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誕生日に行くイタリアン

 先々週の土曜日は妻の誕生日でした。海に行っていたので、今週改めてお祝いの食事へ。

 場所は谷町9丁目。

 意外に交通の便がよく、地下鉄で梅田から10分ちょっと、なんばからは5分足らず。

 余談ですが、交差端の北西にはフィリップ・スタルク設計のビルがあります。

 彼は著名な、実績のある建築家ですが、このテナントビルはもう7~8年の間「テナント募集」の貼り紙。こんな時、建築家のありようを考えてしまいます。

 話しを元に戻して、目当てのお店は今回もモンテラート

 有機野菜のおいしいイタリアンです。

 多くは、東大阪の契約農家で作られたものなのです。 

 まずはポメリーのミニボトルで乾杯。

 やっぱりシャンパンはポメリーです。

 妻は野菜のコース3800円。私のコースは「8月のシェフのおまかせコース」5800円。

 まずは妻の料理で名物、上新粉のピザ。

 これがパリパリとほんとに美味しい。

 続いても妻の料理で、これも名物のパレット仕立て。

 オクラ、ニンジン、ナス、カボチャ、ホウレンソウ。

 見た目も楽しく、どれも野菜の味を損なわない味付けです。

 私のコースからはオクラとトマトと桜エビのスープ。厳選さてた昆布で、ダシがを取っているそうです。

 これはもうイタリアンというジャンルには留まっていません。すごく優しい味で、お皿自体が絵のようでもあります。

 私のメインは鴨とイタリア茄子のロースト自家製味噌フォアグラソース。

 名前だけでも美味しそう。勿論名前に負けず、柔らかく、ジューシーで素晴らしいお味でした。

 この穀物類を筆頭に物価高騰の中、納得の金額で、満足のお味でした。最後は妻に名前入りのケーキまで。

 私の尊敬する小説家でナチュラリスト、開高健氏は「もの書きは、料理と女が書けたら一人前」と記していました。

 私が味のことを、簡単に表現出来るはずはありません。なので、やっぱり味わって貰うしか無いわけです。

 マダムとホールスタッフのホスピタリティー、見るからに実直、センス抜群のシェフ。ちょっと気分のいい時には、絶対的にお勧めします。

大阪うどん

 打合せに京阪の萱島へ。早く着きすぎたので辺りを歩いていまいた。

 高架下のうどん屋から、ダシのいい香りが。

 強力な換気扇からは、漂って来るというより噴出しているという感じです。

 打合せは夕方スタートなので、入ってみました。

 狭いカウンター席が12席ほど。

 中途半端な時間にも関わらず5人も入っていました。

 うどんは大体300円弱。オニギリは80円くらい。

 先週書いた、コシの強い讃岐うどんも美味しいですが、この値段、この味、モチモチした触感は関西ならではのもの。

 ダシがかなり美味しかったので全部頂きました。

 驚くことはないのですがwebサイトもありました。

 大学から東京に行った友人が、関西に帰ってくると「まず十三(じゅうそう)のホームにある、阪急そばを食べに行く」と行っていました。

 その気持ちが少し解った気が。

再考、「煮込む」

 日記は同じものをmixiにもUPしています。前回の日記についてコメントを貰いました。「煮込む」には、違う意味があったのです。まとめてみるとこうです。

 「煮込む」と素材自体の単純な水分は飛び、旨みや甘みは凝縮される。旨みで外に出たものも、他の旨みとも合わさって、さらに煮込むことで凝縮される。煮込みが足らないと、冷めて行く過程でも味を吸い込みきらず、水っぽくなる。

 肉や魚は煮込みすぎると旨みが出てしまう。加えてタンパク質の水分を吸収しにくい性質も旨みが素材に入っていかない要因かもしれない。なので、粉をはたいて旨みが出ないよう閉じ込めてしまえば良い。

 ということでした。意味があったのです。失礼しました。

 しかしこれは納得です。私の大好きなエビフライは、衣があったから旨みが逃げてなかったのです。

 コメントをくれたのは、食の歴史には拘るが科学的根拠には拘らない、タレントさんで、料理研究家。こうもありました。「やっぱり料理は一手間」

 もちろん納得です。

 話は少し変わって、少し前の休日。実家でのこと。母の友人が数人遊びに来ていました。母がお昼ご飯を振舞いながら、

 「いつも大体で味付けしてるから、どうかな」と。
 

 よく聞くセリフに、若干言い訳がましさを感じ、それを良しとしない私は、

 「なら、美味しかった時の数量を控えとけばいいやン」と。

 「まあそうなんやけど」と母。

 横から

 「家庭料理は、味が違うから飽きへんのヨ。いつも完璧やったら飽きてしまうンやで」と母の友人。

 「う~ん……」
 
 ぐうの音も出ませんでした。根本が違います。いつも美味しい必要がなかったのですから。でも半分納得です。この母の友人。ああ言えば、こう言う、正統派大阪のおばちゃんなのですが。

 料理のことは何故か気になります。

味と匂いが付く原理

 先日クライアントとキッチンのショールームに行っていた時のこと。たまたまガスコンロを使って、調理の実演指導をやっていました。

 以前から疑問に思っていたので、その人に「最近のグリルは何故魚を焼く時に、水を入れなくて良くなったの」か聞いてみました。

 魚を焼いた時には脂が落ちます。グリル内の底は熱せられているので、発火する恐れがあったのです。

 しかし最近は底の部分に空気が流れるような設計になっていて、そこまで温度が上がらないようになったそうです。鉄の部分には概ねフッソ加工がしてあり、汚れが取れやすくなったのも要因の一つとのこと。

 逆に「ガスグリルをもっと有効に使って貰う啓蒙活動をして欲しい」と言われました。その一つとして、例えば魚を焼いた後に、続けてパンを焼いても匂いは移らないという事実。

 何かを焼いている時、食材からは水分が蒸発し続けています。この状態で何かを取り込むことは有りません。しかし食材を冷めるまでその中に置いておくと、今度は空気中の水分を取り込み始めます。この時にグリル内の匂いを含んだ水蒸気を取り込むのです。

 なのでグリル内に水が無い事は良いことなのです。 同じ原理で、食材は熱せられている時に、あまり味は染みこみません。一旦温めてから冷えて行く時に味成分が素材に入っていくそうなのです。

 経験的に「煮込む」ということが無意味な場合が多いと思っていました。例えば肉なら煮込めば煮込む程固くなります。美味しくなっていかないと思っていたのです。

 これで「味を染み込ませる」と「煮込む」の違いに裏づけが出来ました。一日経ったカレーが美味しいのは当然だったのです。

 この事を妻に伝えると「それはそうでしょう」という反応。料理する人は誰でも知ってる話のようでした。それはどちらでも良いのですが、何かが解決するのは気持ちよいことです。

野外なら

 最近長男は、自転車に乗るのをを楽しみにしています。

 日曜日は近所の長居公園へ。

 コマ付きですが短い足をフル回転させ、ビュンビュン飛ばします。

 車輪の発明によって得られたスピード感を楽しんでいるのです。

 夕方からは実家の屋上で焼肉。半分はサービス、半分は自分の趣味です。

 火の発見が、人の進化を大きく助けました。生肉で食べるよりずっとリスクを減らせるし、何より美味しい。

 子供にはウインナー。野外で食べれば何だって美味しいものです。

 日が暮れて来たので、最後はスイカ。

 休みは屋外に居ることを信条として来ました。

 中々叶わない今、実家の屋上で炭をおこします。自然の中には敵わなくても、せめて心地よい夕風を感じながら。

 一年で、最も気持ちの良い季節になりました。故、開口健は言いました。「おおいなる野外へ」なのです。

活、車えび

 今日は成人の日で祝日。15日でないとピンと来ませんが、そのうち慣れるのでしょうか。

 日曜日の晩、生きたえびが届きました。妻の妹に来ていたお歳暮が回り回って来たようで、カタログの中から選んで下さいというあれです。

 全て食べ物で、候補に普段食べないような霜降りステーキ肉も有りましたが、迷った末それにしました。

 気分的にもゆっくり出来るだろうと、配達日は連休一日目の夕食です。

 私が一番好きな食べものはエビフライです。

 それは以前も書いたので、今回はやめておきますが、大抵はブラックタイガーです。

 近頃、食の安全は自分で守るしかなく、妻もなるべく国産ものにしていますが、えびのほうは値段の事もありなかなかありつけません。

 牛肉は一週間、魚は鮮度の良いうちに〆た後一晩寝かすと熟成が進みます。

 しかし、えび、かに、貝は新鮮なら、新鮮なほど良いのです。

 到着した時もおがくずの中で跳ねていました。

 当家にやって来た、熊本産”活”車えび。良くぞ元気に届いてくれました。

 人は生まれながらに業を背負った、罪深い生き物なのです。

 その晩も、実家に集まって皆で夕食でした。

 子供は塩焼き、大人は造りで食べました。

 鮮度が良い分、殻を取るのは手間ですが、ちょっと感動するくらいの味でした。

 身は半透明に澄み、甘く、プリッと張りがあります。

 口に入れると、舌の付け根の端に甘い余韻が少し残る感じ。この感覚は私の知る限り、新鮮なえびの造りだけです。

 まさに”活”。この美味しそうな文字は、一体誰が当てたのでしょうか。

 頭も焼いてミソも残さず食しました。

 カタログギフトは「帯に短し、たすきに長し」と感じることも多いのですが、今回は大満足です。貰い物の貰い物ですが。

 予断ですが、私の父が食べた後の、えび、かに、魚の残骸はネコも食べないと笑います。

 その位何も残っていないのですが、その時の箸使いはまあ見事なものです。

クリスマスイブ カニにまつわるetc

 今日はクリスマスイブ、そして祝日。

 プレゼントは貰うもの、だったのがいつの間にかあげるものに。

 今晩は子供より早く寝れません。

 先週末に忘年会がありました。カニ尽くしです。

 始まって少しすると”大阪に来て初めて美味しいカニをい食べた”と聞こえてきました。

 聞いてみると、参加者の奥さんは北海道の旭川出身で、大阪は4年目。で、前の発言となった訳です。

 学生時代、スキー部だった私は年の四分の一を北海道で過ごしました。それで冬の北海道、食べ物、街の話をしました。そして”冬の北海道、雪のクリスマスは凄くいい”という話で落ち着きました。

 食通で知られる芥川賞作家、開高健は『越前がニ』という随筆を書き、その美味しさを「海の果汁」とか「海の宝石箱」と表現しています。

 確かにカニは海その物を思わせます。このカニもオホーツク海を思わせる味だったのかもしれません。

 多くのクリスマスソングの中で一番好きなのは、クリス・レアの『ドライビング・ホーム・フォー・クリスマス』 。

 今晩は家族で過ごします。

出張お好み焼き

 基本的に料理は好きです。

 釣った魚をさばく事から始めたので、夏の屋外なら最高。家と違って、少々こぼしても迷惑かけませんし。

 好きと言っても、難しいものが得意と言う訳ではありません。

 一番得意なのが”焼き飯”と言えば、感じが分かって貰えるでしょうか。

 日曜日は、妻の友人宅へ育児道具を借りに行きました。

 お礼の意味も込めて、出張お好み焼を作って来ました。関西人なら一家言あるのがお好み焼き。

 私のこだわりは、山芋多め、粉少な目のネタに出汁を加え、キャベツはみじん切りで大目です。

 バリエーションでチーズとじゃがいもの洋風版も作りました。

 

 ソースは友人宅では愛用のツバメソース。業務用だそうです。それもあって我ながら納得の出来でした。

 初めはウチの子供も、珍しいおもちゃで一人遊び。

 食べる時は、皆一緒に。

 帰る頃には、ダンボール箱を取り合っていました。

 近頃は、一日一人で家を出る事も少なくなりました。本気で料理を趣味にしようかなとか思っています。

 妻に言うと諸手をあげて賛成していました。多少違う意味で喜んでいるのだと思いますが。

店選び

 友達同士で飲むなら、洒落たところより居酒屋です。

 話の内容が有っても無くても日々のささやかな楽しみ。

 そこで大事なのは場所です。希望は、安く、美味く、時間も気遣わず、スタッフの対応が気持ち良い店。

 数ヶ月に一回会う同業の友人は、高槻に住んでいます。なので互いの中間点と言えば梅田あたり。

 競争も熾烈なので大外れも少ないが納得出来る店もなかなか少ない。

 それはそうです。梅田は場所代が高いのですから。

 私たちは考えました。たまにしか会わないのだから、互いが住む街の良い店を行き来する事にしたのです。

 大方は行ったり来たり。今回は我が町、平野の居酒屋”なら”でした。

 ごく普通の居酒屋ですが、以外に魚が美味しいのです。キムチチャーハンも中々のもの。

 天王寺に事務所があった時は”新力”と言う店に行っていました。ここも広くは無いが、活気のある安い店でした。

 近頃はインターネットで探せますが、私達が学生の頃は良い店を多く知っているだけでも、自慢になったものです。

 一方は遠くまで来ているので電車で帰るようにしていますが、昨晩の友人は”今までで最も終電ギリギリ”だったようです。

 飲んでいて話が盛り上がってくると、いつも同じ事をいつも繰り返しているのです。

更に美味しくなりました

 何かの宣伝みたいですが、カレーのお話です。

 久し振りに欧風カレー工房 チロルに行って来ました。

 地下鉄谷町線の四天王寺前夕陽丘を降りるとすぐ東にあります。

 スキー仲間のTが経営するお店なのです。

 間違いなく、更に美味しくなっていました。

 昼時でTとはあまり話せませんでしたが、ある生産者と契約して、牛肉を飛騨牛にしたようです。

 脂身はプルンプルンと溶けるような味わい。

 お気に入りの席は、カウンターの一番右端。そこからは、調理場が良く見るのです。

 目の前にはルーの入った寸胴が。こういうのを見ると気分が盛り上がります。

 カレーにカキフライをトッピングしました。サラバーも付いて¥850。凄く辛いのが食べたいのでなければ、絶対お勧めします。

 夕方はお任せ定食もあり9:00pmまで開いています。近くに行った方は是非。