「伊東内科クリニック」-1-プロローグ

 2009年の1月、設計相談のメールが届きました。

 内科医院を併設した住宅の計画で、送り先はペルーのリマから。循環内科医のクライアントは、その時点で日本を出て10年。スーダン、ポーランド、ペルーと、海外で働いてきたのです。

 1ヵ月後の2月。帰国時にお会いし、3週間後に企画の提案。出国の2日前と慌しくはありましたが、正式な依頼を貰いました。

 医師というよりは、町のお医者さんでいたい。クリニックとはピットのようなもの。治すというよりは、癒す感じ。ただ、手助けするよりは積極的に。

 当初から、クリニックのコンセプトは明確でした。

 自身のキャリアの最後は、育った地域に恩返しをする。その中に、クリニックの新築計画があります。私達も貢献のできる仕事をしなければなりません。

 敷地は大阪市城東区です。以前は町工場も多かったようですが、現在は住宅とマンションが混在しています。9月末の完成、11月初めのオープンを目指します。

 コンセプトは、木の葉が揺れるクリニック。4月中旬に着工します。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「池を望む家」-19-写真撮影

2010年 3月17日(水)

 竣工から1年3ヶ月。外観を撮影に行ってきました。

 もう工事が終わるという時期に、隣地の新築工事が始まりました。ずっとシートが掛かっていたのでこの時期になったのです。

 2008年末の竣工時から、その間に娘さんが一人増えました。本当に嬉しいことです。

 2歳になった上のお兄ちゃんは、熱烈歓迎してくれました。

 彼は設計している最中に生まれたので、生まれた時からの付き合いです。今回はオープンデスクの学生と機嫌よく遊んでくれました。

 こちらの家は、名前の通り池のほとりに建ちますが、外観は池越しのカットで決まりです。

 望遠レンズになるので、アナログだとジャバラが風を受けるからと、道具がデジカメに変わりました。

 この道数十年の著名な写真家ですが、内部はアナログ、外部はデジタルと、その分岐点になりました。

 2日ほど前から満開の対岸に咲く桜。

 1階の書斎から、2階のリビングからと、どこからも目を引きます。

 池の急な斜面に張り付く様は、野生ならでは。

 クライアントは、これも含めてこの敷地を選んだのです。

 写真の出来上がりまで、1、2週間。池越しのカットはどんな出来上がりになっているのか。楽しみにです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「光庭の家」-1-その後

2010年 3月16日

 先週の中頃、クライアントから封筒が届きました。開けると、インテリアショップ、アクタスのカタログでした。

 アクタスは、関西なら心斎橋、大阪空港にあるインテリアショップで、カタログに『家がすき』という別冊がついています。そこに、お家が掲載されていました。

 奥さんは、もとはアクタスで働いていました。

 子育てを機に惜しまれながら退社。社長直々にかなり慰留があったそうです。現在はインテリアコーディネーターとして、活躍されているのです。

 2006年頃、設計をしている際にも、そのお話をされていました。目標を実現されたのです。ブログも開設されていますが、楽しく働いている様が伝わってきます。

 やはり、自分が楽しまないと、クライアントには楽しんでもらえないのです。しかし、流石にプロの手が入いると違います。スッキリとシンプルで楽しそうです。

 こちらのお家は光庭の家。光庭のある家ではないところにこだわりました。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm