カテゴリー別アーカイブ: C47 「ダイヤモンドカットの家」

「ダイヤモンドカットの家」‐6‐在庫限り、出血大サービス

 月末の引っ越しを終えた「ダイヤモンドカットの家」。

 新たな生活が始まりました。

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 この日は長男君の入学式。皆さん不在でした。

 中庭以外の植栽は、減額の際に無くしたので、外部に緑はありません。

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 外構工事は後でも出来る為、減額対象になることが多いのです。

 よって土のまま。

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 で、我が家の庭から、株分けすることになりました。

 こういった事は、今までも何度かしてきましたが、庭のアイビーが無くなれば終わりです。

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 在庫限り、出血大サービスです。

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 素人仕事なので、少々粗っぽいのは、愛嬌ということで。

 肥料が混ざっている土をまいて貰い、十分に水やりをお願いします。

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 緑の有る無しは、建物の印象を大きく変えます。

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 引きの外観では、あまり分からないでしょうか。

23 - コピーのコピーのコピー

 物作りの街の中に、白いダイヤモンドを浮かび上がらるというのが設計のコンセプトでした。

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 この街が明るくなり「楽しく住めるじゃない」となれば嬉しいところです。

 スタッフはみな忙しく、丁度学生もいなくなり、妻と現地へ行きました。

 この歳になっての野良仕事は結構こたえますが「出来ることはやろう」が、私達ポリシーです。

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 次の在庫放出は、プランター内のアイビーが育ってからです。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐5‐真っ白

 外壁の塗装が終わり、ようやくシートが取れました。

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 「どうせ白で行くなら、混じりっけ無しの白で」

 クラアントの言葉通り、真っ白な外観です。

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 白という色は、素直に陰影を反映し、他の色を映しこみます。

 同じ白でも、それぞれの面によって全く違う色になるのが良く分かります。その陰影が、建物のフォルムを明確にしてくれるのです。

 言ってみれば究極の色。

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 もっとも、お子さんが喜んでくれるのは、もっと細部のこと。

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 先日の現場訪問で、期待通りにのぞいてくれた小窓群も、ほぼ仕上がりました。

 ご主人から「もう少し、遊びがあってもいいのでは」と、最後に実現したものです。

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 このファミリースペースは、3つの子供部屋の中央にあります。

 トイレと手洗いも備え、兄弟が自然に顔を合わせるような、空間になればと思っています。

トップライトから落ちる光が、価値を高めてくれるはずです。

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 北西の道路対し、出来る限り閉じているのは、トラックの通行量が多いからです。

 万全を期す為に、1階部分は少し下がり、窓も高い位置に切りました。

 住まい手にとって、外観へのこだわりは様々です。しかし、建築は街をの一部を担っていますし、子供にとっては原風景となりえるもの。

 最後の最後まで、しつこく検討を重ねました。

 この計画も、3月下旬の引っ越しを控え、残すところ2週間程。

 最後まで、しつこく行きたいと思います。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐4‐シートが取れる日が楽しみだ

 こちらの家は角地に建ちます。

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 工場、住宅が入り混じる敷地なので、外部は閉じるようなプランとしました。

 道路に面して、窓は最小としています。

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 2階の洗濯干しに光が届くよう、西壁の角度をデザインしましたが、基本は中庭に開くコートハウス。

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 敷地に余裕があれば、コートハウスは常に強い選択肢になります。

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 LDK、和室がこの中庭に面しています。プライバシーが保たれた外部を持つことが、コートハウスの大きな価値です。

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 こちらのご家族は、子供さんが3人。

 この日は、上に2人が遊びに来てくれました。

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 子供にとって、現場は危ないところ。だから見たいのです。

 階段が無い中、お父さん、監督は大変ですが。

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 トラックの通行量が意外に多く、北と西の道路側を閉じたのですが、のっぺりした外観にはしたくないと考えました。

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 監督も相当に苦労したという外壁のディティール。

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 多面体カットは、2008年の「切妻と中庭の家」から取り組んできました。

 どこにでも参考書がある訳ではないので、現場と試行錯誤しながら一つずつ実現してきました。

 シートが取れる日がとても楽しみな計画です。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐3‐気持ちよく干したい

 先週の日曜日、棟上げを迎えました。

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 ご家族、監督、私達での手作りの棟上式ですが、御幣は立派なもの。

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 お子さんは長男、長女、次男の3人。

 米、塩、お神酒を一緒にまいて回りました。

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 一番下のお子さんは、生後5ヵ月からの付き合いです。

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 この家は、寝室前のバルコニーが広く、12畳強ありますが庇を深くしています。 

 寝室内にも、簡易な物干金物がついており、気持ちよく洗濯物が干せるはずです。

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 まだ防水工事前で、ブルーシートに覆われてますが、次男君も一緒に走り回っていました。

 この洗濯干場。住宅の設計において、テーマになることがしばしばです。

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「四丁目の家」はそれがメインテーマでした。

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「黒壁の家」は奥さんがひどい花粉症で、物干部屋を設けました。

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 この大きなバルコニーは片側の壁が、斜めに下りてきます。

 道路側からの視線を切り、出来るだけ光を取り込む為のものなのです。

 オリンピックのエンブレム問題、新国立競技場のコンペの一件もあり、デザインという言葉が、良い意味で使われていないことが多々あります。

 色々なものが100円で買える時代がやってきました。それは、努力の積み重ねによって実現されたはずで、皆が喜んでいます。

 しかし、人類の歴史において、異常な事態なのではとも思います。ものに愛情を注ぐのがともて難しくなる気がするのです。

 もの創りは、尊い行為だと思っています。そこに「意」を注ぐのが、デザインという行為です。それは勿論、洗濯物干し場にも。

 さて、上手く乾いてくれれば良いのですが。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐2‐若い大工による上棟

 10月にプロローグを書いて以来、2ケ月が過ぎました。

 その間、現場が動いていなかった訳ではありません。

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 月曜日に建て方が行われました。

 この辺りは工場も多いエリアですが、それに負けないくらいの敷地です。

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 夕方、現場に着くと、概ね躯体は組みあがっていました。

 プレカットの時代になり、建て方のスピードは格段に速くなりました。

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 エントランスの庇は、車から濡れずに玄関へ寄り付くために考えました。

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 1階にあるLDK。

 東西に長く、南からの光を多く受けられるようプランしています。

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 プライバシーを確保し、光の反射板としての役割もある中庭。

 この時期の夕方、これだけ明るければ必ず価値があるはず。

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 夕日を背にする若い大工。

 建築現場での職人不足が危惧されるなか、若い職人を見るとほっとします。

 まだ話は出来ていませんが、棟梁の下に付いてく常駐してくれるのでしょうか。

 それも含めて楽しみにしています。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐1‐プロローグ

 2013年の1月、住宅新築の相談があった。

 「施工会社が決まっている場合も、設計を依頼することが出来ますか」という電話だった。

 私が不在だった事もあり「そのような、建て方の実績もあります」とスタッフが応えている。

 その後連絡は無かったが、2014年の10月、ある所で偶然お会いすることになる。名刺交換をした際に気付いて貰ったようだ。

 現在、仕事の多くは、webサイト、書籍、テレビ等、メディアを通してがきっかけのほとんどだ。

 多くの建築家の中から、選び、声を掛けて貰えるのは光栄なことだし、遣り甲斐もある。

 しかし、人はバーチャルな世界で生きている訳ではない。

 きっかけとして、メディアは大変優れているが、最終的に、仕事とは人間学だと考えている。

 この両極端にある世界を合わせて生きているのが、現代人と言える。

 2014年の11月から企画の提案をし、私達が設計させて貰うことになった。

 施工会社は値段があわなければ「やらない」という選択肢がある。しかし、設計事務所は、スタートしたなら、必ず結果を出さなければならない。

 よって、今回も競争見積りとさせて貰った。

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 敷地は物作りの工場が建ち並ぶ中にある。

 その中に、白いダイヤモンドを浮かび上がらせたいと思う。

文責:守谷 昌紀

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