カテゴリー別アーカイブ: 04 建築

中庭の家の裏庭で焼肉

 昨日は、お昼から京都に行っていました。

 昨年竣工した、切妻と中庭の家に招待して貰ったのです。

 5家族13人が、裏庭で焼肉です。

 こちらのクライアント、実は同級生なのです。それで、子供達の年恰好も、似たような感じ。

 やはり焼肉は炭火に限ります。

 網の焼き後が入った肉は、何故あれほど美味しそうに見えるのでしょうか。

 一通り、食事が終わったら、子供たちと野球の練習です。

 大汗をかくまで遊びました。

 最後は大人同士もプラスティックバットで真剣勝負に。


 家の中、外。それぞれが、好きな場所で、食べ、飲み、遊び。

 長女はダイニングでハヤシライスを。

 カレーは辛さ設定が難しいので、ハヤシライスにしたとは、奥さんの弁。なるほどと思いました。

 昨日は、webサイトの下書きも持って行きました。

 大筋OKの返事を貰ったので、今週中にはUPしたいと思います。

オリーブ

 間もなく竣工を迎える「Ohana」。前庭に植える木を、買いに行って来ました。

 

 当事務所でクライアントと待ち合わせ、309号線を車で南下します。

 葛城山のふもとにある古川庭樹園 までは40分程。

 簡単言うと庭木を売っている会社なのですが、まずは広大な敷地に圧倒されます。

 この日も案内してくれた専務は、情熱とこだわりの人で、その話を聞くだけでも、楽しいのです。

 

 クライアントと、あちこちにある木々を見て回りました。 

 

 そして出合ったのが一本のオリーブ。

 色、立ち姿とも素晴らしいものでした。

 オリーブの花言葉は「平和」と「知恵」だと教えて貰いました。

 

 この会社、カフェも経営しています。

 肩肘張らずに、庭を眺めながら食事のできる、優しい空間でした。

 定休日にも係わらず、仕事に熱い専務は「お店も見て行ってよ」ということで、アイスコーヒーをご馳走になりました。

 氏は、イギリスでガーデニングを学び、英国風をそのまま持ち込むのでなく、日本の里山文化と融合させたような、庭作りを出来ないかと、模索してきたのです。
 
 クライアントとも意気投合して、お昼時も忘れて、会話が弾んでいました。

 

 その後、オリーブを車に積んで持ち帰り、無事植樹を終えました。

 詳しくはこちらのサイトで。

 2人は何に意気投合したのか。

 専務からすれば、合理主義のから言えば、無駄に見えるかもしれない前庭を、なんとか確保し、植樹する姿勢。更にその木を探しに、わざわざ来てくれた事でしょうか。

 クライアントからすれば、僅か一本の木を探しに来たのに、これが良いか、あれが良いかと、一緒に探し回り、庭や木々に対する熱い思いを聞かせてくれた事、だと思います。

 一所懸命仕事をしている人と出会い、スイングした時ほど幸せな時はありません。食べる糧としてだけでなく、仕事を通して何か出来ないか

と、考えている人はどんな時も情熱的です。

 「Ohana」が、いつまでも街の人々に愛される写真スタジオになる事を、心から祈ります。そして、その一旦を担わせて貰った事を誇りに思うのです。

原寸

 現在進行中の現場に「Ohana PROJECT」があります。

 昨日の午前中は雨でしたが、八尾にある鉄工所へその鉄骨を見に行きました。この辺りも工場が密集しているエリアで、物作りの街なのです。

 図面が手書きの時代は、この「原寸検査」と呼ばれる作業が必須でした。それがCAD化されて省略できるようになったのですが、若いスタッフは見ておくべきだと思ったのです。

 私の実家は1階が仕事場でした。クレーンのある風景は懐かしく感じます。

 クレーン下までの高さ8m、奥行き22m。

 3階建てくらいまでなら、ここで加工を済ませ、現場では組むだけと言っていました。

鉄骨造の場合、柱や梁の加工は、多くが熟練工による手仕事です。

 柱の端部は溶接する面積を確保するため、斜めに削ります。

 これを開先(かいさき)加工と呼びますが、削ったばかりの鋼の断面は本当に美しいのです。

 素材本来の色は、何にも替え難い説得力があります。

 柱の頭部には梁を繋ぐブラケットと呼ばれるユニットが溶接されます。

 「Ohana」の中で一番複雑なブラケット。見方によってはアートです。

 創造という行為は、人の頭の中から出てくるもので、本来アナログなものです。

 アナログなものをデジタル化して縮尺をかけて図面で表現する……。

 CADで図面を描いていると、何をしているのか分からなくなる時があるのです。

 大きさを知るには、現物を見るのが一番です。また実物を見ないと、鉄の重さ、硬さも分かりません。

 そう考えると人の目は本当に良く出来ています。触らなくても見ただけで、この鉄のユニットが軽いものと感じる人はいないはずですから。

スカイハウス

 休日の出張は、できるだけ朝一番の電車に乗ります。

 知らない街や建築を見るのは未だにワクワクするもの。今回は9:00am過ぎに東京駅に到着です。まずは文京区、地下鉄の江戸川橋駅へ向かいます。

 東京カテドラルは、1964年の完成。

 東京都庁、フジテレビ等でも知られる。故・丹下健三の設計です。

 「カテドラ」が司教が儀式をするための椅子で、カテドラのある教会をカテドラルと呼ぶそうです。

 この日は生憎の雨でしたが、太陽に輝く姿を見て見たいと思うのです。

 十字架をモチーフにした平面と、天に向かって伸びるスリットが美しい、間違いなくモダニズムの傑作です。

 東京カテドラルから歩いて5分。静かな住宅街にひっそりと建つのがスカイハウス。最も有名な住宅のひとつ。

 1958年完成の建築家・菊竹清訓の自邸です。菊竹はメタボリズムという運動を起こします。

詳しくはウキペディア参照

 1959年に黒川紀章らと提唱した運動で、メタボリズムは新陳代謝を意味します。都市や建築は社会や生活の変化によって、有機的に成長して行けば良いという考え方なのです。

 スカイハウスでは、主要な空間を4本の鉄筋コンクリートの壁柱で2階に持ち上げています。

 生活スタイルによって変化する部分は、この建物では1階部分を指します。出来上がった当初は、2階部分しか無かったのです。後に増築し、現在の形になりました。

 完成してすでに50年。古くはなっていましたが、断然に美しいフォルムでした。

 本では何度も見た名作は、小さくも、凛とした佇んでいました。しばし感激。

 ちょうど斜め向かいには、現在の菊竹清訓建築設計事務所、K-Officeが。

 地下鉄で、銀座7丁目あたりにある、LANVINブティック銀座へ。

 中村拓志は1974年生まれ。特に若い注目の建築家です。

 正面は無数の小開口が。

 この開口部にはアクリルが入っています。

 一旦冷やして縮小したものをはめ込み固定するという手法で、一切フレームの無い開口部を実現しました。

 造船で使われている方法だったそうですが、その執着心は流石です。

 最後は青山にある書斎館

 店舗を設計中のクライアントから、是非にと言う事で教えて貰いました。

 美術品を展示するようなショーケースの中で、万年筆一本一本に説明が書かれています。

 音楽も荘厳な感じの選曲で、異次元の空間でした。

 今回の目的は住宅の打合せ。勿論これが本当の仕事です。

 直接会う機会は限られているので、1:30pmから5:00pmまできっちりと打合せ。順調に進みました。

 途中でちょっと飽きてきた三姉妹は、ポニョを踊ってくれました。親子三世代が一緒に暮らすこの家。色々な楽しい仕掛けを考えています。

 年内の竣工を目指します。

姫路と明石

 昨日は、クラアントが姫路の写真館へ見学会に行くというので、ついて行きました。

 姫路と言えば国宝、姫路城です。

 別名、白鷺城。羽を広げた白鷺のように、快晴の空が良く似合います。

 写真館見学は、感じることが沢山あったのですが、写真は辞めておきます。

 しかし「どうすればお客さんと一緒に、楽しく仕事が出来るか」を追求する姿勢は、「本気」がビリビリと伝わってきました。

 その後は御のぼりさんツアーで、明石の商店街「魚の棚(うおんたな)」へ移動。意外に活気があるので驚きました。

 私のクラアントは写真家ですが、撮られるのも大好きなのです。

 明石と言えば明石焼き。有名な話ですが、現地では「たまご焼」です。

 口の中で崩れると、熱いのなんの…… 今でも口の中が火傷気味です。

 もちろん味は抜群でした。

 イイダコは今が旬。

 他にも、アナゴ、目板ガレイ、手長ダコ等など。見てるだけでも楽しいものです。

 見てるだけですが。

 締めくくりは、「龍の湯」という温泉でした。

 これが日帰り温泉と侮る事なかれ。有馬温泉のような赤茶けた湯が、素晴らしかったのです。夕日と明石大橋を眺めながら帰阪。

 仕事が好きで、一所懸命頑張っている人の話は、聞いて楽しいですし、俄然元気になります。

 本日、インフルエンザで休んでいたスタッフが無事復帰。本当に流行っているので、気をつけて下さい。どれだけやる気があっても、元気であってこそですから。

池を望むということ

 今年の9月から、『アトリエmの現場日記』として建築、特に現場については別の日記にしました。

 区分けしたのであまり書いていなかったのですが 「池を望む家」が間もなく完成します。

 どの作品とて、簡単に進んだ事はありませんが、この現場もなかなかに苦心した、別れるのが寂しい現場になりました。

 その名の通り、家に向かって突き出すリビングが一番の特徴ですが、水面というは本当に良いのものです。

 嵌め殺しの大きな開口から池を見ていると、まず飽きません。

 カメが頭を出したり、鳥が水辺に留まっていたり。生物が見えなくなっても、風が吹くと水面は折々の表情を見せるのです。

 風の無い日は空と雲を映しこみ、風の強い日は、まるで何かが走ったように、一部だけが波立ったり。水というものは非常に繊細で、敏感なものだと改めて認識しました。

 その風景を見ながら暮らすのは、多分幸せで、心を穏やかにしてくれだろうと思います。

 元々この敷地は大きな寮が建っており、撤去後いくつかに分割して売り出されました。「池を望む家」の隣地は(隣も池を望む家ですが)、現在でこそ工事が始まりましたが、2年近く空き地のままでした。

 私のクライアントは、初めて事務所に見えた時から、この地と、ガケの敷地を新居の候補にしていました。クライアントは、とっても変わった人かと言うと全く違い、非常に温厚で常識ある素敵なご夫妻なのです。

 では、何故この地を選んだのか。新居に対して、純粋な夢を持ち、真っ直ぐだったのだと思います。

 高低差のある池に面すれば、素晴らしい眺望を得れるのは当たり前と言えます。しかし、その土地を選ぶには勇気が要ります。選ばない理由を探せば、いくらでもあると思うからです。ドラマ
ティックに言えば、全てはその勇気から始まったと思うのです。

 総括していますが、まだ完全に終わった訳ではありません。今週土曜日、最終検査をする予定です。最後にひと頑張り頼みます、T建築。

「切妻と中庭の家」 竣工写真

 連休のなかび。飛び石連休が減った今では貴重な存在です。

 今日は「切妻と中庭の家」の竣工写真の撮影に行っていました。その内容については現場日記に書くとして、いつもながら緊張の一日でした。

 引渡しの日程が、明日の23日(火)。手直しも含めて工事の完了が20日(土)。22日(月)の今日は家具が届き始めます。

 日、月と二日しか、撮影が可能な日が無い中、晴れ予報は今日だけだったのです。

 撮影は朝から夜7:00pm頃まで行いました。

 家具が揃ってもう一度撮る予定ですが、ひとまず一区切りです。

『池を望む家』現場日記スタート

 先週末、上棟式がありました。

 式の場合でもと、準備をしていましたが、クライアントの希望で「めったに会う機会のない、現場の人達とゆっくり食事を」ということになりました。

 ご馳走を用意して頂き、食事会が始まりました。
 建築には20種前後の職種が必要です。今回は、大工、鉄骨、電気、水道、左官そして工務店と私達が出席させて頂きました。

 どんな方がクライアントで、どんな家族が暮らすのか。現場の方が、実際に会うのはとても良い事です。

 ようやく暑さも一段落し、建ち上がったばかりの家には爽快な風が吹き抜けます。

 大阪府の南部には、灌漑用のため池が多くあります。この敷地はそのほとりの高台にあるのです。

 クライアントに初めてお会いしたのは、1年半ほど前。その時は①ガケの敷地、②住宅地の平坦な敷地、そして③池を望む敷地が候補になっていました。

 そして2回目の来所時には、この敷地に決まっていたのです。

 私も初めてここに訪れた時は、興奮しました。プゼンテーション前でしたが、この眺めの敷地に設計出来る事は、この上ない幸せと感じたのです。
 
 これまでは、現場の過程はあまり書いてきませんでした。発表する時に、先入観なしで見て貰いたいという気持ちもありました。しかし建築の過程は非常にダイナミックなものです。何もない所に。新たな建築が生まれる時、確かに風景が変わります。

 そこも含めて作品と考えを改めました。日記とは別に、現場日記も始めたいと思います。

 一級建築士事務所アトリエmの現場日記 

 ここまでの工程も同時にUPします。こちらもまたのぞいてみて下さい。こちらはスタッフにも書いて貰うつもりです。

屋上プール

 弟の家には屋上があります。

 夏にはプールを出しているので、長男を連れて遊びに行ってきました。これが結構大きくて本格的なのです。

 タツノオトシゴからは噴水がで、滑り台の滑りを良くします。

 これが尼崎の「コストコ」で2、3千円で売ってるそうです。

 コストコはアメリカのスーパーチェーン。クライアントにも何人かファンがいました。

 量も多く、安いので、年会費4,200円をどう考えるかだけでしょうか。ちなみに駐車場もアメリカンサイズとのこと。

 屋上では、3歳、3歳、10ヶ月で小一時間遊びまわっていました。

 下階に下りて、クワガタを皆でつつきまわしていました。

 セミの鳴き声もうるさくなって来ていよいよ夏本番です。

 市街地の住宅で、大きなプールを置くのは大変です。そういう意味で、屋上は使い勝手の良い屋外です。

 しかし屋上は一般の屋根と比べると高くつきます。防水をした上で、歩けるような構造体が必須で、古来よりの木造建築には無かったものです。

 少し専門の話をすると、19世紀の前半に活躍した近代建築の三大巨匠の一人、ル・コルビュジエは「新しい建築の5つの要点」として以下を上げています。

 「ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面」

 屋根の上は、近代建築になって手に入れたエリアと言えるのです。

 現実的な話もすると、屋根を一般形状にするか、屋上にするかは、相当なコスト差があり、大きな分かれ目です。弟の家もご多分に漏れず、金額を合わせるのに随分苦労をしました。私が設計したので良く知っています。

 家を創る時、どんな選択をするにしろ、悪い結果になることはまずありません。何故だか分かりませんが、希望、コスト、いろんな条件を突きつけられ、真剣に悩んだ結果は必然と言えるのかもしれません。

 この家の屋上も、有って然るべきだったのだと思います。

北浜あたり

 先週末は生憎の雨でしたが、私は北浜へ。

 水の都、大阪を象徴するのが大川。中心地を東から西へと流れ、大阪湾に注ぎます。

 その中州が大阪市役所、中央公会堂のある中之島。北浜はその南東部に位置します。

 中之島とは難波橋で繋がり、欄干には2匹の狛犬が居るので別名ライオン橋。八百八橋を象徴する橋と言えるかもしれません。

 東には口を閉じた吽型像。

 西側は口を開けた阿形像。阿吽となっている訳です。

 後ろには雨の梅田。中央公会堂も見えています。

 堺筋を南に振り返ると左手には大阪証券取引所。秀吉の時代から大阪経済の中心地でした。

 「北浜」の由来には 二 説あるようです。

 ひとつは「船場北の大川に沿った浜」、もうひとつは「大川前の店が全て北に向いていたから」という説。

 辺りには明治終わりから、大正、昭和初期にかけて建った近代建築も多く残っています。

 まずは高麗橋野村ビルディング。 安井武雄による設計です。昭和2年築。

 新井ビルは旧報徳銀行大阪支店。大正11年。

 1階には「五感」という有名なお菓子屋さんが入っています。結構美味しい。

 生駒時計店は昭和5年。なかなか愛想のある建物です。

 旧三越の後には、日本で一番高いマンションが建設中です。

 このマンションの一室を改修する計画をしているのです。

 「建つ前から改修とは」となるかもしれませんが、意外と多いらしいですよとは、クライアントの弁。

 高さ209m、54階建て。奥においやられている浴室を窓際にもってこようという計画です。

 大阪城を眼下に。さて、どんな眺めになるのか。