「高台の家 RC打放しの家」‐3‐建築が祭りなら、私達は旅芸人

 昨日は基礎コンクリートの打設予定日。

 雨予報につき、朝の6時に打設決定の連絡がありました。慌てて現場へ向かったのです。

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 現場に着くと、赤いカッパのガードマン。若い女性でした。

 何でも「○○女」の時代ですが、さすがに「どぼじょ」は印象が悪かったようで、業界団体は「けんせつ小町」を推しています。

 呼び名が定着しているかは別にして、現場で働く女性はかなり増えました。

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 コンクリートの打設の流れは以下のようなもの。

 まず、ミキサー車とポンプ車が背中合わせ並びます。

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 ミキサー車から、ポンプ車にコンクリートが流し込まれます。

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 それをポンプ車が圧送し、型枠内に打設されていきます。

 コンクリートがまんべんなく行き渡るよう、左右の職人はコンクリートに振動を与えているのです。

 この時、鉄筋に当たりすぎると気泡が発生するので、なるべく鉄筋に触れないほうが良いのです。

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 ミキサー車1台は3.5㎥程。この日は15台の予定でした。

 生コンというくらいなので、フレッシュさが命。手際よく打設しないと、コンクリートの硬化が進んで行くのです。

 コンクリート自体は、古代ローマで生れた素材です。これによって、ローマ帝国では、パンテオンに代表されるような、自由な造形を実現できたのです。

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 現代においては、品質が厳しくチェックされます。

 ミキサー車からサンプルを抜き取り、 「スランプ試験」「空気量試験」「塩化物量試験」などをチェックします。

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 検査員がそれぞれの作業をするのですが、そこに設計者として立会います。これが受入検査と言われるものです。

 その他、テストピースを採取して、後日、圧縮強度試験が行われます。十分な強度が出ていることを証明しなければならないのです。

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 コンクリート打設は祭りみたいなものと、監督は言います。

 クライアントにとっても、家創りは祭りのような時期かもしれません。私はお祭り騒ぎの中で、20年仕事をしてきたのです。

 事務所こそありますが、クライアントも現場も1件毎に変わる。建築を祭りとするなら、私達は旅芸人でしょうか。

文責:守谷 昌紀

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「阿倍野の長屋」‐6‐屋根穿ち、暮らしの中に感激を

 関西から5日遅れて、昨日関東も梅雨入り。
 

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 本格的な梅雨前に、何とか屋根工事、防水工事が終わりました。現場にとっては何よりの幸せなことです。

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 この計画では、四軒長屋の中央に光庭を設けています。

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 隣り合うロフトへは、直射が差し込むのです。

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 ロフトゆえ天井高は低いのですが、ここは子供専用エリア。

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 斜めに下がってくる屋根も、楽しんでくれるはずです。

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 光庭からロフトを見上げると青空が見えます。

 この光庭に階段が設置され、月見台にアプローチ出来るようになるのです。

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 屋根を穿ち、強い光が建物の中に差し込んできます。

 日々の暮らしに感激を。

 建築にはそれが出来ると信じますし、それが私達の存在意義だと思うのです。

文責:守谷 昌紀

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