現場帰りに前を通ったのですが、翌日、こちらのクライアントからメールが届きました。
いつも日記を楽しみにしていること、ご家族皆さん元気ということ、今度は寄ってくださいと、綴られていました。
竣工写真は2011年3月の撮影です。
イタウバのルーバーは色鮮やかで、庭木はまだ葉をつけていません。
その年の6月、『住まいの設計』の撮影が入りました。
3ヵ月が経ち、ジューンベリーは青々とした葉をつけています。
第3子は写真の通りで、まさに生まれたばかり。
よく取材を受けてくれたものですが、奥さんも3人目となれば経験値が違うのだと思います。
そして、2012年の1・2月号に掲載されました。
更に1年半経った2012年の11月。
大阪ガスの『住まう』の取材時になると、イタウバのルーバーもかなり白けてきています。
ジューンベリーの背丈はあまり変わっていません。
そして先月の写真です。
ジューンベリーの成長が、非常にゆっくりなのがよく分かります。
この樹種は、「サロンのある家」で初めて使いました。
こちらも『住まいの設計』2010年9・10月号に掲載されました。
発売が夏だったので、屋上でご主人がシャワーを浴びる写真があります。
しかし取材は5月。
生憎の曇り空で肌寒かったのですが、取材チームからの提案を、快く引き受けてくれたのです。
竣工は更に3年遡った2006年夏。右下に小さなジューンベリーが写っています。
アップでみるとこんな感じ。
ちなみに、玄関扉は鉄を錆びさせた上からクリアの塗装を掛けています。
13年経ってようやくこの大きさになりました。
敷地が限られる都心部では、「成長の遅い木」が求められることが結構ありますが、こちらの計画もそうでした。
これまでに何度か、造園業者にジューンベリーの成長速度を聞いたことあがあります。
早いという答えも、遅いという答えも両方ありました。
しかしこの2軒の例で分かるように、「成長の遅い木」と言って良いと思います。
木は生き物なので、環境によって変わりますが、この2票はまさに生きたデータです。
実際の体験に勝るものはありませんが、それにはかなりの時間が掛かります。
ジューンベリーの成長速度においては13年越しの観察レポートと言えるのです。
若い頃は経験がしたくてもチャンスがなかなかありません。
また、建築設計においては、竣工した後もクライアントとの交流がなければ、その経験も、比較的小さいものとなってしまいます。
経験値の少ない建築家を選びたいと言う人はあまり居ないはずです。
その中で、何とか声を掛けて貰おうと思えば、情熱でその経験を上回れると感じて貰わなければなりません。
25歳から30歳までの間にオファーを貰ったクライアントは、それまでに何かしらの関係があった方々でした。
そして、その初期の作品群を見て、30歳後半までにオファーをくれたクライアントの方々は、作品以上に、私に何かを期待してくれた人達だったと今は良く分かります。
経験が足りなかった分、ご迷惑をお掛けてしている部分もあります。
それでも未だに声を掛けて貰えるのは、間違いなくその過程に何かしらの物語があったからだと思うのです。
最後に、ルール違反かもしれませんが、クライアントからのメールを載せてみます。
建築設計とは、人生という壮大な叙事詩の一幕に、深く関わらせて貰うことに他ならないのです。
お世話になっております。
大変ご無沙汰しております。
みなさん元気にご活躍されていることと思います。
田辺さんもご結婚されお子さんができ
夫婦で大変喜んでおります。
いつも、ゲツモク日記を楽しみに
拝見させてもらっています。
イタウバハウスの写真が出ていたので
なんやろ?とびっくりしました。
あの写真は、土曜日か日曜日でしょうか?
家族の自転車がほぼなかったので。
次はぜひ寄ってください。
昨日は家に帰ってすぐ、妻に『見た?』(ゲツモク日記を)
と聞いただけで、すぐに『見た。』と返事が返ってきました。
二人ともゲツモク日記のファンです。
私事ですが、長男の○○は中学生になり
硬式の野球チームに入りました。
長女の□□は5年生、次男の△△は2年生になり
2人とも○○の影響なのか昨年の終わりごろから
野球を始めました。
毎週、野球三昧です。
また、妻の◎◎は1年半前ごろに会社を早期退職で
辞め、他の会社でパートで働いていたのですが、昨年の10月
から◇◇◇(ご自身の会社)で事務員をしております。
ずっと一緒にいるのがいいのか悪いのかわかりませんが
なんとか頑張ってやってくれています。
過ぎてしまえば本当にはやいもので、イタウバハウスが完成して
8年も経ったのだと改めて感じました。
これからもイタウバハウスと共に歩んでいきます!
長々とすみません。
またお会いできる日を楽しみにしております。
■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【News】
■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日に「碧の家」掲載
■『houzz』4月15日の特集記事 に
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
■「トレジャーキッズたかどの保育園」が
地域情報サイトに掲載されました
■大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載