ようやく足場とシートが取れました。

正面の塀がまだなのと、エントランスドアの養生は残っていますが、全体のフォルムが見てとれるようになりました。
コンセプトは忠実に体現できたのではと思っています。

モノトーンの外観とは反対に、色彩で遊んでいる空間もあります。
1階廊下の先にあるトイレの壁は黄色。
これまでにも何度か採用されましたが、風水的に相性が良いそうです。

2階にもトイレがあり、洗面、浴室と繋がっています。

浴室の並びに、リンナイの乾太くん君がやってきました。
かなり売れているようなので、金額を裏切らない活躍を期待します(笑)

LDKの造作家具も据え付けが終わっていました。

私の広角レンズでも入りきらない大きさ。
クライアントご夫妻も、「初めて見た時は、オーッってなりました」と。
最後の最後まで形状を模索しましたが、その甲斐があったようです。

最終の塗装が残っているので、もう少し色のトーンは落ち着くと思います。

残るはロフトへのハシゴです。
これもオリジナルで製作するので、かなり楽しみにしています。
クライアントとの定例打合せは、おそらく今日で最後。オープンデスクの学生君も今日が最終日で、現場に連れて来ていました。
打合せの終盤少し声を掛けると、「外観ってこうなっていたんですね!格好いいです!!」と言うので、「もしそう思ったなら、クライアントにお伝えしてみたら」と答えました。
私が監督と打合せをしている間に、本当に伝えに行ったようです。その行動力やよし、です。
どんな表現だったかは別にしても、ご自身の家を良く言って貰って嫌な気持ちになる人は居ません。
折角良い考えが浮かんだとしても、人には第二の本能と言われるものが働きます。「もし上手く伝わらなかったら……」などというあれです。
脳は言い訳の天才で、「行動しなければ減点はないよ」と囁いてくるのです。
この習性を知ってから、思ったことはすぐに口にするようにしました。
心に浮かんだ考えをすぐに口にして、皆を楽しませようとすれば、愚痴や不平不満を全て心の中から排除しなければなりません。
完全に排除するのは難しいかもしれませんが、それを目指さなければ、全ての事をスピーディに、かつ良い結果に導くことはできないと思ったからです。

どんな形にしても金額が同じということはないので、無難なフォルムが減点は少ないのは間違いありません。
しかし、クライアントの幸せに直結していると感じれば勝負に行きます。
逆の言い方をすれば、勝負に行きたくなるコンセプトがなければ、多くの選択肢の中から選んで頂いたクライアントの勇気に、お応え出来ていないと思うのです。
その評価が分かるのは10年後くらいでしょうか。
2人のお子さんは、上棟式以来訪れていないそうです。この家を大好きになってくれると良いのですが。
文責:守谷 昌紀
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました