タグ別アーカイブ: 建築家、大阪

大人と子供の現場見学‐1201‐

 今日は「宝塚 RC打放しの家」の、コンクリート打設でした。

 クライアントが休みを取って、現場に来てくれたのです。

01 - コピー (2)

 まず、「我が家の」ミキサー車の前で記念撮影。

02 - コピー

 4歳の娘さんは、マイヘルメット持参でした。

 ブカブカのヘルメットは嫌なので自分で持って行くと言ったそうです。

 その想像力に感激しましたが、流石は親子とも思いましたが。

 打設現場の見学はクライアントたっての希望でした。

03 - コピー (2)

 狭い足場用の階段で、一番高いところまで全員で登ったのです。

17

 現場は危険な所ですが、このタイミングで、建設中の自邸を見ることに比べればと思います。

 既に強度の出ている1階も一緒に見て回りました。

 娘さんのテンションも上がってきました。彼女はいつもムードメーカーなのです。

23 - コピー

 今日の現場は、怒声が飛び交っていました。

 コンクリート打放しはやり直しが出来ません。よって、現場には緊張感が漂うのです。

 子供にしろ、大人にしろ、本気で働く大人の姿を、どのくらい見る機会があるのだろうと思います。

 そういう私も、本気の姿を子供に何回見せたことがあるのか……

 多少現場に迷惑を掛けようとも、アトリエmは常に現場見学を推進します。

ミスター‐1200‐

 このところ、雨が続きます。

 昨日も雨予報で、予定を変更して墓参りへ帰ることにしました。

09 - コピー

 父の里、岡山県の児島。

 守谷家の墓は、瀬戸内海を見下ろす高台にあります。

 今回は、雨で景色のほうは今ひとつでした。

15

 母の里は、香川県満濃町。

 海の神様、こんぴらさんの麓にある街です。

13

 両親、弟家族も一緒で、雨なら雨で賑やか。

 祖父母も喜んでくれたはずです。

20

 周りの田も、稲穂が黄色くなり始めていました。

21

 ぶっかけうどんの元祖と言われる「山下」。

 まんのう町には、いわゆる有名店が沢山あります。

 前回行ったのは2006年3月でしたが、昨今のうどんブームでか、建物は新しくなりました。

23

 1歳になったばかりの長男はいつも小食でした。

 9年前、ここのうどんを沢山食べたことを思い出します。

 「有名になったから味が落ちたとは言わせない」と、今回も子供達はズルズルと完食。人気店であり続けるには理由があります。

 世間を賑わし続ける東京オリンピックのエンブレム問題。

 先週のヤフーニュースで「佐野氏無関係の会社にイタ電」というものがありました。

 社名が同じ会社が東大阪にあり、無言電話、いたずら電話が掛ってきて、迷惑をしているという記事です。

 この方、私のクライアントであるOhanaのカメラマンの友人です。Ohanaのwebサイトも彼の仕事。

 先月も一緒に飲む機会があり「ウチの方が先につけた社名なのに、ほんとに困ってる」と言っていました。その社名がミスターデザイン

 初めて聞いた時、いい名前だなと思いましたし、そう彼にも伝えました。

 「見た目はジャイアン、ハートはのび太」とプロフィールにありますが、これを聞いた時は吹き出しました。まさにそんな人なのです。

 彼は、自分の仕事のコンセプトを思い至った時「これが自分のやりたかったことだったんだ」と涙が止まらなかったと言います。

 誰かの役に立つヒーロー、ミスターにはそんな気持ちが込められているのです。

 知り合いだから正しく、知らないから間違っているという話ではありません。

 法廷では疑わしきは罰せずと言いますが、仕事の世界では反対です。胸を張って即答できないことは、全てバツと見なされます。

 私もそう判断しますし、そう判断されているのは間違ありません。全ては時間と社会が判断を下すのだと思っています。

探偵のように‐1199‐

 この2週間程、ときどき左胸に鈍痛を感じていました。

 「気持ち悪いな」と思いましたが、以前も似たような事がありました。

 その時は、ウェイトトレーングのせいではないかと。急に、かつ無理をするからのようで「ロッカン神経痛?」のような診断だったと思います。

11 - コピー

 今回は思い当たる事が無く、空咳が続いたこともあり、検査を受けることに。

 まず京都の友人に相談すると「近いし、天王寺で開業している米田がいいんじゃない」と。

12 - コピー

 3月に続いてなので「どんだけ心配性やねん」とも。共に、中高の友人だからですが。

 開業5年目、「こめだ整形外科」はハルカスの西、天王寺都ホテルの地下1階にあります。

14

 ちなみに、都ホテルは大阪の巨匠、村野藤吾の設計です。前近鉄百貨店も彼の作品でした。

 連絡せず、受付をして待っていたので驚いていましたが、早速診察してくれました。

18 - コピー

 結論は「まず間違いなく問題ないんじゃない」と。

 運動の後に痛いのではなく、動き始めに痛いというので、心臓の疑いはほぼない。

 肺の可能性はと聞くと、肺の問題なら、そんな表面部分であやふやな位置が痛い、という表現はしないとのこと。気になるなら胸部CTを撮ってもいい。

 やっぱり、前回の診断と同じく、あばら骨の間にある、小さな筋肉を傷めているんじゃないかと。

 そこまで言われて、思い当たる節がありました。2週間前、ボートを車に積む際に、無理な姿勢になったことが……

 更に「夏草にアレルギー反応がある」と言われた事も思い出しました。

 さすがはプロ、まるで探偵のようでした。

 ネガティブになっているつもりはありませんでしたが、痛みに引っ張られていたのでしょう。

 同窓会で、最も変化が大きい男として驚かれる彼。

 イメージはトランスポーターの主演、ジェイソン・ステイサムだそうです。

20 - コピー
 
 横にいた、スタッフの女性も苦笑いでしたが、独身なので許してやって下さい。

 軽口を書ける医師がいることは、本当にありがたいことです。

 経済小説のパイオニア、城山三郎が亡き妻への思いを綴ったエッセイ「そうか、君はもういないのか」でこう書いていました。

 変なアピールなど不要、焦らず、コツコツ書いて行こう。それで認めならなければ自分の力不足ということ。改めてそう言い聞かせた。

 イタリアの経済学者パレートが好んだ「静かに行くものは健やかに行く 健やかに行くものは遠くまで行く」という箴言を口ずさみながら。

 小説を書き続ける姿勢についての行です。

 先週「遠くまでいくならみんなで行け」と言う言葉を紹介しました。自身が元気でなければ、一緒に歩くことさえ出来ません。
 
 元々健康でしたが、心身とも健康に戻ったのです。

6回しかない夏休み‐1198‐

 今日から子供たちは学校です。

 明日からの授業に備えて掃除だそうで、長い夏休みはあっと言う間に終わりました。

 「夏休み」と聞き、思い出すのは幾つになっても小学生の夏休みです。人生で6回しかなかったのですが。

71 - コピー

 奈良、池原ダム。

73

 富山、黒部ダム。

75

 和歌山、友ヶ島。

77

 山形、滑川温泉。

81

 山形、立石寺。

 1つでも、心に残る景色があれば、嬉しいのですが。

83

 私の夏休みは、両親の郷里、岡山と香川で過ごした時間です。

 カブト虫やザリガニを捕った事を思い出しますが、綺麗な用水路を見ると記憶がフラッシュバックしてくるのです。

 長男が小5、長女が小2で、まさに私の記憶の中を生きていることになります。

85

 福島では、生まれたてのセミを見つけました。

セミの脱皮は、私にとって小2の思い出です。

88

 花火の音。

87

 線香の香り。

 頭ではなく、目、鼻、耳など五感に記憶は刻まれているのでしょう。

 では、何故記憶に残って欲しいのか。

 一番残したいのは、時間という愛情なのだと思います。

 ザリガニも、カブトムシも初めは一人では捕れません。花火とて、墓参りとて、一人で行った訳ではありません。

 怒られもしましたが、やはり残っているのは、祖父母と過ごした時間。

 夏休みの記憶には、必ず自分以外の目線があるのです。

 例えが極端ですが、犯罪者には、良い悪いは別にして、家族、親族との関係が見えてこない場合が多いそうです。

 パズルをするとすぐ行き詰り、想像力の欠如が顕著と言います。

 想像力と言うと、高い能力に聞こえますが、単純に言えば「これをしたら、相手はどう思うだろうか」という話です。

 こういった能力(性格)は、中学校までに養われるような気がします。

 これが、中学、高校、大学と、少なからず、一人という時間を経験します。何れ、自分以外の目線を近くに感じることになるのですが、それまでが中々大変です。

 孤独、成長、恋愛、葛藤、……

89 - コピー

 娘にはまだ気楽です。

 昨日は、達ての願いで、遊園地へ行ってきました。

 私は遊園地に全く興味がありませんが、彼女にとっては、ジェットコースターに適うものはないようです。

 夏休みは小学生のものと、強引に定義しましたが、彼らにとってはどんな夏休みだったのか。

 答えは30年経ってみなければ分りません。

市長はひとりで行くのか、みんなで行くのか‐1197‐

 午前中、橋下市長、松井府知事が、維新の党を離党するという発表がありました。

 一昨日、市長選出馬の意思を固めたと報道があったのは柳本顕大阪市議。

 知っているという程ではないのですが、弟の同級生で、一度事務所へ行ったことがあります。

00 - コピー

 彼は西成区選出。

01- コピー

 天王寺から少し西に歩き、大阪市大病院を越えると、西成区山王町です。

02- コピー

 彼の事務所はこの近くにあり、凄いところにあるもんだと、驚いたことを覚えています。

 何が凄いのかは後ほど。

 親族に国会議員が居る議員一家で、ここ山王町で育ったそうです。

03コピー

 西成区はあいりん地区に代表されるよう、日雇い労働者も多く住み、大阪の問題を凝縮したエリアとも言えます。

 未だ闇市の名残を残す商店街。

03 (2) - コピー

 路地をのぞくと、大衆劇場が見えました。

05(2) - コピー

 これらが、娯楽の王様だった時代が、確実に50年前にはあったのです。

10 - コピー

 すぐ東は、あべのキューズモール等の再開発地域に接します。

 それらが出来るまでは、細い路地で山王町まで繋がっていました。路地裏にあった洋食屋は、羊の脳みそのソテーを2000円で食べさせました。

 怪しい雰囲気も加味され、時々通っていたことを思い出します。

07 - コピー

 今も残る飲食店は、三丁目の夕日のセットのよう。

08 - コピー

 戦後70年が経ち、建物の老朽化、管理者の不在も大きな問題です。

 いわゆる「空家法」が施工させるようで、建築業界のチャンスと捉える向きもあります。

 しかし、私の経験で言えば、リノベーションはそんなに簡単なものではありません。

強制されての行動に、幸せの結末はイメージはできないのです。

09 - コピー

 柳本市議の事務所を訪れたのは15年前。

 弟の車で行ったのですが、付近には、艶かしい照明が当てられた女性が、店先に座る店が連なります。

 飛田新地のはずれにあったのです。

 最後の色街と言われるだけ、今でも、ひと時代前の空気が滞留しているのです。

 時期市長となるのは誰か。

 「早く行くなら一人で行け。遠くへ行くならみんなで行け」

 出所は知らないのですが、アフリカの諺という表記もありました。もしそうなら、狩をしていた頃の箴言だと想像できます。

 現市長は遠くまで来たのか、早く来たのかは、正直分りません。次の市長には、大阪を確実に、遠くまで連れていって欲しいと思うのです。

 それには、それぞれの市民が、手本にある仕事を、精一杯やることが、何より大切です。

 他人任せは駄目。これは商いの街、大阪の鉄則ですから。

天使の面、鬼の顔‐1196‐

 前回に続いて、もう少しだけ教育について。

10 - コピー

 小5の長男は塾に行っていますが、昨日はテストでした。

 続ける、辞めると、何度も騒動を起こしながら、何とか通っています。

 昨日は、妻の予定が合わず、私が天王寺へ迎えに行きました。

13 - コピー

 テストの日は、ご褒美の外食にしているよう。
 
 あべちかにあるラーメン屋「古潭(コタン)」は、昔ながらの札幌みそラーメンという感じ。しかしこの店も古い。

 学校がある日は、塾からの帰りが夜の10時半の日もあります。

 日曜もテストがあったりと、我が子ながら日本の小学生は、勉強しすぎの気もします。

21 - コピー

 勉強のほうは何とかかんとかですが、野球のほうは熱が入っています。

 「打つも、投げるも回転だから、軸をしっかり」

 「待つんじゃなくて、自分から捕り易い位置に動け」

 どうせならと、私も力が入ってしまいます。

 まずは褒めて伸ばすと言いますが、京セラの名誉会長、稲盛和夫さんはこう言っていました。

 「コンサルタントに聞けばそう言うが、間違ったらその場で叱らなければ意味がない。

 後で、社長室に呼んでなどという、時間なんて無い。烈火のごとく叱ってよい。

 しかし、肩を落として帰っていく社員の背中に向かって、この会社に居てくれて有難うと、手を合わせなさい」

 初めてストンと腹に落ちました。

 褒めて、楽しく出来れば最高です。しかし、耳心地よい話だけで、人は成長することはないのは間違いありません。

17 - コピー

 夜は、実家で姪っ子と妻の誕生日会。

 誕生日が同じで、母が準備をしてくれました。

 寝屋川の中学生の事件は、痛ましい結果になってしまい、強い憤り、危機感を感じます。

 しかし多くの童話の題材になっているように、悪魔はいつも天使の面を被り、擦り寄ってくるのです。

 それを、どうやって子供達に理解して貰うのか。

 伝える側は、常に嫌われる勇気が居るようです。 

 松下幸之助、本田宗一郎が、ニコニコと工場を回っていた等という話は聞いたことがありません。

 天使は、鬼の顔をしています。こちらは面ではない本当の顔。だから怖いのです。

浴槽の営業じゃけん‐1150‐

 彼岸まで1週間をきり、寒さの終わりが見えてきました。

10

 水仙が満開です。

13 - コピー

 今日は朝から、大和重工業というバスタブメーカーの営業がありました。バスタブを積んで持って来てくれました。

 その重さ130kg。

 飛び込みの営業は断っており、自分が本当に聞きたいと思うモノ、人しか会わないことにしています。

12 - コピー

 このメーカーのバスタブは鋳物ホーロー製で、現在進行している計画にも、いくつか採用しています。

 鋳物ホーローとは鋳物でつくった型に、ガラスを焼き付けたもの。

 重厚感と、清潔感を備える素材で、モノのポテンシャルは非常に高いと言えます。

 広島出身の営業マンは、一人で車から降ろすと言います。繰り返しますが重さは130kg。

15 - コピー

 手伝わずに、見せてもらうことにしました。

17 - コピー

 実に器用に、バスタブを揺らしながら、動かしていきます。

19 - コピー

 無事地面に降ろし、その上でスタッフに説明を始めて貰いました。

20 - コピー

 バスタブの上で、YouTubeによる製造工程の解説付き。

21 - コピー

 それが終ると、また一人で車内に戻し、帰っていきました。その間、20分程。

 浴室としては、近年はユニットバスが採用されるケースが多くなりました。 メーカーとしては、高級ホテルなどが重要な納入先のはずです。

 それを、我々のような、建物を量産する訳ではないアトリエまで実物を持ってきて、営業をするのです。

 「当社は、毛利元就の居城近くにあった、たたら場が起源となっています。じゃけん……」

31 - コピー

 どこで読んだか忘れましたが、伝説の営業マンの話です。

 本当にモノを売りたいと思ったら、その会社の前で車を停め、自分でタイヤをパンクさせてでもコミュニケーションをとる。

 考えてみれば、バスタブを地面に降ろさなくても、商品説明は出来るのです。

 モノの見極めは、厳しくしています。その上で、多くの競争相手から選ばれるには、何か一押しが必要です。

 自社の製品に対する愛着、歴史、人はその後押しになりえるのです。

 水仙の学名はナルシサス。

 ナルキッソスは、水面に映る自分の姿に恋焦がれた美少年。このギリシャ神話に基づき、自己愛をナルシシズムと言います。

 自分の見え方ばかり気にしている営業マンをみると、何を伝えたいの、と聞きたくなります。

 実にアナログで、気持ちのよい、営業でした。もっと言えば「こやつ、モノの売り方を知っているな」でしょうか。

危険とスリルに満ちたもの‐1121‐

 12月に入り、梅田阪急のショーウィドウもクリスマス仕様。

27 - コピー

 子供達はすぐにかじりつき、大人たちはすぐに写真を撮ります。いつから写真を撮るようになったのか。

 私もそうですが、まずは自分の目でしっかり見るようにしたものです。

11 - コピー

 紅葉していたヤマボウシも雨で散り。日も短くなり、初冬は物悲しい季節でもあります。

 養老猛司が「手入れという思想」という本で「知る」ということについて書いていました。

 「例えば自分の余命が3ヶ月と告知を受けたとき、あなたの考えは今までと同じではないでしょう」と言います。少なからず何かが変わるのではないかと。

 しかし、現在の知識とは自分とは少し離れたところにあると、警鐘を鳴らしています。その引き金になったのが以下の話です。

 東大のある医学部生が「先生、尊師が1時間水槽の中で座禅を組むから、立会人となってくれませんか」と頼みにきました。

 5分間、酸素の供給が断たれれば、脳がどんな損傷を受けるか、知識としては知っている。しかし、それと現実が一致しない。

 教育が普及し、誰もが望めば教育を受けることが出来る。学ぶことは良いことで、安全なことだと信じきっている。しかし、知るということは変化することなので、もちろん危険も害もある。

 自分と離れたところにある、安全な勉強など楽しいはずがないと結んでありました。

 身近にあり、危険でスリルに満ちたもの。これは、間違いなく仕事です。仕事とは、生きることに直結しているもの、と定義できるので、子育ても勿論含まれます。

 私達はちょっと安全な勉強に慣れすぎてしまったのかもしれないと思っているのです。