「伊東内科クリニック」-28-1年点検

 27日(木)は、伊東内科クリニックの1年点検でした。

 午前の診療が終わった後、院長、施工会社と一緒に課題の出来た場所を回ります。

 建具の調整、クロスの補修、などに加えて、棚の追加、コンセントの増設等。

 1年使ってみて、改めて改善の必要な箇所も出てきました。

 外部、内部ともとても大変美しく使われており、院長も「スタッフがほんと、綺麗好きなんです」と笑っていました。

 愛着をもって使われているを、身を持って感じます。本当に嬉しいことです。

 院長の伊東さんは、世界各国を旅しています。

 クリニックの壁面には、新たにその写真が飾られていました。

 待合の窓下には、家のミニチュアが。これは東欧のものだったと思います。

 webサイトにもコラムがあるので、良ければ是非。

 ちょっと普通の人は行かないような国まであります。TOPページの右上にある「院長コラム」です。

 待合の裏手にあるオリーブも随分成長しました。

 受付の後ろにあるイロハモミジは、更に大きくなっていました。この秋の紅葉が楽しみです。

 1年点検は建物の問題点を見つけ出す大切な機会。私達にとって最も勉強になる時です。

 対して、木々の成長はただ楽しみなだけ。

 最後に「守谷さんのイメージからずれていませんか」と尋ねられました。

 全く、と答えましたが、イメージ内と言うか、イメージ以上というか……そのあたりは自分の中にも明確な答えはありません。

 建物は建ってからも、住まい手、使い手、関わる人の愛情の量で間違いなく、変化して行きます。それを成長と言ってよいのかは分かりません。ただ、その変化には色々なケースがあるのは間違いありません。

 待合のソファに座り、光庭のモミジを見るのは、私にとっても最も幸せな時間です。

文責:守谷 昌紀

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「サンルームと吹抜のある家」-6-スイッチ、コンセント

 上棟が終わると、現場は慌ただしくなってきます。

 大工工事に加え、水道などの配管工事、電気工事なども始まります。

 昨年から、現場に掲示し始めた横断幕。

 ちょっと上部がたわんでおり、監督に修正をお願いしました。

 何と言っても事務所の顔ですから。

 内部では、壁の下地工事が進んでいます。

 この段階を過ぎると、構造体は見えなくなります。

 これらの柱と梁がこの建物を支えているのですが、階段の取りつく所は、かなり考えました。

 この時期、クライアントとスイッチ、コンセントなど、部屋内にでてくるプレート類の位置を確認します。

 現地で見るのが、やはり一番です。

 この箇所はスイッチが多すぎるので、分散することにしました。

 下地の工事中につき、全てが出来上がっている訳ではありません。

 そんな場所では、床にチョークで描くなどして、なんとか体感して貰うのが重要なのです。

 打合せのあと、施工会社が用意してくれた御幣(または幣束(へいぐし))に記名して貰いました。

 私達設計者と施工会社も名前を入れて、屋根裏の一番高いところに供えます。

 天井を貼ったあと、もう見ることはありません。

 建物の一番高い所から、家内の安全を見守っているのです。

文責:守谷 昌紀

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「サンルームと吹抜のある家」-5-上棟、中間検査

 昨日、2回目の中間検査が終わりました。

 建方が始まったのが9月15日。柱や梁を組みあげる日数は、2、3日が一般的です。

 その後、筋違を入れたり金物を付けて、審査機関の中間検査を受けます。

 それらも含めて、建方から1週間から10日程でしょうか。

 最近の木造は、前もって部材が工場で加工されてきます。

 それで以前に比べて、建方の工期が短くなったのですが、今回は時間が掛かったのには理由があります。

 Rの壁面があったり、船の舳先のような梁組があったり、機械で加工できない部分が多くあったのです。

 これらの大工の手仕事による加工を、手刻みと言うのです。

 本来は、いわばここが腕の見せどころなのです。

 ようやく3階まで形になったのが、先月の終盤。

 そして昨日の検査となったのです。

 検査は主に構造体を緊結する金物と、耐力壁と言われる、構造体の強度に影響する部分のチェックになります。

 もちろん全てクリアしました。

 プロジェクト名の、吹抜も形になってきました。

 なかなか気持ちの良い抜け感です。

 舳先のような形をしているのはサンルームです。

 その屋根の下地が見事でした。

 手間の掛かったところは、確実のその手跡が残ります。

 人の目は、自然とそういう部分に目がいくものです。 

 サンルームと吹抜けはリビング・ダイニングを介してつながっています。

 昨晩は、クライアントと各部屋の仕上材の詰めをしていました。

 決めるといういことは、迷い、プレッシャーの掛かることですが、決まった跡のクライアントの表情は一様に晴れやかです。

 迷い考えた時間は、確実に空間に反映されるもの。迷って過ぎということはないのです。
 
文責:守谷 昌紀

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