ月後のことでした。

 ゴールデンウィークに池原ダムへ行った時のこと。

 何度も立ち止まって見たのですが、どうみても木が自分で葉を振っているのです。

 数枚の葉だけが、まるで「バイバイ」をしているように。

 食虫植物もあるので、それほど珍しいことではないのかもしれませんが、少しの間、この木を眺めていました。

 「万象」の中に「木と草はうごかず 人はうごく しかし うごかぬところへ行くためにうごくのだ」とあります。

 動かぬところへ行くまでの過程が人生。

 懸命に、無意識になるほど懸命に生きれているのだろうか……

 四十にして惑わずのはずが、五十にして反省ばかりの毎日です。

 しかし反省だけしていても変化は起りません。

 動かぬ木が動くくらいですから、駄目なところは今すぐ「バイバイ さようなら」です。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

芭蕉とシュルツ‐1802‐

 明日から6月に入ります。

 下旬には夏至を迎える訳で、日の出もどんどん早くなってきました。

 朝の7時頃にはそれなりの日差しとなり、街の景色はすでに昼色です。

 近所には多くの旧家が残っており、区画が大きい家も沢山あります。

 お寺が多いのは、この街が豊かだった証拠でしょう。

 この祠の横にある石をよく見ると、「弘法大使腰掛石」と掘られています。50歳になって初めて気づきました。

 よく見れば なずな花咲く 垣根かな

 芭蕉の中でも特に好きな一句です。

 全てはこちらの姿勢次第なのだと、いつも教えてくれるのです。

 旧家には蔵があるとことも多く、塀の上には忍び返しがあります。

 先端は細く、更に返しがあり、かなりの抑止効果がありそうです。 

 ちょっと注目してみると、形状も様々。

 こちらはやや太いストレート型。

 こちらはダブル返しのやや太め。

 この細さは、見ているだけでも恐ろしい感じがします。

 あくまで賊の視点に立った場合ですが、もし私が忍び返しを設計するなら、その気持ちにも多少なれなければなりません。

 先日、あるクライアントが「守谷さんところのwebサイト、ちょっと見難いですね」と教えてくれました。

 webサイトがPCで見るものから、スマホで見るものへと移行しているのは理解していましたが、改善を後回しにしていたことは否めません。

 こういったことをはっきり言ってくれる人は、本当に大切です。

 早速リニューアルに向けて動きだしました。

 耳痛い言葉にヒントがある

 スターバックスをここまで育て上げたハワード・シュルツの言葉です。

 彼はコーヒーの品質に拘っており、「コーヒー豆をプラスチックの容器に入れない」、「科学的な風味付けをしない」など、徹底していたと言います。

 カフェラテにシロップを入れることにも否定的なくらいでしたが、あるスタッフからコーヒーにミルクを合せて冷たい飲み物を作るべきだという案がでます。
 
 断固反対したのですが、共同経営者から「顧客の望むことは何でもするべきだ」という意見を受け入れ「フラペチーノ」が発売されます。

 そして、その年だけで5200万ドルを売り上げる大ヒット商品になりました。

 耳痛い意見を言ってくれる人に感謝するだけでなく、言って貰おうと思えば、その許容量があると思って貰わなければなりません。

  零細企業のトップはついそれを見失ってしまうのです。

 ハワード・シュルツの言葉は『人生はワンチャンス』から引きました。

 芭蕉の句も、シュルツの言葉も、大切なのは姿勢なのだと教えてくれるのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

川のほとりに咲いた花園‐1796‐

 アトリエmは8連休明けの月曜日です。4月末に告知した際は建築会社の監督からは「いいですねえ」と言われました。

 会社を休みにするのは事実なので、「長い休みで申し訳ないね」と詫びておきましたが、私達がずっと休みと言う訳でもありません。

 スタッフも何日か出てくれていますし、私も敷地調査へ行ったり大阪に戻ってきたり。今回トライしたワーケーションは、それなりに手応えはありましたが。 

 ゴールデンウィーク期間直前に緊急事態宣言がでたこともあり、予約を入れていたショールームから「グランフロントが休業になり……」と連絡がありました。

 それでバタバタとクライアントに連絡をし、予定の付け替えをしました。

 なのですが、大手住設機器メーカーからは連絡がなく、確認を入れると「オフィスタワーなので大丈夫です」と。

 そちらだけは回りましょうかと、再度クライアントに連絡を入れたのです。

 これだけ気候の良い時に、商業施設の休業は本当に堪えると思います。

 全店休業なのですが、道路として機能しているのか僅かながら人通りはありました。

 報道では、人通りがあまり減っていないという類のものが多いですが、JR大阪駅中央改札はこの通り。

 地下街では日本一の通行量と言われる阪神百貨店前も閑散としていました。

 大阪人としては、いささか寂しき気持ちになってしまうのが正直なところ。

 コロナ下の社会になり、新聞のコラム等で最も引用された話は、カミュの「ペスト」と、寺田寅彦の以下の言葉かなと思います。
 
 ものを怖がらなさ過ぎたり、怖がり過ぎたりするのは優しいが、正当に怖がることはなかなか難しい。
 
 ただこの感染症を封じ込めるのなら、医療関係の専門家の意見に従えば良いでしょうし、経済を優先するならそれらに全く耳を貸さないという選択肢になるのでしょう。

 その間にある「正当に怖がる」には人の気持ちが入っており、明確な答えがありません。

 スマホなりAIなりが答えを出してくれるものではないということを、何とか子供に伝えたいのですが、そこはいつも物別れに終わるのです。

 昨日は母の日で、子供達が学校帰りに待ち合わせをしてカーネーションを買ってきました。

 勿論のことですが、妻はかなり喜んでいたのです。

 この時期は庭先の紫蘭も花をつけ、我が家は何とも華やかです。

 物理学者であり、随筆家、俳人でもある寺田寅彦の言葉で、更に惹かれるものがありました。

 ケガを怖れる人は大工にはなれない。失敗を怖がる人は科学者にはなれない。科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である。

 この言葉の通り、作品も当然なががら血と汗の川の横にしか咲かない花です。

 しかし、血の川のほとりとは……

 ここ数年で聞いた言葉の中で、最も刺激的で、真理を射抜いた至言だと思ったのです。
 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

職遊一体ワーケーション‐1794‐

 今日、5月3日は憲法記念日。祝日の月曜日です。

 この日記を仕事と言うのか言わないかは微妙ですが、ワーケーションという言葉で許して貰えるでしょうか。

 常宿にしている、奈良県下北山村のきなりの郷に来ています。

 ワーケーションプランがあるのです。  

 今年も緊急事態宣言が出たので、もしかすると思っていましたが閉鎖にはなりませんでした。

 コロナ下の社会になり、キャンプ場やバンガローはかなり予約が取りづらくなりました。

 元旦の朝10時から電話を掛けるのですが、今年は繋がったのが昼過ぎだったと思います。

 長く来ているので、電話にでる人も声を聞けば誰か分かります。「元旦早々お疲れ様です」と伝えるのも恒例行事です。

 正当化するつもりはありませんが、チェックインの時だけは、村の人と少し接触しますが、温泉へは行かずに、併設されたシャワーで済ませます。

 チェックアウトもキーは部屋置きでよく、食糧も全て大阪で準備してきました。

 野外へ行くときは常に自炊なので、そのあたりも万全を期しているつもりではあります。

 普段からラップトップは持ってきていますが、今回は一週間滞在するので、ほぼフルセットです。無いのはプリンターくらいでしょうか。

 明日、家族と合流するので、仕事半分、休暇半分。で、ワーケーションなのです。 

 バンガローから遊歩道があるのは知っていましたが、普段は釣り一辺倒で行ったことがありません。

 昼食後に少し歩いてきました。

 新緑の中、気分は爽快ですがアップダウンが結構厳しい。

 キノコみたいなのがあったり。

 キノコみたいな展望台があったり。

  勝手知ったる池原ダムですが、上から見下ろす景色もなかなかです。

 椿島に、北ワンドに、小野岬。どこでも空で言える場所ばかりですが(笑)

 やはり気になるのはこっちです。

 ちょこちょことは行っているのですが。

 外出をしないに越したことはありません。また、外出を我慢している人が居ると思うと、申し訳ないという気持ちで一杯です。

 悩みましたが考えた末、苦肉の策としてひねり出したのがワーケーションです。

 ワーケーションとは、Work(仕事)とVacation(休暇)を合わせた造語。

 週に2回この日記を書くので、2004年からは常に遊びも仕事も一体となりました。

 今では、ホテルにfreeWi-Fiがあるのが普通ですが、当時はなかなか環境が揃わず、ガラケーから直接UPしたこともありす。

 長期休暇が取れた時は、何とか日記に穴を開けないよう何度もシュミレーションしたものですが、それも懐かしい思い出です。

 明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。

 随分前に糸井重里さんの「ほぼ日」で読んだ気がします。調べてみるとマハトマ・ガンジーの言葉でした。

 2004年の3月に「ほぼゲツモク日記」としてスタートしたのは、「ほぼ日」に刺激を受けてです。

 しかし、私は糸井重里さんではないので、「ほぼ」は外さなければ誰も読みに来てくれないと気づきました。

 それで2005年の10月に「ゲツモク日記」に。

 それ以来、職遊一体の生活が16年。ワーケーションは得意中の得意ですが、今後の社会を考えると、本格的に取り組むようになるのかもしれません。
 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

知れば知るほど恐ろしい……‐1783‐

 
 心斎橋から西へ3ブロックほど歩くと、ロイ・リキテンスタイン作の『OSAKA VICKI!』が見えてきます。

 クリスタ長堀の空調装置が入った建物があまりにも殺風景なので、地下街をプロデュースしたデザイナーが直接リキテンスタインへ依頼したそう。1997年のことです。

  アンディ・ウォーホールやキース・ヘリングと共にポップアートの第一人者だった彼に依頼した理由が「ここはアメリカ村の入り口。アメリカを象徴するものが必要だと思った」と。

 思わず笑ってしまいました。

 最近よく心斎橋界隈を歩きますが、結構古いビルが多いなと感じます。

 オーガニックビルから少し西へ行くと、昆布の老舗小倉屋がありました。

 小倉屋はオーガニックビルのオーナーですが、そのギャップに驚いてしまいました。

 難波神社の境内に入ると、急に空が開けます。

 お宮参りらしいご家族がいました。

 何となくですが、商売をされているのかなと想像します。
 

 紅の花は梅か桜か。

 いずれにしてもミナミで働く人たちにとっては、一服の清涼剤です。

 日曜日の産経新聞に、千葉公慈さんの書いた『知れば恐ろしい日本人の風習』が紹介されていました。

 「神」や「社」の「示(しめすへん)」は、供えた生贄の血が台座から滴るさまを表したそうです。赤や朱は邪気を払う色とされ、血の色をした小豆も珍重されました。いつか先祖供養と結びついたのが「彼岸にぼた餅」。

 腑に落ちたと同時に、知れば恐ろしい「示(しめすへん)」のいわれでした。
 

 先週で20日間のオープンデスクを完走した学生が、その感想を送ってくれました。

 5件の現場が同時進行中なので、荷物持ちに全現場へと連れて行きました。

 「3つの庭を持つコートハウス」は地鎮祭に。

 「The Longing House」は3回くらい連れて行ったはずです。

 背が高いので、何処に居ても直ぐ分かります。

 「おいでよhouse」は、竣工一歩手前まで見ることができたのを、とても喜んでいました。

 「H型プランの平屋」はほぼ全面RC打ち放しで、木造とは違った緊張感を感じたでしょう。

 竣工後に現場日記を公開する予定のフルリノベーション。

 手前味噌ですが、ここまでのリノベーションはそうありません。建築家を目指すなら、刺激的な景色だったはずです。

 彼の感想の中に、以下のような行がありました。

 初めて所長にお会いした際、所長はどこを切っても建築家の血がでてくるとおっしゃっていました。それを聞き私は、ここは戦場である、生半可では何も得れない、と思うと同時に必ず全力で戦おうと決意しました。

 どのような話をしたのか忘れたのですが「学生なので、全力で取り組めれば結果は問わない。ただ、ここは真剣勝負の場なので、ダラダラしていたり、皆の雰囲気に悪影響を与えるようなら辞めて貰うよ」とはいつも伝えます。

 アトリエmのwebサイトに「WORDS」というページを作っています。

 響いた言葉を、年1回程度UPするのですが、一番はじめの言葉は次の通りです。

 血が男に流れているかぎり不可能ということはない
 - D・バグリィ- 作家

 男であれ、女であれ、学生であれ、人として誰もが平等です。そのことは声高に叫ばれますが、仕事人として誰もが平等ではないことが、語られる機会はほぼ無いような気がします。

 ある程度の敬意を持って参加してくれる学生になら、そこは伝えてあげたいと思うし、伝えるのが私の役割だとも思っているのです。

 理由はありません。私が男で、建築家の血が流れているからなのだと思います。

 古代の間違った思想ですが、邪気を払うには生贄の血が必要と考えられました。間違ってはいますが、その思想が全く理解できなくもありません。

 成長や成功に労苦が伴わないことはまずないからです。

 ただそれなら、動物の命ではなく、自分の労苦によって全ては叶えられるべき。知れば知るほど、恐ろしい風習があったものです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

変わらぬ真理と、前時代のユーモア‐1781‐ 

 御堂筋はキタとミナミをつなぐ、大阪の目抜き通りです。

 都市計画的にも、この広さの道路が約4kmも伸びるのは珍しいと言われています。

 左に見えるのは難波神社です。

 難波神社のすぐ北にあるのが御堂筋ダイビル。

 元は1964年(昭和39年)に、現マツダの大阪支社として完成しました。竹中工務店の設計施工で、メタリックな外観が竣工当時は更に輝いていたでしょう。

 しかしながら、1階部分にバリケードが見えるように、建て替えが決まっています。

 御堂筋を北上し、本町通りとの交差点に建っているのが竹中工務店本店です。

 こちらは1965年(昭和40年)の完成で、御堂筋ダイビルがいかに尖っていたかが分かります。

 老朽化した建物は、補修をしながら使うか、立て替えることになるのですが、デザインを保存+増築という方法もあります。

 阪急百貨店と梅田阪急オフィスタワーがその例です。

 旧阪急百貨店のデザインを踏襲しながら、高層ビルを載せた感じ。

 フェスティバルホールも、同じような手法でしょう。

 建物が老朽化した後の運命は様々ですが、現在の阪急百貨店やフェスティバルホールにあまりポジティブな印象を受けないのは私だけでしょうか。 

 そんな事を考えていたら、ふとあの建物はどうなったのだろうと思い返しました。

 生野区にある源ヶ橋温泉に訪れたのは2012年の3月。9年前のことです。

 入浴とニューヨークを掛けて建つのが自由の女神像。その上にはシャチホコまで見えます。 

  元は橋があったのでしょう。

 この建物は、銭湯で初めて国の登録文化財に指定されました。

 建物の完成はは1937年(昭和12年)。当時の富豪が建てたもので、格子天井をはじめ、随所に遊びがみられます。

 番台に座る経営者のおばさんに色々教えてもらいました。

 先代が、昭和17年に買い取ったのですが、文化財とは言え、標識を一枚置いていくだけで、何かの指導があったり、補助があったりする訳ではないそう。

 この時代、銭湯は大変……と言っていました。

 この時も他に利用者は居らず、撮影も気持ち良くOKしてくれたのです。

 先程調べてみると、現在は閉館してしまったようです。何とかもう一度行っておけば良かったと悔いが残るのです。

 松本零士が描いた「銀河鉄道999」では、星野哲郎が無料で永遠の命を手に出来るという星を目指して、メーテルと旅をします。

 その結末は、機械人間のビスのひとつになることだったと分かり、命からがら逃げ出すというものだったと思います。

 何歳の時に見たのか忘れましたが、背筋が寒くなった記憶があります。

 と同時に、凄く納得した記憶もあります。そんな話がある訳がないと。

 私達人間もそうですが、永遠などありません。

 形あるものはいつか壊れますし、時間は有限です。だから、精一杯生きられるのです。

 本気でそう思うようになったのは、やはり人生の折り返し点、40歳を過ぎた頃でしょうか。

 もしそれが、少しでも早く分かっていたらと思い、子供達には何度も何度も伝えます。しかしスマホを片手にまさに馬耳東風……

 ただ、私はしつこいのです。嫌われたって平気ですし、馬の耳であろうが、豚の耳であろうが、繰り返し伝えます。

 あ、人を動物に例えるのはご法度でした。人の耳に念仏。人耳西風です。

 変わらぬ真理がある一方、前時代のユーモアって疑ってかかる必要があるのです。


■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

吽像のライオンに、安藤と渋沢をみる‐1775‐

 北浜と言えばやはり大阪証券取引所です。

 初代会頭となった五代友厚像とともに、北浜のランドマークとなっているのが難波橋のライオン像です。

 別名ライオン橋。
 
 阿(あ)と吽(うん)の石像2体が東西に鎮座します。

 阿像は、その咆哮が聞こえてきそうな程の迫力。
 

 橋の上から北西方向に見えるのは中央公会堂。その後ろには大阪市役所も見えます。

 ロマネスク様式のヴォールト屋根と、レンガ色と白のゼブラ柄が印象的。
 

 その向かいにあるのが京阪なにわ橋駅の入口。安藤忠雄の設計です。

 内部はガラスブロックが積まれており、夜間はライトアップされます。

 再びライオン橋のすぐそばまで戻ると、さらに2つの出入口があり、これらも安藤の設計。

 これら3つの出入口に囲まれる位置にあるのが「こども本の森 中之島」です。

 高速道路からは見えていましたが、訪れたのは初めて。

 東西に延び、北へ向かって緩やかに湾曲しているのが分かります。

 エントランス西面の壁には模型が飾られていました。

 大阪市役所、中之島図書館、中央公会堂、東洋陶磁美術館の東隣に、木で製作されたこの図書館が見てとれます。

 まさに大阪の中心に建つこの建物は、安藤忠雄が寄贈したもの。  

 館の趣旨として、とにかく子供を優先したいとあるので、内部見学はもう少し先にします。

 入口にはバギーが沢山止まっていました。

 開口からのぞくと、安藤の希望通り小さなお子さんを連れた家族が見えました。

 そして、兵庫県立美術館にもあった「青いりんご」も。

 サミュエル・ウルマンの詩「青春とは人生のある期間ではない。心のありようなのだ」から着想したのがこのオブジェです。

 私が22歳で私がこの世界に入った時、安藤が丁度今の私と同じ年齢だったことになります。

 まさに乗りに乗っていた時期で、天保山のサントリーミュージアム、兵庫県立木の殿堂など、年にいくつも大きな作品を発表していました。

 一方、私が勤めていた設計事務所の所長は「建築家はクライアントの太鼓持ちみたいなものだから」と言っていました。多くの建築家から「この仕事は儲からないから」という言葉も聞きました。

 しかし、安藤はこの図書館を始め、合計3件の図書館を寄贈すると言います。利益がでていなければ、寄贈も寄付も勿論できません。

 若い頃からずっと、この違いは一体何なのだろうと思っていました。

 今は、志の違いだとはっきり分かります。

 安藤も響いたという、私も大好きなウルマンの詩にもこうあります。

 「希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる」

 安藤が鉄鋼王カーネギーが図書館を寄贈する姿を見て図書館を寄贈したいと思ったそうです。

 同じように、私も安藤の背中を追って働いてきました。

 まだ自分の家さえ建てていませんが、高い志を持ち、図書館を寄贈できるまで身を粉にして働く覚悟です。

 大阪証券取引所の初代会頭は五代友厚ですが、それを後援したのが、次の1万円札となる渋沢栄一です。

 渋沢は「道徳経済合一」を説きました。論語と算盤は両立できる、またさせなければならないのです。

 誰よりも働いているのに、全く利益がでない。この世の中はそんな理不尽なものではないはずです。

 阿像の対となっている吽像のライオンは口を閉ざしていますが、吽(うん)はその上で漏れた音を指すそう。

 なのに今日もベラベラと書いてしまいました。男は歯を食いしばって結果をだすだけなのに。
 
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

オープンデスク日本一‐1773‐

 昨日は大阪でも小雪がちらつき、今日は氷点下を記録したようです。

 しかし一昨日は暖かく、一日現場を回っていました。

 先週からオープンデスクに参加している21歳の学生君も一緒に連れて行きました。

 この環境下で、行動を起こす勇気や良し、です。将来の自分の仕事にするべきかと、真剣に現場を見ていました。

 1件目は、まだ現場日記に公開していないリノベーション計画。

 これまでも劇的に風景を変えてきたつもりですが、こちらの計画もなかなかに歯ごたえがあります。詳細についてはまた追々。 

 2件目は、新築計画の現場まで20分程移動しました。

 こちらは間もなく現場日記にUPするつもりですが、現在解体工事が始まったところです。
 

 内部をのぞくと、土壁の下地、小舞が置いてありました。 

 50年前の人の手跡を感じるのです。

 奈良盆地から、生駒山地の北端を走る163号線で大阪平野に戻りました。

 そのまま「かやしま写真スタジオOhana」へ向かいます。

  Ohanaは残念ながら道路計画によって収容となることが決まっています。
 
 数年前からそれは聞いていたのですが、昨年の初めから本格的に建て替え計画を進めていました。

 ウクレレ大好き、カメラマンの石井さんも現Ohanaが大好きだと言ってくれます。

 寂しいのは寂しいですが、前に進んで行くしかありません。いよいよ新Ohanaの競争見積りに入りました。

 それで、新敷地をスタッフと再度確認しに寄った次第です。

 4つ目の現場へ向かう途中、門真のPanasonic本社前を通りました。

 創業者、松下幸之助翁の銅像が見えます。

 創業100年の2018年にオープンしたパナソニックミュージアムが面白いと聞いているのですが、日曜が休館日につき未だ訪れたことがなく……

 新Ohanaの工事中に、何とか訪れたいと思っているのです。

 隣あうさくら広場は安藤忠雄の設計だったはず。

 満開の時期なら尚楽しいでしょう。

 淀川を渡り、「The Longing House」の現場に到着しました。

 こちらでは、電気設備の位置決め最終回。

 学生君にも手伝って貰い、みっちり4時間の打合せを終えたのが18時。

 体の頑丈さには自信がありますが、帰りの車では少し眠かった。電車移動なら昼寝が出来ますが、車はそれが出来ないのが難点です。
 
 21歳の時、自分の将来をどう考えていたのだろうと思い出してみます。

 高校生の時に、建築家として生きて行きたいと決めたので、職業は決めていました。

 ただ、具体的に誰に師事したいかなどは、明確なイメージを持てていませんでした。それで、父の友人に紹介して貰った建築家の下へ弟子入りするのですが、これが完全に失敗でした。

 自分の意思で決めた訳ではないので、言い訳が先に立つのです。

 「でも……」「だけど……」「仕方がない……」

 全部NGです。

 以来、悔いのない決断をすることを心掛けてきたつもりなので、この話はオープンデスク生によくしています。

 学生君が「所長から、ネガティブな言葉は聞いたことがないですね」と言ってくれました。

 それはそうです。特にりっしんべんに亡くなるという日本語は絶対使わないようにしています。英語で言えば ”busy” のあれ。(英語はOKということではないのですが)

 ハリー・ポッターで言えば「ヴォルデモート」みたいなもので、使えば使う度、心を亡くしていくと教えて貰ったからです。

 以前は嘆いてばかりでしたが、全ては仕事が教えてくれました。嘆いていても誰も助けてくれませんし、それなら一つでも二つでも手を打つべきです。

 今、Yahoo!で「オープンデスク」と検索すると当社は6位にでてきました。一時は1位だったので、よく「オープンデスク日本一」と言っていたものです。

 どんなことでもそうですが、誰かが必ず一番になります。私がその一番に絶対なれないという法律はありません。そんな気持ちで、いつも自分を、チームを鼓舞してきました。

 失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れたい。
-松下幸之助- パナソニック創業者

 さあオープンデスク君、どちらが真剣か、僕と真剣勝負だ。何せウチは、オープンデスク日本一だから。

 こんな感じが嫌いでない学生は遠慮なく応募下さい。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

続・幸福論「笑うからしあわせ」‐1772‐

 通りがかった庭先から、ナンテンが顔を出していました。

 これだけ立派なものはなかなかお目に掛かりません。


 「難を転じるからナンテン」

 鬼門封じが駄洒落ですから、日本人も逞しいものです。

 二十四節気は中国の暦のようなもので、1年を24等分して季節を表す名前が付けられています。

 等分だとは分かっていませんでした。

 2月の初めには「節分」があったので、次は15日後の「雨水」です。 

 「雨水」は雪から雨に変わる頃という意味で、春を表す季語としても使われます。

 娘の誕生日もこの時期で、ささやかながら家族でお祝いしたのです。 

 最近はめっきり減ったのですが、「コメントがあった」とブログのシステムが知らせてくれました。

 久し振りだなと思い見に行くと中條先生からでした。

 中條先生は高槻中学・高校で国語を教えて下さった恩師で、昨年6月に『蒼穹』(そうきゅう)という句集を出版されました。

 ご連絡頂いたお礼に、私も著書を送らせて頂きましたが再読して下さったとのこと。

 ここまで褒めて貰ったことは、これまでの人生でもちょっと思いつきません。

中学二年生で初めて会った当時野球部の
生徒さんは今… 「ゲツモク日記」という
とても上質(上から目線でごめんなさい)
なブログを毎週月曜日と木曜日に更新し
続けています… 上記最新記事は花の画像
から始まっています… 仕事のプロは仕事
以外を語るプロでもある… いい文章です。


 私は人を褒めるのが得意ではありません。

 それは、中学生以降の人生でほぼ褒めて貰ったことが無かったからだということは自覚しています。

 親からすれば「褒めるようなことがひとつも無かった」と言われれば全くその通りで、返す言葉もありません。

 また、スタッフにしても子供にしても、素晴らしいと思えば最大限の賛辞を贈りますが、褒めて育てるという気持ちもあまり持っていません。

 嘘っぽい言葉を発するのも嫌ですし、それで本当の成長があるとも思えないからです。

 ただ、言葉の専門家に褒めて頂くのがこれ程嬉しいことなら、考え方を少し改めなければなりません(笑)
 

 先生もアランの『幸福論』を取り上げて下さったので、よく知られた行ですが引用してみたいと思います。

 幼な子がはじめて笑うとき、その笑いは何ひとつ表現していないのだ。しあわせだから笑っているのではない。むしろぼくは、笑うからしあわせなのだと言いたい。幼な子は笑って楽しんでいるのである。ちょうど食べて楽しむのと同じように。

-アラン- 哲学者

 アランは特に難しいことは記していません。かつ押しつけがましいところもないのが素晴らしいのです。

 しかし規則をつくりたいと書いています。

 「ほんとうの生き方」の中に、ぼくは「楽しませるべし」という規則を入れたい。

 アランのよく知る男の言葉として紹介されていますが、彼はこの規則によって、自分の性格までもつくり変えてしまったそうです。

 嘘を言わないで卑劣にもならないで、機会が訪れる度いつも楽しませる。

 「仕事というのは、サービス精神を忘れたらおしまい」という、松本人志の言葉とも重なるのです。

 教え子の教え子になる雨水かな
 
 今回、先生がピックアップして下さったのは、以前も触れようか、触れまいか迷った句でした。

 雪が雨になるという季語から、教え子からも教えられることがあると、心が融解していく様を詠んだものでしょうか。

 時期なのか年齢なのか、もしくはその両方なのか。要らない拘りが融けて行く。そんな実感は私にもあるのです。

 
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記