カテゴリー別アーカイブ: 03 自然・季節

男類、女類、あわせて人類‐1535‐

 先週末は我が家の女子チームと出掛けたと書きました。

 リフレッシュが目的なので、普段は素通りの池原ダム自体も観光します。

 学生時代は学年で1、2を争うくらい足が速かったという妻も、小5の娘に負けてしまったそう。

 何といっても育ち盛りですから。

 ダムサイトを反対からみるとこんな景色。

 高さは110m。アーチダムとしては国内最大の貯水量を誇ります。

 今回は、水位の関係で池原ダムにボートを下すことができず。南隣にある七色ダムへ移動しました。

 これは七色名物、旧発電所跡。

 久し振りにやってきた七色ダムですが、その名の通り色彩がとても豊かな湖です。

 ボートを車で引っ張ってきて、湖に浮かべるのですがこれが一苦労。

 スロープのおじさんに教えて貰いながら何とか完了。何でもそうですが見るとやるとでは大違いです。

 娘が流れで削られたガラスの破片をみつけました。

 海辺でみつければシーグラスですが、リバーグラスとでもいえばよいのか。

 娘はこれが好きで、飽きずに延々と集めているのです。

 また、宿泊施設でもレストランでも、アンケートがあれば必ずと言って良いほど丁寧に書いています。

 これは私には全くないもの。女の子だからでしょうか。

 ベストセラー「話を聞かない男、地図が読めない女」は2000年4月の発売となっていました。

 もう20年近く経ったことになりますが、狩りにでて、家族に獲物を届けなければならない男に、会話など一切不要。むしろ獲物に気付かれるだけです。

 また、巣を守ること、巣で待つ女性陣の調和を保つことが重要だったので女性に地図は必要ありません。

 ビートたけしは、こんなことを言っていたと思います。

 男と女は、サルとチンパンジーくらいは違う。だから、男類、女類あわせて人類と言うんだ。

 男と女はこうも違うんだということを理解するのに、私も40年は掛かった気がします。(今でも勿論完全に分かった訳ではありませんが)

 付き合っていても、結婚しても、なかなか上手く行かないものだなと思っていたのは「人は分かりあえる」と考えていたからだと思います。

 しかし、分かりあえるかの前に「違う」のです。

 それでも、美味しい魚を食べた時、それ程違った味には感じていない気もするので、そうは違わないとも思っています。

 「違う」ところをフォーカスすれば違う、「違わない」ところをフォーカスすれば違わない。禅問答の世界です。

 こんな小話がありました。

 家に帰ってきたら妻が不機嫌そうな顔で「食卓の電球が切れたの」と言いました。

 夫は疲れて帰ってきたのですが「それなら新しいのと交換しよう」と言って、新しい電球を探しに行こうとします。

 妻は更に不機嫌そうな声で「そういうことじゃなくって!」と怒り出した、という話です。

 「じゃあどうゆうこと?」となりますが、そういうことなのです。

 問題を解決するのが要望でなく、話をすることが目的なのですから。

 先週の夜、「今日何時に帰ってくる?」と娘からメールがありました。

 「ちょっと分からないなあ。なんで?」と返すと、こんな写真が送られてきました。

 あっという間に、何とかかんとか15年が経ちました。

 男と女は違います。それでも求めあいます。

 神様は物事を複雑にするのが、大変お好きなようです。

 それでも、私たちの世代にとって、これからが収穫の秋であって欲しいと思うのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
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『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<&lt;/a&lta</

最高のソース‐1534‐

 週末は我が家の女子チーム、妻と娘と出掛けました。

 男子チームの片割れ、長男は試験があるそうで大阪に居残りです。

 しかし、友人宅へ泊めて貰うことになり、多分一番幸せなはず。友人と居るのが最も楽しいのですから。

 妻も娘も、そこまでの外出好きではないので、一緒に出掛けて貰うには何らかの理由が要ります。

 秋の吉野路を走るだけで私は気分爽快。

 「この季節の快晴を逃して、いつ屋外へ出掛けるんだ」というのはこちらのロジックです。

 「温泉にはいって、自然の中で食事したら気持ちがいいんじゃない」とあくまでお願いベースなのです。

 宿はいつも私が泊まっているバンガロー。

 標高が高いので、ちょうど紅葉がさかりでした。

 快晴の下で見る紅葉ほど美しいものはそうありません。

 温泉に付随するレストランに多くを期待する人はあまり居ないと思います。

 しかし、下北山村にあるきなりの郷は結構いけるのです。

 メニューには、ジビエ、スモークの文字が並びます。

 アユスモーク盛り合わせ900円。

 右上は鹿、左下は猪のスモークですが、猪のスモークは、娘も美味しいと言って食べていました。

 アマゴスモークのトマトソースパスタは1300円。

 下北山村産のアマゴのスモークがのっています。

 鹿のスモークと季節野菜のピッツァは900円。

 野性味あふれる食材とスモークの香りがとても合っていました。

 娘はいつものから揚げ定食850円ですが、2人とも喜んでいました。

 少しは普段の罪滅ぼしになったでしょうか。

 翌日、少し湖に出ましたがほんの申し訳程度。

 目的は野外での昼食です。

 メニューはカップラーメン、サラダ、出来あいのトンカツですが、外で食べれば格別なはず。

 ちなみに、このお湯を沸かすバーナーはジェットボイルといいます。0.5Lなら2分でお湯が沸く優れものなのです。

 静かで景色のよい最上流までやってきました。

 こんな時ならインスタントラーメンも許されるでしょう。

 娘はチキンラーメンしか食べられないので、「安藤百福さんに感謝やね」と言いながら、喜んで食べてくれました。

 私の世代ならグルメと言えばコミック「美味しんぼ」を思い出す人が結構いるのではと思います。

 その中で、美味しいご飯を炊く方法の回がありました。

 それには美味しいお米、美味しい水、また適度な漬け置き、そして炊き方が大事でしょう。

 紹介されていた方法は、お盆にお米を広げ、割れているものや、欠けているものを、ピンセットでより分けるというものでした。

 粒の大きさにむらがあれば味が変わってしまうからです。

 あくまでコミックの中の話しですが、初老の夫妻がその作業をしていた場面が記憶に残っています。

 仕事であれ、家事であれ、そこまで時間を掛けられる人はなかなかいないと思います。

 しかし、美味しいものをつくるということは、こういうことだと思いますし、そうあって欲しいとも思います。

 英語のことわざで、このようなものがありました。

 Hunger is the best sauce. (空腹こそが最高のソース)

 しかし勿論最高のソースは愛情です。

 チキンラーメンに込めた私の愛情は、娘へ届いたのでしょうか。

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日本最古の「道」‐1530‐

 日曜日は、気温が20℃前後で快晴。いわゆる絶好の行楽日和でした。

 「色んなところに行き過ぎて飽きた」と、娘は近頃あまり外出したがりません。

 「遊園地、かつ丼、本を買ってあげる」で誘えば来てくれるのですが、いつもそれでは芸がない。

 この日はにゅう麺+参拝で誘ってみたのですが不発でした。

 よって、最高の行楽日和にひとりで大神神社(おおみわじんじゃ)へ。

 奈良の桜井にある大鳥居は知っていましたが、おそらく初めての参拝です。

 「古事記」「日本書紀」にも記され、日本最古の神社とも言われます。

 大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が、三輪山に鎮まることを望まれたため、左に見える三輪山自体がご神体となっているのです。

 その読み名の通り、三輪素麺で知られる三輪にあります。

 素麺発祥の地とも言われるだけあり、二の鳥居のすぐ横に店がありました。

 鳥居をくぐり参道を進みます。

 神殿はないので、こちらが拝殿。

 檜皮葺きの屋根の下に、光る菊の御紋。

 陰と陽、自然と建築の見事なコントラストを見せてくれます。

 神社も最古なら、最古の道と言われるのが「山の辺の道」。

 三輪から奈良へ至るものでしたが、現在は天理あたりまでが遊歩道として整理されているようです。

 途中に多くの神社や古墳があり、飽きることがありません。

 10年以上前、あるクライアントが「春先にこの道を歩くのが一番好きなんです」と言っていました。

 大阪や京都にない、古都・奈良らしい風情を感じます。

 古の人々の息遣いが聞こえてくるような気さえしてくるのです。

 オレンジのコスモスが道に張り出していました。

 花は自らの花粉を運んで貰うため、これほどまでに美しく咲き誇るのです。

 今度は家族で天理まで走破したいのですが、娘は歩くのを一番嫌がり……

 何かプラスアルファの魅力を探さなければなりません。

 三輪素麺の老舗、「池利」が直営する千寿亭がすぐそばにあります。

 ここのにゅう麺で誘ってみたのです。

 社長の息子2人がスキーの古い仲間で、ずっと前に一度内装だったかの相談に乗ったことがあります。

 おそらくそれ以来なので、久し振りに食べてみたかったのですが、またの楽しみです。

 大阪へ戻るために桜井から169号線を北に走ります。

 何とものどかな夕景ですが、この山裾に日本最古の道は生まれました。

 20世紀初頭、仙台に留学してきた魯迅は、中国に戻り「阿Q正伝」などを発表します。

 短編小説「故郷」にはこのような言葉があります。

 もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ。

 道は先人が作ってくれたものです。

 その道を有り難く利用させて貰うのですが、実業の世界では、優秀な人がその道を最も上手く使います。

 舗装された道を、高性能の車で走るイメージですが、こういった人達がエリートと呼ばれる人々です。

 自分がエリートでないなら、道なき道なのか、獣道なのか、人が通りたがらない道を行くしかありません。

 舗装道路を行くのでは、高性能の車には敵わないからです。

 格好をつけるつもりはありませんが、自分がエリートであるかないかは、分かっているつもりです。

 一休和尚の言葉ではありませんが、踏み出せばその一足が道となります。勇気をもって踏み出すしかないのです。

 帰路の際、屋根が印象的な天理市役所を通りすぎました。

 この近くに、昔「彩華ラーメン」の屋台があったよなあ、と思いながら走っていると、西名阪の天理IC近くにその屋台が見えました。

 懐かしいなあと思いながら、渋滞の車窓から見ていたのです。

 出掛けるということは、道を行くことです。そうすれば色んなことが起ることを、何とか娘に伝えたいのですが。

『道』一休和尚

この道を行けばどうなるものか

危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし

踏み出せばその一歩が道となる

迷わずゆけよ、ゆけばわかる

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一流は柔らかい‐1529‐

 「女心と秋の空」とはよく言ったものです。

 雲の形も目まぐるしく変化していきます。

 一瞬とて、同じ形にはとどまりません。見ていて飽きることがないのです。

 「リベンジ」という言葉が、一般的に知られたのは松坂大輔投手がインタビューで使ってからだと思います。

 現在は中日ドラゴンズに所属しますが、当時は西武ライオンズで、文字通り日本の頂点に君臨する投手でした。

 「リベンジ」は復讐すること、報復、仇討ち等を意味しますが、スポーツ等では、一度負けた相手に借りを返すという使い書い方が主流です。

 私の記憶が正しければ、この使い方を初めにしたのは、格闘技業界だったと思います。

 若い頃はプロレス、K-1、総合格闘技が大好きで、専門誌を毎週買う程だったので、おそらく間違いないと思います。

 更に「アベンジ」という言葉も見つけ、調べてみると以下のような説明がありました。

 リベンジが個人的な理由による復讐であるのに対し、アベンジは正義感による悪への報復という意味合いをもつ。

 なるほど、だから「アベンジャーズ」だったのです。

 「アベンジャーズ」は、アメリカの『MARVEL』(マーベルコミックス)から出版されたコミックです。

 長男が大好きで、最新作も映画館へ観に行っていました。

 これは長男が部屋に貼っているポスターです。

 それで、筆箱も『MARVEL』。

 それに影響を受けた娘も『MARVEL』。

 この重石のようなものも『MARVEL』。

 用途が何かは知らないのですが、確かに格好いいのです。

 「マーベル」も調べてみるとは驚く、驚嘆するという意味でした。だから「マーベラス」は驚く程素晴らしいという意味だったのかと納得しました。

 知っているようで知らないことばかりです。

 松坂投手が「リベンジ」をインタビューで使った時、メディアは一斉に取り上げましたが、私は多少違和感を持っていました。

 力と技がぶつかり合うスポーツの世界で、何となく私闘を連想させる「リベンジ」は合っていない気がしました。

 例えば、当社が設計コンペで負けたとして、「次はリベンジだ」は、合っていない気がします。力不足で負けたので、復讐する必要などありませんから。

 また、相手が「悪」な訳でもないので「アベンジ」もマッチしませんが、どちらかと言えば仕事は「アベンジ」よりでやりたいと思うのです。

 リベンジよりアベンジよりで、マーベラスな仕事を、という感じでしょうか。

 1980年生まれの松坂投手は現在38歳。

 今シーズンの終盤、日本球界では「松坂世代」の引退が話題になっていました。

 今年の活躍までは、何度も引退の声を耳にしました。それでもスタイルを変えながら、ここまで現役を続け、また、ファンから支持されてきたのです。

 松坂投手の魅力は、この春にも一度書きました

 加えて言うなら、一流で居続ける人は「柔らかい」気がします。

 上り詰めるまでは、死にもの狂いで頑張るしかないのだと思いますが、「居続ける」ということは変化し続けるということです。

 雲が変化を望んでいる訳でなく、風や大気の状態が、そうさせるのです。

 人は雲と違って意思があるので、全てが風任せとはならないでしょう。

 しかし、抗うだけでなく変化することを意識しなければ、ただ疲弊するだけで、人生が終わってしまうかもしれません。
 
 およそ私が不得手だった「柔らかい」。しかし、それは確実に、極めて大切なことのような気がしています。

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岩をもうがつ強い意思、そして心に花を‐1525‐

 10月8日(祝・月)は快晴でした。

 台風通過の影響で、気温は30℃近くまで上昇。

 汗ばむ程の陽気になりました。

 久し振りに奈良の湖へ行くつもりが、169号線が崩土によって通行止めに。

 何とも言えない気分ですが、直接出くわさなかっただけでも、幸運だったと思わなければなりません。

 Uターンして奥吉野の川上村、柏木というエリアまで戻ってきました。

 以前観たテレビ番組で、紀伊半島には神奈川県と同じくらいの巨岩が埋まっていると紹介されていました。

 巨岩が多い理由は忘れてしまったのですが、確かに大きな岩が多いと思います。

 この山頂部に見えているのも一枚岩のよう。

 こちらは下北山村の景色ですが、これもおそらく一枚岩だと思います。

 紀伊半島南端にある「古座川の一枚岩」も日本最大級とされています。

 専門家ではないので絶対とは言えませんが、これもそうなら古座川の一枚岩と遜色のない程の大きさです。

 また柏木には、「不動窟」と言われる鍾乳洞があります。

 急に時間ができたので、のぞいてきました。

 受付を済ませ、レストハウス横の長い階段を降りていきます。

 山腹にぽっかりと口が開いていました。

 天井の低い所もありますが、かなり広い空間が広がっています。

 修験道(しゅげんどう)の行場としても知られているそう。

 最奥には、轟々と音を立てて流れる滝がありますが、ちょっと怖いほどの迫力でした。

 この滝の水源がどこにあるのか、またどこへ流れていくのかは、まだ分かっていないそうです。

 その脇に祭られた不動明王。

 恐ろしげな表情でにらみをきかせています。

 硬い石を水が延々と削り、このような空間が生まれました。

 20世紀を代表する彫刻家、イサム・ノグチは「石は地球の骨である」と言いました。

 彼は石にノミを入れる時、飛び散った破片が目に刺さろうとも、更に顔を近づけ、ノミと人間が一体となって石に挑む瞬間に目をこらすことをやめなかったと言います。

 その写真を見たことがありますが、まさに鬼神の表情でした。

 ヨーロッパなら石積みの城に、日本においても城郭の石垣にと、石は最も硬く、強い材として建築にも使われてきました。

 また、磨けば極めて平滑になるので拭き取りやすく、清潔を求められる場所でも重宝されます。

 いわば究極の材なのです。

 鉄筋コンクリートは、石に対する憧憬から生まれたと言っても過言ではないでしょうし、私は人が作る石だと考えています。

 里山風景の中にコスモスを見つけました。

 現実というものは、なかなかに厳しいものです。

 困難を克服し、更に前進するには、岩をもうがつ強い意志を持っていなければなりません。

 ただ、心には花を持っていたいと思っています。

 ささくれだった心では、やはり真実を見抜くことはできません。ただ一輪でも花を持っていたいと思うのです。

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台風から瓦を守るのは誰‐1522‐

 台風21号の爪あとがいまだに残るなか、昨晩の24号は和歌山に上陸しました。

 関西、東海、関東を縦断しましたが、今回は関東での影響が大きかったようです。

 今日の大阪は台風一過の晴れ空。

 生駒山がくっきりみえていました。

 唐突ですが、日曜日の産経新聞に、私の名前がでていたと、何人かの方から連絡を頂きました。

 『広がる「喫煙者不採用」の動き 導入企業は好評価 「差別」の懸念も…』という記事で、先週中ごろに取材を受けました。

 約15年前から喫煙者を採用していない大阪の一級建築士事務所「アトリエm」の守(もり)谷(たに)昌紀代表(48)は、現場の防火も理由のひとつとした上で、「役に立つための仕事で、人に迷惑をかける可能性があることはしてはならない。顧客に引き渡す商品の場ではなおさら」と話す。

 たったこれだけの部分ですが、それでも15分から20分くらいは記者の方と話をしました。

 このあたりが新聞の凄さだと思いますし、時々彼らの目に留まるのは嬉しいことだと思っています。

 スタッフ不足の真っ最中で、微妙な気持ちもありますが、嘘はつけないので仕方ありません。

 今日から10月で、すでに稲穂も頭を垂れはじめています。

 関西の農家の方は、24号の風害が少なかったことは何よりだったでしょう。

 我が家も停電に備えて、手動発電ライトを試験点灯。

 すべて取り越し苦労に終わりましたが、嬉しい誤算でした。

 とはいえ、屋根、外壁、板金、電気工事などは、未だ追いついていないのが現状です。

 瓦屋根が減小する中での天災で、需要が供給を大きく上回ります。

 私の仕事においても、瓦屋根の作品はこれまでに1軒だけです。

 「境内の中の家」は、2008年にフジテレビのスーパーニュースから、200日に及ぶ密着取材を受けました。

 文字通り、神社の中にある神官のお家で、軒先は一文字瓦ですっきりと仕上げました。

 もしかすると、私たちが瓦最後世代になるかもしれません。

 最近の瓦は、下地に桟をうち、そこに引っ掛けてクギで固定します。

 従来の瓦は土で固定しているだけ。

 最上部にある「のし瓦」は銅線もしくはステンレス線で固定されますが、それでも21号の時は、多くの瓦が吹き飛ばされました。

 こちらの建物は、築50~60年だと思うので、おそらく土での固定です。

 密集して建っている場合、古い工法だったとしても、そこまで被害を受けていないことが多いのです。

 反対に、ポツンと立っている建物は風の影響をダイレクトに受けます。

 こちらの住宅は、屋根上のアンテナがかなりの風圧を受けたでしょう。

 根元の屋根部分がかなりのダメージを受けており、早々に手を入れてあげたいところです。

 周辺環境は変わるので、どうすることもできませんが、街並みを意識するということは、景観以外の恩恵があると言えるのです。

 先程の被害が見えなかった住宅ですが、屋根の上に面白い飾りが載っていました。

 調べてみると「鍾馗様(しょうきさま)」と言うようです。

 道教の神様で、中国では鬼を退治したという逸話から、厄除けに飾るよう。

 向かいの家が「鍾馗様」を飾ると、同じようにお向かいが飾る習慣があるらしく、微笑み返しとして「おたふく」を飾ることもあるそうです。

 よくみると、凛々しく、また可愛らしい顔をしています。

 厄の中には、もちろん台風も入っていたでしょうが、最後は神頼みなのです。

 オリジナリティ、個性が尊重される時代です。

 過去の慣習を踏襲することが全て良い訳ではありませんが、自身の経験外のことが起こることは多々あります。

 そんな時、街並みという歴史に学ぶことは沢山あると思うのです。

 頭を重くした細い稲穂が、一本で植わっていたなら。

 台風がくればひとたまりもないでしょう。

 それぞれが自分で立とうという意識は大切ですが、人にしろ、植物にしろ、よりそって生きなければならない場面は、意外に多いのかもしれません。

 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

 鉄血宰相、ビスマルクの言葉を、警句として聞きたいと思うのです。

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困難克服ゲーム‐1515‐

 台風21号が通り過ぎ、2日が経ちました。

 関西では風速50m/sを越えた所もあり、大きな傷跡を残して行きました。移動が速かったのは不幸中の幸いだったと思います。

 私が設計した建物でも、室外機が飛んでしまった、剥がれた大きな屋根が飛んできてバルコニーに落ちてきたなどの連絡を貰いました。

 こちらは、連絡を貰った訳ではないのですが「Ohana」のシンボルツリー、オリーブが倒れてしまったとfacebookで知りました。

 店主で、カメラマンの石井さんの写真を拝借しています。

 今から9年前、2009年の9月「古川庭樹園」へ行きました。

 畑と言われる、樹木を育てるエリアを、石井さんと探してまわったのです。

 その中から、この一本をみつけました。

 私の車で持って帰り、自分達で植えたのです。

 竣工時はこの大きさ。1.8mくらいでしょうか。

 私が最後に会ったのが今年の6月。BBQの時でした。

 軒下までが6.8mなので、およそ7mにまで成長しました。

 本当に立派になったなあと、思っていたのです。

 形あるものはいつか壊れます。生き物なら、いつか必ず息絶えるのです。

 関西は大変だと言っていたら、北海道で震度7の地震が発生しました。

 自然の驚異を前にしたとき、ただ頭を低くして、行き過ぎるのを待つだけしかできないのです。

 人生は困難克服ゲームです。

 RPG(ロール・プレイング・ゲーム)と例えてもよいかもしれません。

 敵と出くわさなければ、また戦わなければ経験値が上がることはありません。

 ゲームならその戦いを楽しめるが、現実なら逃げたくなるのは何故なのか。

 ゲームは気に入らなければやめることが出来ますし、必ず解決できると知っているからだと思います。

 ならそう決めるまです。

 絶対にやめない、必ず解決すると決める。なかなかできませんが、これが人生を困難克服ゲームにするコツのはずです。

 何が起っても、人は死なない限り生きます。

 それなら、前向きに生きるだけです。

 今日も、明日も困難ばかり。それこそが、成長の源ですから。

■■■9月16日(日) 9:00am~12:00pm 高槻中学・高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加します■■■
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夏夜の花火に、潮風mix‐1514‐

 8月上旬、娘が「今年は花火みてないやん!」と言い出しました。

 毎年花火を観るルールになっていたかなと思いながら、妻に探してもらうと……ありました。

 「泉州 光と音の夢花火」は、9月1日(土)、2日(日)の開催。何とか日曜日の席を確保できました。

 打ち上げ開始は8:00pm。

 夕日を背に、泉南市のタルイサザンビーチへ向かいます。

 位置的には関空のすぐ南。りんくうタウンの観覧車がみえていました。

 2014年から始まった音楽フェスティバルのフィナーレとこの花火大会は始まりました。

 音楽フェスだけでなく、肉フェス、WORLD beer festaと色々なイベントの総称が「大阪泉州夏祭り」のよう。

 もうごった煮のイベントなのです。

 会場を転々とし、昨年からここでの開催となったそう。

 打ち上げ前まで、海辺のステージは盛り上がっています。

 事前に楽曲のリクエストも受付ており、スキマスイッチの「奏」で幕を開けました。

 安室奈美恵の「HERO」。

 うちの子供達が好きなK-POP、BIGBANの「Haru Haru」も。

 それぞれ1万発で、2日で2万発。

 1時間上がりっぱなしでした。

 ケツメイシの「夏の思い出」はあるかなと思っていましたが、それは流れず。

 勿論サザンもありませんでした。

 時代は移ろいます。寂しい気持ちがないと言えば嘘になりますが、夏祭りは若者の物ですし、それでいいと思います。

 若者と言うには更に若い、13歳、10歳兄妹ですが、楽しい夏休みになったのでしょうか。

 茅渟の海 深紅に染める 夢花火

 ひとよの夢を ひととき映せ

 一句詠んでみました。

 気が付けば、行く夏を惜しむ季節になりました。

 もう若者ではないのが寂しいのは寂しいですが未だ青春ではあります。

 松下幸之助の愛したサミュエル・ウルマンの詩の通り、それは心の持ちようだと思っています。

 であるなら、やっぱり「夏の思い出」潮風mixは聴いてみたかったか。

■■■9月16日(日) 9:00am~12:00pm 高槻中学・高校文化祭にて
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■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
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■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<&lt;/a&lta</

身近にあった真備。「ではない探し」ではない人生を‐1512‐

 8月も最終週に入りました。娘は今日から小学校に行っています。

 9月1日世代にはピンときませんが、休みが多すぎるよりは良いでしょうか。

 夏休み最終日の昨日、岡山、香川へ墓参りに帰っていました。

 まずは父方の郷里、倉敷へ。

 倉敷市は比較的大きな市で、倉敷川となまこ壁で知られる美観地区から、海沿いまでを網羅しています。

 その海を臨む墓地に守谷家の墓はあります。

 瀬戸内海式気候の夏は、雨が少なく本当に暑い。

 しかし、ここは眺めがよく目には涼やかです。

 中学生になった長男2人は、共にクラブで欠席。

 曾孫に打ち込みたいことが出来たなら、祖父母も喜んでいるでしょう。

 暑い中、一番下の女の子2人が墓掃除まで頑張ってくれました。

 次は、瀬戸大橋で香川へ移動します。

 母方の墓地は、金比羅山の見える田んぼの真ん中にあります。

 小さい頃から何度も目にしてきたこの景色ですが、日が強く、緑が本当に鮮やかです。

 稲穂も徐々に頭を下げ出していました。

 子供達も、蒸せるような夏草を香りを、いつか思い出す時がくるでしょう。

 父方の郷里が倉敷の海沿いと書きましたが、この辺りの住宅では、焼き杉板が結構使われています。

 倉敷と書いていますが、昔から我が家でも児島(こじま)と呼んでいます。

 昔は学生服の街、また現在では国産ジーンズ発祥の地としても知られる繊維の街なのです。

 近くにタコ漁で知られる下津井等もあり、なかなかに活気のある街だったようです。

 材木商だった祖父は、商いでは成功していたようで、墓地の裏には結構な規模の山を所有していました。

 そういえば、代々の墓も最も見晴らしの良い場所にあります。

 その祖父に続いて、数年前に父の兄も他界してしまったのですが、伯母は健在で少し話をしました。

 先月の豪雨では、倉敷市の真備地区で高梁川が氾濫し、多くの犠牲者がでてしまいました。

 伯母の姉がこの地区に住んでいたことを昨日初めて聞きました。

 親族が暮らしており、ぎりぎりのところで非難していたと聞いて、より豪雨の災禍を身近に感じます。

 先週、広島、愛媛を回った際も、多くの土砂災害跡が残っていました。

 思わずカメラを背けてしまいましたが、山肌にある墓地はかなりの確率で被害を受けていました。

 墓石が流されている景色は、何とも表現しがたい景色だったのです。

 伯母の姉の家も、2階まで完全に水に浸かってしまったのですが、近所の方が強い調子で連れ出して下さったそうで一命をとりとめました。

 しかし、家の中には土砂が流れ込み、乾き、とても住めるような状態ではないと言います。

 昨年、こんなたとえ話を話を聞かせてもらいました。

 もしあなたが「今、ソマリアの難民キャンプで、毛布が不足している」と聞いたらどう答えるでしょうね。

 「それは可哀想だな」で終わるかもしれません。

 この話を、安部首相が聞いたらどう答えるでしょう。

 「それは、日本として何か支援をしなければなりませんね。すぐにどんな援助ができるか検討して貰えませんか」と、しかるべき担当者に指示を与えるかもしれません。

 これが、視野の違いです。

 あくまで例えですが、その通りだと思いました。

 日本人ではない、知合いではない、親族ではない、家族ではない、自分ではない……

 どこまでも、「ではない探し」をしている人と、そうではない人の、どちらが人生において成長するのか。その答えは明らかです。

 大阪北部地震、西日本豪雨と、直接何かの援助ができている訳ではありません。

 まずは、精一杯自分の仕事に打ち込み、喜んで頂き、感謝の対価を頂き、しっかり税金を納めることが一番です。

 しかし、伯母の姉の話しを聞き、ではない探しをしていた自分がいたことを、はっきりと認識します。

 何度か書いた、讃岐うどんの名店めぐり

 今回は初めての店を訪れてたのですが、ちょっと内容がそぐわないので次回にします。

 「ではない探し」ではない人生を送る。

 何度も、何度もそう決意しなければならない程、人はやっぱり弱いのです。

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晴れの日も、土砂降りの日も‐1508‐

 世はお盆休みです。

 建築業界では、15日(水)あたりまでを休暇とする会社が多いでしょうか。

 週末は長男と休みが合い、池原ダムへ行っていました。

 6月に行った前回から、面白さのステージがひとつ上がったようで、「行こうか?」と聞くと即答でした。

 気温的には30℃を越えていますが、滝からは谷筋の涼風が吹き降ろします。

 おのずとそんなポイントを回るのは、こちらの都合と魚の都合が一致するから。

 木陰に人が集まるように、条件が厳しければ魚の居所は絞りやすいのです。

 長男も今までで一番釣っていました。

 面白いと思えば、自分でしてみたくなります。

 ようやく一通りのことが出来るようになりました。

 暑い暑いと言っているううちに、山上湖では結構な数のトンボが飛んでいます。

 暦の上では立秋を過ぎました。

 長男も満足していたので、この日は昼前に上がりました。

 こうしてスロープでボートを上げ下ろしして貰います。

 セルモーターが回らない場面があり、湖上で少し慌てました。

 ボートもここに駐艇しているのですが、店長がエンジンを見てくれました。

 エンジンをかける時、セルモーターのギア部分がせり上がるのですが、そこがスムーズに動いていなかったようです。

 丁寧にグリスアップしてくれました。

 機械はいつも私の都合に合せてくれますが、メンテナンスをしなければ、言うことを聞いてくれないものです。

 昨年のお盆休みは、トレジャーキッズたかどの保育園の追い込みで、47都道府県制覇の旅を年末に延期しました。

 今年もあるプロジェクトの追い込みです。

 休んだお盆も多々あるのですが、何故か仕事をしている場面ばかり思い出します。人は本当に弱いものです。

 27歳から3年程の間、ひどい鬱に悩まされていました。

 何件かの病院で診察を受けましたが、こんなことを言ってくれた先生がいました。

 「あの人は何故あんなに休みがあるのだろうとか、何故若くしてあんなに給料を貰っているんだろうとか、人はどうしても周りと比べてしまう。

 それがストレスになって、精神をむしばんでいくのだろうね。

 でも、それは当たり前だから、趣味が一番で仕事が二番くらいの考え方が良いだろうね」

 解散してしまったSMAPのヒット曲ではありませんが、人はどうしても人と比べたがるのです。

 それらを認めた上で、自分の生き方、働き方を決めなければなりません。

 仕事があるうちが花。また、今週末も旅行が控えています。また、何としても完結させなければなりません。

 人は比べたがります。でも比べないと決めるしかありません。

 晴れの日も。

 土砂降りの日も全て受け入れて、自分の道を行くしかないのですから。

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