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永住したい打ち放しのマンション「R Grey」‐2‐型枠講座

 基礎が打設され、壁の型枠工事が始まりました。

 鉄筋コンクリートの建物は、硬いプリンをつくるようなものです。

 型枠とはプリンを入れるカップのようなものと考えると分かりやすいでしょうか。

 躯体が出来あがっていく流れを簡単に説明してみます。

 鉄筋コンクリートは、文字通り中に鉄筋が入っているので、内側の型枠でカップを塞いでしまう前に鉄筋を組み上げていきます。

 難易度が高いのが、窓や庇などの部分。

 特に庇は、カップに穴があいているような状態になっています。

 プリンの原液を流し込むと、当然その穴から噴き出してきます。

 コンクリートが時間とともに硬化する性質を利用して、噴き出してくるコンクリートをコテで押さえ付けるのです。

 いかに手作りなプリンかが分かってもらえるでしょうか。

 また、コンクリートはプリント違って、かなりの重さがあります。

 その側圧に耐えるため、型枠は鋼管で支えられています。

 正しい壁の厚みを保持するため、プリンの中ではセパレーターという鉄の棒によって、内外の型枠が固定されるのです。

 横60cm、建て45cmで、このセパレーターをレイアウトしています。

 完全に硬化が終わったあと、型枠を外した段階では、セパレーターの先端の白い樹脂部分が、コンクリートに埋まった状態で残っています。

 この部分をPコーン(通称ピーコン)といいます。

 樹脂性になっているのは、後でコンクリート内から取り出しやすいからです。 

 外部においては、このPコン跡のくぼみは雨漏りの原因になるので、モルタルで埋めてしまいます。

 外壁から5mmの面落ちで仕上げますが、パネルの継ぎ目とこのわずかな陰影が、コンクリート打ち放しの表情を決定付けるのです。

 建築設計と料理は本当に似ていると思います。

 コンクリトー打放しは、手作りプリンとかなり近しいのです。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐10‐何とか引越しの改善策

 昨年の10月末にスタートしたこの計画ですが、ついにというかようやくというか、引越しの朝をむかえました。

 朝一番にのぞきにいくと、中庭のルーバーがまだ施工中。

 職人の人たちに罪はありませんが、何とかお昼までには仕上げてもらいたいところです。

 本格的な荷入れは午後からですが、家具の荷受けにクライアントのお父様が見えていたので、ご挨拶とお詫びを。

 こちらの奥様はとてもお忙しので、家事動線や、空間の使い方を、初めから明確にもっておられました。

それが、最もよく分かるのが、キッチンの並びにある2畳ほどの和室です。

 キッチン立ちながら、お子さんが昼寝をしていても見える位置にあります。

 壁にある扉を開けると、洗面脱衣室に抜ける棚があります。

 こちらには扉がなく、右端に棚が見えています。

 和室側を見返すとこんな感じ。

 これも、何とか日々のくらしを楽しく、効率よくしたいという強い気持ちが、このプランを実現しました。

 洗面脱衣のタイルもそうですが、1階トイレの壁のなかなかかわいいセレクトです。

 この壁が斜行しているのは正面の舳先部分の裏にあるからです。

 2階は寝室部分ですが、舳先裏にクローゼットを配置してあります。

 中に入るとその形がよく分かります。

 サイドのスリットもこの建物の特性を考えデザインしました。

 本当に何とかかんとか、引っ越しを終えてもらいました。

 常にギリギリになってしまうのは、何とか改善してもらわなければと思います。

 改善にむかう動機は反省しかないと思います。

 「あの時、こんな手を打っておけば、もっと早く、精度のよい仕事ができたのでは……」

 言い訳せず、そんな反省の気持ちを持ち続けるしか、進歩の道はありません。

 人は誰しも弱いのです。しかし、奥歯がすり減るくらい歯噛みしたことがある人なら、次こそはと思うのでしょう。

 人生は、後悔、後悔、また後悔。反省、反省、また反省。そして、ちょっと進歩。

 そんな感じだと思います。

 同じ結果でも、その時間軸で評価は全く変わることを、プロは認識しておかなければなりません。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐9‐一点を射抜く

 タイトルにあげながら、ここまであまり触れてこなかったのが中庭です。

 外構工事が始まり、ようやく形状が見えてきました。

 LDKへの日差しは遮らず、外部からの目線は切りたい。

 中庭に要求される機能は、多くの場合変わりません。

 外構工事は別というケースもありますが、間違いなく一体のもの。

 「服はコーディネートしますが、帽子と靴は他の人に見てもらってください」とはなりません。

 外部に木製建具をつかわせてもらったのは、1999年の「紫竹の家」以来です。

 庇、シャッターの雨対策。防火設備から外れる位置にもってくるという法規対策。そしてクライアントの熱意が、実現に導いてくれました。

 やはり、木は職人が手加工できるため、こまかなところまで、こだわることができます。

 LDKの床養生もとれ、ようやくあらわれた節無しの檜。

 最後の最後まで、悩んでもらった箇所です。

 もちろん安価ということはなく、最終的にはクライアントが直接webで購入。支給してもらいました。

 階段の1段目にある引出し収納も、総檜づくりで家具職人の力作です。

 キッチン前のカウンターのニッチも、珪藻土が塗りまわされています。

 キッチン横にある和室に日がさしこむと、珪藻土のコテあとがより鮮明になります。

 よい素材や、職人の技量が問われる工事は、やはり金額がはります。

 しかし、クライントはただ安ければよいと思っている訳ではありません。

 素材、大きさ、形状と無限の選択肢があるなかで、最も総合点の高い一点を射抜かなければなりません。

 それが建築設計という仕事です。

 この難しさが面白さに変わったのは、自分の決断にクライアントが心から喜んでくれたときから。

 はじめに勇気、そして決断ありきなのです。

文責:守谷 昌紀

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枚方「さかたファミリー歯科クリニック」‐3‐最後に笑う

枚方「さかたファミリー歯科クリニック」‐3‐

幹線道路に面した「さかたファミリー歯科クリニック」。

向かって左にみえる壁が、斜行しているのが分かるでしょうか。

敷地の一辺が斜めに広がっているのです。

幹線道路沿いの歯科クリニックなので、できるだけ駐車場を広くとりたいという要望がありました。

駐車場、またそれらのアプローチを確保した上で、プランをするとこのような形状になっていきました。

 

エントランスを入ってすぐのホールを見上げると、壁が斜めになっているのがよく分かります。

それらを利用して、小さいながらも、院長室、スタッフルームにも外光を取り入れる工夫をしました。

そして、これは減額案でなくなった庇。

何とか安価に、美しく作る方法がないか、監督と相談しています。

そのモックアップが上がってきました。この庇が、建物の形状を引き立てるのは間違いありません。

契約。コスト。全て理解しています。

しかし、思いで仕事をしなければ、経済効率という引き波に飲み込まれてしまうだけだとも思います。

監督の笑顔は、苦笑いか、満面の笑みか。

最後は後者になると決まっているのですが。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐8‐「リスク」か「 可能性」か

月末の引っ越しまで10日をきりました。

現場は、壁仕上げに入っています。

この計画はタイトルにあるとおり、壁は珪藻土塗。

これらは全て左官職人の手で塗りあげられます。

くるっとコテの上にネタを乗せる動きは、やはり職人技。

まずは大きなコテで塗り付けます。

そして、場所にあったコテに持ち替え、仕上げていくのです。


これは、壁と壁が90度でぶつかってくる入隅(いりすみ)を塗るコテ。

出隅(ですみ)なら逆形状のコテを使います。

昔は「ペンキ塗り立て」などの看板をよくみました。

しかし最近では、人の手が出来を左右する仕上げは減る一方なのです。

タイル工事もその部類に入るでしょうか。

洗面台もいい感じに仕上がってきました。

これはマグネットが付く塗料で塗られた子供部屋の壁。

塗料に砂鉄が含まれています。

これらは左官工事と似ていますが、タイル工事、塗装工事と、全て別の業種なのです。

ご夫妻と内部を回りますが、壁をみるだけでも楽しそうです。

自然素材の中で暮らしたいという強い思いが、無垢の床、珪藻土の壁を実現するに至りました。

建物に入った時、いわゆる新築の家の匂いはしません。土の匂いというか、非常に優しいのです。

左官工事、タイル工事、塗装工事と人の手が出来を左右すると書きました。

建築家との家創りも全く同じです。自由がゆえ、互いの考え方がその成否に大きく影響を与えます。

それらをリスクと呼ぶのか、可能性と呼ぶのか。

「可能性」と思った人とだけ仕事をすることになるので、クライアントは皆ポジティブな人ばかり。

課題、問題ももちろん噴出してきますが、基本、現場打合せは楽しいものです。

それは可能性に満ちているからに他ならないのです。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐7‐マラソンは終わってからでは走れない

 3月も中旬に入り、ようやく足場が外れました。

 虫も這いだす啓蟄をすぎ、南西からの日差しがファサードを照らします。

 この建物が、街を明るくしてくれるのではと期待します。

 今日はご夫妻に加え、長女さん、奥さんのお母さま、ご主人のご両親と、順に現場へ足を運んでもらいました。

 皆さんに「外壁の表情がいいね」「かわいいお家ね」と喜んでいただき、現場一同嬉しい限りです。

 月末の引っ越しを目指して、内部も活気がでてきました。

 一番奥にキッチンも据え付けられています。

 キッチンの並びにある和室、そしてキッチン後ろにあるワークスペースは、このお家にとって重要な意味をもっています。

 ワークスペースからは、キッチン越しにLDKを見ることができ、洗面、そして和室とつながります。

 和室は、お子さんのお昼寝や、洗濯ものを畳む空間として使えるようにという要望を受けてのものです。

 西側ファサードにあるスリットは、舳先のようになった外壁をより美しく見せるはずです。

 これは、ぎりぎりの建ぺい率をクリアするための苦肉の策でもありました。

 必要は発明の母と言います。

 共働きで忙しいご夫妻にとって、何が最も大切なのかというところから設計を進めて行きました。

 よって、迷いはほぼ無かったと思います。

 今回の打合せが32回目。うち、現場打合せは12回目です。

 昼の1時にスタートして、結局3時半まで屋外での打合せをお願いすることになりました。

 夕方になるとやはり冷え込んできます。

 それでも、打合せに付き合ってもらえるのは、クライアントが本気だからに他なりません。

 次回打合せが、概ね最終打合せになるでしょうか。

 マラソンは試合が終わってからでは走れません。

 走るなら今。

 自分達にも、現場にも、同じ言葉をかけるしかできないのです。

文責:守谷 昌紀

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永住したい打ち放しのマンション「R Grey」‐1‐プロローグ

 当社の隣に、弟がマンションを建てると書いたのが、2016年の9月

 あれから半年。いつもながら難航した金額調整を経て、ようやく着工することになった。

 計画開始時点では、父が昭和56年に建てたガラス屋の倉庫が残っていた。

 昨年の10月初旬から、まずは解体をスタート。

 3週間かけて完了。

 更地になったあとの4ヵ月は、甥っ子たちの遊び場だ。

 そして先月下旬から、地盤改良工事をスタートした。

 プランは1LDKで、空間に拘りのあるシングル、もしくは若い夫婦に住んで貰えればと思っている。

 オーナーとなる弟は、木造3階建ても考えていたが、最終的には鉄筋コンクリート(以下RC)造を選択した。

 コンセプトは「長く住みたい」「永住したい」アパートメントハウス。

 共同住宅である以上「頑丈」「燃えない」「プライバシー」は最優先となる。

 RC造の壁式構造は、阪神淡路大震災でも一棟も倒壊していないといわれている。

 室内のフローリング以外、ほとんどの材が燃えない、燃えにくい材で構成している。

 遮音性能も含めて、3点全てにおいてRC造が他の構造を勝っている。

 しかし、木造、鉄骨造より躯体のコストがかかるのは明らかだ。

 それでも、RC造にできたのには理由がある。

 はっきり書くが、敷地は父の持ち物で、非常に安い賃料で弟が借りているからだ。

 共同住宅は収益のために建てられる。土地へのコストが圧倒的に安いので、家賃と比べて建物の質は間違いなく高いと言える。

 まだ最終的な家賃は決まっていないが、決定すればここでも公開しようと思う。

 全部で6住戸。1住戸はすでに予約をもらっている。

 この計画は、兄である私に設計を頼むのが前提となっていなかった。

 私としても、共同住宅に関しては非常に複雑な思いがあった。

 街に愛着がなければ、ゴミのポイ捨て、路上駐輪など周辺住人にとっては、プラスの要素はない。

 自分達が暮らす空間、建物、そして、街へと順に愛着を持って貰えるような建物でなければ、設計をしたいと思えなかったのだ。

 家賃のコストパフォーマンスが高い理由は先に書いた。

 この建物を好きになって貰えるかは、私達設計者、また施工者の能力にかかっている。

 竣工予定は今年の9月。

 春に次ぐ転勤シーズンに、沢山のオファーを貰うイメージをもって、計画は本格的にスタートする。

文責:守谷 昌紀

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枚方「さかたファミリー歯科クリニック」‐2‐上等上棟

 大安の昨日、「さかたファミリー歯科クリニック」が棟上げを迎えました。

 幹線道路沿いに建ちますが、あらためて大きなクリニックだと感じます。

 その大工工事をしきってくれる棟梁は41歳。

 脂がのりきっている感じです。

 この日は、4人のチームを指揮しての建方でした。

 正面開口部は、このクリニックの顔。

 棟梁とベテラン大工の2人が、手慣れた動きで、梁を叩き込んでいきます。

 仕事ができる人は、みていてもリズムがいい。

 それを確認するだけで、信頼できそうだなと思うのです。

 この大きな開口部は、エントランスの吹抜けに、北側の安定した光を供給してくれるはずです。

 午後4時頃、垂木を固定しているところまで見届けて、次の打合せに移動しました。

 棟梁とチームを組んでいた、ちょっとこわもてのベテラン大工。

 屋根上に声をかけると、思いもよらずはにかんだ笑顔で応えてくれました。

 自分の現場でなければ、絶対声をかけないくらいの迫力は持ち合わせていました。

 ちょっと不器用で、腕自慢が集まる現場が、私のもう1つの仕事場です。

 もし、全てロボットだけの現場になったら、違う仕事を考えます。

 やはり建築は、人がつくるから上等なのです。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐6‐現場訪問大歓迎

 暦の上では春ですが、やはり寒い日が続きます。

 大人でも寒いので、お子さんはなお寒いはず。

 この日は、お子さん2人とご両親、ご兄妹も遊びにきてきくれました。

 現場で2時間も、3時間もご夫妻を拘束するので、その間の子守りも含めて、皆さんで遊びにきてくれたのです。

 テンションの上がった3歳のお姉ちゃんは、かなり薄着でした。

 やはり子供は風の子でした。

 ハシゴを降りる時は、おじいちゃんの抱っこで。

 1歳半の弟君は、お母さんの抱っこで。

 何とも幸せそうな笑顔です。

 そして、姪っ子さんも遊びにきてくれました。

 仲良し女の子組は、記念に壁へお絵かきしてもらいました。

 壁内で見えなくなりますが、ここい確かに成長の手跡が残っています。

 これはスタッフの田辺さんからのプレゼント。

 断熱材で出来たお人形です。

 私達が一番お会いするのは、クライアントであるご夫妻です。

 クライアントのご両親からすれば、お子さん、お孫さんが暮らす家が、どんなものになるのか、期待半分、不安半分だと思います。

 私達、また施工会社への思いも、期待半分、不安半分。

 もう少し正直に言えば、不安のほうが大きいと思います。

 知らない、分からないは、不安を大きくこそすれ、信用側には転びません。

 不安を小さくする、解消する方法は1つだけ。お会いする、みていただく。これに尽きるのです。

 よって、どんな時でも現場訪問は大歓迎なのです。

 お孫さんを抱っこするおじいちゃん。これ程微笑ましい光景は、そうありません。

 家創りは、親族をあげてのまさに総力戦なのです。

文責:守谷 昌紀

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「四世代で暮らす家」‐4‐ガラスの魅力

 今年は記録的にインフルエンザがはやっているとのこと。

 現場でも風邪気味の人が結構います。

 と思っていたら、うちの娘も、スタッフの田辺さんもかかってしまいました。

 小学校は強制的に1週間休みだそうですが、さすがに当社の規模では休ませてあげることができず……

 大板のガラスがはいりだし、感じがでてきました。

 いままでベニヤで塞がれていた、開口部にガラスが入ると、内部の雰囲気は一変します。

 不透明のガラス。これは拡散光を期待したものです。

 開口部にはいろいろな種類あります。

 ここは、FIXの窓とオーニング窓を組み合わせています。

 ガラスほど建築を変えた素材はないかもしれません。

 前回、ある部分のおさまりを、棟梁と相談していました。

 柱を割って加工し、ガラスを挟むというアイデアです。

 これなら、無駄なパーツがなく、極めてスッキリと美しいでしょう。

 この提案には感激しました。

 「いや~、このくらい大したことないッスよ」と謙遜していましたが、木は目地方向なら割り易く、継ぎ目もほとんど目立たないという、特性を熟知していなければ出来ない提案です。

 アサヒガラスのサイトに、ガラスの起源が載っていました。

 焚火の周りに置いた岩塩が溶け、砂と反応してできたというガラス。

 その魅力は間違いなく透明性です。

 いかに光を遮らないか。

 単純極まりない課題ですが、そんなことの積み重ねが、空間の質を引き上げてくれるはずなのです。

文責:守谷 昌紀

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