現場は日々変化していきます。

こちらの現場では、常時3人の大工が働いてくれているので最も変化が早い。
と言いたいところですが、実はその反対で……

その理由は床材です。
「ヘリンボーン」はニシンの骨と言う意味から来た、フローリングの張り方。

通常のフローリグは垂直水平が基本ですが、あばら骨ですから基本が45度。
なんだその程度という事なかれ。
通常なら2日で終わる床の仕上げ工事が、熟練の棟梁をもってしてもこの日で10日目だそうです。
かつ、まだ終わっていません。

形状に合わせてカットしたら、裏に木工用ボンドを塗ります。

貼り付け。

当て木で叩いて位置を調整。

そして釘止め。

ヘリンボーンはその形状上、側面にサネ(材のズレを無くすための出っ張った部分)のない箇所があります。

そこに、1つ1つ手加工したサネを差し込み、より精度を上げています。
動画の30秒あたりがその場面です。
その丁寧な仕事振りが伝わったでしょうか。
ただ45度と言うだけで、全く基準がないに等しく、削りながらの調整も必須なのです。

金額的には全く合っていないと監督は嘆いていましたが、人の目は正直です。
その手跡が、全く違う空間の質を演出してくれるのですから。
ヘリンボーンの誘惑。
その誘惑に抗うもよし、誘われるもまたよしなのです。
文責:守谷 昌紀
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