先週日曜日は、「中庭のある無垢な珪藻土の家」の取材でした。
ある機関紙の巻頭8ページの予定です。
以前には「池を望む家」や「イタウバハウス」を取材して貰いました。
なかなか葉がつかなかったヤマボウシも、元気を取り戻しています。
木々の変化は、折々の表情を家に与えてくれるのです。
制作会社の担当者2人と伺い、2時間程の取材でした。
「取材時は是非サポート下さい」と言っていたご夫妻でしたが、全くの杞憂でした。
インタビューが始まると、家づくりの物語りが次から次へとでてきます。
おそらくそうなるだろうと私は想像していました。
打合せの際も、疑問、質問などがいつも非常に分かりやすく、明快でした。
ご夫妻と話しをしていて、話が途切れることはまずないし、ご主人と四方山話しをしていたら2時間くらいはあっという間なのです。
写真は以前のものを使うことにしました。
実際の暮らしが始まったあとに撮影するのは、本当に大変です。
この春に撮影したカットですが、お姉ちゃんはお絵かき、弟くんはパワーショベルで遊んでいる間に撮ってもらいました。
こういったカットを写真家は「奇跡の一枚」と言います。
大げさに聞こえるかもしれませんが、全てがかみ合うカットは、なかなか撮れないものなのです。
5歳になったお姉ちゃんは、担当者と私を色々と案内してくれます。
将来の子供部屋にはダンボールの家が。
中には新聞紙で作った箒と塵取りまでありました。
ものづくりがとても好きなのはお母さん譲りでしょう。
インタビューは土地購入の経緯から始まり、おのずとキッチン周りのこだわりの部分へ移っていきます。
ゴミ箱上にある、ゴミ袋のストック置場。
何でもないものに見えるかもしれませんが、通路側を向いているので来訪者からは見えません。
また、ゴミ箱の蓋の軌道をかわした位置にあるのです。
キッチンからつながる、2.5畳の和室は様々な機能を併せ持ちます。
洗濯物を畳む、雨の日の物干し、お子さんの昼寝等など。機能面での見せ場です。
更に、その和室と洗面脱衣が繋がるのがこの収納。
和室で畳んだものが、洗面脱衣室側からとることができるのです。
インタビューの冒頭に、お姉ちゃんがこんな可愛いものを私に手渡してくれました。
シールをはがすと私への手紙がでてきました。
まだ逆さ文字が混じっていますが、本人が読んでくれました。
「もりたにさん いえ つくるの じょうずだね」
前の晩に、自ら書いてくれたとのことです。
建築をつくるのが仕事ですが、「じょうずだね」と言って貰ったのは初めてです。
多くの創り手がいる中で、もし誇れることがあるとしたら「一緒に物語をつくる」ということに尽きる気がします。
取材に行く前に、8年前の「池を望む家」の巻頭特集に少し目を通しました。
こちらの計画も、池の横にある土地と出会うところから、家づくりの物語が動き出します。
その物語の舞台監督を私に任して貰えるなら、ドラマティックにダイナミックに、そして必ず楽しいものにしてみせます。
それが私の生きる道なのです。
この機関紙は無料で貰えるので、発刊の日時が決まればまたお知らせしたいと思います。
■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
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【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園
【News】
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売に「阿倍野の長家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月2日に「イタウバハウス」掲載
■『houzz』5月28日の特集記事に「あちこちでお茶できる家」掲載