「阿倍野の長屋」‐5‐この道45年のスーパー大工

 阿倍野からはハルカスが徒歩圏内。

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 繁華街に遠からず近からずで、住みやすい街だと思います。

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 前回UPした、2階LDKの写真。

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 一昨日はこの状態へ変わりました。

 まさに、この長屋が劇的に変わるタイミング。

 サッシがついている部分を光庭とするため、屋根が取り払われたのです。

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 子供さんが遊んでいたロフト部分に光が差しています。この部分は屋根を補修するエリアです。

 昨晩は晴れ予報だったのが、運悪く深夜に雨が降り、監督、棟梁とも現場に駆けつけたとのことでした。

 自然の中で働くというのは、本当に大変です。

 しかし、それらをどれだけ内部に近づけることが出来るか。これが、私達の永遠の目標なのです。

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 脚立がある部分は洗面になるので、再び屋内に戻ります。

 現場にいる間に、屋根組みが始まりました。

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 棟梁の顔が普段より引き締まって見えるのは気のせいではないでしょう。

 この道45年。しかし「これだけのリノベーションはやったことがない」と。

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 この現場も「滋賀の家」同様、親子大工です。しかし。このところは、助っ人が来ての3人体制。

 新しい構造材と、旧構造体が入り乱れ、見れば見るほど、なんとダイナミックなリノベーションなのかと思います。

 私が設計したのですが。

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 長男君が、棟梁に手紙を書いてきてくれました。次男君も、心から楽しみにしているようです。

 2008年、フジテレビのスーパーニュースで「境内の中の家」を特集で放送して貰いました。

 神社の中の家で、大工工事のみ奥さんのお父さんが参加。しかも石川からというストーリーもあり、取材になりました。

 その時のフレーズが「この道50年のスーパー大工」でした。今回も、そのフレーズが蘇ってきます。

 「この道45年のスーパー大工」

 若者の建築現場離れが進みますが、これだけ遣り甲斐のある仕事は、そうそう無い気がするのです。

 文責:守谷 昌紀

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「高台の家 RC打放しの家」‐2‐子供のいる風景

 4月末、遣り方に現地へ。

 高台につき、晴れた日の風は特に心地よいものです。

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 遣り方は、敷地に対して建物位置を明確にするのが目的。工事をスタートする、第一歩と言えます。

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 クライアントに立ち会って貰うケースもありますが、今回は私に一任して貰いました。
 
 水糸で建物位置を実際に確認します。

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 そして、ゴールデンウィーク明けの先週土曜日。地鎮祭でした。

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 白とピンクの花が石垣の隙間一面に咲いていました。

 マーガレットでしょうか。

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 若い神主さんで、説明も丁寧でしたが、お子さんへも時々声を掛ける気遣いがありました。

 厳かに、和やかに式は進行します。

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 ご主人が鋤で、初めて地面穿つという儀式です。

 「奥様、お子様も如何ですか」と。

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 娘さんは3歳で、何をやっても可愛いのですが、更に場が和やかになります。

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 最後にお神酒を四隅にまいて貰い、式典は滞りなく終了。
 
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 住宅は家族の幸せの為にあります。

  人は儚い。だから、建築に永遠性を求める。

 そして、これは建築家・前川國男の言葉です。

 永遠の幸せはありません。しかし、有限の人生を精一杯生きる人達の幸せに寄与したい。そう思います。

 神事の間は、ゆっくり時間が流れます。せわしない現代社会で、この事に最も価値があるのかもしれません。

文責:守谷 昌紀

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「阿倍野の長屋」‐4‐ダイナミックに、劇的に、遠からず、近からず

 昨日、BSで「劇的ビフォーアフター」私の担当回が放送だったようです。

 こちらの家族は、「住之江の元長屋」も見学済み。しかし、この計画こそ番組以上に番組らしいと思います。

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 4軒長屋の中央2軒を、フルリノベーション。

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 向かって左にあるのは駐車場。

 天井高さは、2m弱まで抑えています。

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 中から駐車場をみると、上階が下がっているのが分かるでしょうか。

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 この部屋は、ご主人のお母さんがゴロゴロ出来る部屋として計画しました。

 小柄な方で、畳がよいとのことで、天井も2.2mまで抑えました。この部屋からLDKまでの階段が6段。メインテーマを体言する空間なのです。

 その距離、遠からず、近からず。

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 LDKから見渡した時、奥の部屋が沈んでいるのが分かるでしょうか。

 先に種明かしをすると、手前に見える黒いサッシの向うは中庭になります。

 光が差し込み、屋上へ続く外部階段が出来るのです。

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 天井高を押さえた、駐車場、お母さんの和室の上にあるのが、子供用ロフト。階段が出来る前に、すでに体験済み。

 それでも完成した時は、感激して貰う自信があります。
 
 設計した本人が、現場に幾たびに驚く位、ダイナミックな計画なのです。

文責:守谷 昌紀

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