昨日は岸和田へ。
前回までは現場と呼んでいましたが、今回からは新居です。
完成が予定より遅れ、迷惑をかけてしまいました。
このお家は、先日結婚した夫妻が新しい生活を始めるために改修されました。
夫妻は共に留学経験があります。それで、海外に住む友人も多いのです。
キッチンにディスプレイされているマグカップ。
世界のスターバックスで集めたものです。中には友人からのお土産もあるとのこと。
若い頃から色々な国を訪れているのは素晴らしいことです。果たして自分の子供に、同じような事がしてあげられるのか……
4階のゲストルームには、ミニキッチンとシャワールームを備えています。
結婚式にはサンフランシスコからも友人の参列がありました。その際、早速この部屋に泊まっていったそうです。
今回手を加えた訳ではないですが、はやりこの家は「ゲストルームのある家」です。
多くの人が訪れ、賑やかで、幸せな暮らしが待っていると確信しています。
文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
この計画も、いよいよ終盤になってきました。
玄関は勿論家の顔です。
こちらのお家では、スチールの錆び仕上げとしました。
鉄で扉を作り、それを錆びさせます。その上に透明な塗料を塗るという仕上げ。錆というのは、鉄の酸化物ですから、酸素との接触を絶てばそれ以上酸化は進みません。
クライアントが現場に見えたのが、透明の塗料を塗る前でした。その時点では、ただ錆びたドアがあるだけ。「打合せで見たようなものになると想像出来ない」という感想だったのです。
それで、まずは最終の仕上げまでして、その上で確認して貰うことになったのです。その結果、無事OKを貰う事ができました。
建物の部材は既製品化の一途をたどります。扉関係は、その最たるものと言えます。既成品は大量生産品と言い換える事ができます。同じものを事前に確認することが可能なのです。
どの家もが完全に一点ものだった時代から、車、家電製品と同じように、同じものを見てから買える家が増えました。どちらにも長所、短所はあるでしょう。オリジナルである事を良しとする、私達の家づくりでは先のような課題があるのも事実です。
最終的には、どのような家づくりが、住まい手の幸せに最も貢献できるのかに尽きるのですが。
文責:守谷 昌紀
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今日から5月。
現場近くは旧街道もあり、古い住宅街も残ります。塀越しに見える花は、ハナミズキかヤマボウシか。
桜のあと、気温が上がってきた事を実感させてくれます。
外壁の色が決まって、塗装工事を待つだけとなりました。
塗装が終わり、目隠しのルーバーがつけば、一気に建物の雰囲気が変わると思います。
外構工事は足場が無くなってからなので、一番最後になります。
土を入れる部分の立ち上りは、焦げ茶のブロックを選んでいます。
計画名称にあるゲストルームは、元々板張りです。トイレ、ミニキッチン、シャワールームのみが、今回工事の対象です。
最上階で日当たりも良く、建物内の一等地と言えます。
側溝に残るわずかな土から、茎を伸ばす野草。工事が落ち着いたので、次回の現場行は5月中旬になりそうです。
それまで残っているだろうか等と思う今日この頃……
文責:守谷 昌紀
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改修は既存部をどう活かし、やりかえる部分とどう関係づけるかが重要です。
序盤からずっと課題になっていたのが外壁。
既存建物は鉄骨4階建てで、外壁に一部タイルが使われています。
覆う、塗り替えなど様々な選択肢を検討していましたが、高圧洗浄して残すことに決定しました。
他の部分はその色あいに合せます。
建築材料がどんどん規格化され、選択肢が狭まる中「塗装」という工事は貴重です。その選択肢の巾が、群を抜いているからです。
同じく工事中盤まで持ち越していた玄関ドア。
これも錆び仕上げに決まり、監督がサンプルを持ってきてくれました。CDホルダーのようなケースに、1枚1枚納められています。
こういったものを見ると「この制作会社は良い仕事をしてくれるだろうな」と確信します。何事も一事が万事です。
硫酸等を塗布して錆びを進行させます。理論上、酸素に触れなければ錆が進行する事はありません。
頃合いを見て、ウレタン塗装で錆びごと密封してしまうのです。
サンプルこそ見て貰っていますが、全ては自然の産物。仕上がりが楽しみです。
文責:守谷 昌紀
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先週木曜日、現場にて打合せでした。
岸和田までの道程は色々。
もう少し南まで行けば、自然の海岸が見えてきます。天気の良い日に、一度足を伸ばしてみたいものです。
同級生のきっぷのいい棟梁。ラジオのボリュームは大き目です。
この日は、スイッチ、コンセント、インターホンなどの位置を確認して貰いました。
これらは、現場確認に限ります。
この現場、ラジオの音がいいなと思っていました。理由が分りました。現場用マキタのラジオ。
なかなか、かっこいい現場のともです。
文責:守谷 昌紀
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解体工事が始まりはや2週間。
足場が組み上がり、シートで覆われました。
外観は大きく雰囲気を変える予定。楽しみにしています。
改修につき、解体を始めないと分らない事もいろいろあります。ここはパイプスペースになっていました。
パイプスペースとは、排水管や、ガス管が垂直に通るスペースの事です。
壁内、天井裏には、その他にも給水管、電気の線など、様々な線、管が通っています。
構造体を体に例えるなら、給排水管や電気線は血管や神経のようなものでしょうか。これらが機能しないと体は動かないのと同じです。
改修工事は、現場に負うところが大きくなります。
今回の棟梁はOさん。同い年の1970年生れで、とても快活な人でした。
街道沿いには古い建物も見られます。
4階からは岸和田城も。
色々な土地で仕事を出来るのが、この仕事の醍醐味でもあります。
文責:守谷 昌紀
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アトリエmの現場日記
既存建物は大阪の南部にある。
2011年3月11日の震災が記憶に新しいが、この家は阪神淡路大震災の翌年に完成している。
元々建っていた木造住宅は大きく揺れ、その不安を払拭する為に建ったのがこの家である。
鉄骨4階建ての建物だが、家族の成長と共に子供を送り出し、ひとまずの役割を終えた。子供だった彼らは留学を終え、社会人となる。
そして結婚と共に新たな家族を伴い、この家に暮らすことになったのである。
「ゲストルームのある家」としたのだが、4階にあるこの部屋は、ほぼ手が加えられない。
それでもこの名にしたのは、この部屋の使われ方が興味深かったからだ。
当面は、ホームパーティーや、バルコニーを使って屋外で食事を楽しんだりという空間になる。しかし、将来的には海外の友人、ホームステイなども受け入れたいという考えを夫妻は持っている。これは留学をした経験から来るものである。
ホストファミリーになろうと言う考えは、私には浮かびもしない発想だ。
自らが良かったと思う経験を、誰かにもして貰いたい。良心のスパイラルとでも言えば良いだろうか。それを後押しできるような改修となればと思う。
結婚とともに新たな生活は始まるので、竣工は必ず5月下旬までに。
文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
1996年、25歳の時に生まれ育った大阪に設計事務所を設立しました。関西を中心に、東京、長野まで、注文住宅、クリニック、別荘、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。