カテゴリー別アーカイブ: 06 スポーツ

楽は楽にならない‐1418‐

 昨日から10月にはいりました。

 暑い暑いといっていたら、朝夕は寒いくらいに。今年も残すところ3ヵ月となりました。

 今日は生憎の雨ですが、昨日は秋晴れの1日に。長女の運動会でした。

 中学になった長男は平日開催で、私が観れるのはこの1回だけ。

 もっと言えば、親として見に行く運動会はあと2回だけということでしょうか。

 2人とも足は速いので、これまで運動会は随分楽しませてもらいました。

 しかし、今年は障害物競走。

 さらに半分は男の子で、ネットくぐりにやや手間取ってしまいました。

 やはり運動会は徒競走に限ります。(我が家的には)

 また、代表委員?をしており、司会進行のアナウンスを担当しました。

 経緯は知らないのですが、何かしらの役割を引き受けたことは偉いなと思っています。

 プラスアルファの充実感があったと思うのです。

 「究極の幸せとは、愛されること、褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされること」

 社員の7割に知的障害を持つ人たちを雇用する、日本理化学工業の大山会長が紹介している言葉です。

 面倒や、労苦をさけて、いきなり誰かに必要とされることはありません。

 あまりネガティブな言葉を文字にするのは嫌なのですが、「楽に生きたいは、楽に生きられない」は簡単に証明できます。

楽に生きたい
 ↓
責任を負いたくない、面倒は避ける
 ↓
信用は落ちる、能力は向上しない
 ↓
楽に、楽しく生きていけない

 やはり聖書にある「狭き門をくぐる」ことが、幸せな人生を送るたったひとつの方法なのだと思っています。

 「会社でも常に面倒な方を選ぼうといっている」とある人に話したら、「そんな面倒な生き方辞めたら」と言われました。勿論強要するつもりはありません。

 一度しかない人生です。楽しく、幸せなものにしたいというゴールは誰もが同じはず。いま取る行動がそこに繋がっていれば、全く問題ありません。

 最近つくづく思います。人生って本当に単純にできているんだなあと。

前言撤回大いに結構‐1415‐

 今日は朝から打合せにでていました。

 台風前は涼しくなったと思っていましたが、晴れるとまだまだ夏の日差しです。

 それでも草間に彼岸花をみつけました。

 気が付けば彼岸の入り迎えていました。

 現場での木材加工は、即席作業台での仕事になります。

作業台の脚に、丸を3つ組み合わせた加工がしてありましたが、思わず笑ってしまいました。
 

 ただ丸を3つ重ねるだけで、同じイメージが浮かぶことに、ディズニーの凄みを感じます。夢もロマンもない表現ですが。

 しかし、日々を楽しくするのが遊び心です。

 昨日、安室奈美恵が来年での引退を発表しました。

 40歳にして25年のキャリアということは15歳でのデビューになります。

 間違いなく時代を築いたアーティストで、他の○○ラーとは一線を画すべきでしょう。

 また、先週末には女子ゴルフの宮里藍も引退試合を終えました。

 女子メジャー最終戦で、途中まで優勝を狙える位置にいるという報道もありました。

 引退する人のパフォーマンスとは考えられないレベルです。彼女に至ってはまだ32歳。

 引退発表の会見で「100%復帰はない」と発言したそうです。

 本当の意味での引退の理由が、本人以外に分かるはずもありませんが、「休む」では駄目なのだろうかと思うのです。

 全ては努力の賜物だと思いますが、どれだけ歌、ゴルフに打ち込んだとしても、頂点まで登り詰める人はやはり才能もあるはずです。

 松任谷由実は「才能とは母乳のようなもので、出さなければ毒になる」と言っていました。

 それが、必ずしもプロである必要はないのかもしれませんが、その眩しいばかりの才能をはたしてどこで放出するのか。

 いらぬ心配ばかりしてしまうのです。

 作家・開高健がフランスにはこんな言葉があると紹介していました。

 25歳までの女は自分だけを殺す。

 35歳までの女は自分と相手を殺す。

 35歳以後の女は相手だけを殺す。

 35歳から上の女性を敵に回したくて書いているのではありません。もう少し決断を先にすれば違う景色が見えてくると思うのです。

 「スポーツ」の語源は「deportare」。ラテン語で「portare」とは運ぶという意味から仕事を指します。「de」は否定で「仕事をではない」。つまり「遊び」という意味です。

 また、音楽は文字通り音を楽しむです。

 仕事だからこそ、「楽しむ」と決めることが大切なのだと思います。

 プロレスなら60歳での復帰もありです。前言撤回大いに結構と応援したいと思うのです。

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【Events】

「R Grey」9月からの入居募集開始■
大阪市平野区平野西5-6-24

モデルルームオープン中

「さかたファミリー歯科クリニック」7月26日 OPEN■
枚方市津田西町1-24-8

【News】

■3月25日『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)「住之江の元長屋」再放映■
■10月29日『住人十色』毎日放送(MBS)「松虫の長屋」放映■

『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載

『homify』7月21日「白馬の山小屋」掲載
『homify』6月4日「松虫の長屋」掲載
『homify』5月10日「長田の家」掲載
『homify(タイ)』4月25日「加美の家」掲載
『homify(中国)』4月9日「住之江の元長屋」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

子供は小さな大人じゃない‐1385‐ 

 いよいよ近畿地方も梅雨入りしました。

 田植えが始まったなと思っていたら、あっという間の梅雨入り。

 いっとき、娘が小学校で飼っているカエルを連れて帰ってきました。

 彼らも喜びの声を上げているでしょう。

 春から長男が中学校に通っていますが、クラブに属することが必須だそうです。

 「テニスなんかいいんじゃないの」と勧めてみましたが、卓球部に入ることになったようです。

 それもあって娘も卓球を習いたいと言い出し、スクールに通う事になりました。

 いとこも交えて、時々実家の仕事場にある、お手製卓球台で練習をしているのです。

 作業台の上に父が板を敷いたもので、少し小ぶりですが練習にはなるはずです。

 さらに、壁打ちキットまで作って貰っていました。

 月曜までドイツで開催されていた卓球の世界選手権ですが、日本選手のメダルラッシュに沸きました。

 そのテレビ中継を、子供達は歓声をあげながら観戦していたのです。

 日本のエース水谷を下し、トーナメントを勝ち上がった張本智和選手はまだ13歳。史上最年少のベスト8だそうです。

 また、あの羽生善治三冠をも下し、連勝を続ける藤井聡太四段は14歳。

 こんなウルトラ中学生を同時期にみることなど滅多にないでしょう。誰もが無限の可能性を感じ、応援したくなるものです。

 一方「子役大成せず」とならないよう、メディアも含め、まわりが気を付けてあげなければとも感じます。

 友人の医師が、小児科がある理由について「子供は小さな大人じゃないからね」と言っていました。

 それを痛感するのが子育てです。

 自分がこれまでの人生で感じたこと、心が動いた話を、私なりに子供に伝えてきました。

 それによって、子供がどんどん成長するんじゃないかと楽しみにしていたのですが、伝わっていると感じるのは全体の20%くらいでしょうか。

 先日、あるクライアントが子育てのことで、少し意見を聞かせてもらいたいと足を運んでくれました。

 「守谷さんならうまく伝えているんじゃないかと思って」と言って貰ったのは光栄ですが、実は2割バッターで……

 正直、子供のセンサーと大人のセンサーの違いがこれ程大きいとは思ってもいませんでした。

 しかし、ある種納得もします。

 聞きかじった立派なことを1、2回話したとしても、そんなものは馬耳東風。

 どうしても言いたいから、繰り返し話していること以外は心に残らないのでしょう。

 子供は小さな大人じゃないんだなとつくづく思うのです。

「どうせ」はやめた‐1364‐

 先週の金曜日、中高の先輩に声をかけてもらい、京都へ行っていました。

 20歳ほど上の先輩が、2件目に連れていってくれたのが「カルシウムハウス」

 京都で35年続くニューハーフのショーパブです。私も名前くらいは聞いたことがありました。

 こちらのオーナー、梶子ママはかなりメディアに露出しているそうで、高槻中高の先輩でした。

 何期上かは彼女(彼?)の商売柄を考えて控えておきます。

 お土産にもらった、「なにわのおばちゃん&おネエの牛すじカレー」。

 右が梶子ママです。

 見た目は美しいですが、声は完全に酒やけしたダミ声。もちろんそれも商品のはずですが。

 その翌日、ご一緒したその先輩から、「ビフォーアフターに 貴兄が出てますね」とメールをいただきました。

 土曜日の午後2時から、「住之江の元長屋」の再放送があったようです。地上波放送は今回で3回目だったと思います。

 テレビ局側から再放送に関して連絡はないので、全く知りませんでした。

 放送後「 明かりも大切ですが、私は 風が抜ける設計を評価しますね。 通風性の重要さを思い付かない方が多いし、解決策が 見事です」とメールをもらいました。

 ニューハーフのオーナーママあり、建築好きの税理士ありと、改めて母校の奥行きを知ったのです。

 この春から、長男が中学校へ行きます。

 部活は必須だそうで、候補にしている卓球を一度やってみようとなりました。

 妻がカミ卓球場というところを見つけてきました。

 加美は平野区なので、車で5分くらい。

 また、2006年の作品「加美の家」も近いので土地勘はあります。

 住宅っぽい門扉の先にあるのは元作業場のよう。

 それらを改修し練習場となっていました。

 中には卓球台が4台ありました。3人で2時間借りて3000円。

 子供達は、実家にある小さいテーブルで練習を重ねているそうで、思った以上でした。

 長男は左打ちなので、結構いけるかもしれません。

 娘も負けず嫌い感をだして頑張っていました。

 壁には、福原愛、石川佳純、伊藤美誠とオリンピック選手の色紙や写真が飾ってありました。

 こちらのコーチは、先日結婚した福原愛ちゃんの練習相手をしていたそうです。

 ここで練習していたのかは分かりませんが、トップ選手ながら、卓球をとりまく環境も楽ではないのだろうと想像します。

 ベスト4まで進み、盛り上がりを見せていたワールド・ベースボール・クラッシク。予想以上の活躍を見せ、注目を集めたのが巨人の小林捕手です。

 彼の談話が載っていました。

 「『どうせ』って言うのはやめました。僕は下手くそなんで必死にやるだけ。がむしゃらに。それだけです」

 巨人のレギュラーである小林捕手にしても、超エリート集団にはいると「どうせ」と言いたくなるのです。

 ということは、どんな分野の、どんなレベルであれ、同じことが起っていると想像できます。

 入社試験を1日で辞退。

 それは個々の生き方なので自由です。

 イエール大学の建築学科卒なら別ですが、エリート街道という言葉がある通り、私達に舗装道路など残っているはずがありません。

 でこぼこで水たまりだらけの泥んこ道を行くしかないのです。

 大した努力もしてきていない非エリートの私達が口にしてよいのは「どうせ」ではありません。

 「せっかくなら」以外ありえないのです。

すきすき大スキー‐1354‐

 すきすき大スキー

 わたしはスキーがすきだ

 だから今年もお父さんに行きたいとたのんだ

 だけどお父さんは

 今年はお兄ちゃんのべんきょうがあるからむりや

 わたしはがっかりした

 娘が書いた4連からなる詩のでだしです。

 先生から褒められたとノートをみせれくれました。

 それほどスキーが好きだとは私が分かっておらず……

 久し振りに行ってきました。

 昨年の正月、御岳山のふもとにある開田高原へ行って以来です。

 高鷲スノーパークはトリコロールカラーのゴンドラがトレードマーク。

 良い天気に恵まれました。

 向かいには昨年は滑っていた、霊峰・御嶽山が見えます。

 中級コースまでなら、家族4人で滑れるようになりました。

 娘がこけたのは、2回くらいか。

 だいぶ安定感がでてきました。

 長男は2014年の3月からずっとスノーボードでしたが、この日は久し振りにスキーをしたいと。

 急斜面を滑っているとき、パラレルターンのきっかけをつかんだようです。

 急斜面ではハの字に開くボーゲンでは滑りにくく、スキー板を平行にしてターンするきっかけを掴みやすいのです。

 「それっ!」みたいな感じで伝えました。

 スキーは私が教えられる数少ないものなので、何とかここまで滑れるようにしてやりたいと思っていました。

 この日が「楽しい」の分水嶺になれば良いのですが。

 「白馬の山小屋」のクライアントの長男さん(ややこしい表現ですが)は私の6つ先輩です。

 クライアントが亡くなられてからは、白馬まで頻繁に足を運び、山小屋を守って下さっています。

 関西で競技スキーをしていて、この方を知らない人は居ないのですが、今年はお子さん2人が大阪府代表の国体選手に選ばれました。

 長男さんは国立大学へ通い、中学3年生の娘さんも希望の高校に合格したようです。

 親子3人での国体行きを目指してしたのですが、お父さんは100分の3秒だったか届かずだったそうです。

 2005年に、四天王寺にあった「欧風カレー工房 チロル」のファサード改修計画を手伝いました。

 店主は、若い頃から一緒にスキーをしてきた仲間でした。

 その後、そのお店は飛騨高山へ移転したのですが、メディア等でも取り上げられる人気店です。

 飛騨高山の自然に惚れて、越していきましたが、もうひとつの理由がスキーです。冬の間は店を閉め、競技スキーに打ち込むのです。

 昨年だったか、全国クラスの大会で、優勝していたと思います。

 高校野球の指導者に、「どんな選手が伸びますか」と聞くと、多くは「野球が好きな子」と答えるそうです。

 30歳近くまで、私も本気でスキーに取り組んできたつもりですが、この2人を見ていると、その「好き」には及ばないなとはっきり分かります。

 特に、6つ上の先輩の長男さんは、関西の国立大に通っています。まさに文武両道。

 お子さん2人がこの結果を出す程、お父さんの好きが凄いのだと想像するのです。

 娘がもし、本気でスキーをしたいと言ったら、はたして応えてやれるだろうか……

 自然の中でのスポーツは本当にいいものです。

 すきすき大スキー。

 なかなかいい題です。

セルヒオ・ラモスにみる格‐1336‐

 梅田阪急のコンコースに、イルミネーションをみると年末を感じます。

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 1980年代、中学、高校とここは私の通学路でした。

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 阪急百貨店側に、このようなディスプレイで飾られるようになったのは、いつからでしょうか。

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 このコンコースが、初代阪急梅田駅だった話は何度か書きました。

 また、マイケル・ダグラス、高倉健主演の映画、「ブラック・レイン」の舞台にもなりました。

 ヤクザ役で出演していた、「大阪名物パチパチパンチ」の島木譲二が亡くなったという記事を読みました。

 「大阪名物逝く」とまで書かれたら、芸人冥利につきるのではないでしょうか。

 これほどくだらなく(失礼)、わかりやすい芸は、これからの芸人にはできないのではと思います。

 ポコポコヘッドよ永遠に……

 この日曜日、クラブワールドカップの決勝戦をみました。

 ヨーロッパ・チャンピオンのレアル・マドリードと開催国枠で出場の鹿島アントラーズの対戦でした。

 世界最優秀選手に送られるパロンドールを、今年も含め4回受賞しているクリスティアーノ・ロナウド。

 いわずとしれた世界最高のポルトガル人フォワードです。

 そのロナウド率いるレアル・マドリードには、さほど詳しくない私でも知っている名前が並びます。

 メッシの所属するバルセロナとともに、世界で最も有名なクラブチームでしょう。

 先のワールドカップで、日本が散々に痛めつけられた、コロンビア代表のハメス・ロドリゲスが控えに回るほどの選手層の厚さです。

 そのスター軍団を敵にまわし、延長戦までもつれこむ熱戦でした。

 90分では2対2の同点。PKを与えるまで、アントラーズはリードしている時間帯がありました。

 その後半、守備の要、セルヒオ・ラモスはすでにイエローカードを貰っていました。退場になってもおかしくない場面があり、翌日も話題になっていました。

 解説者は「名前に遠慮したか」と言いましたが、私もそう思います。

 主審の判定には、「格」が存在していた気がします。

 にわかアントラーズファンに「もしかすると」という夢を見せてくれただけでも有り難いことですが、世の中にはこの「格」が確実に存在します。

 それは、実況中継をしていた解説者の中にもありました。

 「あのレアルがまさかこのままで終わるはずがない」という雰囲気が漂っていました。

 そう考えると、格を最も感じていなかった、または感じないようにしていたのは、鹿島の選手なのかもしれません。

 その根拠となったのは、自分達の組織力を信じる力だったのか。テレビを通してみていても、とても勇敢に見えました。

 格とは、現時点までの既成概念と言って良いかもしれません。

 本当に勝つには、まず試合に勝ち、世の中の認識を変えるまで、勝ち続けなければならないのです。

 もちろん、これはサッカーにおいてだけではありません。私の会社においても全く同じです。

 あなたは あなたがなろうとする人間になる -ジェームス・アレン-

 勇敢であること。勝ち続けなければならないこと。

 いいものを見せてもらいました。

男の中の男‐1318‐

 10月18日8(火)、広島東洋カープの黒田博樹投手が引退を表明しました。

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 1975年生まれの41歳。住之江区出身、上宮高卒となっていたので、生粋の関西人だったと初めて知りました。

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 特に広島ファンという訳ではなかったので、広島との接点は2011年の広島旅行と、2012年の講演に行った時くらいしかありません。

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 黒田投手の今年の成績が10勝8敗で防御率が3.09。

 昨年に至っては、防御率が2.55。あの小さな広島市民球場での成績です。

 また、メジャー最終年2014年の成績は11勝8敗。ヤンキースとの大型契約を蹴っての広島復帰に「男気」の文字が踊りました。

 日米通算で203勝し、引退前の3年がこの数字ですから、ただただ称賛の声しか聞こえてきません。

 スポーツ選手の引き際について、ボロボロになるまでするのか、惜しまれながら辞めるのか、という話があります。

 スポーツ選手ではない私が言うのも何ですが、スポーツ選手が、スポーツ以外で、スポーツ以上の遣り甲斐、充実を感じることはないのではと思います。

 余計なおせっかいを承知で言うなら、是非ボロボロになるまでやって欲しいと思うのです。

 例えばサッカーの中田英寿選手の引退は、とても残念に思っていました。

 能力があり、努力をし、成功し、しかも言葉を持っている。そんなアスリートはなかなか居ません。

 ビッグマッチが終わったあと、web上で直接発せられる彼の言葉に、とても興味がありました。

 しかし、今はそのブログも会員制となり、目にすることはなくなりました。

 引退後のビジネスで成功したアスリートも居ると思いますが、小さい頃から周りより優れ、打ち込んできたスポーツ以上に、自分を表現するのは簡単でないと思います。

 反対の言い方をすれば、その間、懸命に働いてきた人が、そう簡単にアスリートに負けてもいけないとも思います。

 黒田選手にもっと頑張って欲しかったと言いたいのではありません。

 ボロボロになってもおかしくない時期まで現役を続け、しかもこの成績を残した、プロ中のプロだと思っているのです。

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 上宮高校時代の監督は、コントロールが悪く控えに甘んじており目立つ選手ではなかったが、野球に取り組む真摯さは群を抜いており、誰もが一目置いていたとコメントしていました。

 プロに行くとは思っていなかった、という言葉の通り、努力によってここまで登り詰めたのです。

 スポーツ選手は早熟です。能力さえあれば、18歳でも億単位のお金を稼ぎます。

 しかし、衰えない体を持つ人間は居ません。その中で、群を抜く安定感と、見事なまでの引き際を見せて貰いました。

 引退会見等も見ていませんが、新聞に載る彼の顔をみて何とも清々しい気持ちになりました。

 まさに男の中の男。

 日本シリーズの第2戦。彼の雄姿をみたくなってきました。

準備がすべて‐1282‐

 2週間程前、富田林へ行く機会がありました。

11 - コピーのコピー

 久し振りにPLの塔を真近でみましたが、その迫力に圧倒されます。

 高さ180m、設計は日建設計。1970年8月1日の完成です。

03 - コピー - コピー

 野球部の消滅問題や、清原の事件で良い話を聞きませんが、私達の世代で言えばPL高校は名門中の名門。

 その母体となるパーフェクトリバティー教団ですが、「人生は芸術である」という教えだそうです。

 人差し指がモチーフだと聞いたことがありますが、このPLの塔こそまさに芸術です。

 イチローの日米通算安打が、ピート・ローズの4256本を超えました。

 イチローにしろ、王さんにしろ、日本の偉大なプレーヤーはクールな人格者が多く、それゆえ頂点にまで登りつめたのだと思っていました。

 ピート・ローズの「高校の安打も含めてくれ」とはまるで駄々っ子のようにも見えます。

 また、張本さんは、イチローがこの記録を達成したら「アメリカにざまあみろと、言ってやりたい」と発言していたので、やはりパーソナリティーによるようです。

 彼らは、闘争心で結果を出してきたタイプなのだと想像できるのですが。

 最近、家族でハリー・ポッターの映画を観ています。

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 原作は、J・K・ローリングの初作品にして、言わずと知れた世界的ベストセラーです。

 主人公のハリーは、自分が魔法使いであることを知り、両親を殺したヴォルデモートと対決するというストーリー。

 ハリーは生まれながらにして、特殊な力を持っており、その成長が描かれる壮大な物語です。

 映画は初めて観ましたが、大人も十分楽しめました。

 スーパーマンを劇場で観たのは小学校の時。「自分にも何か特別な力があればいいのに」と思ったものです。

 あれから40年が経ち、分かったことは「特別な力など無い」と言う事です。

 日々の積み重ねだけが、僅かに自分の長所を伸ばしてくれると言う事だけを学びました。

 ハリー・ポッターを観終わって、子供にそんな話をしてしまいました。

 全く夢のない話とも言えるし、夢だらけの話でもあるのですが、子供達はどう感じたのでしょうか

 イチローの4256本目のヒットは、捕手前の内野安打だったようです。これも全力疾走の賜物ですが、2009年に彼の内野安打に対しての考えを書きました。

 その中で、私はこう書きました。

 5年程前に、MLB経験のある現、楽天の中村紀洋選手がイチローに「セーフティーバントみたいな、せこい事をするな」とメッセージを送っていました。彼の意見も分からなくはありません。しかし、どちらが目的に純粋かは明らかです。

 中村紀洋選手は、一流の長距離打者でしたが、やはり視点の違いが、そのまま結果に出ていると思います。どうみられるかではないのです。

 芸術の定義を、北大路魯山人の言う「心を動かしえるもの」とすれば、スポーツは芸術です。勿論、人生も芸術たりえるでしょう。

 ダーウィンは「137億年の進化は緩やかに連続している」と言っています。

 イチローの「準備がすべて」という言葉がより厚みを増して聞こえてくるのです。

「楽しい」と「楽しくない」の分水嶺‐1249‐

 今年の正月は、御岳山・開田高原で過ごしました。

31 - コピー

 長男と私がスノーボード。他の親族は皆スキーです。

 2014年の3月、「滋賀の家」のクライアントに、スノーボードを教えて貰って以来、雪上での苦悩が始まりました。

 開田高原では、嫌という程こけました。低温につき、全面アイスバーンで、あちこちにアザが出来る始末。

 得意なはずの雪上で、無様な姿をさらし続け、同じ日に始めた長男との差は開く一方なのです。

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 出来れば滑りたい長男。

 昨日は現場打合せの後、そのまま奥伊吹スキー場へ。道中に見えるのは伊吹山です。

 子供の頃、仕事終わりの2tonトラックで、ここに滑りに来た事があります。どこか近くの現場があったのでしょう。

 それでもトラックでスキーとは。父は、確実に私よりスキーが好きだったと思います。

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 奥伊吹スキー場は更に北。関西のスキー場も捨てたものではありません。

 気温が低かった事もあり、適度に雪面も締りグッドコンディションでした。

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 長男は、安定感が増してきました。

 子供は本当に呑み込みが早い。

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 やるからには、私も真剣です。ようやく、何とかターンしながら下りてこれるようになってきました。

 長男に、写真を撮ってみてと頼むと「こけても撮るで」と。

19 - コピー

 その通りに。

 意外に写真が上手いのかもしれません。

 相変わらず派手にこけていますが、また行こうと思えるようにはなりました。

 今回、ターンとターンのつなぎ目の体重移動を思い切ってするようにしました。自信なく、恐る恐るの体重移動が、逆エッジを引っかける原因ではないかと考えたのです。

 長男に言うと「そうやで」と。知ってたなら教えてくれですが、やはり、不安が上達を妨げていたと分かります。

 スノーボードを始めて延べ4日。「面白い」と「面白くない」の分水嶺が4日目にやってきました。

 現在、インターンシップに20歳の若者が来ています。元・高校球児で、動きもきびきびとして、好感が持てるのです。

 出来れば、仕事の楽しみ、仕事の苦しみ、そしてのその先にある充実を伝えることが出来ればと思います。

 「安楽は充実を生まない」   

 「恐れとは、信頼の欠如」  

 スポーツでも仕事でも、原理原則に違いは全くありません。

 しかし、仕事においての分水嶺が4日や4カ月でやってくることが無い事も伝えておかねばと思うのです。

アスリート vs 経営者‐1245‐

 立春が過ぎ、僅かに寒さも和らいだでしょうか。

 現場にとって、厳しい時期には変わりはありませんが。

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 「KISHIWADA HOUSE」は基礎工事が終わったところ。

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 まだ吹きさらしの状態での水仕事は大変です。

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 暑いから、寒いからと、金額が変わる訳ではありません。

 勤勉な職人の手によって、日本の建築現場は支えられているのです。

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 現在は、基礎のベースコンクリートを打設したところ。

 「羽曳野の家」はリノベーション。 吹きさらしよりは、少しはましです。

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 それでも、暖を取る為の電気ストーブがおいてあります。

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 「長田の家」は外壁まで出来上りました。

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 随分ましになったと、監督も言っていました。

 三軒三様。過程を見て、現場の苦労と、家の有り難さがよく分かります。

 この一週間、清原の名前が記事に上がらない日はありません。

 野球選手とタニマチの関係は、野村克也の著書「野村ノート」にもありました。ここでは、阪神の選手ですが、彼ほどの知名度があれば、状況は同じでしょう。

 名経営者、京セラ名誉会長・稲盛和夫さんは、こんな話をしてくれたことがあります。京セラ所属の選手が、女子マラソンでオリンピックへ出場した時のことです。

 稲盛さんは「必ず前半からトップグループについて行くように」と彼女にアドバイスしていたそうです。

 コーチから「会長はマラソンの事はご存じないので」と、口を挟まぬよう言われました。しかし「マラソンのことは分からなくても、仕事の事は分かる。初めから全力疾走していなければ、今の京セラはなかった」と言いました。

 その選手は、確か目標通り5位前後に入賞したのですが、稲盛さんは、「可能性があったのだから、一番、せめてメダルを目指すべきだった。死にもの狂いで、トップ集団に付いていくべきだった」と言ったのです。

 経営(仕事)は、毎日毎日が真剣勝負。社員の生活を預かって、一日一日を命懸けで働いている。たった4年くらい、全力で努力が出来なくてどうする。私達は、オリンピックのメダリストより、大変な事をしていると言っても言い過ぎではないと。

 人の体は年老いて行きます。その自然の摂理を受け入れた人だけが、アスリートとして生きて行けます。その分儚く、それ故、放つ光が美しいのです。

 48歳の大人なので、全て自分の責任です。裸の王様に聞く耳はなかったのしょうか……

 寒空の中「KISHIWADA HOUSE」で、モルタル詰めをする職人が、はつらつと働く様を見て、これが仕事じゃないかと思います。

 主役以外の仕事に敬意を払えない世の中になって行っているのでは。そんな事を危惧するのです。