築80年の長屋を「碧の家 」に〈リノベーション〉‐6‐トランプとうさぎ

 現場の写真を撮る私にとって、青空は最高のキャンパスです。

 やはり快晴が最も気持ちのよいもの。

 養生シートの後ろに、碧の壁が透けてみえるでしょうか。

 外壁工事も、着々と進んでいます。

 玄関ドアもつき、エントランス部分の空間が出来上がってきました。

 軒先の碧も見えます。

 エントランス右側の外部は、屋根を設けて自転車置場となります。

 この日は、内部仕上の確認でした。

 様々な色がでてくるので、それらをクライアント、監督と全て整理しました。

 2階にあるニッチですが、ああでもない、こうでもないと詰めています。

 この細かな打合せが、空間の質へと反映されるはずです。

 この計画には多くの施主支給品があります。

 これらは、スペイン旅行の際に買ったという室名札。上がトイレで、下が浴室だそうです。

 スチール枠の中にタイルが入っていますが、1点物なので、壊したらバルセロナまで買いに行かなければなりません。

 監督も緊張感をもって養生していました。

 黒いスチール製のウサギは、ある有る部分に使う金物です。

 これも施主支給してもらいました。

 そしてこれは私がつくったデータ。

 まだ検討中ですが、これらはある空間において一連の物語となっています。

 表現には、暗喩と直喩があります。

 空間は語らないので暗喩が多いのですが、これはまさに直喩。

 しかし直喩だからといって簡単には紐解けないかもしれません。

 訪問された方が、立ち止まってくれると嬉しいのですが。

文責:守谷 昌紀

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アトリエmの現場日

家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐3‐徹底的に静かを目指す

 現場での打合せは、概ね2週間に一度行います。

 前回は9月の始めで、この時は大所帯で訪れました。

 スイッチ、コンセントの位置を決めるのに、型紙を貼っていくからです。

 施工会社からは監督ともう1人、電気工事の担当者に、当社からは2人。

 加えて、オープンデスク生も連れて行きました。

 この打合せは、電気などの配線の前で、しかも壁を塞ぐ前に行います。

 よって、タイミングが限られます。

 昨日訪れると、すでに壁の前面に繊維状のシートが張られていました。

 そこに小さな穴を開け、断熱材を吹き込んでいくのですが、1階はすで施工が終わっていました。

 断熱材は古紙を粉砕したもので、「セルロースファイバー」といいます。

 断熱性能とともに遮音性能が優れているのです。

 一般的な断熱材よりは高くなりますが、静かな環境を求める人には合った工法なのです。

 コートハウスなので、開口部は全て中庭に向いています。

 閑静な住宅街のうえ、この工法を用いているので、かなり静かな室内環境になるでしょう。

 環境、プラン、性能がかみあってこそ、それらは実現できるのです。

文責:守谷 昌紀

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緑を囲む京都のオフィス「山本合同事務所」‐3‐ここでうたた寝

 昨日は、上京区の現場で打合せでした。

 元々は今週火曜日に予定していたのですが、強い雨が降るという予報で延期していました。

 そして明日は台風。秋の天候は安定しません。

 午後3時からの打合せでしたが、暑かった京都もすっかり涼しくなりました。

 職人が、屋根上で作業しているのが見えますが、風が気持ち良いことでしょう。

 ウナギの寝床というほど細い敷地ではありませんが、1階は駐車場のみ。

 5台が駐車できる予定です。

 2階はメインのワークスペース。

 道路が北にあるので、奥が南になります。

 一番奥から見返すと、3階部分が南にある吹抜けで繋がっているのが分かります。

 その3階は切妻屋根によって、やや天井高さを抑えています。

 開放的ではあるが、ボリュームが大きすぎて間延びすることを避けました。

 居心地のよい屋根裏部屋のような空間を目指したのです。

 北側も小さな吹抜けで2階と繋がっています。

 高低差のある空間を、南北に気持ちのよい風が流れるはずです。

 吹抜け空間の上にはトップライトがあります。

 ここからの自然光で、室内でも植物が育てられるよう意図しました。

 職人が部材を溶接していましたが、大きな線香花火のようなに火花を散らします。

 それはそれで美しいものなのです。

 この時点まできて、空間の構成がようやく体感できるのですが、良い空間になるという手応えがありました。

 特に、ふわりと浮いたような3階は、このオフィスの特徴になると思います。

 ハードワークに疲れた時はここでうたた寝。
 
 そんな使い方をして貰えればと思うのです。

文責:守谷 昌紀

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永住したい打ち放しのマンション「R GREY」‐11‐竣工・入居開始

 9月1日から入居が始まった「R Grey」

 本日、竣工写真を撮影しました。

 今回は全て私の撮影です。

 向かって左に自転車置き場があります。

 一旦、減額でなくなったのですが、最終的には予算を追加して、製作することになりました。

 既製品の自転車ポートなら、つくらない方がましと私が主張したからですが、復活するにあたり、いくらか協力することになりました。

 納得できるものができるなら、それでもいいと思っています。

 晴れたり曇ったりの一日でしたが、夕景撮影時まで晴れてくれました。

 1階右側の102号室。

 モデルルームとして開放してしますが、家具は全て私のもの。

 愛着さえわいてきます。

 キッチンは2.1mですが、1人または若いカップルには適切なサイズだと思っています。

 天井高さは2.6m。開口部の高さは2.4m。

 とても気持ちのよいはず。

 玄関の打ち放しの壁には、フックがついています。

 これはオーナーである弟からのプレゼント。

 コンクリートと相性がよく、なかなか美しいものなのです。

 エントランス。

 1階各住戸の入口。

 左上に防犯カメラがあります。

 2階の階段ホール。

 3階の階段ホール。

 共用部は、階段、手摺、開口部だけの空間ですが、ディティールにはこだわりました。

 奥にある寝室は初めからエアコン付き。

 収納も多めに確保しています。

 洗面。

 ユニットバスは白を選びました。

 何より、マンションのユニットバスで、窓がついているところはそうないと思います。

 風通し、日射のコントロールは常に追求しています。

 広く、風通しのよいバルコニーは、市街地に住むなら、価値はより高いものになります。

 模型。

 パース。

 その都度、設計の精度を高めてきたつもりですが、それは結果となって表れているのか。

 その評価は、全室が埋まることです。

 興味がある方は、気軽にお問い合わせください。

 賃貸住宅サービス

文責:守谷 昌紀

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【Events】

「R Grey」9月からの入居募集開始■
モデルルームオープン

大阪市平野区平野西5-6-24

「さかたファミリー歯科クリニック」7月26日 OPEN■
枚方市津田西町1-24-8

【News】

■3月25日『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)「住之江の元長屋」再放映■
■10月29日『住人十色』毎日放送(MBS)「松虫の長屋」放映■

『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載

『homify』7月21日「白馬の山小屋」掲載
『homify』6月4日「松虫の長屋」掲載
『homify』5月10日「長田の家」掲載
『homify(タイ)』4月25日「加美の家」掲載
『homify(中国)』4月9日「住之江の元長屋」掲載

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