永住したい打ち放しのマンション「R GREY」‐9‐モデルルーム OPEN

 当社webサイトでも募集している、打ち放しのマンション「R GREY」

 竣工は8月末なので工事は追い込みに入っていますが、本日からモデルルームがOPENしました。

 9月からの入居にむけて、1階の2部屋を見ることができます。

 右側が101号室、左側が102号室ですが、101号室には家具も置いてみました。

 玄関を入って右手の扉はトイレの入り口です。

 LDKは13.5畳。

 手前の扉が玄関で、その奥にあるのが洗面への扉。

 キッチンから南を見返します。

 洗面と洗濯機置き場。

 その右に浴室があります。

 浴室の窓にはこだわりました。

 防犯のために面格子をつけ、外出時にも換気をできます。

 マンションで最もよく聞くのが、カビの不満だったからです。

 追炊き、浴室乾燥機あり。

 キッチン奥の扉を開けると寝室です。

 広さは4.5畳ですが、1直線に風が抜けるように設計しています。


寝室はエアコン付きです。

 ダイニングの照明は、ルイスポールセンのPH5をつけています。

 ヤコブセンデザインのセブンチェアは、当社打合せのお古ですが。

 天井高さも、通常より20cm高い2.6m。

 南向きのバルコニーの窓も、高さは2.4mあります。

 どんなマンションなら「永住したい」と思ってもらえるのか。長所は一度まとめてみました。

 建物自体にも愛着を持ってもらえる美しい建築にしたいのですが、住戸内で言えば、やはり打ち放しの天井です。

 壁は断熱材を入れるために仕上げをしていますが、この天井は見ていて飽きないのです。
 
 計画をスタートした時点では、木造のハイツという選択肢もありました。

 なかなか金額が合わず、木造で再設計をしなおそうかと考えた時期もありましたが、やはり鉄筋コンクリート造にして良かったと思っています。

 安心感、安定感が全く違います。

 それには体感して貰うのが一番。入居に関してのお問い合わせは「賃貸住宅サービス」まで。

 それ以外の見学希望は、当社へ連絡下さい。

 建築途中の賃貸住宅を見れることは滅多にないと思うので、気軽にお越しください。

文責:守谷 昌紀

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

築80年の長屋を「碧の家 」に〈リノベーション〉‐3‐最後は勘

 梅雨が明け、「碧の家 」も屋根工事が始まりました。

 クライアントからの現場レポートで、屋根瓦を降ろす写真が届きました。

 これが鬼瓦。

 中央は家紋をいれることもあります。

 これだけ工事に興味を持ってもらえると、現場の士気も間違いなく上がるはずです。

 今日現場へいくと、屋根下地の工事がほぼ終わっていました。

 左上にロフトの窓が見えています。

 1階のダイニング・キッチンから見返すと、右が玄関で左がキッチン。

 キッチンエリアは天井高さを上げるため、構造体からやり替えています。

 反対の建物1番奥には中庭があります。

 そこにトイレ部分が突き出しているのですが、これも天井高さを上げるため、基礎からやりなおすことにしました。

 リノベーションは既存の構造体をできるだけ活かし、足らずのところに新たな構造体を加えていきます。

 しかし解体してみて、予想以上に遣り替えが必要な部分もやはりでてきます。

 それらをなんとか現場でやり繰りするには、監督、大工など、現場チームの「良いものにしたい」という気持ちが大切です。

 そういう意味では、誰に仕事をしてもらうかはとても重要なのです。

 正面からみえていた、2階のロフト部分。

 かなりの高さですが、クライアントにハシゴで登ってもらいました。

 その眺めのよさに、「PLの花火が見えるかも」と歓声まであげてもらいました。

 建築を設計するのが建築設計ですが、それはあくまで物を中心にした考え方です。

 そこに立った人の目に映る風景を設計することこそが、本来の目的なのです。

 まだないものを想像することを生業にして四半世紀。

 根拠にしているのは、高さ、方角、寸法など、いわゆる数字ですが、最後はそれら全てを合わせた勘です。

 これを書いてしまって大丈夫なのか心配ですが、本当のことなのです。

文責:守谷 昌紀

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アトリエmの現場日

家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐1‐プロローグ

 敷地は閑静な住宅街で、近くにコンビニもない。

 この便利で忙しない時代、静かさは何にも代えがたいということがわかる。

 息を止めては大げさでも、見ず知らずの人が歩けば、周囲からの視線を気にすることになるだろう。

 金額調整も終え、6月から本格的に工事はスタートした。

 配筋検査を終えると、建物と敷地の関係がよく分かる。

 特徴は、何といっても6畳ほどの中庭だ。

 この建物は、外には完全に閉じている。

 そして全ての部屋がこの中庭に開いている。

 コートハウスも、L型、コの字型とバリエーションがあるが、ロの字のコートハウスは、最も大きな敷地を必要とする。

 反対のいい方をすれば、各部屋へのアプローチを要するため、面積効率が悪いともいえるのだ。

 夫妻は共働きで大変に忙しい。

 その中で、家事動線を限りなくコンパクトに、そして気楽に開ける屋外を求めた結果、このプランに行き着いたのだ。

 家事動線については、奥さんと細に入り打合せをした。

 とてもコンパクトで、スムーズな動線になったと自負している。

 プライバシーが保たれ、家族だけの空がある家。

 ミニマルな箱の中に、豊かな空間を生み出したいと思う。

文責:守谷 昌紀

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永住したい打ち放しのマンション「R GREY」‐8‐現場というオーケストラ

 本格的に募集を開始した「R GREY」

 マンションの公式サイトも開設されました。

 モデルルームのオープンも決まり、工事は仕上げの段階に入っています。

 1階、2階、3階と上内装工事は進んでいきますが、間仕切り工事はほぼ終わりました。

 2階は換気扇の取付中。

 1階にはキッチンが据え付けられました。

 追いかけるように、内部のクロス貼が始まります。

 クロスの裏に糊をつける機械を糊付け機といいますが、その前に職人が座る姿は、まるでピアニストのよう。

 施工チームをオーケストラに例えるなら、空間を奏でるピアニストだとも言えそうです。

 私たちが作曲家だとするなら、現場でタクトを振るのは監督です。

 私は簡単に人を褒めませんが(自慢できませんが)、この現場は2人体制でよく頑張ってくれています。

 どんな曲を書いても、演奏者にやる気がなければ、素晴らしい演奏会になることはありません。

 反対に、どれだけ演者が頑張っても、楽曲が分かるければ聞くに値しないかもしれません。

 ここのところが、意外に理解されていないと思うことがよくあるのです。
 
 作曲もしますが、演奏会にも口出しします。「そこはもっと丁寧に」とか「そこはもっと思い切って」などなど。

 空間と音楽は、共通点が多いのです。 

 聞けば、もう一部屋仮予約が入ったとそうです。

 演奏会と同じく、空間はその場でしか感じることができないもの。モデルルームで、是非、打ち放しの空間を体験下さい。

文責:守谷 昌紀

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枚方「さかたファミリー歯科クリニック」‐6‐夢の島

 「さかたファミリー歯科クリニック」は、7月21日(金)からの内覧会を控え、着々と準備が進んでいます。

 3日前に近隣へ配布されるというフライヤーが届きました。

 建物の写真とともに、僭越ながら私の写真も載せてもらっています。

 内面には、医院の紹介と院長である坂田さんの写真も。

 温厚で、かつ情熱のある先生です。

 私がクライアントを悪く言うはずはありませんが、それには理由があります。

 建築とは答えのない冒険です。

 「幸せ」という夢の島にたどり着けると思えない限り、同じ船に乗り、出港する理由がありません。

 坂田さんとならそこにたどり着けると確信し、引き受けさせていただいたのです。

 それは、この写真をみて頂ければわかってもらえると思います。

 先週は、最後の検査がありました。

 枚方市の担当職員の方が3名。

 保険所の検査だったのですが、もちろん問題なくクリア。

 これで全ての行政チェックがおわりました。

 診察室にはオープニングスタッフにより飾りつけも。

 遅れていた、間接照明の設置も終わりました。

 エントランスホールの吹抜けからは、光がさしています。

 夏とはいえ、北側からの日差しは若干優しいのです。

 来週の金、土、日には、ひとりでも多くの方に訪れ頂ければと思います。

 私たちの思い描いた夢の島を是非ご覧ください。
 

文責:守谷 昌紀

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永住したい打ち放しのマンション「R GREY」‐7‐既製品の功罪

 梅雨明け宣言はまだですが、すっかり夏の日差しになりました。

 足場がとれるのは今月末あたりになりそう。

 7月29日(土)にモデルルームをオープンする予定です。

 各階で進行状況は違いますが、概ね内部間仕切りができてきました。

 ますます暑くなる日本ですが、このファン付きのジャンパーを見る機会が増えました。

 結構涼しいそう。

 ユニットバスが据え付けられると次はキッチンです。

 これらが入ってくると、一気に空間を把握しやすくなってきます。

 玄関回りは、コンクリートと白い壁の対比が美しいはず。

 玄関をでると、いわゆるパイプスペースがあります。

 水道、電気、ガス管などが通るスペースですが、それらをスチールのパネルで覆っているのです。

 このパネルは、高さ2.75mの1枚もの。

 金物の製作担当と話し合い、この納まりに決定しました。

 図面には継ぎ目無しで描いていますが、現場が始まると「施工が難しいので、継ぎ目を入れさえてもらえませんか」となるケースは結構あります。

 そこから話し合いが始まるのですが、知識のある、またやる気のある担当者なら、何とか実現しようというスタンスで案をだしてくれます。

 反対の場合は、このパネルが1枚である価値や、それが出来上がった時の景色の違いを、繰り返し説きます。

 建築は省コスト、リスク回避を求め、既製品を使う部位が増えています。

 それでも、既製品では対処しきれないところが必ずでてくるのですが、そこがポイントなのです。

 「折角フルオーダーでつくるのだから、芸術作品のようなとびきり美しいものにしよう」と担当者を口説きます。

 たかがパネル、されどパネルなのです。

 建築にはかなりのコストが掛かるので、無駄なところなどほとんどありません。

 わずか30cm角のこのパネル。モデルルームがオープンしたら、まじまじと眺めてみて下さい。

文責:守谷 昌紀

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緑を囲む京都のオフィス「山本合同事務所」‐2‐ここは平安宮の内側

 「(仮称)司法書士・土地家屋調査士 山本合同事務所」ですが、掘方が終わり、配筋検査に行ってきました。

 配筋検査はコンクリート中に隠れてしまう鉄筋の径、本数、継手などをチェックするものです。

 清掃もきっちりされており、鉄筋も丁寧に組まれていました。

 仕事の基本は常に整理整頓です。

 敷地は上京区丸太町通大宮西入藁屋町。

 二条城のすぐ北にあります。

 二条城は、徳川幕府が築いた城ですが、その後は天皇家の離宮となりました。

 さらに遡ること800年。

 平安京は桓武天皇によって遷都されましたが、ここは平安宮内にあたることが分かりました。

 京都市へ事前相談に行った際、試掘が必要と知らされたのです。

 計画がスタートした際は、隣地も含めてびっしりと建物が建っていました。

 換地され、新たな敷地境界となったのが右から2番目、青い屋根の家の左端です。

 そこから左が全て解体され、換地も終わり計画が本格的にスタートしました。

 向かって左はマンションが建つ予定で、当工事に先立って京都市の発掘調査が入りました。

 1.5mほど掘り下げられた位置が、平安時代の地盤面だそうです。

 市の担当者は、マンション用地の中央あたりが、平安宮の東端と考えており、平安時代の遺構がでるのではと、かなり意気込んでいました。

 しかし実際にでてきたのは江戸時代のゴミ捨て場くらいで、かなり落胆していたようです。

 800年の間、何度も何度も住まい手が変わり、埋め立てながら、現在の位置まで地盤面が上がってきたと、その担当者から教えてもらいました。

 隣地の調査結果もあってか、当敷地の試掘はわずかなもので終わったのです。

 この敷地は、改良が不要なほど良好な地盤でした。流石は千年の都です。

 また、平安宮内という貴重な土地。

 基礎柱部分においては、隣地から10cmで施工しています。

 現場と相談し決定したのですが、施工限界値だと考えています。

 専門家にとってはあまり価値のないゴミ捨て場のようですが、平安から江戸まで痕跡を、断面状にみれたことに、私はかなり興奮しました。

 「野洲の家」では、山城跡、または古墳のある敷地に住宅を建てさせてもらいました。

 今回は宮内での仕事です。

 土地に対する敬意や、街に対する愛着がなければ、建築は常に身勝手なものになってしまいます。

 古都に敬意をはらい、楽しく、明るい仕事空間を実現したいと思います。

 今日は七夕。私達の夢が叶いますよう。

文責:守谷 昌紀

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アトリエmの現場日