カテゴリー別アーカイブ: 08 友人・知人

アゲハチョウ

 朝起きて窓を開けると、庭木にアゲハチョウが止まっていました。

 長男が盛り上がっているのを制し、もう一枚アップで撮ろうした瞬間、フワと飛んで行きました。

 長男はむくれていましたが、まじまじと見ると美しい生き物です。

 子供の頃、何故あんなに生き物を捕り、飼いたかったがったのでしょう。小さい頃、斜め向かいに住む友達もそうでした。

 小学2年生だったか、彼は飼っていたザリガニのお腹に、卵を見つけたのです。そして「産卵には沢山酸素が要る。ストローでブクブクしたらなアカン」と言うのです。

 それで、交代々々に日暮れまでブクブクしていました。夕飯時になると、その辺は子供のなので「じゃあ」とそれぞれの家に帰ったのです。

 次の日も、学校に行く前にブクブクし、帰ってからもブクブクしていると、小さなザリガニが沸くように孵化し始めたのです。酸素を送ったのか、二酸化炭素を送ったのか分かりませんが、小2にはちょっと感動的な光景でした。

 彼は小学3年になる春休みに、閑静な住宅街に引越して行きました。その後も中学くらいまでは、行き来していたのですが、その後疎遠になって行きます。

 「亡くなった」と聞いたのが、8年前の今頃。朝起きると眠っているように……だったそうです。「どうしてるんやろうなア」と思いながら、中学を出てから一度も会わずでした。
 
 もう一人、若くして亡くなった友人がいます。あれも7年前の蒸し暑い夜でした。

 日本には、チョウを魂の化身とみる風習があります。音も無く飛ぶ様が、儚げで神秘的に感じられたからでしょうか。ほんのたまにです。彼らに「元気にやってる」と言いたくなる時があります。

初めての家

 年度末は何かとバタバタするものですが、一番時間を取られたのが引越し。

 事務所の引越しは4回。引越しアルバイトの経験も有り、自宅も軽く考えていました。子供のおもちゃが増えたとはいえ、思ったより荷物が多かったのです。

 結婚してから5年と5ヶ月。小さな賃貸マンションで暮らしました。分相応の生活をと借りたのですが、眺めの良い部屋でした。昨日が明け渡しの立会い日。敷金40万円で、敷引きの特約事項が無かったので、預けていたお金は全額返ってきました。

 よくある現状復帰のトラブルについては、次回書きたいと思います。 

 「実家の近所で売りが出た」と聞いたのは、年明け1月の下旬。妻も母も同じ広告を見ていました。母はすでに不動産会社に連絡済みだったのです。

 そんなこんなで、1975年(昭和50年)10月竣工。古家付きの土地を買う事になりました。私が5歳の時に建った木造2階建てですから、耐震性に若干の心配はありますが、これも縁と思い、すぐに引越す事にしたのです。家賃を払い続けるのは勿体ないというのが一番の理由ではありますが。

 築33年だけあって、今の住宅との違いは明らかです。まず寒い。そして扉が多い。基本的には、和風建築の間取りなので、迷ったらフスマという感じです。2ヶ所外しました。

 階段の傾斜はおよそ50度。踏面も狭くかなり急です。

 バスタブのサイズは90cm×70cmのステンレス製。

 子供と入るとお湯が溢れる位小さく、風呂釜と言ったほうがピッタリきます。

 しかし全く不満はありません。

 猫の額ほどですが、庭まであるのですから。

 表に出ていたら、お隣の奥さんからフリージアを頂きました。黄色の花弁からは春の香り。

 元々近所だった事もありますが、そんなご近所付き合いも暮らしの一部です。

 と、思っていたら、一昨年、ご自宅が完成したクライアントが「近くに来たので宜しければ」と電話がありました。

 昨年の11月生まれのご子息と3人で、遊びに来てくれました。記念すべき、初めてのお客さんです。

 ご夫妻には毎年食事に招待頂き、長男には何度もプレゼントを

 それででは無いのですが、長男のテンションが上がりっぱなしに。

 アクオスをデザインした喜多俊之さんが

 いい空間を作るには人を呼ぶこと。呼べば整理をする。いらないものを捨て、欲しいものを奮発して買う。もともと日本には「もてなし」の茶道がある。いいインテリアを集めればいい空間を作れるのではない。人を集めるのがいい空間を作る。

 と書いていました。

 駐車場もありますので、いつでも来宅をお待ちしております。

 初めて、自分の家に住むことになったので、子供達には私が思う空間で暮らして貰いたいと思います。時間が出来たら、設計を始めようかなと思っています。

世界へ電話

 先月末から、新しい計画がスタートしました。内容については、了解をとって追々UPして行きたいと思います。計画自体の話ではありませんが、ひとつ相当に驚いた事がありあます。

 クライアントは仕事でペルー在住です。ほぼ地球の真裏なので時差は-14時間。南半球ですから季節も反対の夏です。

 「日本との国際電話は結構かかるでしょう」と聞くと「ほとんどタダみたいなものです」と。連絡手段は、メールをメインと考えていました。ところが「skype」ならパソコンさえ立ち上がっていれば、無料で会話できるそうなのです。

 それで、何月何日の日本時間10:00am、ペルー時間8:00pmに電話すると約束して、準備を始めました。まずは、skypeでアカウントを取得です。

 次にパソコンにマイクが付いていれば不要ですが、なければマイクを買います。

 どうせならと、手が自由になる耳にクリップできるヘッドセットを買いました。USB接続のアタッチメントと併せて2000円程。

 この機会に、もうワンセット準備しました。事務所内でテストしてみると、見事開通です。

 いよいよペルーの首都、リマとの交信です。(あえてこう書きます)

 微妙な緊張感の中コール。1回目、2回目……。

 繋がったか感じはあったのですが、画面には拒否の文字が。若干焦りながら再度コール……。

 見事に繋がりました!「さっきは間違って切ってしまいました、すいません」と。

 音質も固定電話と全く遜色ありません。電話での打合せを進めるうちに「こっちのノートパソコンにカメラが付いているので、映像もいくと思います。えっとここを……」

 なんと、テレビ電話になったのです。近くには娘さんと奥様の姿も。こちらは写っていませんが、何故か頭を下げながらご挨拶。50分程の打合せを終えました。

 何と言うか、非常に興奮しました。地球の反対側と『無料』でテレビ電話が出来るのですから。

 すぐにwebカメラも発注しました。価格は1,000円から3,000円くらいでもあります。

 skypeの事はイタリアに住む知人に聞いていました。その時はもうひとつピンと来ていなかったのです。

 自宅のPCでも早速設定します。ミラノのセイコ、ロサンゼルスのtomokoさんへ妻から電話がいくかもしれません。

 私はニューヨークのイナゴロー、タッチャンへかけてみようか……。何かワールドワイドな感じ。

出欠

 今日の最低気温は4℃、最高気温は11℃。一昨日が秋と冬の境目かもしれません。

 冬のにおいがしたら、年末までもうすぐ。事務所内も、バタバタとした時間を過ごしています。それぞれの計画は勿論ですが、年賀状の準備、完成した作品の写真、データの整理等などもたまっています。

 加えて、年末の12月30日に中学、高校の同窓会があるのです。事務所で事務局を引き受けていることもあり、私が世話役の代表をしています。

 前回は4年前で、第1回目でした。270名のうち50名の同級生が集まり、なかなかの盛り上がりを見せました。皆大変喜んでくれたのです。4年ごとのオリンピックイヤー開催決め、第2回を迎えますが、そろそろ11月30日の出欠の締め切りが迫ってきました。

 反応が大変良かった事もあり、楽観していたのですが、今日現在の返信葉書は、住所の分かる200名に対して、1/4の50名。うち出席は21名なのです。

 いいのです。参加は勿論自由ですし、みな忙しい年代ですから。ですが、欠席にチェックが入っている葉書が続くと、何かこう気分が……

 前回は初回という事もあり、世話役が手分けして連絡などしました。個人情報保護法も施行され、電話は結構怪しがられることもあり、今回は控えめにしていました。

 その影響もあるのか、期限まで残すところ一週間半。さて、どうなることやら。

イターリアより

今日から日曜までは、当事務所も夏休み。

ずっと良かった天気がここに来て崩れそうなのが若干の心配でしょうか。

今、妻の友人がイタリアから帰省しています。先月は奈良まで遊びに行っていました。先週、ご主人も来日し、我が家に遊びに来てくれました。

イタリアはミラノから、ようこそ大阪へ。

子供たちはもう一ヶ月以上日本に滞在しています。

日本語はお父さんよりも上手。日常会話には困りません。

昨年は奥さんと子供だけでの帰国でした。その時も遊びに来てくれました

我が家の長男と末っ子次女は同い年。今年は譲り合う光景も見え、仲良く遊べました。

こちらのご主人、ホスピタリティーに溢れた人で、イタリアから持ってきたパスタで料理を振舞ってくれました。

3年前の来日でもご馳走になったのですが、プロ顔負けの腕で素晴らしく美味しいのです。

日本が世界にほこる文化、畳に寝転んで記念撮影。

イタリア、6歳、5歳、3歳。日本、3歳、6ヶ月。

5人の家族は奈良へと帰って行きました。2週間後にはミラノへ。

毎年の帰省は大変なので、2年に一度になるかもしれないとのこと。

「残念」と言うと、来てくれたいいのにと。それもそうです。待ってるだけでは能が無いので是非行来きたいと思います。

前にもそんな約束をしたはずなので、ここ2年の間には何とか……

小指の爪

 この日曜日は母の日でした。母だけではありませんが、思い出す事があります。

 小学校の頃、両親が爪を切っていました。横で見ていると2人とも、足の小指の爪がほとんど無いのです。どうしたのか聞きました。

 共に「毎日働いていると、ちびて無くなる」と言うのです。それを聞いて「大人になると有るものが磨り減って無くなってしまうのか……」と空恐ろしい気分になりました。

 実家はガラス屋でした。小さい頃は特に忙しかったので、住居下の仕事場からは、毎日遅くまで父の怒声が聞こえてきました。楽しい思い出ばかりではありませんが、足の爪が磨り減るまで働き、こうして生かされていることに感謝します。

 そう思えるようになったのは、ごく最近ですが。

 しかし母の日に、感謝の言葉を伝えた訳ではありません。妻に「カーネンションの一本でも買っといてえヤ」と。全く恥ずかしい限りです。

 いつか面と向って言える時が来るのでしょうか。そんな事も出来ない自分が恥ずかしく思いますが、真っ当な感情だとも思うのです。完全に言い訳ですが。

 その頃の母の年齢はとおに超えました。一生懸命働いてきたつもりですが、幸い足の爪は全部あります。

プレゼントのストーリー

 先週金曜日の夜。事務所に70cmはある大きな小包が届きました。

 送り主を見ると愛媛県にあるショップのようで、その名前しか無い。誰が送ってくれたのだろうと、電話しましたがもう閉店のあとでした。それで、問い合わせのメールを出しておきました。

 その小包を家に持って帰り、妻に「誰からやろう?」と。少しだけ包みを破ると、乗って遊べるパワーショベルなのです。このプレゼントのセレクトはあの方……

 子供はもう寝ていたので、その晩は開封せずにおきました。翌朝、子供に破った所から覗かせ、

 「誰が送ってくれたんやろう」と聞くと、「ん~、ヒゲのおっちゃん!」

 1歳のクリスマスにはキャタピラーのブルドーザー、2歳の時にはパワーショベル&運送用トラックの玩具をプレゼント下さった方です。

 「やっぱりそう思う?じゃあもう開けてしまおうか!」となったのです。

 ヘルメットもいたく気に入ったようで、いろんな物をすくいまくっています。

 明けて月曜日の朝、「備考欄にお名前を書き忘れてしまい……」と連絡が。やはり私達が想像した方でした。
 
 3年前のクリスマスの事。ホームパーティーに招いて頂いた上、家族皆にプレゼントを。私には芯ホルダーという筆記用具でした。

 聞けばイタリアで買ったと。確かイタリアに行っていたのはその年の9月。3ヶ月も前のことなのです。

 お呼ばれする時「何もっていったらええやろ~」とか言っていた自分が情けなくなりました。 

 絵画、写真、建築もそうですが、人の心を動かすプラスアルファーは、背後に感じるストーリーだと思っています。

 プレゼントも同じかもしれません。長男のパワーショベルには重機ストーリーが、私の芯ホルダーにはイタリアンストーリーが流れているのです。

そしてクリスマス

 24日(月)の夜は、家族で過ごしました。

 妻の力作ケーキ。子供がこんなケーキを食べたいと言ったのです。

 ところが、その日に限ってお祖父ちゃんと目一杯遊び、疲れ果てて7時に就寝。

 夫婦でゆっくり食べました。

 翌25日(火)は、昨年に続いてクライアントご夫妻に招待頂きました。

 フレッシュトマトの前菜に始まり、オリーブとクミンのチキン煮込み、自家製ローストポーク、手打ち麺のパスタ、ケーキに至るまで、全て奥様の手作りフルコース。美味しい上に優しいのです。

 ご主人がサーブする姿はプロ顔負けです。サラダを取り分ける時、親指の下にフォークを挟み、その下で小指、中指にスプーンを絡め、片手で上手に取り分けてくれます。ホテルマンがするあれです。

 フォークとナイフを包むナプキンは丁寧に織り込まれ、美しく飾られていました。聞くとどこかのWebサイトで見付けたと。プロ顔負けと言う表現は、合っていないのかもしれません。

 子供のみならず、私達夫婦にまでプレゼントを頂きました。感謝と感激で……

 人をもてなすのは心。良いと思ったら照れずにすぐ行動。2年前の夏、ご夫妻にお会いして感じたことです。

 しかし、良いことは忘れやすく……再び決意を新たにしました。

 ある人は言いました”最も美しい照明は、夜景。それは光りの数だけストーリーがあるから”。

 私達を照らすのはロウソク。

 火は刻々と変化しストーリーを奏でます。

 私達は文字通り、温かい気持ちで家路につきました。

友人宅でゆるゆると

 今日は敬老の日。

 暦を見ると10月前半にかけて、三連休が3回。

 私が学生の頃は土曜も学校でしたから、随分と休みが増えたものです。

 先週の土曜日は、友人宅でのホームパーティーへ行っていました。

 若い頃は”そんなの気恥ずかしくって!”と思っていましたが、まさしくそれに参加。歳と共に変わって行くものです。

 友人とはかれこれ、25年の付き合い。良く知れたメンバーの大人10人、子供8人が思い思いの場所でビールを飲んだりおもちゃで遊んだり。

 テラスでは炭火焼料理が始まりました。

 部屋の中では、参加者の一人センちゃん作の前菜が。

 パスタは砂肝とハツ(鳥の心臓)のペンネ。他にも、豚バラの燻製オリーブオイル添えなど、一手間掛かっていて、とても美味しいのです。

 マイ包丁持参で腕を振るってくれました。

 食べた後は、大人対子供でドッジボール大会。”ちょっと遊んであげるか”ぐらいの感じでスタート。

 友人の長男は小学3年生で、ドッジボールが学年で一番強いそう。真剣にお父さんを狙います。

 返すお父さんは、我が子を本気球で撃沈してガッツポーズ。気持ちが分かるくらい、彼は上手い。

 久し振りに聞いた”顔面セーフ”。なんとも懐かしい響きでした。

 大汗かいたら皆で風呂。

 お母さんから”ついでにウチの子も”という事で、新生児も洗っておきました。ちょっと懐かしい感じ。

 仕上はそうめん。三輪の老舗メーカーの友人が、自ら湯がいてくれました。

 流石に美味しい。梅と炒ったゴマが、一層味を引き立てます。

 あっさりといくらでも食べられます。子供達もツルツルと。

 到着したのはは昼の3時頃。友人宅を出たのは夜の11時半。

 8時間も遊ばせて貰いました。このゆるゆるとした時間が何よりの休日。

朋あり遠方よりきたる

 毎年この季節になると妻の友人が帰郷してきます。

 彼女はイタリア人男性と結婚し、長男5歳、長女4歳、次女2歳と3人の子供に恵まれ、イタリアに暮らしているのです。今回の滞在はおよそ一ヶ月。

 イタリア北部の古都、ミラノからは移動するだけで一日仕事です。

 今回お父さんは来日できず、お母さんと子供3人のご一行様。初めて我が家に泊って貰う事にしました。

 うちの長男と合わせて4人の食事は、思ったより食べてくれました。

 一番下の2歳同士は、譲り合えずにケンカもしますが、大概は機嫌よく遊んでいます。

 やはりお兄ちゃんに引っ付いて行きます。3人兄妹は日伊のバイリンガルで、うちの子供、勿論私にも上手な日本語で話してくれるのです。

 地下鉄に乗って、天王寺動物園に出掛けました。何を見るのも4人一緒。以外に手が掛からないものです。

 一度紹介しましたが、天王寺動物園は昨年9月までのリニューアルで、本当に良くなりました。木陰から象が見えた時、子供達は驚きの声を上げます。

 氷リンゴを食べるシロクマ。こちらはちょっと前時代的演出。

 サバンナゾーンでは、優雅に葉を噛むキリンの姿。

 帰り道、噴水を見つけて、テンションは最高潮に。別れの時は流石に寂しそうでした。

 3人兄妹の上2人は日本に滞在する間、こちらの幼稚園に通っています。その際、国旗を作るという課題がありました。園児の多くはイタリアのトリコロールを作ったそうです。

 日本は島国なので、他の民族の交わる事は皆無です。にも関わらず、小さな違いを見つけて人を区分けするという悪しき慣習も残っています。

 小さい頃、イタリアと言う国を知り、同い年の友人が出来たという現実は、何よりの経験になるはずです。

 我が子も含めて、その経験を生かして欲しいと願うのです。