昨年末ですが、「回遊できる家」の撮影をしました。
当社の撮影は、人有りのカットを結構撮ります。
こちらのご家族はお子さんが4人。
小1の長男君から、6カ月の三男君まで、男・男・女・男と、とても賑やかです。
そして、仲がいいのです。
外観の撮影時も、お子さんがふらっと出てきてくれたら、その雰囲気を大切にしたいと思っています。
次男君が、三男君を気遣う場面。
今度は長男君が入ってきてくれました。
写真家の平井さんもそのあたりは心得たもので、寒い中、シャッターチャンスを待ってくれます。
撮影とは、風景の一場面を切り取る行為です。
光、人の手跡と空気感が写し出されます。
ロフトの奥にはご主人の書斎スペースがあります。
そこから、リビングダイニングを見下ろせるようにしました。
しかし、それを伝える手段は写真しかありません。
4人目の三男君は、このラグの上でとても機嫌がよく、ぐずる場面はありませんでした。
「ラグはあってもいいですよね」とは、平井さんからの提案でした。
多少片づけてはいますが、やはりできるだけ暮らしぶりを伝えたいと思います。
そんなワンカット、ワンカットの積み重ねが、私達のメッセージなのです。
人無しのカットも沢山あります。
そんな時は、ご家族全員に隠れてもらいます。
写真の知識、技術はもちろん大切ですが、もう一歩踏み込む勇気がその価値を左右する気がします。
建築写真家は、シャッターを押すまでの準備、執着心にこそに差が出るのだと思うのです。
撮影の前、彼は現場日記を一通り読んできてくれます。
「守谷さん、現場日記は工事が始まったら、いきなり竣工という感じでしたね」と言われました。
今年は、現場日記もできるだけ頑張って書いていこうと思います。
文責:守谷 昌紀