一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

工務店と建築家

土曜日は「四丁目の家」の地鎮祭へ行っていました。

9時頃東京駅に着き、施工会社へ向かいます。

 東京メトロに乗ると、なんだか暗い事に気づきます。この震災で全て節電モード。

エスカレーターが一基とまっていたり、券売機も稼動を減らしたり。

 それらを見て、現実を再認識します。

 現場日記にも少し書いたのですが、この会社は御茶ノ水にあります。東京駅から地下鉄で6分。要するに東京のど真ん中なのです。

 社長に「家賃も高いだろうに、何故ここに」と聞くと、以前は設計施工がメインだったので、クライアントに来て貰い易いようここに越して来たんです、と。

 あたりをううろしていると、さすがに巾の狭い敷地があります。

 間口1.6m。それだけで地代の説得力十分です。

 昨年、今年と、関東圏で計画が始まった時、初めに考えたのは施工会社のこと。

 建築雑誌を見てピックアップし見積りをオファー、競争を勝ち抜いたのが日祥工業。

 昨年横浜で竣工した「エピック・ゲーム・ジャパン」で初めて仕事をしました。

この会社は少し変わっていて、私達のようなタイプの設計事務所の仕事ばかりしています。アトリエ系と言えば良いか、簡単に言えば手間が物凄くかかる仕事で、著名な建築家とも多く仕事をしているのです。

実際に現場へ来る人たちも、対応が非常にきめこまやかでした。

 施工会社は、ともに物創りをするパートナー。しかし、べったりになってしまうと、良い事がありません。

 常に競争をしてもらい、互いが緊張感を持ちながら、同じ目標を目指します。どこを目指すかを具体的に示すのが、私達の最も重要な仕事と言えるのです。

 次は関東の構造家と仕事をしたいと思っているのです。

P.S. 土曜日は「住人十色」の放送がありました。沢山の感想を頂き有難うございました。少しあったのが「出演するんじゃなかったの」というもの。

設計者はよほどのことがない限り「話をさせるとくどい」からか、出演の機会がありません。

例外は、その人自身に興味がある場合か、自邸の場合。そんな機会があるよう頑張ります。

デラシネ

 大阪の下町は、この時期裏路地が賑やかです。丁度ネコの繁殖期。

 朝一番、洗濯物を干しに上がった妻から「ネコの赤ちゃん生れてる」と。

 寝ぼけ眼の長男を連れ、2階バルコニーへ行きました。

 裏家のバルコニー下から、ギョロッと睨みつけられました。

 真っ黒の母ネコの下に、眠る3匹の子ネコ。

 母ネコは背中を丸め、こちらを威嚇してきます。

 その間、およそ2.5m。かなりの迫力です。

 しかし、完璧な条件を選んでいます。

 雨は掛からず、子ネコがオシッコしても水下へ流れ清潔。

 もしタカなどの外敵がくれば(居ませんが)瓦屋根との隙間に逃げ込め、そう簡単には見つかりません。但し私達家族を除けば。
 娘も目を覚まし、再び見に行きました。母ネコは狩りに出掛けたのか、子ネコだけでした。狩りと言っても狙いは残飯ですが。
 
 子ネコ達は娘の足音に気づくと、一目散に瓦下へ逃げ込みました。要するに、子ネコが寝ている時しか見れないのです。

 それから、毎朝のようにバルコニーへ行っています。

 後日、1匹だけが起きていました。

 母ネコが子ネコを守ろうとする様に、種の保存の根源を見る思いがします。

 子ネコの大きな瞳に、生物としてなんら変わることのない、愛おしさを感じます。
 
 しかし私に何か出来ることは何もありません。

 デラシネとは浮き草、根なし草という意味から、故郷を失った人を指します。そんな言葉を想い浮かべました。

 これはクロネコ一家に限った話ではないかもしれません。自分も含め、都会にすむ多くの人々はデラシネなどと思います。

 しかしそれは寂しいと言う意味ではありません。逞しいことなのです。

『住人十色』で「光庭の家」放映

 今週土曜日、午後5時から毎日放送『住人十色』「光庭の家」が紹介されます。

  撮影は3月14日で、先日「スタジオ撮影のノリもよく、全て編集も終わりました。後は放送を待つだけです」とディレクターから聞いていました。

 一昨日の番組で、ダイジェストが流れていましたがとても良い感じで、楽しみにしています。

 楽天VSオリックスのチケットを貰ったので、久し振りに甲子園へ行ってきました。

 昨日は天気も良く、絶好のデーゲーム日和。

 今回の震災で、プロ野球は開幕日程が変更になったり、ナイター問題もありました。

 最も影響を受けたのは仙台を本拠地とする楽天で、球場の変更を余儀なくされ甲子園での試合となったのです。

 しかし甲子園は本当に美しい球場です。

 ball parkという響きがピッタリきます。

 今年の楽天は、松井稼頭央、岩村の両メジャーリーガーが入団。

 42歳の4番山崎武司、好打者、鉄平と役者が揃っています。

 投手陣は、マー君こと田中将大と、昨年メジャーへの移籍が叶わなかった岩隈。

 新監督は闘将・星野と運命的なものも感じます。

 全国からの応援もあって、ここまで4勝1敗の首位。

 しかし、試合は1点を先制するも4点を取られ敗戦。オリックスが一矢を報いました。唯一大阪を名乗るチームなので、それはそれで良かったのですが。

 4番T-岡田はバックスクリーン横まで飛ばしそうな構えでした。残念ながらこの日ホームランなし。

 イチローがメジャーへ行った時、神戸に行けば何度でも見れたのに、と後悔しました。そんな事もあり、機会を作って試合を観にいこうと思います。
今度は長居スタジアムへサッカーを観にいくつもりです。

奪還

 4月になると、日本は本当に桜の多い国だと実感します。

 普段は控え目で、この時ばかりと咲き乱れる様は、やはり他の花にはないものがあります。

 葉桜も増えてきましたが、花を食べる動物も結構います。

 ヒヨドリでしょうか。

 桜の塩漬けなど、人も食べるくらいですから、ご馳走に埋もれているようなものです。

 5月を前にして、サツキも咲き始めました。

 春の恒例行事にしている、健康検診へ行ってきました。

 身長172cmは当然ですが変わらず。

 体重はベスト+1kg、ウエストはベスト+1cmとまあ許容範囲。

 私にとってのメインイベントは、何といっても視力検査。昨年の結果は左右とも1.5と前年より下がっていたのです。

 大変恵まれているとも言えますし「良すぎると、急に悪くなるよ」言われることもあります。

しかし、今年は気合が入っていました。Ohana石井さんの日記を読んだからです。

 気合十分でまずは右目から。順に小さなCを示されますが、最下段に来ても看護士さんの動きはスムーズなまま。2.0を確信しました。

 さあ左目。下から2段目まではスッときましたが、一度上へ戻りました。

 んっ、間違えたかな?と思いますが、折り返してすぐに最下段へ。

 ここで、右、左、右と3つ程指されました。最後は「上が空いているように感じます」と。これで検査は終了。ベストを尽くしました。

 結果を聞くと「両方2.0ですよ」と。小さくガッツポーズしたのです。ちなみに2.0以上の検査はあるのでしょうか。

 これで、来年への目標が出来ました。ウナギ、レバーを沢山食べます。

桜鯛

 昨日は、久しぶりに釣りに行っていました。

 子供を連れて父と岸和田から出船です。

 大阪と和歌山の境、紀淡海峡まで小一時間。

 加太のすぐ南、田倉崎沖で釣り始めました。

 初めはアタリが無かったものの、食いが立ちだすとバタバタと真鯛が上がりだしました。

 桜の時期に釣れるので桜鯛。

 何とも風情のある呼び名です。

 この辺りは潮流も早く、オモリが重め。

 長男には重すぎて、自分で釣り上げることは出来ませんでした。

 アメリカではバスフィッシンング(ブラックバス)が盛んで、プロのトーナメンターが多く存在します。

 トーナメントがテレビで中継されるほど、人気があるのです。

 日本の釣り具メーカーに「イマカツ」というブランドがあります。創業者で、同じく日本のプロトーナメンターである今江克隆氏のブログに、ラリー・ニクソンからのメッセージが掲載されていました。

 ラリー・ニクソンはアメリカではカリスマ的存在のプロトーナメンターです。

 時として釣りは心を癒してくれる最良の方法になる事があります。今後の皆さんの幸運を願うと共に、心からお見舞い申し上げます。ラリー・ニクソン(一部抜粋)

 一瞬で全てを奪い去るのも自然、この穏やかな海も自然。私達人間も自然。

 ただ全てを受け入れるしかないのだなと思うのです。

イメージ&チャレンジ

 4月に入って一週間。

 小学校の桜も満開です。

 朝から長男の入学式があり、少しのぞいてきました。

 2年生が校歌を歌ってくれました。

 今でも普通に歌えるのは、私もこの小学校出身だから。

 途中で退席したのですが、久し振りに見た校庭は思いのほか大きく感じました。

 話は変わって、先月の下旬のこと。船舶免許の更新に行ってきました。

 更新は5年に1度。車の運転免許と同じような感じです。

 こういった講習は、総じて退屈なものですが、今回の講師はちょっと違いました。

 子供と釣りへ行った時、ライフジャケットのおかげで助かった話。湖上で、若者が手を振っているのだと思ったら、正しい救難のサインを理解せず、助けを求めていた話しなど。汗をかきながら、熱心に話してくれるのです。

 講義の中で、どんな時に操船ミスをするかという話しがありました。

 キーワードは、単調や、慣れなど。例えば、慣れた航路で帰る時、干潮を忘れて浅瀬に乗り上げたり、という話です。

 これは操船だけの話ではありません。失敗をしたくないという気持ちが、今までと同じ道をたどらせ、消極的、慣れ、飽きからミスを誘発するのだと思うのです。

 人生はいつまでも挑戦。チャレンジにはミスという概念さえありません。今回の講師が、全く違って見えたのは、少しでも分かり易くと、高い目標を持っているからだと感じました。

 大切なのは向上心と創意工夫。行動に置き換えるならイメージとチャレンジです。

 新一年生、明日から頑張れ!まずは日本の為に!

伯父

昨日は、午後から葬儀に参列していました。

 昼過ぎに事務所を出て、岡山の児島へ着いたのが3時半。

 すでに式は始まっていました。

 父の兄。享年69歳。交通事故でした。

 伯父は祖父の創業した材木屋を継ぎます。

 父の3つ上で、子供は男の子2人。私達従兄弟どうしは歳も近く、小さい頃はよく児島に来ました。

 伯父は、日展に数度入選する書家であり、水墨画の作家でもありました。アトリエにはいつも膨大な作品が置いてありましたが、昨日はそれらが葬儀場の壁をうめていたのです。

 消防団、保護監を行う保護司、民生委員、交通警察協助員など、いつも地域の為に中心となって活動してきた。そんな人だったのです。

 伯母さん、従兄弟にとっては急過ぎて、悲しむ間さえ無かったと思います。

 今から未来を見たとき、人生には無限の岐路があります。

 しかし人生を振り返ったとき、道は1本しかありません。

 過去の人生は、全てが最高のものだったと言えます。たった1つしかないのですから。

 葬儀場の裏はすぐ海。祖父、祖母、そして伯父を送る時、3度この景色を見ました。

 静かな内海に浮かぶクジラ島。昔、皆で泳ぎに行ったことを思いだします。

なずな咲く

 今月の中旬、香川へ行った時に「なずな」が咲いていました。

 ペンペン草のほうが通りが良いでしょうか。最近あまり見かけなくなった気がします。

 よく見れば なずな花咲く 垣根かな

 芭蕉の代表作で、私の好きな句なのです。

 垣根の狭間に咲くなずな。そんなところに季節の移ろいを感じられる人でいたいと思います。

 小さい頃、大人ってタフだなと思っていました。そうなりたいと思う反面、なんと言えばよいか感覚が鈍くなっていくのは嫌だなとも思っていたのです。

 40歳になった今、12歳の頃と同じ人間なので本質は変わらないと分かります。しかし当時と比べると、その都度落ち込むことはなくなったと思います。

 タフになったのでなく、落ち込んでいても現実は寸分も変わらないと、知ったのです。悟ったように書きますが、もちろんまだ過程。そう言い聞かせている部分もありますが。

 以前、明石家さんまが「生きてるだけで丸儲け」と発言していました。素晴らしい!としか言いようのない人生観です。だからこそ彼は成果を出し続けるのでしょう。

 地震の起こった3月11日。24歳のスタッフが入所しました。彼は千葉の船橋出身。当日は情報が入るたびに不安だったと思います。

 先週末は実家に帰って家族にも会えたそうです。親御さんにも、頑張れ!と励まされ戻ってきました。

 仕事に精進し、感じられる、しかも前向きな仕事人になって欲しいと思います。その為に全力でサポートします。

 一生懸命働くことが、本人の、日本の、世界の幸せにつながると信じています。

勝山

 4月の中旬に開催される、icetee CUPというスキー試合があります。

 子供も出場できるので、 家族でエントリーしていました。

 しかし今回の震災で試合は中止に。協賛で集まった賞品などは全て被災地に寄付すると発表されました。また、エントリー費も義援金として送って貰える選択もあったので、僅かながら応援しようと思います。

 先週末は、その練習にと思いジャム勝山のホテルをとっていたのです。少し考えましたが、行ってきました。

 もうすぐ4月とは思えないほど、雪もしっかりありました。

 久しぶりのスキーで、長男も気合十分。

 ボーゲンですがどこでも滑るようになりました。

 下の娘も雪の上にいるだけで、結構楽しんでいます。

 来年は何とか滑ってもらい、4人で山頂へ行きたいと思っています。

 この時期としては本当に寒く、頂上付近には樹氷も見れました。

 日差しだけは春のもので、野鳥がゲレンデに降りてきました。

 ヒヨドリでしょうか。

 1匹が小気味よいリズムで鳴きだすと、皆鳴き出すのです。

 行き帰りの高速道路でも、多くの災害復旧車両を見ました。

 この寒さを超えれば、本格的な春がやってきそうです。
  
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

『月刊ハウジング』に「ドタバタ広場のある家」掲載

 今日はゲツモクではありませんが、雑誌の告知です。

 3月25日、本日発売の『月刊ハウジング 05月号』「ドタバタ広場のある家」が掲載されました。

 取材は1月下旬の、1年点検の日にありました。

 ハウジングは今回が初めて。今まで数度オファーを貰ったのですが、なかなか条件が合わなかったのです。

 この住宅情報誌の魅力は、まずは価格にあるかもしれません。500円なのです。

 安いだけでは支持されません。写真、情報量、販売書店の多さも特徴です。

 今回は『ココチイイのは「光と風」が流れる住まい』という特集の、1番目で紹介されています。

 クライアントご家族の協力で、とても楽しそうな、明るい誌面になっていますが、考えてみれば、晴れなかったらどうなったのだろうと思います。

 「プロとは締切があること」と漫画家の浦沢直樹が言っていました。

 雑誌、テレビ関係の人は、いつもこのプレッシャーと向き合っているから、成長のスピードが速いのだと思います。 

 宜しければ是非手に取ってみて下さい。

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