タグ別アーカイブ: 光庭

建築家・守谷昌紀TV 光庭で木の葉が揺れる「伊東内科クリニック」

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

メディア掲載情報

はじめての光庭‐1427‐

 大阪市生野区は、大阪市の東端に位置します。

 密集した住宅街が続き、まさに下町の代表格のような地域。

 私が「生野の家」を設計・監理していたのは、2000年から2001年にかけて。29歳から30歳にかけての頃です。

 私にとって6つ目の作品で、初めての鉄骨造。1年間休業する前の最後の作品でもあります。

 約10年ぶりに訪れましたが、外壁が塗装されていました。

 暑さ対策に遮熱塗料を塗ったとのことでした。

 敷地一杯に建っているので、庇を付けられなかったのですが、今ならまた違った提案が出来たかもしれません。

 自分の作品をこういっては何ですが、なかなか魅力のある建物だと思います。

 屋根の納まりに粗さも見えますが、丸窓は随分悩んでプロポーションを決めました。

 リビングの開口部は、階段に沿うように三角形+長方形の台形としました。

 この窓も、大きさ、位置とかなり悩んだことを覚えていますが、その窓の横には光庭を配置しました。

 正直に言えば、最も仕事が怖かった時期でした。

 創業して5年目。本当に自分の判断は正しいのだろうかと、不安で不安で仕方なかったのです。

 そして、その後1年自分を見つめなおす時間を持つことに決めました。

 今回は、先の台風で雨漏りが発生してしまい、工事担当者に同行して対策を話し合ってきました。

 問題はないにこしたことはありませんが、起こってしまったなら、それに対して手を打つしかありません。

 その手に効果がなければ更に改善策を考え、手を打ち続けるしかありません。

 そんな簡単なことが、20代の頃は分からなかったのです。

 29歳の自分と向き合っているようで、プランを見直してみました。

 ここで初めて建物に切れ込んだ光庭を採用したことを思い出します。

 都心部での暮らしに、光庭が果たす役割は大きいのではと考え、3階から1階まで光が届く中庭を提案しました。

 この経験から密集した環境の際に、光庭を挿入することをはじめたのです。

2006年「光庭の家」 大阪市生野区

2012年「住之江の元長屋」大阪市住之江区

2015年「松虫の長屋」 大阪市阿倍野区

 これらは、全て「生野の家」からの系譜なのです。

 クライアントの期待を背負い、実際の現場で経験したことは何物にも代えがたい経験です。

 それが自分の中で醸成し、ある場面において噴き出してきます。

 そうなればしめたもので、自然に手が動き納得できるプランが出来上がるのです。

 ただ、当時は明るく元気だったお母様は今年の2月に96歳の長寿を全うされたとのこと。

 無精をしていた非礼を心からお詫びしたい気持ちです。

 また、建築というものが、生まれ、成長し、成熟し、没する全ての場面に関わることを改めて実感します。

 心からご冥福をお祈りいたします。

ようこそ阿倍野の長屋へ<光庭シリーズ第三弾>‐1273‐

 昨日は「阿倍野の長屋」の見学会でした。

 4月23日に行った、大阪市住まい情報センターでのセミナー。『建築家とつくる住まい入門』と連続講座になっていました。

 セミナー参加者から24名の申込がありましたが、当日は16名の参加。3班に分けて案内することになりました。

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 まずは、建物外で全体像を説明。
 
 そして、私が説明しながら建物内を廻ります。

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 延べ面積が36坪ですから、それ程小さい訳ではありませんが、思った以上にいっぱいな感じ。

 同時にこの人数を案内したのは初めてかもしれません。

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 案内が終わったら、住宅情報センターからのアンケートを記入して貰います。

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 その間、ご家族はこんな感じ。

 新たな、光庭の使い方を教えて貰いました。

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 キッチン前には、長男君からのメッセージが。

 この心遣いが訪れる人の気持ちを和らげますし、私達もどれだけ救われたことか。

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 最終班の見学が終わったのが16:15。ここからは番外編です。

 このイベントのポスターを見て、どうしても見せて欲しいという女性が1人時間外で参加。加えて、家族も呼んでいました。

 弟君はご主人と仕事場へ出掛けており、子供達3人でサッカーを始めました。

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 うちの子供にも「松虫の長屋」は評判が良いのです。

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 その理由は、楽しそうだから。

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 メインイベントはやはりここ。長男君と、長男が一緒に登りました。

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 続いて娘も登頂成功で、私も肩の荷がおりました。

 長男のスケジュールが私よりタイトになって行く中、何度こんな機会があるのか分からないからです。

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 参加者の皆さん、一様に感心してくれましたが、やはり月見台に出た時は、感嘆の声を上げていました。

 この街中でこの解放感、といった感じでしょうか。

 今週末発売の、『住まいの設計』にも掲載されます。

 良ければ手に取ってみて下さい。

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 「住之江の元長屋」の見学会に参加してくれたのがきっかけで、仕事をすることになったのが「阿倍野の長屋」です。

 リノベーションにおいての「光庭シリーズ」。今回は第三弾で旗竿型光庭。進化形だと考えています。

 先月のセミナーでも取り上げたのですが、今度は「光庭シリーズ」の系譜をまとめてみたいと思います。