敷地が大きいということは、多くの人にとって憧れです。
代々引き継がれてきたこの敷地は、隠しようがないくらい大きいのです。
その敷地に、H型にコンクリートの箱を配置することが、この計画の全てのスタートになりました。
躯体によって演出される外部が非常に重要なのです。
エントランスホールに入ると、その奥に見えるのが中庭。
周囲をぐるりと回ると、樹齢300年は越えている大楠木が見えてきます。
成長し過ぎたがゆえ、今回かなり枝を落としたのですが、それでもこの時期には青々と葉をつけています。
この外部空間は、躯体と大楠木によって、プライバシーが保たれています。
クライアントも「ここはBBQに持ってこいですね」と。
エントランスの前後にある外部は、この建物にとって非常に大切で、意義のある空間なのです。
内部は最終盤を迎えごった返してきました。
南の庭に面するウッドデッキも、下地が出来上がってきました。
仕上がっている部屋も勿論ありますが。
今回のファサードのカットには、全てこの職人さんが写っています。
「写真撮るけど、入っても構わない?」と声を掛けたのですが、「ハイ、大丈夫ですよ」と。
この日は天気がよく、庇下がとても気持ち良さそうで、昼食後の休憩場所にここを選んでくれたようです。
ネコはその家の一番気持ちの良い場所を占領すると言いますが、こういった景色を見ると非常に手応えを感じます。
ネコと一緒にするなと言われるかもしれませんが、人もネコも正直なものだと思うのです。
文責:守谷 昌紀
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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