「滋賀の家」‐7‐信長の野望

 今週の火曜日、久しぶりに車で現場へ行きました。

 模型を持って行くと、大工親子が熱心に見てくれます。

 「先に模型を見ていたら、イメージが沸きやすかったかも」と。

 実際に作るのは現場の人達。何度か持っていったつもりでしたが……このあたりのケアは、改善の余地ありです。

 現地へ向かう途中、段々と田圃が増えてきます。広大な平地と、枯れることのない琵琶湖。

 信長もこの地を欲しがった訳です。

 この家には冠木門があります。そこに、隠し扉があるのです。

 和紙にくるまれた修理歴が収められていました。

 天正年間に織田信長が攻め寄せ、門を燃やした。

 その後、門を再建、今度は大風で倒れた。

 門を直した時期と大工の名前が書かれています。

 最後の修理歴は昭和9年。

 「信長の野望」というゲームがありました。

 ここにあった元城も、そのターゲットとなっていました。信長恐るべしです。門の修理暦が残っているが、家の修理暦は残っていない。
どれ程、門が重要視されていたかも良く分かります。

 野望と夢に違いがあるなら、他者との利害でしょうか。

 夢の実現は、誰にも迷惑を掛けませんが、野望はそうではない。しかし、真剣勝負であることに変わりはありません。

 工事も残すところ1ヶ月になりました。しかし、この現場は雰囲気がいい。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐6‐親子大工

 6月4日(水)、関西の梅雨入りが発表されました。

 火曜日は、梅雨入り前の最後の晴れ間。

 風が気持ちよい、最高の現場日和でした。


 リビング・ダイニングには大きな吹抜けがあります。

 前回までは足場があったので、ぐっと開放的になりました。


 階段も完成。

 2階に上がると、吹抜けに面したセカンドリビングがあります。

 ここから、南に広がる森が見下ろせるのです。


 1階は棟梁の担当。

 2階は息子さんが担当。

 こういったケースは結構あります。親子で同じ仕事をするのは私の憧れでもあります。

 親子大工に支えられ、梅雨が明けるころには完成の予定。

文責:守谷 昌紀

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