タグ別アーカイブ: 一級建築士事務所

通称・森ノ宮、仮名(けみょう)・太郎‐2219‐

JR森ノ宮駅の西向かいにある、鵲森宮(かささぎもりのみや)。

通称、森ノ宮神社とあります。

鳥居をくぐると、すぐに解説がありました。

聖徳太子によって創設され、日本書紀にも登場する由緒ある神社です。

現在は、聖徳太子とその両親である用明天皇、穴穂部間人皇后を祀る日本で唯一の神社とありました。

聖徳太子の命による使者が、新羅への使者が、鵲(かささぎ)2羽を持ち帰ってこちらで飼ったことから、鵲森宮(かささぎもりのみや)となったのです。

かささぎの わたせる橋におく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける

境内には、百人一首にも選ばれた大伴家持の歌碑もありました。かささぎ繋がりなのでしょう。

通称の方が広まり、このあたりを「森ノ宮」と呼ぶようになったのです。

日本では、通称のほうが一般的だったり、地名と神社が、同じ音にもかかわらず、他の漢字があてられていることが結構あります。

「お初天神」などもそのひとつですが、以前から何故なのだろうと思っていました。

ここからは私の仮説ですが、「諱(いみな)」という習慣が関わっているのかもしれません。

「諱」は 生前の実名を指し、普段使われる名まえを「字(あざ)」と呼び、区別していたようです。

また、普段「諱」を使うことを避けるため、江戸時代以前には、仮名(けみょう)を使うことが一般的だったようです。

生まれた順番に、太郎、次郎~九郎などと呼ぶ習慣です。

官職にちなんだ「〜兵衛」「〜左衛門」「〜右衛門」なども、同じような理由によるものでした。

調べてみると色々な説がでてきましたが、「諱」(=本当の名前)で呼ぶことは失礼にあたるというのが、何とも日本らしいなと感じたのです。

ただ、その感覚は少し分かるような気もします。目上の人を苗字で呼ばず、役職で呼びがちなのも似たようなものかもしれません。

敬意を示すがゆえに、その名前を呼ばない。

ここまで奥ゆかしいと、呆れるのを通り越して様式美さえ感じます。

あくまで仮説ですが、席は自由で社長ではなく〇〇さんと呼んで欲しい会社とはマッチしないでしょう。

さてどちらが良いのか。当社におけるその結論は、もう少し悩ませてください。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

知恵と無いお金を振り絞って、家具選び‐2218‐

日曜日は万博の予約をしていましたが、雨予報を見て延期。

結局、天気は好転しましたが、キャンセル済みだったので、心斎橋あたりで家具を見て回ることにしました。

アトリエから長堀通を西へ向かうと、色々な店があります。

松屋町まではかなり下っていて、景色に変化があって楽しいのです。

松屋町筋は人形が有名ですが、この時期は花火も沢山売られていました。

まずは、堺筋から2ブロック西にあるリーン・ロゼショップへ。

フランスのブランドですが、シャープなチェアもありました。

そのまま心斎橋筋を越え。

御堂筋の西側にあるカッシーナまでやってきました。

入口では、ル・コルビュジエらによるデザインのLC1、スリングチェアが出迎えてくれます。

現在、カッシーナのサイトでは「LC~」という表記はありません。

1928年の発表ですが、おそらく権利の問題なのだと思います。

奥には、茶色のLC2。

そしてLC4ことシェーズロング。

空間を邪魔せず、主張があり、何より快適なのが、世界で愛される理由でしょう。

寝心地は抜群です。

2階にはキャブのアームチェア。

こちらは、「seiundo」で採用しました。

しかし住宅のダイニング用ならノーマルなキャブでしょう。

マリオ・ベリーニが1977年に発表した傑作です。

スチールのフレームに革のジャケットを被せるという発想が、男子の心をとらえて離さないのです。

こちらはトーマス・リートフェルトの名作、1934年発表のジグザグ。

以前は、レッドアンドブルーの展示もありました。独特の形状ですが、結構座り心地が良い事に驚いたものです。

チャールズ・レニー・マッキントッシュがヒルハウスのためにデザインしたラダーバックチェア。

1902年の発表です。

建築の教科書にでてくるようなチェアが実際に販売されています。

なので金額は勿論それなりです。

その後、歩道が広くなった御堂筋を南にくだります。

千日前通すぐ北のボーコンセプトまで回ってきました。

色々な住宅、オフィス、商業施設で家具をセレクトしてきました。

しかし今回、自宅の家具を決めなければなりません。

実は、子供の勉強机とチェアだけは11年前にすでに購入済みです。

Vitraの.04(ゼロ・フォー)をセレクトしました。

長男は机だけ東京に持っていき、チェアはこちらに置いています。この時も、かなり悩みました。

チェアやデスクが実際に触れるもの。出所の知れた、本物を選ぶに越したことはありません。

しかし、それらは先に書いたとおり「それなり」のお値段です。

自邸に何を選ぶのか……

自分でデザインする場合を除けば、ある意味、建築家にとっては究極の選択を迫られているようなものです。

知恵と無いお金を振り絞って、決断したいと思います。

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■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

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鮮やか弁当の、美しさと品質‐2217‐

上町周辺は、住宅地と商業地が入り混じっている感じですが、結構公園があります。

藤棚の藤が満開でした。

日本、中国で紫は高貴な色とされますが、甘い匂いにも品を感じるのは私だけでしょうか。

チューリップも公園に彩を添えていました。

普段、昼食は妻に作って貰った弁当です。

少し前ですが、「たまには買った弁当でも」となりました。

すぐ近所に、「2階のべんとう屋さん 上町店」という店を見つけていたのもあります。

値段は1000円ちょっとから。

普段使いとしては少し高めでしょうか。

ちょっと贅沢してみました。

・2階のわっぱ弁当 ¥1100

・チキン南蛮&おかず達 カリカリ梅ひじきごはん ¥ 1170

どちらも彩が鮮やかで、紫の付け合わせが印象的です。

なのですが、チキン南蛮に掛かっていた紫のタルタルソースをみて、少しだけ「ん!」と思ったのも事実です。一瞬、見た目重視なのかなと思ったのです。

しかし、全くの杞憂に終わりました。

見た目を軽く上回るくらい、全ての品が美味しかった。特に、明太子がちょっと乗った出汁巻きは素晴らしかったです。

店員さんに聞くと、毎日本店から運んできているので、売切れ次第終了とのこと。

「2階のべんとう屋さん」は、大阪府大阪狭山市の金剛駅前にありました。

「2階」というハンディを名前に入れ、努力、工夫を重ねてきたのでしょう。下手な料亭に行くより美味しいのでは、と思ったのです。

美しさと品質。

建築も全く同じことを問われます。

昨年の9月にオープンした「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」は、5社によるコンペでした。

そのコンペになる前には、医療専門の会社からも計画案が出されていました。

誰の意見か忘れましたが、「あまりお洒落すぎると、年配の方が敬遠するのでは」というものがありました。

その意見に、私は真っ向から反対しました。

「本当に美味しい料理なら、見た目が美しすぎるからと言って、食べたくないとはならないと思います」と。

そんな空間を創るのが私の仕事で、人生の目的です。

それが出来たのか、出来なかったのかは10年後に分かるのだと思いますが、そう思わないことには何も始まりません。

今日もホームランを打った大谷翔平選手の言葉を借りるなら、ヒリヒリした真剣勝負こそが、それを実現する唯一の方法だと思うのです。


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続・梅田ダンジョン④<大阪駅前第1ビル地下2階は設計ミス?編>‐2216‐

昨日の日曜日は、自転車で梅田へ。

大阪城の西側にある大阪府警察本部の前を横切り、谷町筋へ向かってゆるやかに下ります。

庁舎は2008年の完成で、設計は黒川紀章。

黒川は2007年に亡くなっているので、完成を見ていないのです。

天神橋を渡り、大川の北側にでます。

天満橋のOMMビルが東に見えていますが、このビルがランドマークになっているのがよく分かります。

西にキタのビル群が近づいてきました。

このあたりが丁度真ん中です。

2号線沿い、大阪駅前第3ビルの南側までやってきました。

のんびり走って20分くらいだったでしょうか。

目的は釣り道具の補充でした。

平野からは、フィッシングエイト本店に通っていましが、上町からはここが一番近い系列店になります。

第3ビルの西隣は第2ビルです。

「seven dreamers Umeda Osaka」は、2019年の経営破綻で閉鎖されました。

その場所を訪れると、現在はクリニックが入っていました。

渾身の仕事だっただけに寂しいことですが、致し方ありません。

丁度、動画をUPしたところだったので、ここにも貼っておきます。

はす向かいにあった大阪マルビル跡も、関西万博会場行きのバスターミナルになっています。

昨年の2月に、梅田ダンジョン①<大阪駅前ビル編>を書いた時には解体中だったマルビル。

時代の趨勢は誰にも止められないことを実感するのです。

ですが、昭和の香り漂う第1ビルの地下2階で、昼食でも取ろうと店を探してみます。

第1ビルの地下2階だけ天井がかなり低く、通路が極めて狭いのには訳があります。

元々、地下2階は倉庫等に使う予定で、店舗用には設計されていないのです。

しかも、JR大阪駅からは地下1階で接続する予定だったのを、後で地下2階で接続するよう計画が変更されました。

大阪駅と繋がるディアモール大阪の勾配が、かなり急で長いのはそのせいです。

梅田界隈は地盤が弱く、広大な地下街を作るには強度の問題から、より深くする必要があると後で分かったからのようです。

それを証明するように、第1ビルの地下2階は、大阪駅に最も近い北側中央には空間がありません。

店舗にするなら、その場所こそが最も人が訪れるのは間違いないのに、です。

第2ビルの地下2階で、日曜日にも関わらず定食を750円や800円で出している店を見つけました。

「金明飯店」の麻婆麺ミニ炒飯セットは800円。

豪華とは言いませんが、金額を考えるとかなりお得で、十分美味しかったです。

3回シリーズで一旦終わった「梅田ダンジョン」シリーズ。

またネタがあれば、「続・梅田ダンジョン」シリーズでUPしてみたいと思います。

昨日は母の日。

妻に長男からこんなLINEが届きました。

20歳になった長男から、こんなプレゼントがある訳ですから、時代が変わっていくのは必然で、昭和は遠い昔になっていきます。

少し寂しさを感じたあなたは、 大阪駅前第1ビル第2ビル の地下2階へどうぞ。

ほぼタイムマシンですから。

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私の根っこはどこに‐2215‐

2025年のゴールデンウイークも終わりました。

私にとっての初日は5月3日(土)、憲法記念日でした。

この日は久しぶりの三宮へ。

懐かしの阪急三宮の西口を出て、いくたロードを北にワンブロック上がります。

神戸らしい景色で、何だか得をした気分になるのです。

西の裏路地にある「ひつじの一休」が集合場所でした。

その名の通り、ラム肉の専門店です。

中高の映画研究部、通称「映研」の3人会に混ぜてもらいました。

1人は同じバンドのメンバーだったのが縁で、声を掛けてくれたのです。

店を聞いた時「ラム肉とはしぶいセレクトだなあ」と思っていましたが、抜群に美味しかったです。

一番はこのラムチョップ。

これだけが「時価」となっていましたが、びっくりするような値段ではなかったと思います。

もし行くなら、これは頼んだ方が良いと思います。

「映研」の3人は本当に仲が良く、羨ましいくらい。

文化祭の時に、深夜まで掛かって作品を作ったことを、本当に楽しそうに話していました。

そのタイトルは「ブレス・オブ・サタン」。

内容は忘れてしまいましたが、私がタイトルを覚えているのが凄いとも言えるのです。

幹事役をしてくれたH君が連れて行ってくれた2軒目は「金山園」。

お勧めの「汁ビーフン」でこの日の会を締めました。

「根っこがあるのは羨ましいよなあ」と思っていたら、随分前の「北予備の行方」という記事に、コメントがついていました。

昨日のことですが、私が大阪北予備校を卒業したのは1990年。

コメントしてくれた方は1984年とあるので6つ先輩です。

残念ながら北予備はマンションに変わってしまいましたが、私の記事にシンパシーを感じて貰えたなら、本当に嬉しい限りです。

確固たるものが何も無い時間の拠り所として、 北予備はとても良かったのだと私も思うのです。

昨年の年始に、長男を連れて西宮市山口町にある、美與志堂(みよしどう)まで行ってきたと書きました。

「縁あって去年の6月にラーメン屋になりました」というコメントに衝撃を受けて、です。

衝撃は受けたのですが、何より予備校時代の仲間に久し振りに会いたいと思ったのが一番の動機でした。

訪問時に、彼の定休日前の夜に、必ず飲みに行こうと約束し、連絡ができずにすでに1年4ヵ月が経過。

本当に言うだけ番長です。

この1年4ヵ月の間に、有りすぎるくらい、色々なことがあったのですが、言い訳に過ぎません。

ただ、今度は本当に実行に移したいと思います。でなければ、今、何とか分かっている連絡先も、いつか分からなくなってしまうかもしません。

「私の根っこはどこにあるのだろう」と考えます。

できの良かった小学校?できの悪かった中学高校?大阪北予備校?出稽古のように通った甲南大学スキー部?それともマグロ大学?

答えはいつも霧の中なのです。

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コロナも、169号線の通行止めも乗り越え、何とか再訪、池原ダム‐2214‐

ゴールデンウィーク後半は、昨年の8月以来の池原ダムへ。

約9ヵ月振りですが、5月らしい天気になりました。

トボトスロープでボートを降ろすと、知った顔も見かけ、なんだかホッとするのです。

「下北山村の古民家〈リノベーション〉」も、9月以来ですが少しのぞいてきました。

黒の外観が、新緑に映えています。

外から見せてもらうだけで、と伝えていたのですが、アイスコーヒーをごちそうになりました。

ご主人から、奥さんへデロンギのコーヒーメーカーをサプライズでプレゼントする際の相談は受けていたのですが、金額は分かっていませんでした。

最上位機種だったそうで、その辺のカフェなら負けないくらい美味しかったのです。

裏の物置が無くなり、石垣がいい感じです。

と言っていたら、晩御飯までごちそうになることに……

何と、昨年の9月に続いて私が最も好きなエビフライ。

そしてチヂミまで。

ご主人は飲まないのに、ビールを2本も頂いてしまいました。

当然ですが飲酒運転は厳禁。

車中泊して、朝一番からポイントへ急行です。

季節的には最上流を一応チェックします。

魚は見えますが、透明度が高いだけになかなか口は使ってくれません。

防水カメラを買ったので、水中も撮ってみます。

ジンクリアの美しさがいまいち伝わらず……

これから使い方を工夫してみようと思います。

実は、前日も少しだけ湖上に出たのですが、なかなか厳しい感じでしたs。

サイズはともかく、何とか早い時間帯に1本獲ることができました。

ただサイズはあがらず……

昼休憩をはさんで、昼からは大物狙いに。

何とかかんとか47cmを1本獲ることができました。

午前中に当たりをつけていたエリアでした。

バスフィッシングは、自分の読みが当たったとき、最高に気分が良いのです。

しかし、久し振りだったのでかなり疲れました。

早めにバンガローに戻り、この日記を書きました。

「下北山村の古民家〈リノベーション〉」 は、丁度コロナをまたいでの計画になりました。

コロナによる計画のスローダウン、ワーケーション+現場監理、169号線の通行止めによる十津川村へ迂回……

本当に色々なことがありました。

この計画の相談を受けた時、「下手な仕事をしたら、一生池原ダムに来れないかも……」などと考えましたが、何とか杞憂に終わってくれました。

30年通った、バスフィッシングの聖地、池原ダム。

自宅が中途半端なこともあり、なかなか腰が重かったのですが、来てみるとやはりここが好きなんだなと分かります。

明日は雨のようですが、午前中だけ釣って帰ろうと思います。

皆さんもよきゴールデンウィークを。

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必見、世界遺産・二条城での アンゼルム・キーファー展‐2213‐

4月29日は昭和の日。

二条城で開催中の アンゼルム・キーファーの展覧会へ行ってきました。

東大手門にの前にも案内がでていました。

正確には「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展

「ラー」  940×950cm  2019年

受付を過ぎると、いきなり巨大なオブジェ「ラー」が現れます。

パレットから羽が生えている!

9.4m×9.5mとサイズ感も圧倒的でした。

アンゼルム・キーファーは1945年、ドイツ生まれの80歳。

現代で最も重要な重要なアーティストの1人と紹介されていました。

ナチス、戦争、神話と作品のモチーフは変化しますが、ヘビも色々な所に登場しています。

二条城、二の丸御殿台所・御清所に入っていきます。

「オクタビオ・パスのために」380×950cm 2024年

キャンパスに岩石などを貼りつけ、立体的な作品です。

この作品は、この展示会のために製作した作品で、原爆投下が題材です。

詩人、オクタビオ・パスの詩が引用されています。

またゴッホにも影響を受けているという点も納得できます。

「ボソン開放弦」 280×380cm 2023年

キーファーは、この展示会で会場となる二条城にある狩野派による障壁画にもインスパイアされ、金を多用したようです。

谷崎潤一郎は「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」の中で、軒の深い日本家屋の奥深くで、金襖や金屏風がほのかに光るさまに、美を見出しました。

その精神性は、かなり日本人に近いのかもしれません。

「ダナエ」 242×120×91cm 2018-24年

今回の展示は、本格的な照明設備が設置できないので、基本は自然光です。

それが、より金色の輝きを際立たせています。

ダナエはギリシャ神話に登場する、美貌の女王。

クリムトも同じタイトルの傑作があります。

その淫靡な空気感や、金色の使い方はクリムトの影響も受けているのかもしれません。

「ウルズ、ヴェルザンディ、スクルド−ノルンたち」 210×121×50cm 2014年

「ウルズ、ヴェルザンディ、スクルド−ノルン」は、北欧神話の最も有名な女神の3姉妹でした。

電線に使われる碍子(がいし)をワイヤーで縛ったもので、なぜ女神たちを表現したかったか分かりませんが、そんなことを、スマホでいちいち調べながら見て回りました。

アートに浸る時、そういった機器は邪魔になると考えていましたが、今回は全く逆でした。

会場に入ると、QRコードで作品リストがダウンロードできるのです。

それを見ながら、かつ調べながら観て回るのは極めて楽しかったのです。

「マアト=アニ」 188×150×124cm 2018‐24年

極めつけはこの作品。

「マアト」は古代エジプトの「法」「真理」「正義」を司る女神のようでした。

「アニ」はテーベの書記官とありました。

石膏のドレスの上で、分銅と羽が釣り合っているというこの構図。

土間での展示だったので、風が吹きこみ、羽が舞い上がった時にその意図がある程度理解できたのです。

作品であり、もうエンターテイメントです。

「モーゲンソー計画」 部屋いっぱい 2025年

戦後、アメリカの主導により、荒廃したドイツを農業国化するという「モーゲンソー計画」。

部屋いっぱいに砂が敷き詰められ、麦畑があらわれました。

そして、一番奥まで行くと、国宝、二の丸御殿との間の中庭にも、数多くの作品がありました。

これだけ面白かった展示会はなかなか経験がありません。

会場は、二条城とだけ書きましたが、正確に書くと、重要文化財「台所/御清所(おきよどころ)」です。

要するに、台所なのです。

天井はこの小屋組みです。

また、クリムトに同題があるといった「ダナエ」の奥に見える台は、見張り台のようです。

そこで、毒が混入されないように見張っていたとのこと。

アンゼルム・キーファーの極上のアートと、徳川の威光にもうお腹一杯でした。

この後、京都を散策したのですが、それはまた機会があれば書いてみたいと思います。

「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展、控えめに言って最高でした。

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見てるだけ~‐2212‐

1週間前はつぼみ混じりだったツツジもすっかり満開です。

合わせるようにハナミズキも。

周辺のマンションは、植栽に多くの面積を割いている建物が多いです。

マンションは緑化が義務付けられていますが、街に緑が増えるのはとてもよいことです。

最長11連休というゴールデンウイークが始まりました。

休みの日に、魚が食べたいなと思い立つと、海沿いの産直市場的な所へは色々行きました。

お肉が安い所ってないのかなと探してみると……ありました。

大阪市生野区巽南2丁目1−1にある「肉のはや志」。

位置的には東部中央卸売市場のすぐ東です。

業務用ミートセンターとありますが、一般の人も全く問題ありません。

リサーチ通り安い!

タンはスライスと共にブロックもあります。

「すじ肉のみのお買い上げは御遠慮ください」というくらい安いのでしょう。

1160円の半額ということは、ステーキ1枚580円!

ただ、本日はモツ鍋とのことでシマ腸以外は全て却下。

現在、仮住まい中につき冷蔵庫が小さく、当日食べられる量しか買えないのです。

豚の頭まで売っていました。

なんと2000円。

週末まで残っているのは珍しいそうです。

「見てるだけ~」というカタログショッピングのCMがありましたが、調べてみると30年前でした。

住居部未完成につき、食料最少、服も家具もまだ購入できません。

豚の頭はそれで十分ですが、1ヶ月半「見てるだけ~」の生活が続いているのです。

少しずつ、少しずつ進んでいる「上町のアトリエ付き住宅 〈リノベーション〉」ですが、ささやかな夢があります。

それは七輪で、ひとり焼肉をすること。

そのために、屋上のある古ビルを探していたと言っても過言ではありません。

「肉のはや志」 で、 ステーキ、バラ、タンを大量に買って、思う存分焼いて、思う存分食べてやる。

それが叶ったらどれだけ幸せか……

とても54歳の夢とは思えませんが、これが本当に、今現在の私の夢なのです。

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そこは快速の列、こっちが新快速の列‐2211‐

今日は第4木曜日なので、「ささき整形外科クリニック」リハビリ棟増築計画の定例会議でした。

会議が始まるまで現場を見て回りますが、4階まで上がると風がとても心地良い。

周辺の小高い丘も、緑がいっそう濃くなってきました。

JR大阪駅から姫路までは新快速での移動です。

打合せの予習をしながらも、うららかな景色と日差しに、ついウトウトしてしまいます。

ここ数年、インバウンドによって日本の景色がかなり変わりました。

今年になってから、更に加速した気がします。

姫路へ向かう車内は、3割くらいが外国人のこともあります。

帰りは、3駅西の網干駅から乗ることもあるのですが、先日は、その車内がすでに外国人で溢れていました。

網干より西と言えば、相生でカキを食べてきたのか、備前で焼き物を体験してきたのか、岡山から大阪へ戻る途中なのか……

これまで、インバウンド客をあまり見ることが無かった街にも、多くの外国人が訪れています。

観光立国を目指す日本としては、喜ばしい限りです。

大阪駅では、新快速のために並ぶ列と、快速のために並ぶ列が、マークと色で区分けされています。

姫路までは新快速で1時間掛かるので、少し早めに行って並ぶことにしています。

すぐ横に快速用の列がありますが、日本人でも間違っている人が居るくらいなので、外国人の多くは「こっちが空いてるわ」くらいの感じで、そちらに並ぶことが多いのです。

新快速が到着すると、乗車口の左右に分かれ、降車客を待ってから乗ることになります。

私が乗車口の左に行こうとすると、その左にある快速の列に並んでいた外国人のカップルが「なぜ私の前に乗るの?」みたいな感じで私を見てきました。

どうしようかなと思ったのですが「違うんですよ。そこは快速の列で、こっちが新快速の列なんですよ」と、片言の英語で伝えました。

すると、分かったような、分からなかったような感じだったのです。

結局どちらも座れたのですが、そのカップルは私の隣の席に座り「さっきは、何を伝えようとしてくれたんだい?」と聞かれ、またまた片言の英語で説明してみました。

ある程度伝わった感じで、彼女に「どうやら、乗る電車によって、待つエリアが違うみたいだ」のような説明をしていました。

英語が得意ということはありませんが、海外旅行くらいならそれほど困ったことはありません。

しかし、今日ほど英語をもっと勉強しておけば良かったと思ったことは無かったのです。

さらに、知らない間に新快速に「Aシート」なる、有料指定席ができていました。チケットレスなら600円です。

京阪、阪急、そしてJRと、インバウンドのことを考えても、有料席はさらに増えていくことでしょう。

降車客を待てないような下品な人にはなりたくないし、席を取るのに駆け込むような真似も当然したくない。

かといって、並んでいない日本人に「どうぞどうぞ」と言えるくらい1時間は短くありません。

また、「Aシート」 払えない額ではないが、早めに並べばほぼ座れるし……

夏まで続く姫路経由、太子町通い。私の悩みは尽きないのです。

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小屋根リングin森ノ宮‐2210‐

万博が開幕し、色々な情報が入ってくるようになりました。

入るのに時間がかかる、この入口なら混まない、あの館が面白い……

開幕直前にチケットを購入し、5月18日に訪問する予定ですが、3回は変更可能なようです。

情勢をみながらいつ行くか決めたいと思っています。

開幕日が悪天候で、中止になったブルーインパルスの展示飛行

多くの人が待ちぼうけを食ってしまった難波宮跡公園。

平日は極めてのんびりした風景です。

すぐ北に、阪神高速東大阪線が東西に通っていますが、この付近は高架になっていません。

難波宮跡公園を過ぎた所から、再び高架になります。

法円坂料金所から森ノ宮出入口のあたりまでが、遺跡の上を横切っているので、地盤を荒らさないよう平面道路になっているのです。


急に景色が開けるので、大阪城も良く見えるのです。

そのまま東へ行くと森ノ宮のキューズモールがあります。

このあたりまでは自転車圏内なのでアトリエの備品を買いに行ってきました。

正確には、もりのみやキューズモールBASEというようです。

阪神高速東大阪線に沿うように、東西に長い施設です。

規模的には、あべのキューズモールよりはかなりコンパクトです。

ただ、日本国内の商業施設で初めて屋上に本格的なランニングトラックを設けた点は、画期的な試みといえるでしょう。

その存在は知っていましたが、近所に越してきて初めて上ってみました。

正式には「エアトラック」という名称で、無料で走ったり、歩いたりできるのです。

それぞれ、レーンが区分けされています。

大阪城を望む景色はなかなかのものです。

阪神高速と同じ目線で走れる場所はなかなか無いかもしれません。

少し先から、高架から平面へ向かって下がり始めているのも分かります。

案内図をみると、施設の外周をぐるりと回っていますが、1周300mなので、400mトラックよりひとまわり小さいというサイズ感です。

開業は2015年の4月27日なので、施設ができてすでに10年が経っていました。

なかなか無いコンセプトだなと感心しました。

万博の大屋根リングも、鉄と木の違いはあれど、同じようなコンセプトです。

サイズが違うのでこちらは小屋根リングでしょうか。

大屋根リングも楽しく、感銘を受けるのか、近いうちに現場検証をしてきたいと思います。

なんだかんだ言っていましたが、行くと決めたら楽しみになってきました。

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「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■