「四世代で暮らすの家」‐2‐西の桜

 秋晴れの中、昨日は上棟式でした。

 地鎮祭から、一気に上棟へ。規模が規模だけに、相応の時間を要しました。

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 延べ面積500㎡以上、170坪を超えるとさすがに大きいなという印象です。

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 1階は4台をゆったり収納できるインナーガレージ。

 かなり格好いいスポーツカーが入るので、この空間も楽しみです。

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 この敷地は西側接道につき、西に開いています。

 夏の午後、強い西日をどうコントロールするかは、建物にとって非常に重要です。

 道路の向こうに、高さ10m近い桜並木が植わっているのですが、これらがとても良い光環境をもたらしてくれるはずなのです。

 春の桜が散った後、夏に向かって青々とした若葉を茂らせていきます。これによって、夏の日差しは心地よい木漏れ日に変わるでしょう。

 また、秋には紅葉が始まり、最も光の欲しい冬には全て葉を落とします。

 テクノロジーに頼らずとも、それらを上回る価値をこの家にもたらしてくれるはず。
 
 西の桜はとても良いのです。

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 更に眺めの良い3階は、桜並木の効果が若干落ちる為、少しセットバックして、深め目の庇をかけています。

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 南西角にあるタワーは、ご主人の為に考えたもの。

 これはまた工事の進行と共に。

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 模型、奉献酒を備え工事の安全を祈願しました。

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 ご家族に、四隅を清めて貰い上棟式は終了。

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 ここから竣工に向けては、現場の頑張りに掛かってきます。

 とっても期待しておりますので。

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 並木の向こうには学校のグランドがあります。

 3階から見えた、イワシ雲を照らす夕焼け。

 やはり自然の恵みに適うものはないと思うのです。

文責:守谷 昌紀

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「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐1‐プロローグ

 大阪市内の静かな住宅街。

 敷地は角地で、特徴のある形をしている。

 2015年の夏から、候補になった敷地がいくつかあったが、いずれも決定までは進まなかった。

 エリア、環境、価格と、全ての条件を満たすのは簡単ではない。

 2016年の2月にようやく敷地が決まり、計画は本格的にスタートすることになった。

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 敷地には家屋が建っており、これを解体。

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 約110㎡あるが、この位の広さがあれば、駐車スペースと中庭が確保できる。

 ただ、道路の境界があやふやで、市との交渉は非常に骨が折れた。

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 金額調整も終え、ようやく工事へと進むことになった。

 建物の輪郭となっている 青のラインがこの写真から見て取れるだろうか。敷地に素直な配置としたつもりだ。

 内部壁はほぼ珪藻土で、床はヒノキの無垢材となっている。

 計画の当初より、ご主人から「不自然でない家」というテーマを貰っていた。

 「例えばカロリーゼロって不自然じゃないですか」と。

 言われてみればその通りだ。

 美味しい。だけど実質食べていないことになっている。これが本当なら、ある意味ホラーともファンタジーとも言える。

 しかし、家は幻想ではなく実物である。

 自然で、素直で、無垢な中庭のある家。

 直球ど真ん中の要望に、厳しい工期。

 それらに応えられるよう、監理にベストを尽くすのみである。

文責:守谷 昌紀

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