「神戸の高台の家」‐6‐熟練のエンジニアが必要です

 昨年から今年にかけて、現場では「人手不足」との声ばかり。

 消費製UPによる建築ラッシュの影響ですが、この現場の棟梁はこの道40年のベテランです。

 これまで3件の家を一緒に建てました。

 見ていても仕事が早い、かつ丁寧。監督が、棟梁のスケジュールを抑えてくれたようです。

 最後に残った、木製ルーバーの納まりを相談する棟梁。

 ビスの長さ、を打つ角度まで、私に説明してくれます。

 内部はほぼ完成しました。

 バルコニーに取り付く、そのルーバーを残すのみになりました。

 ご主人は大変喜んでくれたのですが、奥さんはこの日仕事でした。

 その奥さんたっての要望だった「男前なキッチン」。

 ステンレスに特化したTOYOキッチンと、人工大理石のカウンターで囲まれた主婦の城です。

 その上には、ご主人の隠れ家。

 ジョブズは亡くなる半年前、オバマ大統領に経済回復の処方箋を聞かれこう答えました。

 「3万人のエンジニアが必要です。博士号はいりません。天才である必要もありません。熟練のエンジニアが必要です」

 現場を支えるのは、常に熟練の技術者です。しかし物創りの現場から、若者が減っていく傾向は顕著です。

 天才である必要はない。ただひた向きに仕事に打ち込めば良い。

 逆に言えば、自分が特別な人間でないと分かることが、熟練への条件と言えるのです。

文責:守谷 昌紀

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「神戸の高台の家」‐5‐花火も我が家から

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 概ね内部の壁下地が出来上がりました。

 2階は全て取り払い、1室空間としました。

 西面のバルコニーは奥行きを増やし、全開放するサッシに変えています。ちょっとお茶を飲むスペースを確保しました。

 夏の西日対策にルーバーもつくのですが、現在はブルーシートに覆われています。

 よって、室内は青。

 リノベーションは、既存の構造体をどう残し、どう見せるかが、腕の見せ所。

 梁や束の扱いは、クライアント、現場と相談し、決定しました。ロフトからの光を、最大限に活かすため、全てにおいて「最小限」が原則です。

 ロフト下には間もなくキッチンが入ってきます。

 この日は天気も良く、ご主人が再度ロフトへ。

 現場用ハシゴを登る姿も、板についてきました。

 ロフトは約4畳。そのわずかなへこみも収納に。

 このあたりは、天井をめくるまで分からなかったところです。

 反対には大きな窓。

 お隣の屋根を越え、神戸の海が見渡せます。右手に見えるのはポートアランド。

 夏には「みなとこうべ海上花火」も見れそうです。

 若いご夫妻は、5月に結婚2周年を迎えます。記念日は、この新居で過ごして貰えそう。

文責:守谷 昌紀

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