「四丁目の家」-20-洗濯物

 奥さんが写真を送ってくれました。

 1ヵ月点検に行く前に、現場日記をUPしたいので、写真を送って貰えれば……とお願いしていたのです。

 おはようございます。

 家の写真ですが、パソコンからなかなか送れないので携帯で送ってみます。
 
 どんな感じの写真がよいのでしょうか?

 これは布団や洗濯物をたっぷりほして気持ちのいい朝のものです。

 この写真は、設計者や写真家は絶対に撮らない、この家のことを最もよく表しているカットです。

 「ひろーいバルコニーで、思いっきり洗濯物を干したい!」

 これが奥さんの要望でした。それを実現するよう、バルコニーの形状を決めました。

 バルコニーをデザインするのは、案外難しいのですが、それなら思いっきり大きくしてしまえ。加えて、ちょっとくらい屋根の無いところもあったほうがいいかな、というコンセプト。

 暮らしや、行動をデザインするのが私達の仕事です。

 今週の日曜日は、1ヵ月点検。久しぶりに現地へ行きます。 
  
文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-11-オープンハウス

「あちこちでお茶できる家」-11-オープンハウス

 一昨日の2月26日(日)。オープンハウスには、30名程の方が見えました。

 クライアントの友人、親族も見え、人が途切れることのない、賑やかな一日でした。 

 一番乗りだったのは、私の家族。

 両親に子供達を連れて来て欲しいと頼んでいたのです。

 是非見せておきたかったのですが、何と私より先に着き、すでに上り込んでいました。

 ご主人は、この家の建て方が、どれだけ良かったかを、皆さんに話してくれました。

 奥さんは当日の朝、開店前の花屋さんを叩き起こして(本当は至極丁寧だったはずですが)、花を準備してくれました。

 この話は、帰りの車でスタッフに聞いたのですが、下手をすると涙腺が緩んでしまいそうな話で……

 本当に有難いことだと思うと共に、人に恵まれていると実感します。

 生れた2ヶ月後からの付き合いになる、下のお子さんとも遊びました。

 打合せの時は、お父さんとお母さんを拘束するので、退屈だったと思います。

 今日はせめてもの罪滅ぼしに……

 親族の女の子が来ると、あちこちからぬいぐるみ等が出てきます。

 和室の下に収納されているのです。

 お昼は、奥さんの実家から送られてきたハマチのたたきを、一緒にご馳走になりました。

 お父さんは愛媛の現役の漁師。ニンニクが効いていて、最高に美味しかったです。

 お子さんは、手づかみでバクバクいく位ですから。

 夕方4時まで人が絶えることはありませんでした。

 引越しした先週末から、ずっと忙しかったと思うので、本当に大変だったと思います。
 
 帰りの準備が終わると「ラザニアを作ったので一緒に」と言って貰ったのですが、この日は失礼しました。

 しかしタッパーに入れて、手土産して貰ったのですが。

 あちこちでお茶している姿を撮って、ここにUPしようと思っていました。

 しかし、あまり写真を撮る間もない楽しい一日でした。

 何ヵ所かその空間だけでもUPします。

 夫妻の実家に両方にあったのが土間。

 その空間と、リビング・ダイニング、そして来客用の和室は23度という緩やかな角度で繋がっています。そのプランが間違いなかったと確信できました。

 計画がスタートして3年。ようやく区切りを迎えました。残すは、写真撮影と1ヵ月点検です。 
  
文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-10-土間とタイルとイームズ

■■■オープンハウス開催■■■
2月26日(日)午前10時~午後4時 ご希望の方はこちらまで

 竣工、また2月26日(日)のオープンハウスに向けて、最終の工事が進んでいます。

 外壁と庇の関係は、素材を対比させました。

 焦げ茶ともグレーとも言える外壁は、正面から光を受けると、その形が一層引き立ちます。 

 庇の作る影が、その効果を高めるのです。

 外構工事と共に、最後に残っているのがタイル工事。

 タイルは焼き物につき、物自体の金額も高く、施工手間もかかるので、どうしても高めになります。

 しかしここはやはり黒系のタイル。

 タフさと、拭き取り易さが最大の魅力です。

 どんな位置に目地を通し、どこに端材を持ってきてなど。

 美しく仕上がるよう考える事を「タイル割」と言います。

 手間ひま掛かるのが、タイル工事なのです。

 そうこうしていると、hhstyleで買った家具が届き出しました。

 hhstyleは親会社と付き合があり、担当者も納品に合わせ現場をのぞきに来きました。

 「飽きない家ですね」と言ってくれました。 

 この時計は1950年代にジョージ・ネルソンによってデザインされました。

 Ball Clock(ボールクロック)は、カラフル、ダイナミック、シンプル。

 20世紀の中盤に作られた家具群を「ミッドセンチュリー」と呼んだりします。

 時代に淘汰されない、名作が沢山あります。

 その代表格、イームズのシェルサイドチェアも2色届きました。

 いつの時代も、人を支え続けてきたのです。

 茶系のスパロウという色は、特にこの家に似合います。
 
 これはご主人のセレクト。

 帰り際に、玄関土間のタイルが出来あがってきました。

 この空間に、色とりどりのチェアが置かれ、お茶する姿をイメージし、この計画は進めてきました。

文責:守谷 昌紀

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「サンルームと吹抜のある家」-12-1ヵ月点検

 この日曜日は、1ヵ月点検へ。

 初期不良がないかが、主なチェックポイントです。

 建物本体をレンガでと決めた時、門扉をどうするかが大きなテーマになりました。

 建物はRの曲面に添うよう、エッジが柔らかいタイルにしました。

 門廻りはそれに対比させて、ゴツゴツした感じにしたのです。

 エントランスの天井は、丸くくり抜かれた部分に照明。

 この空間は、ちょっと普通にはないボリュームがあります。

 2階にあるリビング・ダイニングにもタイルを使っています。

 帰って写真を見ると、何故かこの画面が。

 大画面テレビの迫力が違う意味で伝わってきます。

 いくつかの修正個所をピックアップできましたが、大きな問題はありませんでした。

 正月まわりに訪問した友人知人の人達も楽しんで帰ってくれたとのこと。まずは一安心です。

 是正工事が終わったら、こんどは写真撮影です。

 工事終盤バタバタした事もあり、あまり写真を撮れていません。

 玄関廻りは特に楽しみにしています。
 
文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-9-そうなればしめたもの

 間もなく完成を迎える「あちこちでお茶できる家」。

 もちろん色々な所でお茶できるのですが、まずは玄関土間です。

 6畳くらいの広さがあり、正面には、洗面とトイレが並んでいます。

 トイレは通常閉まっていますが、なかなかに鮮やかなピンク。

 緑とは特に相性が良い組み合わせです。
 
 こちらの計画。色使いもテーマです。

 2階寝室の壁は一面だけヴォルドーに。

 床がコルクタイルになっているのは、布団でも寝れるようにという考えから。

 子供部屋は、スモーキーピンクのドット柄。

 2階のトイレはスカイブルー。

 棚は減額の為、イケア製を支給して貰いました。

 トップライトのあるファミリースペースは、緑系のパターン柄。

 基本的には全て奥さんのセンスです。

 思い切りが良さが、確実に空間に反映されています。
 
 空間がシンプルであれば、どんな物でも受け止められます。

 よって、キャパシティーを考えると、シンプルを目指せば間違いないのですが、違う答えもあります。

 誰でも家を建てるなら「あの時雑誌で見たあんな部屋に!」とか「先週テレビに映ってたキッチンみないな」などという希望があるものです。

 全て聞いた通りにすれば簡単なのですが、これは一旦整が必要です。

 その部屋のどんな要素が好きだったのかの整理整頓です。

 素材、色、家具、光など、空間を構成する要素は沢山あります。その整理整頓が終わり、クライアントと共有できれば、とたんに話しがかみ合いだすのです。

 そうなればしめたもの。

 一方通行の提案より、1ランク複雑で、味わいのある空間が出来上がっていくのです。

 外観もカーポートを残すだけになってきました。

 来週末の引っ越しにむけて、詰めの段階に入りました。

文責:守谷 昌紀

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