昨日は基礎コンクリートの打設予定日。
雨予報につき、朝の6時に打設決定の連絡がありました。慌てて現場へ向かったのです。
現場に着くと、赤いカッパのガードマン。若い女性でした。
何でも「○○女」の時代ですが、さすがに「どぼじょ」は印象が悪かったようで、業界団体は「けんせつ小町」を推しています。
呼び名が定着しているかは別にして、現場で働く女性はかなり増えました。
コンクリートの打設の流れは以下のようなもの。
まず、ミキサー車とポンプ車が背中合わせ並びます。
ミキサー車から、ポンプ車にコンクリートが流し込まれます。
それをポンプ車が圧送し、型枠内に打設されていきます。
コンクリートがまんべんなく行き渡るよう、左右の職人はコンクリートに振動を与えているのです。
この時、鉄筋に当たりすぎると気泡が発生するので、なるべく鉄筋に触れないほうが良いのです。
ミキサー車1台は3.5㎥程。この日は15台の予定でした。
生コンというくらいなので、フレッシュさが命。手際よく打設しないと、コンクリートの硬化が進んで行くのです。
コンクリート自体は、古代ローマで生れた素材です。これによって、ローマ帝国では、パンテオンに代表されるような、自由な造形を実現できたのです。
現代においては、品質が厳しくチェックされます。
ミキサー車からサンプルを抜き取り、 「スランプ試験」「空気量試験」「塩化物量試験」などをチェックします。
検査員がそれぞれの作業をするのですが、そこに設計者として立会います。これが受入検査と言われるものです。
その他、テストピースを採取して、後日、圧縮強度試験が行われます。十分な強度が出ていることを証明しなければならないのです。
コンクリート打設は祭りみたいなものと、監督は言います。
クライアントにとっても、家創りは祭りのような時期かもしれません。私はお祭り騒ぎの中で、20年仕事をしてきたのです。
事務所こそありますが、クライアントも現場も1件毎に変わる。建築を祭りとするなら、私達は旅芸人でしょうか。
文責:守谷 昌紀