「伊東内科クリニック」-7-配筋検査

 今日は朝から、審査機関による検査がありました。

 建築をする為には、まず建築基準法を満たす必要があります。

 それに加えて、昨年の10月から、住宅瑕疵担保保険への加入が義務付けられました。

 構造上の主要な部分と雨水の浸入防止に対しては、10年間の瑕疵担保責任があります。その資金確保の為、供給者の保険加入が義務付けられたのです。

 今回のように住宅を含む場合も同様で、こちらの現場検査もあります。伊東内科クリニックの場合はこんな関係です。

 便宜上、【A】建築確認申請、【B】住宅瑕疵担保保険による現場検査とします。

①基礎配筋検査  【B】住宅瑕疵担保保険
②屋根工事の検査  【A】建築確認申請、【B】住宅瑕疵担保保険
③完了検査  【A】建築確認申請

 これらは、構造体によっても変わります。同じ検査がある場合、互いを兼ねれるケースもあります。

 今回は構造設計を頼んでいるので、各部分に使われている鉄筋の径、ピッチなどが、細かに記載されています。

 審査機関の担当者も、まずは決まった数の本数が入っているかを、メジャーをあてチェックします。

 鉄筋には、「継手」と呼ばれる箇所が出てきます。

 その場合、鉄筋の径が16mmなら、その40倍(640mm)を重ねなさいといった、部位によって決まりがあるのです。その他、鉄筋の「定着」、コンクリートの「被り」等も、このタイミングで検査します。

 配筋検査に合格しました。当然ですが、結果が出るまでは、ソワソワとするものです。

 次の大きな工程は、コンクリートの打設。今週末の予定です。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-6-地鎮祭

 無事解体が終わり、本日は地鎮祭。

 ここ数日、大阪は季節はずれの寒さでした。

 しかし今日は、暑いくらいの青空に。

 祭壇やお供え物は神主さんが、竹や砂山等は施工会社が準備してくれます。

 設計者、施工者はお酒を供え、合わせて図面や模型も清めてもらいます。

 神主さんの「それでは、地鎮祭ならびに工事の安全祈願祭をはじめます」の声で式は始まりました。

 祝詞奏上のあと、土地の四方を清めます。

 全て神主さんが進めてくれますが、施主、設計者、施工者が役割を担うところがあります。

 はじめに設計者は、砂山の上にある草を鎌(カマ)で刈り取ります。これが「苅初め(かりぞめ)の儀」。

 次は施主が砂山に鋤(すき)をいれ、三度に分けて左、右、左と砂をよけます。これが「穿初(うがちぞめ)の儀」。 

 最後に施工者が鍬(くわ)で盛砂をします。これが「鎮物埋納の儀」。文字通り、鎮物を埋めるのです。

 いずれも「エイ、エイッ、エイ」と掛け声を発しながらが一般的。

 その後、玉串奉奠(たまぐしほうてん) ですが、これも「時計回りに3/4回転して根元を祭壇へ向けて……」と全て説明してもらえるので、心配は無用です。

 と、書きましたが、務めていた期間が2年の私は、自分の現場で初めての地鎮祭を経験しました。

 「苅初めの儀」は一番はじめにやってきます。

 どのくらいの声を出して良いのか分からず、小さな声で「えぃ…えぃ…えぃ…」のような感じで。

 思い出すだけで、顔が赤くなります。その後の施工会社の社長の声の勇ましかったこと。

 手順を覚えたからと言って、緊張しない事はありませんが、まずは元気よくです。今日も大きな声で「エイッ!エイッ!エイッ!」と。
 
文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「伊東内科クリニック」-5-解体

 地鎮祭の日取りが、5月15日(土)に決まりました。

 解体も基礎の底版、ベースと言われる部分の撤去に入りました。

 鉄筋をより分けるため、コンクリート塊をクラッッシャーという重機で砕きます。資源として再利用するためです。

 先頃開幕した上海万博が建設ラッシュの頃。鉄が不足し、鉄骨の値段が跳ね上がりました。私が仕事をはじめた15年前と比べて1.5~1.8倍です。

 その他の物で、そこまでの変動したものは無いので、最も市場に影響され易い材料と言えます。

 より分けた鉄筋を、ガスバーナーで焼きる部分は、また手仕事。

 解体は、本当に危険な仕事です。  

 地鎮祭に向けて、現場は急ピッチで進んでいます。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm