「切妻と中庭の家」-16-引渡し

 前日は竣工写真の撮影でした。

 今日は引渡し。この日をもって、現場はクライラントの家へと変わります。

 工務店から色々な説明があります。

 こんな時、今まで自分の家のように出入りしていたので、一抹の寂しさも沸いてくるのです。

 自分の家ではありませんが、このお風呂に入ってみたいと思います。

 楽しい家になったののか、元気に暮らせるような空間になったのか。

 今から仕事の総括に入りますが、何を置いても、後は長らく愛される事を祈るだけです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-15-写真撮影

 今日は、朝から竣工写真の撮影です。

 ようやくここまで来ました。いつも同じ話になりますが、一つの建築が出来上がる過程で、この日が一番気をもむのです。

 理由は、自分がどれだけ望んでも頑張ってもどうにもならない天気に大きく左右されるから。ごく当たり前の話です。

 加えて、写真家のスケジュール。現場の完成後でクライアントの引越し前でないとなりません。

 今回も2日しかない中で、何とか快晴になってくれました。

 2階の中庭に差し込む光が重要です。創り手としては、何とかその空間を伝えたいと望むのです。

 デジタル全盛の世の中ですが、私はこのブローニという大きなフィルムを入れるカメラで撮ってもらうのが好きです。

 写真家がフィルムを辞めたと言われればそれまでですが、出来る限りはこちらでお願いしたいのです。

 質や奥行き間などが違うと言っていますが、実は後で修正の効かない一発勝負が好きなだけかもしれません。

 その覚悟は、なんかしら写真の仕上がりにも影響してくると思うのです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-14-最終検査

 今日はクライアントと一緒に最終の検査に回ります。仕事が終わってから、現場に来て貰うので開始は7:00pmの予定。

 私は一足早く5:00pmに到着。再度、全て検査に回ります。

 植栽が入ると随分感じが変わります。お風呂からの眺めはOK。


 全ての検査が終わったのは9:30pm頃。

 3つほど工事が残ってしまったのは、一週間後の引渡し時にチェックする事になりました。

 計画が始まって1年9ヶ月。完成の時を迎えつつあります。

 私たちは仕事ですが、クライアントは当然別に仕事を持っています。家を建てるというのは、なかなかに体力の要る事なのです。

 大きな夢がなければ、中々現実になりません。私たちはその夢を実現する大きな責任があるのです。

文責:守谷 昌紀

「切妻と中庭の家」-13-検査

 今日は、私たち設計と施工会社の検査です。全業種の責任者が、一緒にチェックして回ります。
 

 ハイサイドから、青空を望む子供部屋。

 上部から光の落ちる玄関も、十分な明るさです。
 
 前回以降、一ヶ所外壁に関わる部分でどうしても改善して貰いたい所が有ります。

 今日も現場と意見が対立しました。話し合った上で、必ず改善したいと考えています。

 「小さい部分に見えるが、ここがこうなのと、ここがああでは、全く違う次元になるんです」と、伝え続けています。

 さてどうなるか。

文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-5-上棟式

 2008/9/11より、現場日記を始める事にしました。

 建築が創り上げられて行く過程をお届けしたいと思います。池を望む家の上棟式からスタートするので、ここまでの過程も過去の記事としてUPします。  

 先週末、上棟式がありました。

 式の場合でもと、準備をしていましたが、クライアントの希望で「めったに会う機会のない、現場の人達とゆっくり食事を」ということになりました。

 ご馳走を用意して頂き、食事会が始まりました。

 建築には20種前後の職種が必要です。今回は、大工、鉄骨、電気、水道、左官そして工務店と私達が出席させて頂きました。

 どんな方がクライアントで、どんな家族が暮らすのか。現場の方が、実際に会うのはとても良い事です。

 ようやく暑さも一段落し、建ち上がったばかりの家には爽快な風が吹き抜けます。

 大阪府の南部には、灌漑用のため池が多くあります。この敷地はそのほとりの高台にあるのです。

 屋根の上に上がってみました。ちょっと危険ですが眺めは抜群です。

文責:守谷 昌紀

「池を望む家」-4-建方 検査

 本日は建築確認申請の検査機関の中間検査がありました。

 前回の基礎配筋検査に続き、第二回目。

 検査機関の担当者が、図面通り施工されているか、順にチェックして回ります。

 鉄骨の建物の場合は建方工事完了時に検査を受けます。

 鉄骨の構造体が出来上がり、デッキプレートというコンクリートを流し込めば床になる鋼材を据え付けた時が検査時です。

 鉄骨は概ね、梁部分に継ぎ目があります。

 その部分に添える鉄板、締め付けるボルトのサイズ、数、締付ける強さ等が構造図によって指定されているのです。

 今回も無事中間検査は合格しました。

 溶接工が屋根部分のデッキプレートに流し込むコンクリートを止める鉄板を溶接していました。

 床、屋根部分が出来上がれば構造体はほぼ完成です。

文責:守谷 昌紀