ブランド(brand)の語源は「焼印からきている」と、「試験によくでる英単語」にあったはずです。
諸説あるようですが、やはり牛に焼印を押す(Burned)から派生したというのが、有力のよう。
銀座でのプロジェクトは、かなり高額なものを売る店舗のデザインです。
それで、いわゆる高級ブランド店を見て回る事になりました。
リニューアルしたばかりの銀座松屋のルイ・ヴィトン。外装のデザインは青木淳、内装はピーター・マリノ。
中央通りを隔て、向いにあるのがカルティエとシャネル。
カルティエは外観がシルヴァン・デュビュイッソン、内装が ブルーノ・モワナー。
晴海通りのディオールは外装が乾久美子で、内装はまたまたピーター・マリノ。ピーター・マリノの独壇場です。
空間興味で入る事はあっても、あまりこのような店には入りません。どちらかと言えば、建築家・石井和紘が言った「モノを持たずに空間を持て」という言葉に惹かれるからです。
しかし、じっくり見るからには、それでは辻褄が合いません。
で、「結婚10年目のプレゼントを探す」という、仮のテーマを設定しました。すると会話も至ってスムーズ。
銀座界隈のショップを6件回ったのですが、4時間掛かりました。
中でも、応対が丁寧だったのがブルガリ。
ルイ・ヴィトンの北隣にあり、店舗デザインは本国からの指示通りとのこと。しかし、出てきた飲み物にもストーリーがあり、ブランドの生い立ち、強味、ポリシー等、熱心に語ってくれます。
夫妻で時計にされてはと、まず紳士物の時計を出してくれました。260万円を手首に巻いたとき、かなり心を揺さぶられるものもあり……
まじまじとダイヤのネックレスを見ると、やはり非常に美しいものだな、とも。その晩は東京泊。安い夕食を食べながら「あのくらいのバックならありえるのかもな」と少し思う私。
大阪に戻り、そんな話を妻にすると「本当に買ってくれてもいいよ」と。
完全冷やかしでは店員さんも気合が入らないと思い、仮のテーマを設定しました。しかし、丁度この秋で10年目でした。
その位かもな、とは思っていたのですが、あながち冷やかしでは無かったのかもしれません。
美しさの本質を見抜く、審美眼を持っていたいと思います。しかしブランドは、ある一定ライン以上を担保するものでもあります。
この歳にして、もしかするとブランドの魅魔力を知ったのか……