タグ別アーカイブ: Shabby House

ようこそShabby Houseへ!‐1801‐

 今日は朝から梅雨らしい天気でした。 

 庭木の梅も雨粒をたたえて活き活きとしています。

 「梅雨の梅」と書くと和菓子の名前のようでもあります。

 雨だれが葉を打つ景色も、なかなかに風情があるのです。

 「梅雨」は中国から来た言葉で、梅の実が成る季節に由来していると言います。

 「つゆ」という読み方も、木々に「露」が付く様だったり、梅の実が熟れて潰れる様子から「潰ゆ(つゆ)」となったと説明するサイトもありました。

 まさに梅の実から露が流れる瞬間ですが、梅と梅雨は相性ぴったりのようです。 

 梅の葉ではありませんが、青々とした柿の葉で包まれた柿の葉寿司です。

 これまでに仕事をさせて頂いたクライアントが、ご夫妻である相談に見えたのです。
 
 気が付くと4時間も話しこんでいました。

 お土産に頂いてしまったのですが、スタッフも、我が家の娘も、食べだすと止まらないと……

 この季節は柿の葉まで美味しく、梅雨には梅雨の楽しみがあるものです。 

 と思っていたら、夜にはShabby Houseの奥さんからメールが届きました。

先日我が家の玄関照明をやっとつけました。
守谷さんにご報告したくて…

 嬉しいことは続くもの。

 こちらのお家は、内部のこだわりで言えば私の仕事の中でもSクラス。

 家具などは、ビンテージ加工したものを確か名古屋の業者さんから納品してもらいました。

 殆どが奥さんのこだわりでしたが、キッチンにある冷蔵庫の左に躙り口が見えるでしょうか。

 ここをくぐると酒部屋があります。

 ご主人のご希望はここだけ。

 担当がびっくりするくらい明確でした。 

 玄関扉は南仏で100年以上使われたもの。

 静岡の清水港まで見に行って、購入されました。

 その玄関を入るとエントランスホールがあります。

 そこに新加入したのがこの星形のペンダントライト。

 「ようこそShabby Houseへ!」です。

 メールの最後に「またコロナが落ち着いたら、晩御飯でもご一緒したいです」と添えてもらいました。

 このような機会だからこそ、考えることが色々あります。

 何が大切なのか。何を大切にしてきたのか。これから何を大切にして行くのか。

 戦友であるクライアントと、杯を酌み交わすこと程幸せな時間はありません。

 ご主人の蘊蓄に耳を傾けながら黄金比のハイボールを……そんな時間がまたやってくることを楽しみにしています。

 ワクチン接種、東京五輪と課題は山積していますが、有史上、梅雨が明けなかったことは一度たりともないのです。
 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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木となった聖樹‐1621‐

 近畿地方も、昨年の台風ではかなりのダメージを受けました。
 
 泉南地方は停電が長引き、設備設計事務所がなかなか仕事ができないと嘆いていました。

 現代において、電気がなければ仕事も全く進みません。関東地方において、少しでも早い復旧を願うしか出来ないのです。

 9月24日(祝・火)に移転、オープンする「うえだクリニック」。竣工一歩手前までなんとかこぎつけました。

 外構工事は足場がとれた後になります。

 外部土間の打設だったり、サインの準備だったりと、暑い中を真っ黒に日焼けした職人達が黙々と働いています。

 こういった人達の日々の仕事の上に竣工がある訳で、「必ずこのプロジェクトを成功させる」という強い気持ちになるのです。

 近くを通ったので「中庭のある無垢な珪藻土の家」の庭樹を見に行ってきました。

 こちらは建物前のヤマボウシと中庭にヤマモミジが植わっています。

 ヤマボウシは一度葉が落ちたことがあり、この暑さで少し気になっていたのです。

 足下まで日を受ける一本立ちは、最も条件が厳しいのですが、元気に育っていました。

 「Shabby House」においては、一度枯れてしまったことがあるのです。

 「Shabby」の言葉通り、「着古した」家を目指したこの住宅ですが、庭樹にもテーマがありました。

 シンボルツリーにはヨーロッパでクリスマスツリーに使われるオウシュウトウヒ(ドイツトウヒ)が選ばれました。

 2011年春の竣工後、奥さんと「古川庭樹園」まで行き、この一本を探してきたのです。

 これは2012年のクリスマスの写真。

 ライトアップされ、見事なクリスマスツリーとなっていました。

 しかし2013年の猛暑で元気を失い、2014年に枯れてしまったのです。

 2014年の5月、再度「古川庭樹園」へ。

 こちらの専務も一緒に回ってもらい、奥さんとこの一本を見つけました。

 一本立ちなので、もう少し日に強い方が良いだろうと常緑のヤマボウシ、「マウンテンムーン」という樹種にしたのです。

 少し土も改良して貰いました。

 最後に伺ったのは2015年の秋で、元気に育っているだろうかと思い出したのです。

 うえだクリニックにも植栽をします。僅か1本、2本の樹々が街に潤いを与え、建物に物語を付加してくれるのです。

 「Shabby House」はパリのアパルトメントを本気で目指そうと、ドイツトウヒを選択したのですが、今の日本は暑すぎたようです。

 あの樹には悪いことをしてしまいましたが、本物のクリスマスツリーがあったその景色は、心に残っています。

 むしろ、今は無いからより長く残るのかもしれません。

 「樹」は生きているものだけを指し、木材の言葉がある通り、「木」はあらゆる状態に使える言葉です。

 クリスマスツリーは「聖樹」とも言うそう。

 「木」となってしまったあのドイツトウヒを、何かの形で残す方法を考えれば良かったと、今更ながら悔いが残るのです。

 たった3ヵ月で本当にクリスマスがやってくるのかと訝りたくなる程の暑さですが、それがこの日本の魅力です。

 また、自然や宇宙は人知を超えたものである証拠かもしれません。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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■9月15日(日) 9:00~12:00 高槻高校文化祭にて
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【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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