カテゴリー別アーカイブ: 01 旅・街

前にお会いしたことが……‐1285‐ 

 先週は水族館に行ったつもりが、魚を見れず。

 昨日も魚を求めて、今度は和歌山県海南市へ。

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 和歌山県立自然博物館も、琵琶湖博物館と同じく、水族館と博物館を合わせたような施設でした。

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 すぐそばには天然の港があり、海沿いの景色の良い所。

 しかし、駐車場に向かう景色をみながら気づきました。

 「ん?ここ、来たことがある……」

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 男に聞くと「僕は初めてだと思うよ」と。

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 入館料は大人のみで470円。

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 なかなかの充実振りでかなり安いと思います。

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 特に、触れる標本が沢山あり、2人とも十分満足した感じでした。

 しかし展示を見ても、記憶は蘇ってこず。

 休館か何かで中には入らなかったのかな等と思いながら。

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 自然博物館のとおり、和歌山の自然に特化した館でした。

 碁石に使われる那智黒石ですが、金が本物かを見極める試金石に使われていたそうです。

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 ツキノワグマのはく製です。

 「人間をエサとして認識している可能性も……」などという、物騒な報道があったばかり。

 紀伊半島では180頭程が生息しているそうです。互いのエリアには入って行かないに限ります。

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 和歌山は四大漆器の街なのだそうです。

 その名残を残す黒江という街が近くにありました。

 散策してみると、ここも来たことが有るような、無いような。もう全てに自信がなくなって来ました。

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 帰りに偶然見つけた海南市役所。ひときわ目を引く建物で、これは間違いなく初訪問。

 和歌山県建築士会のサイトに解説が載っていました。

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 設計は 三紀建築事務所。1965年(昭和40年)の完成です。

 丹下健三の代々木体育館、坂倉準三の芦屋市民会館(現:ルナホール)と同時期で、コルビュジエの影響を強く受けているとあります。

 海南市役所が初訪問かは迷いません。存在感が圧倒的だからです。

 誰かと会い「前にお会いしたことがありましたっけ……」と言われるのが一番辛い。

 見た目に特徴がある訳ではありませんが、どんな人でも、一度会話を交わしたら、覚えて貰える人で有りたいと思っています。

 厚かましいかもしれませんが、人生は一期一会、初めにあった時に全て勝負は決まっていると思うからです。

 そう考えると、和歌山県立自然博物館が悪いのか、私の記憶力が低下しているのか……

 最近、DVDを借りてくると、妻に「これ、前に観たよ」と言われる回数が増えてきました。

 と言うことは、はやり後者なのか。

ヘルシンキの夏‐1284‐

 今年の夏至は、6月21日(火)でした。

 大阪の日の出が4:45で、日没は19:14。14時間半太陽がでていたことになります。

 これがフィンランドのヘルシンキなら、日の出が3:52で日没は22:51。19時間太陽が出ています。

 今年の夏季休暇は、フィンランドへアルヴァ・アアルトの建築を訪ねる予定です。

 近代建築の三大巨匠と呼ばれるのはル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ。

 まずは、この3人を見てみたいと、24歳から建築行脚を始めました。

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 1995年4月、まずはフランスへ。

 先日世界遺産に指定された、コルビュジエのロンシャンの教会を訪ねました。

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 独立してからは、なかなか日本を出られず。

 2011年の11月、アメリカのペンシルバニアにある、ライトの落水荘へ。

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 そしてイリノイにあるミースのファンズワース邸

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 2012年の8月、イタリアでは、建築の詩人、カルロ・スカルパ設計のブリオン・ベガを訪れました。

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 そして、スペインのバルセロナに渡りガウディに触れたのです。

 三大巨匠に加え、ガウディ、スカルパそしてアアルトが私にとって最も興味のある建築家でした。

 アアルトは、プロフィールの中に名前を挙げているくらい好きな建築家でしたが、なかなか訪れる機会がありませんでした。

 どの位好きだったかと言えば、私にとっての3作目、1998年に完成した、spoon cafeはアルヴァ・アアルトへのオマージュです。

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 外部の木の使い方。

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 木とレンガの相性など、全てアアルトを手本にしました。

 そのアアルトとようやく会う事が出来ます。1976年に亡くなっているので、勿論彼の作品にですが。

 548万人という北欧の小さな農業国において、世界に影響を与えるような建築を創り続けたアルヴァ・アアルト。

 真の建築は、その小さな人間が中心に立った所にだけ存在する。

 彼の言葉を体感し、休み明けには、その気持ちを綴ってみたいと思います。

 アルヴァ・アアルト。その音を聞くだけだけでも心躍る存在なのです。

プラスチックとステンレス‐1278‐

 ダイエーがイオングループの完全子会となったのが2015年1月。

 ダイエーの名が完全に消滅、というニュースもありました。

 流通に革命をもたらした関西の雄だけに、寂しい気もしますが、ビジネスとはかくも厳しいものです。

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 一方、存在感を増し続けるイオングループ。

 大型ショッピングセンターのイオンモールは、日本だけでなく、中国、ベトナムにも多くの店舗を出しているようです。

 この3月、イオンモール堺北花田の4km程西に、堺鉄炮町がオープンしました。

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 いずれも、大阪から大和川を越えてすぐの立地で、建物も良くにています。

 これだけ近くに、大型店舗が出店されるということは、イオングループの総取りと言った感もあります。

 小売は、本当に厳しい時代に入ったと考えざるを得ません。

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 堺と言えば江戸時代まで環濠都市として栄えました。この店舗は、その北西角に位置します。

 これまで、環濠都市は私の住む喜連、事務所のある平野、作品のある遠里小野などについて書いてきました。

 しかし本家と言えば堺。そのうち本格的に探索したいものです。

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 このショッピングモールの東に建つ「赤レンガ館」。

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 (株)ダイセルの前進、堺セルロイド(株)が1908年、関西の設計事務所の草分け、茂庄五郎に依頼し設計された建物です。

 阪神高速大和川線の建設で、解体が決まりましたが、セルロイドの国産化に奮闘した当時を偲ぶモニュメントとして保存することになった、とあります。

 セルロイドという言葉、広辞苑にはこうありました。

 ニトロセルロースに樟脳を混ぜて製した半透明のプラスチック。90℃で柔軟となり、冷却すれば硬くなる。燃えやすい。玩具・フィルム・文房具・装身具などに用いられた。最近ではアセチルセルロース系のプラスチックを多く用い、これを不燃セルロイドと称す。

 世界初の合成樹脂素材は、その後ポリエチレンなどにとって代わられましたが、人類の歴史を大きく変えました。

 現在は、家電を始め多くのものが合成樹脂素材で作られています。自由な造形、コストダウン、軽量化がその理由でしょうか。しかし、建築とはあまり相性が良くないのです。

 家電なら、保証は1年、部品のストックは5年、7年持てばメーカーの責任を果たしたというイメージのようです。

 建築なら、10年くらいは軽く持ち、30年くらいはほぼメンテナンスなし。口に出すと責任が生じるので、なかなか聞こえてきませんが、現場の人達はそう思っていると思います。

 石、タイル、鉄、ステンレスなど、硬いものは強く長持ちするが、重く加工が大変で、それが金額に跳ね返ってくるという構図です。

 デフレとひとくくりに言っても、時間的視点を抜きにしてでは、少し乱暴な気がします。

 合成樹脂のトップメーカーの社屋はレンガ造りで、それが100年持っているのというのが現実なのです。

 100円3本のボールペンと、ステンレスのパーカーのボールペンを比べるのはナンセンスです。

 しかし、愛着と重さは等しいのかもと言うと、それこそ乱暴でしょうか。

 何れにしても、時間軸が入っていないケースが最近とても多い気がするのです。

悔しいのは本当に悔しい‐1277‐

 休日、どこにも行けなかった時は銭湯に限ります。

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 家の近くで、良く行っていたのが「湯の町温泉」

 勿論「温泉」ではありません。

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 大阪で一番雰囲気があるのは、生野区にある「源ヶ橋温泉」

 勿論私の独断です。

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 勿論こちらも「温泉」ではありません。

 一般的には、何歳から娘を男風呂に入れないべきか。

 小学生になってからは辞めようかとなり、めっきり行く回数が減ってしまいました。

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 先日「湯の町温泉」の前を通ると、解体用シートに覆われていました。

 銭湯のシンボル、煙突が寂し気です。

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 ついに煙突もなくなり、名残を残すのは看板だけ。需要不足なのか、経営者の高齢化なのか。

 最近行っていなかったことに悔いが残ります。しかし全て後の祭り。

 5月中旬のことですが、日本建築家協会(以下JIA)近畿支部の関西建築家新人賞が発表されました。

 私も応募していたのですが選外。

 受賞者は30代中頃の建築家2人で、共に住宅の設計は2件目だそうです。この賞は45歳までなので、私にとっては最後の機会でした。

 まずはクリアしたいと思っていた賞なので、とても悔しいのが正直なところです。

 今回は19作品の応募があったそうですが、現場審査の6作品にも入りませんでした。どの作品で応募したかは、控えておきます。

 写真家には、応募したいという旨は伝えていました。目的が変われば、写真の撮り方も変わるからです。

 落選したと伝えるとこんなメールを貰いました。

 賞はオマケ程度に考えた方がよいと思いますよ。

(たぶん、守谷さんもその程度と考えていると思いますが)

 守谷さんの仕事にクライアントが満足して、守谷さんも満足出来れば、それで十分でしょう。

 僕が撮影にうかがった守谷さんの物件はどれもお施主さんが満足して幸せそうなのが印象に残ってます。

慰めもあると思いますが、普段お世辞など言わない人なので、有り難い言葉だと受け取っています。

 また、先日『住まいの設計』に掲載された、「松虫の長屋」の奥さんからメールを貰いました。

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 昨日、扶桑社さんから『住まいの設計』を送って頂きました。

 パソコンで1度目は通してはいましたが、実際雑誌に掲載されているのを見ると他人の住居の様に感じました。こうして掲載していただくとアトリエmさんとの打ち合わせの日々を思い出し、本当に楽しい時間だったなと心から思います。

 1度の人生で100パーセント満足できる家に住めるなんて私達家族はどれだけ幸せものなのか。

 子供達が自立して家を建てる時も守谷さん田辺さんマルコさんのいるアトリエmさんでお願いします。 私は口を出せないのが辛いです(たぶん出します!)が、今から楽しみです!

 次男の○○のこんな真剣な顔を見たことがありませんでした。ずいぶん長い時間見ていました。どの様に感じているのでしょうね。

 長男君が33歳で家を建てたなら、その時私は70歳。まだまだ現役のつもりです。

 本当にそんな時がくればいいなと思いますし、80歳、90歳になっても現役でいたいと思っているのです。

 しかし、いくら働きたいと言っても、需要がなければ仕事を続けることは出来ません。また、健康であることも必要条件です。

 最も求められる建築家、クライアントの幸せを必ず実現出来る建築家を目指し、研鑽して来たつもりなので、賞が前にある訳ではありません。

 また、関西建築家大賞、JIA新人賞、JIA建築家大賞とまだまだ大きな賞があります。

 いずれも年齢無制限。必ず取って、世界遺産を目指します。

 しかし、悔しいのは本当に悔しいのです。

枯れて石庭、燃えて金閣‐1275‐

 昨日の午前中、北摂のクライアントの自宅へ伺いました。

 計画のスタートから1年以上掛かってしまいましたが、ようやく工事請負契約が成立。

 私は、監理者として判を押しただけですが「一仕事終えた」という気分になるものです。その足で京都へ。

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 新緑萌える京都。昨日は30℃を超えました。

 季節が良いだけに、混雑を予想していましたが、龍安寺はそれ程でもなく。

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 アプローチにある鏡容池(きょようち)はハスの花もちらほら。

 いやが上にも気分は盛り上がります。

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 大切なのはファーストコンタクト。

 なんとも言えない感嘆の声を上げますが、訪れたのは20年振り位でしょうか。

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 この日は、姪っ子も一緒に連れて行きました。

 子供達は、こういった所をあまり喜びませんが、関西は日帰り圏内に沢山の世界遺産があります。

 先日、ル・コルビュジエの国立西洋美術館が世界遺産に登録されたというニュースがありました。

 コルビュジエの作品群の一つとして登録されたのですが、東京では初だそうです。

 京都、奈良、熊野、姫路城、法隆寺と、多くの世界遺産がある関西に、海外からの観光客が集中するのは、当然なのかもしれません。

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 禅寺の庭園、枯山水は 「枯れ」の通り、水を白砂や白石で表現されます。

 中でも石庭は、石と砂のみで表現されたもの。この石庭は1500年頃に出来たと言われます。

 絵画でも、古典主義から写実主義、そして抽象画へと変化していったように、突き詰めれば突き詰める程、単純化されて行くのです。

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 25m×10mの石庭は、2方を檜皮で葺かれた土塀で囲まれています。

 この土塀には菜種油が混ぜられ、時と共に変化を見せます。

 利休は、庭木は塀によって幹を隠すのが良いと言いました。太い幹をみせず、軽やかな葉、花だけをこの土塀によって切り取りとるのです。

 背景、間合いにある、「余白の美」こそが、日本独特の美意識なのです。

 衣笠山の麓を2km程北西に上がれば鹿苑寺(金閣)。

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 長男によると、テストでは金閣寺は×で、金閣が○とのこと。一般的には金閣寺ですが。

 晴れの日の金閣は圧巻でした。

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 夕方に来たのは初めてですが、西日を受け、燃えるように輝いています。

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 東から見れば、床の照り返しを受けた軒が、まさに燃えているよう。

 三島由紀夫の「金閣寺」は、その美しさにとりつかれた学僧が、放火するという小説です。

 その気持ち、少し分かる気もします。

 黄金には、人を変える何かがあるのでしょう。

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 世界遺産だからと言っても、子供は喜びません。実は、先に太秦の映画村へ寄ってから来ました。

 映画村も思いのほか面白かったので、また回を改めて書こうと思います。

 枯れて石庭、燃えて金閣。これらは対極にある美です。

 金箔貼の天守閣を持つ安土城を築いた織田信長。金の茶室を作った豊臣秀吉。

 足利義満と同じように、権力者は金を目指します。

 一方、市井の人の代弁者として、禅寺や利休の存在はあったのかもしれません。

 ただ、誰にでも出来そうなものは難しく、腕の差が出るのは、いつも同じ構造です。

 石庭をみると、常に気が引き締まるのです。

 最後に、5月21日発売の『住まいの設計07・08月号』に「松虫の長屋」が掲載されました。

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 リノベーションの掲載は4ページですが、詳細な工事金額も載っています。

 小さくですが、私の顔写真も掲載されました。勿論、主役はクライアントです。

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 webサイトの写真も、子供さん2人は頑張ってくれましたが、この撮影の日もアクセル全開でした。

 良ければ是非手にとってみて下さい。

イタリアより父きたる‐1274‐ 

■■■5月21日(土) 3:30pm~6:00pm 京都BAL 地下2階
丸善<京都本店>にて「無料相談会」に参加■■■

 先日、奈良へ行った際、ツバメの巣を見つけました。

 パン屋さんの軒先です。(コンビニではない)

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 写真を撮る私に、不審な目を向けるツバメの親。

 しかし、次に訪れた時は、巣が反対の軒先に移っていました。

 店の人が言うには「カラスがヒナを喰った」と。カラスも生きるのに必死。しかし、ツバメに同情してしまいます。その差はなんなのか。

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 先のゴールデンウィーク前、マルコのお父さんが来社してくれました。マルコが入社して2年。イタリアはラヴェンナからの訪問です。

 高校生の時から知っているという、マルコの彼女が案内して来てくれました。

 ラヴェンナはイタリアの東岸、アドリア海に面した古都で、ヴェネティアとフィレンツェの中央辺りに位置します。

 以下はマルコの写真です。

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 これがラヴェンナの中心街。

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 古代ローマから中世にかけて発展した港町で、現在は体積、埋め立てによって、内陸の町になりました。

 サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂の完成は549年。

 初期キリスト教建築群は、世界遺産にも登録されています。実に1500年前の建築です。

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 壁面に施されたモザイクタイルは、トルコ以外なら、ヴェネツィアかラヴェンナにしかなかったそう。

 そのことからも、当時の隆盛が伺えるのです。

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 これは、ゴート族の王テオドリックが520年に建造した廟。西ローマ帝国、東ゴート王国が首都を置いた町なのです。

 ラヴェンナは古都だけあり、劇作家オスカー・ワイルドや、ヘルマン・ヘッセなども滞在しています。

 また、ダンテはフィレンツェでの政争にやぶれ、1317頃からこの街に滞在しました。そして、イタリア古典で最も重要な「神曲」を完成させたのです。

 イギリス、ロマン派の作家、バイロンは1819年から1821年までラヴェンナで暮らし、「ドン・ジュアン」と「ラヴェンナ日記」を書いのです。「ドン・ジュアン」の中でこう語っています。

 男にとっての恋愛は人生の一部でしかないが、女のそれは人生全てである

 バイロンの言葉に、恋愛を考えたのは遠い学生時代のこと。

 一方、オスカー・ワイルドはこう言います。

 夫婦の愛情というものは、お互いがすっかり鼻についてから、やっと湧き出してくるもの

 どちらも真実か、どちらかだけが真実なのか。

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 仕事終わり、皆で食事に行きました。

 美と食の国、イタリアから来たお父さんは「しめ鯖」まで美味しいと食べてくれました。

 愛情注いで育てた子供が、日本で働く気持ちはいかばかりのものか。

 人の親として、またトップとして、改めて気持ちを引き締めなおすしかありません。

 教育は結構なものである。

 しかしいつも忘れてはならない。

 知る価値のあるものは、

 すべて教えられないものだということを。

 皮肉屋、オスカー・ワイルドの言葉は、いつもウィットに、示唆に富みます。

 親が子に、リーダーが部下に全て教えられないことは知っています。それでも、伝え続けるしかありません。

 ツバメの子は生後何カ月で、自立していくのか。我が子は、マルコは……

 退かないと決めれば、未来は常に明るい。後は決めるだけなのです。

行動の出だしは自分で決められない‐1268‐

 月曜日、建築士会から熊本での「応急危険度判定活動に参加出来るか」という連絡がありました。

 国からの要請があったようです。午後2時に連絡あり、午後5時までに返事が必要との事。

 すぐに「参加出来る」と連絡しました。この短さの中で、46名の申し出があったそうです。

 応急危険度判定とは、こういった大震災時に「応急危険度判定士」の資格を持った建築士が、現地へ調査へ赴きます。

 そして、目視でそれらの建物の危険度を判定し、以下のようなステッカーを貼るという活動です。

「危険(赤紙)」 「要注意(黄紙)」 「調査済(緑紙)」

 できれば、職能で貢献したいとの思いで、この資格を取りました。

 しかし昨日、現地の受け入れ体制がまだ整っていないので、延期されるという連絡あったのです。

 少しでも役に立てると思っていたので、肩透かしに会った気分ですが、いたしかたありません。

 現地の人の状況を考えると、そんなことは全く大したことではありませんが。

 熊本大震災の後に、2011年の5月に熊本を訪れた際の写真を載せました。

 阿蘇を巡った日は、素晴らしい天気でした。

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 その際に、南阿蘇村の洋食屋さんが美味しかったと書きました。

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 写真を探してみると見つかりました。

 ハンバーグと思っていたら、ハンバーガーでしたが。

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 更に私は、熊本牛を食べたようです。

 日本のどこに出掛けても、街に特色があり、それぞれの豊かさがあると感じます。

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 翌日、熊本市を訪れた日は雨でした。

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 稀に見る余震と多さで、その不安はいかばかりかと思います。

 誰だったか「死ぬこと以外、大した問題ではない」と書きました。生きていれば、必ず何とかなるはずです。

 強い気持ちを持って貰うしかありません。

 2007年頃、こんな事を教えて貰いました。

 行動の出だしは、潜在意識が決めているそうです。

 潜在意識とは自分でコントロール出来ない意識で、無意識と置き換えても良いでしょう。

 例えば、朝起きてまず何を始めるか、仕事場に着き、初めに何に手をつけるか。ウンウンうなって決める人は居ないはずです。

 習慣と言い換えても良いかもしれません。

 この話も、裏を取れている訳ではありません。しかし、そうなのだろうと思っています。

 海に浮かぶ氷山に例えると、水面上が顕在意識(自分でコントロール出来る意識)で、水面下が潜在意識。

 その比率は1:9と言われています。よって、潜在意識の力が圧倒的に大きいのです。

 いつも前向きな人は、それが習慣になり、いつも不平不満を言っている人は、それが潜在意識化される。

 この話を聞いた時、ゾッとしました。

 自分はどちらの時間が長かったのか……

 更に、潜在意識は疲れないという特徴を持っています。

 車の免許を取る時は、あれほど疲れた運転が、2時間くらいなら全く疲れません。むしろ、気分転換になることさえあります。これも潜在意識化の結果です。

 今回は叶わなかったのですが、また要請があれば「参加」と即答したいと思います。

 行動の出だしは決められないとするなら、普段の暮らし、態度がそのままでるだけ。常に前向きで居たいと思います。

 というか、そうでない事を想像するのが恐ろしいというのが本音です。

夢、プライスレス‐1232‐

 「城の崎にて」は、志賀直哉。

 「暗夜行路」と共に 読んだのは中学生の頃だったか。残念ながら、内容は忘れてしまいました。

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 久しぶりに温泉でもと、城崎を訪ねました。

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 昨日は雨でしたが、出来れば雪景色を見たかったものです。

 やはり、古湯には古湯の情緒があります。

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 温泉目的では子供が喜ばず、メインは城崎マリンワールド

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 人出が少なかったこともありますが、距離の近い水族館でした。

 海岸沿いに建ち、ロケーションは最高です。ショーの行われるプールの後ろに、何もなければ尚良いと思うのは職業柄か。

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 他にも、なかなか好感のもてる水族館でした。

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 魚のエサやりも、距離が近い。

 というか、手をかまれています。

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 ペンギンの散歩も一緒に散歩。

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 一番喜んでいたのが、アジの釣り堀。

 いつも自然の中へ連れて行っているのに、ここで釣らなくてもいいだろうと主張したのですが、結局やるはめに。

 1竿650円で、糸が切れるまで。徐々に糸が溶けていくようです。

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 で、釣ったすぐそばで、1匹50円で揚げてくれるのです。

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 魚が苦手の長男も、喜んで食べたので、それはそれで良かったのか。

 イケスの中には、もの凄い数のアジが泳いでおり、誰が釣っても釣れます。

 私からすると面白くないが、子供にとっては面白い。この違いはどこから来るのか。

 安楽は充実を生まないという鉄則があります。

 子供は、あれだけ居ても釣れるという確信が無いのかもしれません。そう考えると成功体験が、充実のハードルを上げていくのでしょう。

 長男が「サンタは母さんなのか」と言い出しました。また、この日記を学校のパソコンクラブとやらで読んでいる時もあります。

 成長するにつれ、夢を簡単に与えることが出来なくなって行きます。そもそも夢など与えて来たのか……

 「お金では買えない価値がある」というCMがありました。夢だけは、買い与えたり、他人が押しつけることが出来ません。

 自らが夢と希望をもち、子供に、社員に夢を持って貰えるような大人でありたい。

 そんな事を思い、願う、クリスマスイブの夜。

食べ物の恨みは怖い、九州編‐1206‐

 前回のUPは木曜日の23:59になってしまいました。

 2005年10月から、欠かさず月木に上げて来たこだわりもあり旅の最後までたどり着けず……

 シルバーウィークの旅は、今回で最終回です。

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 9月22日(火)の夕方、平戸からすぐ近くの、薄香という漁村に寄りました。

 高倉健の遺作「あなたへ」のロケ地になった所です。

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 高倉健が、亡き妻の散骨に訪れたのがこの港。

 通りがかったおばさんが「あの船が、健さんがのった船だよ」と教えてくれました。

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 映画の中にある写真館もそのまま。セットを残してあるのか、本当の名前なのかは分りません。

 昭和の名優、健さんがたたずむシーンを思い出しながら、最後の宿泊地佐世保へ。

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 夕方、佐世保のホテルに到着。早速カメラを持って街へ出ました。

 ある建物を撮りたいが為に、佐世保に宿を取ったのですが、まさかの改修工事中。

 諦めきれず、周囲をウロウロしていると、品の良い行員が内部を少し案内してくれました。

 それはそれで心に残りますが、返す返すも残念。

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 仕方ないので、夕食は名物という長崎牛のレモンステーキ。

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 普段粗食なので、基本、何を食べても美味しいのです。

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 連休最終日、23日(水)朝の佐世保港。

 ジョギングしていると朝市を見つけました。

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 地元の市場で魚を見るとテンションが上がります。

 ウマズラハギの大きいこと。

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 佐世保から、唐津までは40km程。

 のどかな景色の中を1時間程で到着。

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 「呼子のイカ」が名物だそうですが、イカはやはり鮮度が命。

 更に、さばいてから出すまでの時間を、最短にする努力をしているようです。

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 ゲソの天ぷらは、胴を食べた後に揚げてくれます。

 魚嫌いの長男も、良く食べました。

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 最後は、北九州の中心地、小倉へ。

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 1998年完成の北九州メディアドーム。

 再び、菊竹清訓の設計で、中は競輪場になっています。九州は、本当に良い建築、街が多い。どこに行っても外れ無しという感じです。

 唯一はずれたのが、長崎中華街の中華料理屋でした。

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 先にも書きましたが、世界遺産登録もあって、観光客でごったがえしています。

 名の知られた店のようで、早めに行きましたが、自由にオーダーしたいなら1時間半待ち。

 「この金額以上のコースを頼むなら、今すぐ案内します」と。

 そのやり方はどうかとも思いましたが、子供もお腹がすいたと言うし、たまにはちょっと贅沢してもと、入ったのです。

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 ある程度は予想はしていましたが、子供はフカヒレのスープを喜ばず。

 エビチリもカリカリの天ぷらの方が美味しいと。やっぱり「王将の餃子の方が美味しい」という始末。

 ちゃんぽんは評判通り美味しかったのですが。

 微妙な気分で伝票を見ると、飲んでいない生ビールが3杯飲んだことになっており……

 勿論消して貰いましたが、詫びている感じは全く伝わって来ませんでした。

 働いてい居る人は、忙しさでいっぱいなのでしょうが。

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 一方、長崎港、出島ワープにあるレストランのトルコライスセットは800円。

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 期待の大小はありますが、娘のオムライスと合わせて、大満足。安くて美味いに勝るものはありません。

 人気観光地になれば、放っておいても人が殺到します。

 しかし、街の風情というものは、季候、建物、人、食べ物と、五感で感じるものです。中でも、人は人に最も影響を受けますし、加えて、食べ物の恨みは怖いのです。しつこいのですが。

 次回は、私が唯一行ったことがない日本、沖縄か。

<目指せ、家族で47都道府県制覇>

42/47 【】は済み
【北海道】
青森  岩手 宮城 秋田 【山形】【福島】
【茨城】 【栃木】 【群馬】 【埼玉】 【千葉】 【東京】 【神奈川】
【新潟県】 【富山】 【石川】 【福井】 【山梨】 【長野】 【岐阜】 【静岡】 【愛知】
【三重】 【滋賀】 【京都】 【大阪】 【兵庫】 【奈良】 【和歌山】
【鳥取】 【島根】 【岡山】 【広島】 【山口】
【徳島】 【香川】 【愛媛】 【高知】
【福岡】 【佐賀】 【長崎】 【熊本】 【大分】 【宮崎】 【鹿児島】
沖縄

坂と信仰の街、長崎‐1205‐

 前回は、グラバー邸に到着したところまで書きました。

 グラバー邸は、今年の7月、世界遺産に登録されたばかり。多くの観光客で賑わっていました。

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 グラバー邸のすぐ下にあるのが大浦天主堂です。

 幕末、主ににフランス人の為に建てられました。長崎を旅して驚くのは、教会の多さです。

 江戸時代から明治初期まで、禁教が続きました。教会は、弾圧、抑圧との戦いの痕跡とも言えるのです。

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 夕食は長崎中華街へ。

 名物はもちろんチャンポンですが、名店らしい店に入りました。

 チャンポンは美味しかったのですが、店員の応対は酷かった。旅と食事についてはまた改めて書こうと思います。

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 翌22日(火)は、軍艦島クルーズでした。

 石炭の需要増加と共に、多くの人たちがこの小さな島に移り住んで来ました。

 最盛期には5000以上が島内に住み、小学校、中学校、映画館、パチンコ屋があったそうです。

 日本初の鉄筋コンクリート造の共同住宅も建築されました。

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 しかし、1974年に閉山し、無人島となります。

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 その廃墟を、私も含め、多くの人が見に訪れるのです。

 愛媛の山奥にある「東洋のマチュピチュ」別子銅山も、全く同じ構図です。

 世界中が産業革命によって、成長、発展の真っ只中に居た時代の痕跡には迫力があります。

 高い賃金を求め、危険を覚悟で、そんな仕事に従事した人達がこれ程多く居た訳です。

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 長崎市内を後にし、北西に約100km。

 平戸までやってきました。

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 平戸ザビエル教会は、平戸を見下ろす山の中腹にあります。

 1549年、フランシスコ・ザビエルがこの地にたどり着いたところから、日本におけるキリスト教は全てが始まりました。

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 この教会は、ザビエルの平戸訪問を記念して1931年に建てられました。

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 地元の信者の方々の好意で、公開されているのですが、本当に美しい教会でした。

 パリのノートルダム寺院、ミラノのドゥオーモなど、教会建築の傑作と言われる建築をいくつか見てきました。

 この教会は日本の、この小さな港町に合った、素晴らしい教会建築でした。

 踏み絵で知られるように、信仰の為に命を掛けた人が多く居たという事実があります。

 長崎を訪れ、それらが現実であったことを、僅かに肌で感じることが出来ました。教会が、悲しく美しいのです。

 人は生きてこそなので、命を賭すことが素晴らしい事だとは思いません。

 しかし、信仰であれ、信念であれ、命を掛けてまで貫きたいことがあるのか………

 ただ美しいと感じた25年前。信仰と信念を感じた今。それが成長であって欲しいと願います。

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 今日の朝6時に大阪に戻り、バタバタと一日が終わりました。

 まだ、佐世保、北九州が残っているので、こちらは次回UPします。 

<目指せ、家族で47都道府県制覇>

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