「四丁目の家」-13-スイッチ、コンセント

 8月21日(日)は朝から雨。

 朝一番の新幹線で東京駅に着くと、肌寒いのです。

 昨日あたりから、急に寒くなったようで、まるで晩秋の気配です。

 9時半からお茶の水にある施工会社でまずは打合せ。11時頃に現場へ移動しました。

 外壁の下地が貼り終り、建物のフォルムが明確になってきました。

 先に渡していた事務所の横断幕は一番下に。

 この方が見やすいかもしれません。

 外回りが閉じられたおかげで開口部が明確になってきました。

 子供部屋の収納上には、高窓を設けています。

 この場所をロフトのように使えれば楽しいはずです。

 この日の打合せ内容は、スイッチ、コンセントなどの位置決め。

 前もって監督にデータを送り、紙型を貼ってもらいました。

 実物大の大きさで、実際の位置を確認して貰います。

 とても単純な手法ですが、これに勝る方法はありません。

 バルコニー一番奥の屋根には穴があいています。

 ここでにテントを張ったりすれば面白いのでは、という話から広げて行きました。

 一ヵ所、高窓に向かって太い下地が、同ピッチで並んでいます。
 
 ここにはウンテイを付ける予定です。

 子供のおもちゃ、大人のトレーニング器具。天井の高さによって様々な使い方ができるはずです。

 全ての打合わせの中で、この位置決めのが最も時間が掛かります。

 全コンセント、スイッチ、タオル掛け、ペーパーホルダー……と確認して貰うと4時間から5時間。この日も夕方になりました。

 特に小さいお子さんの居るクライアントには負担ですが、ああしておけば良かったを出来る限り少なくするのには、必須のなのです。

 救いはこの涼しさ。通常この時期なら、滝のような汗を流しながらです。

 これはとても助かりました。子供さんもどこかはしゃいでいたのです。
 
文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-2-地鎮祭

 先週の金曜日は地鎮祭でした。

 普段、現場に出られている人には「暑くて大変ですね」と言っておきながら、その大変さを改めて実感している次第です。

 この日は曇りでしたが、やはり夏は暑い。

 現地にはテントが設営され、縄張りも終わっていました。

 建物の位置も、このタイミングでチェックします。

 模型も一緒に持って行きました。

 一番上のお姉ちゃんが、伯父さんへ熱心に説明してくれました。

 何度も見た模型なので、大分愛着を持ってくれた、と思いたいです。

 式典は、神社によって意外に違いがあるものです。

 四方払いの際、色紙が入っていました。

 なかなか美しいものです。

 式典前半の鎌入れは、設計者が先に行います。

 しかし、その他は全てクライアントが初め。

 2回目ですというクライアントはあまりいないので、急に作法を聞いても結構緊張すると思います。

 玉串奉納でも、頭の中で「二礼、二拍、一礼。その後、玉串の茎の部分を時計回りに回して祭壇向きで」など、意外に覚えないといけないことが多いのです。

 私が心掛けているのは、出来るだけキビキビと、くらいです。

 間違っていたら、神主さんが指摘してくれますし、真摯に、誠意を持っていればそれで良いと思うのです。

 クライアントのお父さんから、何故建物が敷地に直角ではないのか質問がありました。

 この答えを上のお姉ちゃんが説明してくれ……という事はありませんでしたが、好条件を活かす為、建物を真南に向かわせたかったのですと、説明しました。

 式典が終わった頃に、雨がポツポツと降ってきました。今回も滑り込みセーフと言う感じでした。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-12-月末出来高翌月80%払い

 現場監督のMさんから、写真が送られてきました。

 離れている分、いつも写真を心待ちにしています。

 建て方が終わり、外部合板貼りが終わりました。

 サッシ取り付け用の下地も出来上がっています。

 次に現場へ行くタイミングは、内部のコンセント、スイッチなどの取り付け位置の確認の際。

 そろそろクラアントと日程の調整をしなければなりません。

 今日は8月6日で月初と言えますが、月末月初の仕事として、出来高の査定があります。

 建て主と施工会社が契約する際には、その工事代の支払方法を決定しなければなりません。

 当事務所が積極的に勧めているのが、タイトルにある「月末出来高翌月80%払い」です。

 例えば「4月の工事が100万円分終わった」と、施工会社から報告があったとします。

 これを私達が、報告通り終わったかをまず確認します。

 それが確認できれば、100万円の80%を5月に建て主に請求できるというシステムです。

 緑色が施工会社からの報告、赤が私達の査定です。完全に一致しました。

 ちなみに残った20%は翌月に合わせて請求できます。

 これらの査定が終われば請求書が一旦当事務所に送られてきます。

 この請求金額を承認しましたと、押印し施工会社を送り返します。

 これを建て主に送り、正式な請求となります。

 出来上がったものに対しての8割分を支払い、振り込みが5月15日だったとすると、更に工事は進んでいます。

 もし施工会社になにか不測の事態があったとしても、建て主のリスクは最小限に出来ると考えているのです。

 それなら、完成時一括払いが一番良いことになりますが、これは施工会社が工事中、各業者への支払を工面するために借入が必要になるかもしれません。

 このようなプラスアッルファは見積りに反映される可能性があるので、健全な経営状態の施工会社が納得できる条件を探ったのが、この方法なのです。

 最も、ローンの関係で銀行が従来からの風習である、着工時1/3、棟上げ時1/3、完成時1/3のような条件を求めてくる場合もありますから、いつもこの方法ではないのですが。

 現在は、競争見積り参加の打診をする際に、この条件を書面で明示したうえで、参加、不参加を問うています。

 当初この支払方法を導入した際には「厳しい」「有難い」と施工会社からの反応はまちまちでした。

 そこで学んだのは、答えは見る方向によって変わるという当たり前の原則。施工会社を信用していないのではありませんが、設計者にとって建て主の保護は第一の目的なのです。

文責:守谷 昌紀

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「サンルームと吹抜のある家」-4-基礎配筋、受入検査

 7月末に基礎の配筋検査が行われました。

 今回は「住宅瑕疵保険」と「建築基準法」の検査です。

 審査機関の担当者、現場監督と、構造図通りに配筋されているか順にチェックしていきます。

 鉄筋の径、本数、長さ、ピッチ、かぶり厚(コンクリート面と鉄筋の距離)、全て確認し、無事合格しました。

 中間検査から3日経ち、工程は基礎のコンクリート打設です。

 ポンプ車のホース内は、コンクリートの通りが良くなるように、一度モルタルを流しておきます。

 ミキサー車が到着。

 現場は一気に活気付くのです。

 コンクリートの受入検査も始まりました。

 「塩分濃度」と「試験体の強度」は、後日結果が出ます。

 「硬さ」と「空気量」は基準値内で合格でした。

 バイブレーターを使って、奥から順に生コンを流していきます。

 他の面より530㎜掘り下げたこの部分には、マンタ型の浴槽が据付けられます。

 この浴槽の高さには拘ったのです。

文責:守谷 昌紀

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