半地下の音楽室がある「没頭できる家」‐1‐プロローグ

ちょうど1年前、建築家が多く登録されているポータルサイト経由で、このようなメッセージが届いた。

「阿倍野の長屋」の遊び心ある作りに惹かれて資料請求させて頂きました。

住まいの建て替えを検討中で、可能であれば半地下の音楽室を設けたいと考えています。
間取り案をアプリで作成しています。

間取り案作成前に一度ハウスメーカーで見積もりしたのですが、間取りがピンと来ず費用も合わなかったため断りました。

よろしくお願いします。

ご夫妻は、ライブ演奏のあるレストランで働いていた際に知り合った。

それぞれが、キーボード、ギター、ドラム、パーカッションと演奏できる。

そこでの仲間が集まった際、セッションできる音楽室があれば……

これが新居建て替えの大きな動機になったそうだ。

コロナ下の社会となって、なかなか友人たちとも集まりにくい。仲間で気軽にBBQができるアウトドアリビングも希望のひとつだ。

音楽室を半地下としたのは、完全地下だとコストが掛かることと、視線のつながりを考えてのこと。

このあたりも非常に明確なイメージを持っておられた。また、詳しく紹介していきたいと思う。

奥さんが育った大阪南部に位置する敷地は、数万年から数千年前に離水した台地で、地盤は非常に良好。

しかしその分、埋蔵文化財包蔵地域にも指定されていた。

試掘で遺跡が発見され、私にとっても初めての発掘調査となった。

1500年程前に、人が暮らした痕跡がはっきりと見える。

弥生時代、古墳時代の土器が見つかったのである。

無事発掘調査も終わり、地鎮祭が執り行われた。

お子さん3人も手を清め。


式典に参加してくれた。

コンパクトで金額も抑え目だが半地下の音楽室がある「没頭できる家」。参考になる要素が沢山詰まった家だ。

来春の竣工まで、現場の様子をお届けするので、どうぞお付き合いのほどを。

文責:守谷 昌紀

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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