計画のオファーを貰った際、まずは土地について調べます。
建物は土地と切り離せないもの。
その場所の歴史を知る事は、重要な事とだと考えています。大阪なら、6千年前の地形をイメージすると、分り良いのです。
大阪の西の玄関、住吉の港から少し東に入ったあたり。上町台地の上にあり、概ね地盤がしっかりしていると想像できます。
計画地から少し歩くと、幹線道路が南北に通っています。
この道を境に、2m程の高低差があるのです。海岸線の名残なのかなと思っていました。
クライアントのご両親に聞くと、堀が有ったと分りました。こちらは環濠都市だったそうです。
環濠都市とは、商人が自衛の為、周りに堀をめぐらせた都市を言います。最も有名なのは堺郷。平野郷も大きな環濠都市で、共に信長が重用した宣教師、フロイスの記述にも出てくるのです。
それらが、計画に直接の影響を与えるかは別ですが、古の風景が想像出来ると、更に愛着も湧いてくるものです。
何千年もの間、ここには暮らしがありました。そして今この家が建つのです。
文責:守谷 昌紀
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8月20日(火)は、10:30amには現地につきました。
3時の休憩には、クライアントからアイスの差し入れ。宇治金時を食べるのは何十年振りでしょうか。
高い所で食べるアイスは、とても美味しく、かつ涼しいのです。
どこで食べたかと言うと、建物正面の一番上。ここに庇があり、へこみがあるのが見れるでしょうか。
足場がある、今だからこその醍醐味です。
奥さんは、非常に身軽な人です。ハシゴのないロフトまで、ヒョイヒョイと登ります。
ここからの景色がなかなか良いのですが。
工期が遅れ気味で、ご迷惑を掛けています。しかし「職人さん達に無理をさせないでくださいね」という気遣いまで。
物創りと言っても、人と人の関係から生まれて来るもの。その気遣い、期待に応える仕事をしなければなりません。
千葉通いも今回で12回目になりました。あと何回現場に来られるのか……
常磐線に乗り換えるのが上野駅。初めて通った時、その天井の低さに、驚いたものです。
京都も、大阪も暑いですが、東京も暑い。
ジリジリと高層ビルを焼きつける様が、尚そう感じさせます。
文責:守谷 昌紀
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今回の計画では、古家が建っています。
よって、まずは解体からスタート。現在の解体では、分別が義務付けられています。
木材、畳、石膏ボード等、選り分けながら解体するのです。以前の解体とは打って変わって、非常に繊細な仕事になって来ました。
クライアントと残すものがないか、最終の確認に来ていました。いくつかの部屋に似顔絵が。
クレヨンでお子さんが描いたものです。
以前、解体前の家も撮らせて欲しいという建築写真家がいました。
「生れたばかりの家を撮って来たから、最期を迎える家も撮ってみたくなって」と言っていたのです。
ご家族は「古家付きを買っての建て替えなので、そこまでの愛着は……」と言われたのですが、それでも色々な思い出があるはずです。
この試みはとっても良いものだと感じました。他のクライアントへも勧めてみようかと。
新たな家への期待と、責任を感じながら、いよいよ着工です。
文責:守谷 昌紀
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1996年、25歳の時に生まれ育った大阪に設計事務所を設立しました。関西を中心に、東京、長野まで、注文住宅、クリニック、別荘、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。