「高台の家 RC打放しの家」‐4‐コンクリートがプリンなら、型枠はカップ

 8月8日(土)、鉄筋の本数などをチェックする配筋検査に行きました。

00

 高台の家は、西に高低差のある敷地にあり、南西の景色が素晴らしい家です。

03 - コピー

 現場が盆休みに入る前、1階のコンクリートを打設しました。

04

 それから1週間。8月19日(水)に、クライアントと現地へ行ってきました。

 壁の型枠が外れ、徐々に躯体があらわになって行きます。

19 - コピー

 まだ水分が残るこの時期は、やや黒っぽいのが特徴。やはり打放しは美しいものです。

 クライアントも打ち上がりに満足してくれました。

05 - コピー

 コンクリートをプリンとするなら、そのカップを現場で作ってしまうのが、型枠大工の仕事です。

06

 プリンが固まれば、そのカップは不要となり、取り壊される運命にあります。

 型枠は、非常に短い期間この世に存在し、自分達が作った訳ではない、プリン側が残ることになります。

 型枠は一瞬の芸術なのです。
13

 その一瞬の芸術に、情熱を注げるか。

 コンクリート打放しは、型枠大工の熟練度、熱意に大きく左右されるのです。

 奥に座るのは、棟梁のお父さん。

 「コンクリート打放しは毎回毎回ワクワクしますなあ~」と。

 そんな言葉を聞き、成功は間違いないと確信するのです。

09 - コピー

 西の道路との高低差は3~4m。

 擁壁ギリギリに階段はあります。

10

 設計者が考えることは、大体が、めんどう、大変、やり難いことばかり。

 そんなことを、遣り甲斐に置き換えてくれる職人と仕事が出来た時、計画の成功を確信します。

 完成したら、こちらのからの景色は圧巻のはず。きっと、こわもての棟梁も喜んでくれるはず。

文責:守谷 昌紀

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記