完成は今年の1月でした。
雨で撮影が2回ながれましたが、ようやく9月に晴天の下撮影。
「黒壁の家」のWEBサイトをUPしました。

正面は西向きで、寝室です。
西日は不要なので閉じました。

建物が黒なので、どうしても晴天で撮影したかったのです。

夕景の撮影時間まで、晴天が続きました。

敷地形状に特徴的で、中庭を確保することができました。

LDKに繋がる和室は、将来奥さんの両親が住まれる予定。

家族全員で参加してくれました。トランプをするのはカメラマンのアイデアです。

イス、机とも拘りのセレクトです。

中庭を介し、和室とも視線で繋がれます。

中庭を縁側がより近い存在とします。

ぐるりと回遊できるようになっているのです。

洗面、浴室は、モノトーンで仕上げました。

浴室から中庭をみた景色。

低層に囲まれ、プラバシーが確保されています。

内部と外部をつなぐのが縁側。日本が世界に誇る、無形文化財です。
文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
先週の金曜日、晴れ予報をみて撮影に行ってきました。
もう一度、写真家に撮って貰いますが、まずは自分で撮影です。

空を青く、建物をくっきりと。簡単なようで、難しいものです。

濃い色の建物は、夕景が難しいのです。
光が漏れ出すのが、白い建物より遅くなります。
そのうち日が暮れてくる。相手は自然なので、待ったなしです。

LDKは2月でも十分光が差し込みます。
中庭と建物の関係は、慎重に計画したところです。

洗面は清潔感を大切に。
鏡は後ろが収納になっています。

浴室は、中庭を見ながら入れるよう。
ともに、白と濃い色で構成しました。

洗濯室は、天窓を3つ連続させています。
これからの季節、花粉症対策にその価値が発揮されるはず。

5m四方の中庭が、この家を活き活きとさせます。
立地条件に関わらず、豊かな野外をいかに内部にへき入れるか。この変わらぬテーマを追求してきました。
コンセプトは「孫が遊びにきてくれる家」。
子供は厳しく育て、孫は甘やかす。これはご主人の哲学です。
計画から1年半を掛けて、ようやく竣工しました。
文責:守谷 昌紀
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アトリエmの現場日記
■■■「黒壁の家」オープンハウス開催■■■
1月26日(日)10:00am~4:00pm
お名前、E-mailアドレス(またはfax番号)を
ご連絡下さい。地図をお送り致します。
tel 06-6703-0181 fax 050-7103-3717
office@atelier-m.com
1月末の竣工へ向け、工事は順調です。
完成1週間前に、オープンハウスを開催することになりました。

外壁は濃い色の左官で仕上げています。
なかなか質感が良いのですが、合わせてそのフォルムも見て貰えたらと思います。
西からの光の取り入れ方、自転車置き場の屋根を合わせてデザインしました。

敷地の形状に合わせた、大きな中庭がプランの特徴。
内部空間へ大きく広がりを与える役割を果たします。
オープンハウスまでに、植栽工事が終わると嬉しいのですが。

もう一つの特徴として、洗濯室があります。
花粉症対策として、このような空間をとることにしました。
生活空間も、洗濯物も、南向きが理想です。
しかし、既製品のサンルームをリビング前にもってきたのでは、中庭の一体感が台無しに。
そこを解決しています。
当日は私も一日居ますので、興味のある方は遊びに来て下さい。
文責:守谷 昌紀
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庭木を選びに、堺市美原まで行ってきました。

こういった場所は、一般的には植木屋さんが買い付けにくる所です。多くの庭木があり、その中から1本を選ぶことになります。
中庭に植えるイロハモミジ。株立ちで、上品な1本を見つけました。

もう1本は、エントランス前に植えるものです。こちらは、成長がゆっくりという事で、ブルーベリーに決めました。
この時期、真っ赤に紅葉しています。

子供達にとって打合せと言えば退屈なもの。
しかしこの日は屋外。ドングリを沢山拾い、上機嫌で遊んでくれました。

間もなく足場が外れ、建物の外観が見れるようになります。黒い外壁が大きなかたまりにならないよう、フォルムを検討しています。
来年は、それらを背景に真っ赤なブルーベリーが映えるはず。
文責:守谷 昌紀
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9月中旬から、本格的な工事が始まった「黒壁の家」。
ここまで、順調に工事は進んでいます。

外部は左官仕上げにつき、現在下地調整中。
4、5人の左官職人で、一気に仕事が進んで行く感じです。

ファサードは入念に計画を練りました。斜め屋根は、自転車置き場。

敷地はいわゆる旗竿型。それに合わせて「Fの字型」のプランとしました。
Fの字の中にあるのは中庭です。

LDKとつながる中庭には、植栽もあります。次回打合せは、この樹を選びに行くことになりました。
犬を飼うなら、どんな種でもいいと言う人はいません。この打合せは非常に楽しいのです。
文責:守谷 昌紀
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昨日、子供を連れて現場に寄りました。
タイミングが合えば、出来る限り連れていくようにしています。建築中の現場はそれ程魅力のあるものです。

現場では、大工の棟梁が作業中でした。
休日返上で仕事する事のが、常に良いことだとは思いません。しかし、連休2日目に現場へ出てくる職人に、悪い人は居ない気がします。
決して工期が切羽詰っている訳ではありませんから。

こちらは、敷地の形状が特徴的です。
それに合わせ、理想的な中庭がとれました。
LDKとつながる和室は、将来、親世帯との同居を可能に。
なにせ、テーマは「孫が遊びにきてくれる家」。全てにおいてスパンが長いのです。

当面この和室は、ご主人が食後ゴロゴロするスペースになるかもしれません。 中庭を介して、ダイニングやキッチンとも視線で繋がっています。
防水シートが貼られ、建物の輪郭が分ってきました。

シートの上には当事務所の横断幕。
妻が「向いの人は、いつもアトリエmっていう字を見る事になるんやね」と。
何でも控えめの方が良いのですが、少しは宣伝もしなければなりません。
建築はもっと自由なものなんだ、というメッセージを込めて。
文責:守谷 昌紀
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10月8日(火)は、朝がたパラパラと降ったようです。

しかし日中は何とか持ってくれました。
無事上棟を迎えることが出来ました。正面の構造は、複雑に、綿密に組み上げられています。 ここが建物の顔。

いつもの事ですが、大阪市内での建方は非常に神経を使います。
上の電線は6000ボルトの高圧電流。下には電話やCATVのケーブル。その間を、レッカーのアームがくぐります。

6人くらいの大工がチームとなり、1日で全体を組み上げてくれました。

奥さん、子供さん、そしてお父さんも、夕方現場に来てくれました。
少し暗くなりましたが、隅に酒と塩をまいて回ります。小学校に上がったお兄ちゃんも、嬉々とした表情を見せてくれました。
家を建てる際、お父さんお母さんの多くの時間を拘束します。よって、子供達には退屈な思いをさせる事が多いのです。
そこでこう思います。出来上がった時には、最高に喜んでもらえるように、と。
文責:守谷 昌紀
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9月8日(日)は大安。雨予報の中、何とか雨もあがりました。

この敷地は、奥に入ると敷地が大きくなっています。
前日からの雨もあり、式典は入口側のやや狭い場所で。

神主が四方を清め祓います。

そしてまずは私の仕事。
砂山の草をカマで刈り取る儀式です。
これは開墾を意味するものです。

次にクライアントがクワで砂山に穴を掘ります。
その穴に、施工者が鎮め物を埋めて行きます。
今度は玉串の奉納。
右手で軸を持ち、時計回りに3/4回転。軸を神棚へむけてお供えします。
これはクライアントからなので、大雑把な流れはお伝えしておきます。それでも緊張するのが普通です。

乾杯して、滞りなく式典は終了しました。
この機会に、模型も、図面も一緒にお祓いして貰います。
この後、建物配置、高さを確認して貰いました。満を持して、掘方がスタート。棟上げは10月上旬あたりでしょうか。
文責:守谷 昌紀
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計画のオファーを貰った際、まずは土地について調べます。

建物は土地と切り離せないもの。
その場所の歴史を知る事は、重要な事とだと考えています。大阪なら、6千年前の地形をイメージすると、分り良いのです。
大阪の西の玄関、住吉の港から少し東に入ったあたり。上町台地の上にあり、概ね地盤がしっかりしていると想像できます。

計画地から少し歩くと、幹線道路が南北に通っています。
この道を境に、2m程の高低差があるのです。海岸線の名残なのかなと思っていました。
クライアントのご両親に聞くと、堀が有ったと分りました。こちらは環濠都市だったそうです。
環濠都市とは、商人が自衛の為、周りに堀をめぐらせた都市を言います。最も有名なのは堺郷。平野郷も大きな環濠都市で、共に信長が重用した宣教師、フロイスの記述にも出てくるのです。
それらが、計画に直接の影響を与えるかは別ですが、古の風景が想像出来ると、更に愛着も湧いてくるものです。
何千年もの間、ここには暮らしがありました。そして今この家が建つのです。
文責:守谷 昌紀
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今回の計画では、古家が建っています。

よって、まずは解体からスタート。現在の解体では、分別が義務付けられています。
木材、畳、石膏ボード等、選り分けながら解体するのです。以前の解体とは打って変わって、非常に繊細な仕事になって来ました。

クライアントと残すものがないか、最終の確認に来ていました。いくつかの部屋に似顔絵が。
クレヨンでお子さんが描いたものです。

以前、解体前の家も撮らせて欲しいという建築写真家がいました。
「生れたばかりの家を撮って来たから、最期を迎える家も撮ってみたくなって」と言っていたのです。
ご家族は「古家付きを買っての建て替えなので、そこまでの愛着は……」と言われたのですが、それでも色々な思い出があるはずです。
この試みはとっても良いものだと感じました。他のクライアントへも勧めてみようかと。
新たな家への期待と、責任を感じながら、いよいよ着工です。
文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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1996年、25歳の時に生まれ育った大阪に設計事務所を設立しました。関西を中心に、東京、長野まで、注文住宅、クリニック、別荘、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。