タグ別アーカイブ: 寺山修二

いちばん小さな海‐1479‐

 前回は、仕事のことを書きました。

 今回、次回はゴールデンウィークモードでいきたいと思います。

 久し振りに父の船で釣りに行ってきました。

 大阪湾と友ヶ島の間にある紀淡海峡。潮流が速く、魚も豊富です。

 岸和田から出船し、1時間程かけてやってきました。

 今回は、父、私、娘、弟、甥っ子の5人で釣行です。

 小5の子供が2人なので、いわゆるファミリーフィッシング。

 確実に釣れる、根魚狙いです。

 娘も釣りは久し振りですが、早速ベラを釣り上げました。

 ベラ、ガシラが飽きない程度にポツポツと上がってきます。

 甥っ子は子供たちの中で一番の釣り好き。マイロッドまで持っていました。

 2人で楽しんでくれたなら何よりです。

 今回一番大きい魚は私の釣ったアジ。

 40cmくらいでしょうか。

 で、夜の食卓へ。

 船上で父が〆てくれたので、身が引き締まって歯ごたえが別次元。

 娘はアジの刺身が何よりも好物で、その歯ごたえを満喫していました。

 ガシラとベラは、から揚げに。

 淡白な白身に旨みが増すので、私この食べ方が一番好き。

 開高健は「顔のヘンな魚ほどうまいものだよ。人間もおなじ。醜男、醜女ほどおいしいのだよ」といいました。

 こんなことを書くと、ガシラとベラが夢にでてくるかもしれません。

 肉より、魚のほうがいい年齢になりましたというか、なってしまったというか……

 これも豊かな海の恩恵です。

 生命はこの海から40億年前に誕生しました。最後は、ちょっとロマンティックに締めたいと思います。

 なみだは人間の作るいちばん小さな海 -寺山修司-劇作家

 全ての源である母なる海。ひととき波間を眺め、心静まるのを待ちます。

 私の体の中にも海があるのです。

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『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
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メディア掲載情報

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<</a

違うことを恐れるな‐1377‐ 

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 ゴールデンウィークの旅ですが、 <青森・秋田編><岩手・再び秋田編>とも長くなってしまいました。

 建築と街をまとめて終わりにしたいと思います。

【5月2日(火)】弘前

 青森空港から弘前に向かう県道。

 ポプラが真っすぐ伸びる風景は、北海道をおもわせるものがあります。

 リンゴの木はクネクネと人が踊っているようにも。

 土地土地で、全く景色が変わるものです。

 弘前公園には、前川國男の作品が多くあります。

 前川は、昨年世界遺産に登録されたル・コルビュジエに師事しました。

 日本における、近代建築の第一人者です。

 1976年完成の弘前市立博物館。

 翌年に完成した熊本県立美術館と同じく、赤茶のレンガのみで外観が形成されています。

 このあたりに、前川の潔さを感じるのです。

【5月3日(水)】 大舘(おおだて)

 曲げわっぱで知られる大館。

 秋田の内陸部に位置しますが、秋田杉を使った世界最大級の木造ドームがあります。

 大館樹海ドームは1999年の完成。

 設計者は国立競技場のコンペを、隈研吾と最後まで争った伊東豊雄です。

 餅網を曲げたような構造体が圧巻でした。

 後ろに見える山には、大舘なので「大」の字が。

 これでトリプル「大」とのこと。

【5月4日(木)】盛岡

 盛岡は北上盆地の北部に位置します。

 盛岡市のwebサイトには「望郷の岩手山」とありました。標高2038mの大変美しい山です。

 中心部の商店街で見かけた「北日本銀行大通支店」。

 六本木 久志さんという建築家の作品でした。

 総ガラスブロックは、どうしてもレンゾ・ピアノをイメージしますが、盛岡の透明感とは一致しています。

【5月5日(金)】秋田・大仙(だいせん)

 秋田市は東北の日本海側最大の都市。

 あきたこまちと細麺の稲庭うどんが有名です。

 秋田市街の中心にある秋田県立美術館。

 2012年の完成で、安藤忠雄の設計です。

 正面からは分かりませんが、背面は三角がモチーフとなっています。

 三角形の平面をもつエントランスホールにかかる階段は、それ自体がアートと言える美しさでした。

 ラウンジは水平窓が連なり、直下の水盤が浮遊感をかもしだします。

 ソファに腰掛けると、目線の先には千秋公園の濃い緑が。

 これまで見た安藤建築の中で、最も美しい窓だと感じます。

 堀の向こうに見える旧の県立美術館。

 現在は閉館となっているようですが、非常に面白い造形でした。

 最後は、秋田市と角館市の中間にある大仙市。

 酒どころの大仙市で300年以上続く奥田酒造は、銘酒「千代緑」で知られます。

 造り酒屋の店舗兼住居は1957年完成で、白井晟一の設計。

 大仙市のwebサイトにも紹介されていました。

 通りのある西は閉じ、北に開いているのが分かります。

 西側正面は縦板張りで、格子も縦。

 しかし完成して60年が経ち、老朽化が進んでいるところも見てとれます。

 時間に淘汰されない、また丈夫で長持ちする建築を創り上げることが、そう簡単でないことがよくわかります。

 命はいつか尽き、形あるものは必ず壊れます。しかし街は少しづつ変化をしながら、生き続けるのです。

 盛岡の駅前で、ガソリンスタンドに入りました。

 25歳くらいの女性店員に声をかけると「なまってますねえ~。どちらからですか?」と。

 生まれてこのかた、「なまっている」と言われたことがないので、その店員さんに「そんなになまってますか」と聞いてみました。

 「そうですねえ。私も盛岡郊外の実家に帰ったときは、方言がでるのですが、盛岡で働いているときは、いつも標準語なんです。それとくらべると……」

 新聞のコラムで、「書を捨てよ、街へでよう」と言った、劇作家の寺山修二は弘前出身だと知りました。

 ふるさとの 訛りなくせし友といて モカ珈琲は かくまでにがし 

 彼は47歳で世を去りますが、一生を津軽弁で通したそうです。

 地域の言葉は、教育で身につけたものではありません。

 街と同じく、脈々と受け継がれてきた、まさに生きた文化です。それらの違いをこの目で見たくて旅をするのだとも言えるのです。

 「違うことを恐れるな。簡単に同化するな」

 寺山修二はそう言っている気がするのです。

<目指せ、家族で47都道府県制覇>
46/47 【】はまだ

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