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大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

生命誕生

 宇宙の始まり、ビッグバンが起こったのは137億年前とされています。

 地球の誕生は46億年前で、単細胞生物の誕生は40億年前。生命の誕生に水は不可欠で、その頃には海があったと考えられています。そして5億年前、生命は始めて陸上に上がったのです。

 それ以前の地表はマグマに覆われ、それを二酸化炭素、窒素、水蒸気等が包んでいました。地表は徐々に冷え、冷やされた水蒸気は雨となり、1000年にわたって降り続きます。これが海となったのです。

 その頃の海は強い酸性で、生き物が住めるものではありませんでした。その後、カルシウム、ナトリウム、鉄などが溶け、現在のような海に近づいて行ったのです。

 当時は、スープのような状態だったと考えられます。中でも、浅瀬で濃度の濃い所では、水分の蒸発が進み、表面に膜が張ったような状態になります。これが、細胞膜の原型と推測さているのです。

 海底火山から湧き出る、温泉から原始生物が生まれたという説もあるそうですが。

 この話しは、日曜日に京都青少年科学センターへ行ったとき教えて貰いました。学者肌に見えた館長らしき人に質問してみたのです。

 とても丁寧に、注意深く教えてくれました。

 センターには、日本人で初めてノーベル賞を受賞した、湯川秀樹博士の色紙が置いてありました。

 「一日生きることは、一歩進むことでありたい」

 科学者は、時にとても詩的です。そして謙虚。

 唯物論を追求するとそんな世界があるのでしょうか。とても気になるのです。

滋味

 今日は私たちの結婚記念日。6年目を終え、7年目がスタートしました。

 昨日は朝から、長男が一番好きな京都青少年科学センターへ。もう4度目ですが、しゃべるティラノサウルスが大のお気に入りなのです。

 夜は両親に子供達を見てもらい、地下鉄谷町9丁目にあるモンテラートへ。

 野菜の美味しいイタリアンレストランです。前回は昨年の9月だったので、1年2ヶ月振り。

 妻は友人とランチに行っていますが。

 まずは、ポメリーの小瓶で乾杯。

 妻は、「ベジタベッラ」(野菜のコース) 3990円、私は「11月のシェフのおまかせコース」6090円を。

 野菜のコースはなんと言ってもパレット。こだわりの有機野菜をつかった料理がパレットのようなお皿に10種類。

 長ネギとニンジンに農園自家製味噌。オレンジと緑の色あいが食欲を刺激します。

 私の前菜にあった、ローストビーフはゴボウと菊菜のピューレで。

 菊菜の苦味と、ゴボウの甘み、歯ごたえが一体となり、素晴らしい味でした。

 デザートは柿を使ったパイに小豆のソース。もう完全に満足しました。

 パスタ、メインのバスク豚のロースト、ワイン等など全てに満足したのですが、余韻の残る一皿がありました。

 カブラのポタージュ フォアグラ風味トリュフの香り。

 真っ白な大きなお皿の中央にはクボミがあります。透明感のあるカブラのポタージュが満たされ、その中央にはフォアグラ。

 少しフォアグラを取り、スープと一緒に食べると、濃過ぎず淡白過ぎず、続けて口に運びたくなる、絶妙な味なのです。

 その抑えと対比の効いた味わいに、もう感激しました。何故か、カゼの時に食べる、梅干を浮かべた白粥を思い浮かべました。それを連想させる位、優しく、滋味溢れる味わいだったのです。

 帰り道、普段は倹約して、もう少し足を運びたいと思いました。せめて年2回くらいは。

狭山池へ

 一昨日は文化の日で祝日。朝から狭山池に行っていました。

 大阪狭山市は、大阪府の中央、やや南に位置します。このあたりは、早くから人が住み始めた地域ですが、水源の乏しい地域でした。

 狭山池は日本最古のダム式ため池で、7世紀には整備が始められています。

 その狭山池の歴史を紹介するのが狭山池博物館。安藤忠雄の設計です。

 飛鳥時代から平成に至るまで、推古天皇、行基、重源、片桐且元らによって改修を重ねてきた歴史が、紹介されています。

 池のほとりからアプローチすると、巨大な水盤が出迎えます。

 時間によっては、両側から滝のように水が落ちてくるのです。


 展示では、なんと言っても、高さ15m、幅60mの堤の断面を移築しての展示です。

 この施設は、無料。しかし、そういう場所にありがちな、退廃感は微塵もありません。

 駐車場は併設されていませんが、少し離れた公園の駐車場があります。こちらも無料。

 3階にはカフェがあり、食事も出来ました。

 牛スジのカレーは、サラダ付きで450円。かなり美味しかったです。ハヤシライスも同じ値段で、本格的な味でした。

 スタッフとして、知的障害者の方が、社会勉強をしているので、もし失礼があればお許し下さいとありました。

 しかし、むしろ清々しい感じさえありました。屋上庭園を見ながら、子供も完食。

 円形ホール、水盤、角度の触れたキューブなど、安藤の手馴れた手法です。

 しかし、非常に好感を持ちました。

 彼はインタビューで「我々のやっている建築は、現代建築の中では、もう古典の部類にはいる」と発言していました。

 無限の選択肢がある中で、選ぶ自由もあるし、選ばない自由もある。

 「直線とは人間の意志である」

 彼の言葉の中で、一番好きな言葉です。

 狭山池を一周歩きました。ここに来て、建築設計は本当に夢のある仕事だと思い、更に身の引き締まる思いがしたのです。

およそ65年

 先週の木曜日、大正6年(1917年)生まれ、父方の祖母が亡くなりました。

 お通夜には間に合わず、週末の告別式からになりました。岡山県の児島まで、大阪から、車で2時間半です。

 祖母は愛媛県岩城島の出身で、この街に働きに出て来ました。そこで、5年前に亡くなった祖父を紹介され、結婚したのです。

 2人は戦争前に結婚。その頃、祖父は三井造船で船大工として働いており、戦争には行かずに済みました。次男だった父は戦時中の昭和20年に生まれたのです。

 終戦後はこの地で、材木屋を始めました。商売は上手く行ったようで、住居とがつながる店は今も残りますが、結構な大きさです。自分の趣味である、果樹園をするための裏山も持っていました。

 祖母は、3年前に足を骨折するまで、考えられないくらい元気でした。5年前、妻と墓参りに帰った時には、サンダル履きで、花と水を持ち、裏山への坂道では、妻の足元を心配してくれるほどでした。

 しかし、苦労も多かったと思います。商売が上手く行った祖父は、遊びのほうも派手だったようで、祖母は50歳の時に、ガンで胃を全摘出しています。

 60歳の頃には2、3ヶ月、大阪の私の家に滞在していた事もありました。この時代の女性は、耐えることが多かったのだと思います。

 5年前の祖父の出棺の時、祖母は小さなビンを3つ入れていました。後で聞くと、祖父の好きだった、日本酒、養命酒、はちみつでした。

 祖父の命日は5年前の10/28。祖母の命日は2日違いの10/30。共に93年の生涯を終えました。

 愛とは時間という言葉もあります。連れ添っておよそ65年。35歳で結婚した、私には体験できないであろう時間を共に過ごした事になります。

 仏教では、現世を終えるとみな仏です。仏となった2人は、2人の息子。4人の孫。7人のひ孫を、見守ってくれるでしょう。何の揉め事もない世界から。

 昨年の9月に、光の話しを書きました。

 その時の話しをまとめると。

 光は波の要素があり、波長の長さによって色が違う。人に見える領域が虹で、波長の長い順に。赤より長い赤外線や紫より短い紫外線は、見えない。

 波長の短い青は、空気の粒子によって拡散するので空は青。夕方の太陽光線は大気圏を長く横切るため、波長が長く拡散しにくい赤系統の光だけが届くので、夕焼けは赤。

 色と言うのは、直接光源を見るか、反射しているものが目に映ったものです。植物の葉はなぜ緑色なのか。植物も、元々は海の中から生まれてきたことに理由があるそうです。

 海は赤系統の光を吸収するので、青や緑に見えます。それで、海の中で効率よくエネルギーを取り込もうとすると、赤系の光から取り込むことになります。もっとも効率の悪い、緑は優先順位が低くなり、取り込まなくなりました。それが反射して緑に見えるのです。

 吸収光の色→観察される色(補色・余色)

紫→緑黄
青→黄
緑青→橙
青緑→赤
緑 赤→紫
黄緑→紫
黄→青
橙→緑青
赤→青緑
紫赤→緑

 この地球にある酸素の2/3は海中の微生物が生成し、1/3は木々によって作られます。海と森は特別なものだったのです。

学園前

 今日は朝から久し振りの雨。

 ハナミズキが実を付けていました。

 土曜日は、写真スタジオのクライアントが、知人との食事会に誘ってくれました。

 ホストの夫妻は、最高の手料理でもてなしてくれました。いつかこんな事がしたいという夢もあります。

 場所は、近鉄の学園前。生駒市と奈良市の中間に位置します。気になる街だったのですが、初めて降りました。 

 駅周辺は再開発があったようで、かなり整理されています。

 駅から少し歩くと、大きな区画の住宅街が続きます。

 もう少し離れると、ところどころに畑や田圃が残り、良い感じで高低差もあります。とても住みやすそうでした。

 田圃からは藁を焼くにおいが。30年前は、私の地元でも多くの田圃がありました。鼻の記憶は、一瞬にその頃を蘇らせます。

 ウキペディアによると、大阪にある帝塚山学院が、1941年に近鉄に誘致され、学園前という名がついたようです。現在は、近鉄奈良駅と同じ位の利用客があります。

 長谷工アーベストが調査した、「住んでみたい街(駅)ランキング2007関西編」では20位。奈良県内では1位でした。

 数年前、パイロットの方から聞いた話があります。その人は大阪府出身。職場である空港も大阪ですが、学園前に住んでいました。ちょっと気になり聞いてみたのです。

 家を買った1970年代、日本は高度成長期の真っ只中でした。フライトで生駒山を越え、伊丹空港への進入ルートに入ると、空気の色はどす黒く、こんな所には住めないと思ったそうです。

 歩いてみても、街に愛着があるのはよく分ります。家に愛情が掛けられているのです。綺麗にしているとか、豪華とかだけではなく。

 この調査、関東編と違って、大方の人が自分の住むエリアをあげたそうです。ここ2年、関西では調査されていないのは、代わり映えしないからでしょうか。

 最後に、そのランキングを載せておきます。あなたの街は。私の街は。

1位 阪急 「夙川」 80
2位 阪急 「西宮北口」 71
3位 阪急 「岡本」 68
4位 阪急・JR 「宝塚」 67
5位 阪急 「芦屋川」 51
6位 阪急 「茨木市」 47
7位 JR 「高槻」 46
8位 北大阪急行・大阪モノレール 「千里中央」 45
9位 阪急 「御影」 44
9位 各線 「三宮」 44
11位 JR・大阪市営地下鉄 「天王寺」 42
12位 各線 「梅田(大阪)」 41
13位 阪急 「高槻市」 35
13位 JR 「芦屋」 35
15位 阪急 「豊中」 34
16位 阪急 「六甲」 32
16位 各線 「難波(なんば)」 32
18位 阪急 「桂」 31
19位 JR 「茨木」 29
20位 阪急 「池田」 27
20位 京阪 「樟葉」 27
20位 京阪 「枚方市」 27
20位 近鉄 「学園前」 27

管理建築士講習

 今日も晴れ。昨日も一日気持ち良い天気でした。

 朝からバタバタしていると思ったら、長男の遠足でした。

 長女の遠足は終わったのですが、2人で走り回っていました。どちらもリュックは貰い物です。

 ほとんどに近いくらい、子供に何か買った記憶が無いのです。本当に有難いことです。

 私は朝から、上本町にある大阪国際交流会館に行っていました。

 建築士法の改正で始まった、「管理建築士講習」があったのです。

 今年の8月には「建築士定期講習」というのも受講しました。
 

 ともに3年に1回の受講と、試験が義務付けられています。

 構造偽装問題に端を発した、信頼の失墜を食い止める為に始まったものです。

 全ての建築士が受講する「建築士定期講習」と違い、「管理建築士講習」は設計事務所における責任者の講習ですから、自然と年齢層も高くなります。

 私が学生の頃、試験は概ねマークシートでした。しかし20歳上の人となると……

 これは8月の建築士講習の時ですが、隣が60歳くらいの男性でした。

 試験では明らかにマークシートに戸惑っています。更に試験中、挙手してトイレへ。

 狭い席ですから、進み具合は見えています。トイレから戻ると、明らかに時間が厳しく、焦っているのが分かります。

 何とか全てマークはしていましたが、線が大きくはみ出したりしているのです。

 合否の発表は、webサイトでもなされてます。先月の発表時、私の前後の番号を確認すると……2人とも合格していました。

 いらぬ心配だったようです。しかしこうなると、誰でも通る訳ではないのでしょうが、ホッとしたというか、それでいいのかとも。複雑な気持ちなのです。

ブロック

 今日は気持ちの良い秋晴れでした。

 一日、竣工したばかりの写真スタジオへ、撮影に行っていました。ここのところ天気が良かったので、正直に言うと、今日にとっておきたい気分でした。

 撮影の日ほど、天気に気をもむことはありません。

 営業しながらの撮影だったのですが、お店の協力を得て、何とか無事終えることが出来ました。

 今はひとまずホッとしています。

 昨日は、東条湖にある、おもちゃ王国に行って来ました。

 折角だったのですが、子供たちは、ほとんどブロックのコーナーにいたのです。

 と言うことで、頑張って作ってみました。

 帰りは妻に運転して貰い、ほとんど寝ていました。

 街路樹のカエデが色づいていました。さて、実りの秋となるかどうか。

ぼやき

 アメリカのメジャーリーグ、日本プロ野球ともレギュラーシーズンを終え、ポストシーズンに入りました。

 何れも、世界一(アメリカ一?)、日本一を決めるものですが、日本では楽天ゴールデンイーグルスがこのステージに進んでいます。

 「楽天ゴールデンイーグルスというチームは大好きだけど、楽天球団は大嫌い」

 最終決戦を控えるこの時期に、来期の監督を探す球団に対しての発言です。決して褒められたものではありませんが、何となく野村監督を応援したくなるから不思議です

 野村克也74歳。現役時代には「長嶋、王が太陽に向かって咲くひまわりなら、俺はひっそり野に咲く月見草」と言いました。現在はぼやきで、世間の注目を集めます。

 好き、嫌いは別にして、創立以来、4年連続Bクラスだったチームを、ここまで導いた手腕はさすがです。こんな言葉も残しています。

 「負けに不思議な負けなし」 野村克也

 不思議な勝ちはあったとしても、です。他にも、今年聞いた言葉を書いてみます。

 「才能が無いと分かる事が才能」 ビートたけし

 「矢沢はマジメ」 矢沢永吉

 どの言葉をとっても、謙虚な姿勢が伝わってきます。ある人から、失敗を成功に導く方法があると聞きました。喜び勇んで聞くと「反省する事」と。

 更に「出来れば、どこの分岐点から、失敗に向かっていったかまでを反省し悔やむ事」と言われました。「仕方なかった」でなく「どうすれば良かったか」

 謙虚な姿勢以外に、成長はないということです。

秋、オオクワガタ

 今日は体育の日。昨日は保育園の運動会でした。

 長女は初めての参加。長男は過去3回のかけっこで、勝利なし。今年こそはと楽しみにしていました。

 結果は6人中5位。

 親としてはなんとも残念です。来年は年長組で最後の年。出来れば一度くらいは勝ってほしいと思ってしまいます。

 話は変わって、我が家の玄関先には、金魚とオオクワガタがいます。

 オオクワガタのほうは、2つ虫かごが有り、1匹は義妹に貰ったもの、もう1匹は白浜で捕ったものです。

 白浜のほうが後からやって来たのですが、虫かごのフタが甘く、すでに2回脱走しているのです。

 

 朝の忙しい時、子供が「逃げた」と騒ぐのですが、結局玄関周りにいて、すぐ捕獲されます。

 夜遅くに晩御飯を食べていると、玄関先から時々、バチン、バチンという音が聞こえてきます。クワガタが、必死にフタを挟み切ろうとしているのです。

 結果、上に3つも重石を載せているにも係わらず、フタを押しのけ、逃げ出したのです。

 先週の10/6(火)に3度目の脱走をしました。玄関先にエサのゼリーを置いたりして、おびき出しましたが、出て来ません。

 ところが10/10(土)に、玄関のサッシの中に居るところを妻が発見しました。古いサッシで、隙間があったのです。うまく隠れていたのですが、この日は暑くなり、もがいている音が聞こえたそうです。

 今度山に行った時にでも、逃がしてやろうと思います。そこまで逃げたいのに、一緒に暮らす理由が無いからです。

 生き物は、自分の力で生きるのが、自然の道理です。どんな説明がついたとしても、生物の命を預かるのは、恐れ多い気がします。

 これをどうやって子供に説明するのか。納得させられるのか。