カテゴリー別アーカイブ: 03 自然・季節

海の男の心得‐1102‐

 9月最後の日曜日は、秋晴れの日本海へ。

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 今回は、家族だけでなので、妻も同船しています。

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 よって、私の写真も。もう少し大物の写真なら、尚良かったのですが。

 それでも、ベラとガシラがぽつぽつと。しかし昼前には、予報通り北風が吹き始め、白波が立ちだしました。

 今年の潜り納めに来たので、長男も非常に残念がっていました。

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 港に戻って獲物をさばき、海を眺めながらの昼食。

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 小さくとも自分の船で、海に出るのが好きでした。獲物をさばき、招待した友人に振舞うのが、好きでした。

 ところが、このスロープが使用禁止なると知ったのが2週間前。

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 船が70kg、エンジンが45kg。1人で準備している際、ぎっくり腰になったこと2回。

 キャンセルは出来ないと、桑田真澄がかかっていたという鍼灸師の元をたずね、治して貰ったこともありました。

 もう準備をすることがないと思うと、それも良き思いで……

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 これが父の趣味だったので、小学校からずっとこんな事をして来ました。 父の友人はここが気に入り、セカンドハウスも借りました。

 70歳を越え、週末はほぼここに居ますが、潜り方、海の男の心得のようなものを教えて貰いました。

 「海で仕事の話をするな。海底で空き缶を見つけたら拾ってこい。本当に海が好きな奴がくればいい」

 辛いときに辛いと言わない。人の嫌がることをする。そして孤独を恐れない。学んだことは、やせ我慢とダンディズムだと思います。

海を眺めながら、父は想う ‐1097‐

 今日は敬老の日で祝日。

 今すぐ飛び出して行きたいような青空ですが、昨日は日本海へ行っていました。

 人の少ない砂浜。

 遠くに望む越前岬。

 そして紺碧の海。

 やはり、海はこの時期に限ります。

 後輩1人と現地で待ち合わせ、早速船を出しました。娘の世話、釣りの準備と船上はせわしないもの。

 「おっちゃんについて泳いどき」と、長男を送り出しました。獲物はカワハギか。

 娘は釣り。

 良い型のガシラも上がりました。

 沖の岩場は手付かずの自然で、やはり海が豊かです。

 それを見せたいが為、車に船を積み、海へ、湖へと向かいます。しかし、港のスロープが来年から使用禁止となるようです。

 ここを訪れて30年以上。さて、これからどうするかなと思案しています。

 準備は1週間前から。当日の光景を思い浮かべながら準備します。

 現地では準備をしていると、子供が「釣りをする、寒い、おしっこ」と用事は増える一方です。そして、子供が言います。

 「お父さん、おっちゃんの方が一杯魚採ってるで」と。

 父という業も修行の連続です。

 行きの車中、近江高島のあたりで蜃気楼が見えました。琵琶湖の対岸の景色が浮かび上がっているのが見れるでしょうか。

 夏の終わりは、いつだって物悲しいもの。何かやり残したような気分になるのは何故でしょう。

 夏の忘れ物は夏のうちに……

夏は若く新鮮‐1091‐

 青い空に湧き上がる入道雲。

 日本の夏の景色です

 今回の広島の豪雨では、積乱雲が絶えることなく、繰り返し現れたそうです。最大15kmの高さにまでに。

 先週撮った写真ですが、せいぜい500mくらいでしょうか。その約30倍です。

 スタッフのマルコに「ニュウドウって何?」と聞かれました。

 入道雲は積乱雲の別称。エベレストを遥かに凌ぐ、坊主頭の化け物が次々と現れ、豪雨を降らせ続けたのです。本当に恐ろしい光景だったと思います。

 治水の悪い、大昔に生れた言葉を、現在で体感することになる。これも警鐘のひとつかもしれません。

 一人でも多くの命が救われることをお祈りします。

 今年は雨の多い夏でした。こうなると、空高い秋晴れが恋しくなってきます。

 広辞苑によると、「夏」はアルタイ諸語で「若い」とか「新鮮な」を意味するnierymが語源だそう。

 若く新鮮。だから、あっと言う間の過ぎ去っていくのか……

 夏休みも残すところ一週間。最後の日曜日くらい、スカッと晴れて欲しいと願っています。

一瞬の夏‐1079‐

 ワールドカップが幕を閉じました。

 1ヶ月に及ぶ戦いの末、200を超える国と地域の頂点に立ったのはドイツ。ネイマール負傷、ゲルマン魂、勝てなかった日本。キワードはいくつもあります。

 強いものが勝つのではない、勝ったものが強いのだ

 1974年大会で西ドイツを優勝に導いた、ベッケンバウワーのこの言葉。

 ドイツが大舞台でこれ程結果を出してきたのには、ゲルマン魂と言われる強い精神性抜きには、説明がつかない気がします。結果論でしかありませんが。

 事務所のある平野には、だんじり祭りがあります。

 岸和田が有名ですが、府下2番目と言われる規模。多くの若者が、夏の入り口に、その若さを爆発させます。

 沢木耕太郎が、プロボクサー・カシアス内藤を描いたノンフィクションが「一瞬の夏」。

 混血の天才ボクサーのカムバックに、沢木自身もプロモーターとして関わります。しかし目標の東洋タイイトル獲得はなりませんでした。

 ワールドカップなら、4年間の積み上げて来たものを、3試合、最大でも7試合で出し切らなければなりません。まさに一瞬の夏。

 今を人生における夏とするなら、後悔の無いよう生きなければと思います。

 夏は、いつも短く、儚いものですから。

一番絞りを眺めながら小を思う‐1077‐

 昨日は、昼過ぎからキリンビール神戸工場へ。

 中国道、神戸三田ICを下りるとすぐの所にあります。

 大阪からは1時間くらい。

 大人の社会見学がブームだそうです。

 ビール工場に人気があるのは当然です。

 出来立てビール、3j杯の試飲付きですから。

 昨日は、最終回だけ空きがありました。

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 ビールは、麦芽、ホップ、水の3つだけで出来ています。

 麦芽とは麦の実を発芽させ、根を切ったもの。発芽の際、発酵に必要な酵素が生成されるそうです。

 ホップは、ビール独特の苦味と香りを生みます。後は水。

 ビールとは非常に単純な材料でつくられる発酵飲料でした。

 ワインも同じですが、それゆえ差がでるのでしょう。

 40分ほど掛けて、アテンダントが工程を説明。

 最後は眺めの良い部屋で20分の試飲。私は運転なので、どんな味かは妻しか知りません。

 トリックアートあり。

 送迎のラガーバスあり。これらが全て無料です。

 大きいことが必ずしも素晴らしいとは思いませんが、これらは大企業のみの出来ること。私達もその恩恵にあずかってきました。

 幅広い支持をを集め、様々な形で社会に還元。更に支持を集めていく。これが、発展する企業の特性でしょう。

 今日は七夕。

 庭樹の竹には子供たちの短冊がつるされています。今年も「けんちくか」とありました。大にしか味わえないダイナミズムがあるとするなら、小の特権は何だろうと考えます。

 あえて言うなら「生きている」という実感でしょうか。

 もし私が短冊を吊るすなら「工事金額が合いますように」です。

あの花、シランかったん?‐1064‐

 5月の初め、「Shabby House」のクライアントと、庭木を見に行っていました。

 正面に植えたのはプンゲンストウヒ。

 ヨーロッパではクリスマスツリーとして使われる樹です。

 しかし、昨夏の猛暑に耐えられず、枯れてしまったのです。

 数本で影を作りあえれば良かったのですが、日本の日差しは厳しかったようです。

 この樹も、河南町にある古川庭樹園で探しました。

 こちらの専務、この世界では名の知られた人。

 広大な畑を案内し、唯一無二の1本を一緒に探してくれます。

 この日も運命の1本と出会えました。嫁いでくる日は、見に行こうと思っています。

 前回、庭先の花について書きました。

 すると、親戚からメールが。

 カタツバキはアヤメと間違うほど似ています。シランの葉っぱは、笹の葉のようで、丸まっています。あの写真はシランだと思います。

 しかも、義父から妻が貰った花でした。

 この仕事を始め、庭樹は詳しくなりました。しかし花となると……知識の浅さが露呈していまいました。お恥ずかしい限りです。

 人生の先輩からの指摘だけあって、気遣いも嬉しい限り。

 ブログを読むたびに、知的で、哲学的な内容に感じ入っております。

(中略)

 実物と図鑑で確認してください。あの花、シランかったん?

ゆく夏を惜しむ前に

 昨日は朝4時に起き、福井の海へ。

 青い空、山の緑、白い砂、そして澄み切った海。

 何十回訪れたのか。

 私にとって夏の海はここだけです。

 船を下し、タープを張っていると、大学時代の後輩が一番にやってきました。

 まずは4人で魚釣り。その後、磯で潜ります。

 晴れた日なら、船上から10mの底が見えます。

 日本海の水が澄んでいるのは、大きい川が少ないからと聞きました。

 これが本来の海の色なのです。 

 今回、当事務所のスタッフ2人と、中学からの友人Sも久し振りにやってきました。

 S家の4人兄弟で、うち3人が参加です。
 
 総勢11名になり、今回は知人が船を貸してくれました。

 一番上の男の子は、時々ですが会っています。

 中3になり、ついに身長で並ばれ、体重で抜かれました。

 お祭り男のお父さんに似て、この日も皆を笑わせていました。

 最後のスイカ割りも全開。何をやっても憎めないのです。

 彼はある競技で、ジュニアアスリートとして日本の世界のトップレベルにいます。

 世界一になることを心から応援しているのです。

 彼に負けないよう、私も頑張らねばなりません。 

 子供が増え、大きくなり、食べる量もかなりのもの。

 手つかずの自然を見せたい。タコの捕り方を教えたい。

 色々思うのですが、、ホストとしては料理の時間が増えてきました。

 しかし、子供達が「ほんと楽しかった」と言ってくれれば、全て報われます。

 子供は未来の宝。その子供に夢を見させることが出来るのは我々大人。

 どんな事でも常に全力。遊びだってもちろん全力です。ゆく夏を惜しむ前に。

Off Time 綺麗な海、美しい海

 4月の初め、女性ライターと男性のカメラマンが来所しました。

 ASJという建築家ネットワークに登録しているのですが、機関紙が発刊されています。その中の「建築家のOff Time」というコーナーの取材でした。

 Off Timeなので、仕事以外の話です。

 同年代の2人と話していると、あっと言う間に2時間が過ぎ。

 結局、海、スキー、旅などの話しになりました。

 webサイトでも見れるのでもし良ければ。

 晴れなら海へボートを持って行き、現地で取材を受ける予定でした。

 しかし残念ながら当日は雨。

 よって事務所での取材となりました。

 なかなか楽しそうなページになったのではと思っています。

 ただ、海へ行くことをOff Timeとは思っていません。

 仕事ではありませんが、バカンスとも思っていないのです。

 言ってみれば、夏の生活の一部。

 脈々と受け継がれてきた狩猟本能を満たしに行くと言えば、かっこつけ過ぎでしょうか。

 違うスイッチがOnになっています。

 自分のコメントの中に「綺麗な海」という箇所がありました。

 普段「綺麗」という言葉は、使わないようにしていますが、この日口にしたのかどうか……

 建築家・出江寛はこう言っています。

 綺麗は清潔の類。美しいものを創りなさい、と。

 来週から7月です。 Welcome big summer.

 いざ、美しき海へ。

ミカンの天敵

 先週末に続いて、和歌山へ。敷地調査をしてきました。

 こちらのお家は代々ミカン農家で、裏山に畑があります。
 
 丁度「サンボウカン」という種が成っており、その場でもいでくれました。

 和歌山のお殿様へ三宝に乗せて献上したから「サンボウカン」。

 見た目と違い、とても甘い種でした。

 残念ながら、現在は出荷していないそうです。

 和歌山県はミカンの生産高日本一。

 南面した山肌は、かなりの所まで畑になっています。

 ミカンは水はけの良い土地が向いているのです。

 開墾の際に出た石を積み、急な段々畑が作られました。

 手積みした石垣は身長程あり、近くで見ると結構な迫力です。

 その上にあるのは、マキの防風林。

 防風林は、風に吹かれ、キズがつかないようあります。

 大事に育てられたミカンは、丁度ピンポン玉くらいになっていました。

 収穫は10月から12月。

 現在は、モノラックという設備が、畑の中に張り巡らされています。

 しかし重労働には変わりません。

 手間暇かけて作ったミカンですが、売値は決して高くはないとのこと。

 和歌山のミカンと言えばブンランド力もあるなず。

 何故安いのか聞いてみました。

 「ペットボトルのジュースの影響が一番じゃないかな。

 うちの子でも、皮をむいてやれば食べるけど、あっちはひねるだけやもんね。

 最近あんまりミカン食べないでしょ」と。

 500mlのペットボトルが市場に出回るようになったのはいつ頃からか。それを機に変わったのはミカンだけではない気がします。

 以前なら、それらを人前で口飲みする時、少しの抵抗感は持っていました。しかし今は何のためらいもありません。

 ミカンとペットボトルだけの話ではないのかも……考えさせられるのです。

麦と稲と首長から学ぶ

 昨日は「柏の家」のクライアントと打合せでした。
茨城県取手市にある施工会社まで約5時間。

 上野から常磐線に45分ほど乗ると藤代です。

 2:30pmから始まった打合せが、気がつけば7:00pmを回っていました。

 慌てて駅へ向かい、電車に飛び乗ると、何とか終電で帰ってこれました。

 地下鉄谷町線は、御堂筋線に次ぐ黒字路線と聞いています。

 しかし、東梅田から南行きは11:40pmが終電。

 私の知る限り、最も早い終電です。

 それがこの春から12分延長されました。

 地下鉄の終電延長は橋下改革の一つです。誰もが無しえなかった事を実現するその手腕、腕力は皆が評価しているはずです。

 陶芸家、書家の北大路魯山人は「我は美のしもべ」といい、建築家、中村好文は「私は建築のしもべ」と言いました。

 大阪の顔だという自覚を持ち、間違いは侘び、改め、市民の下僕というつもりで働いて欲しいと思うのです。

 畑を彩るのは麦でしょうか。

 以前は、人力で麦ふみをしたと言います。

 踏みつけられた麦が、より逞しく成長するからですが、同様に平坦な人生などありません。

 自然から学び、人から学び。

 人生の収穫期には、実るほど頭を垂れる稲穂かな、と笑える人生にしたいと思うこの頃……