前回の記事から、随分時間が開いてしまった「私の家」。
私の家だけに、企画の提案などが続くと、つい後ろ回しになってしまいます。
オファーを貰っているという事は、嬉しいことです。
しかし家族は違います。特に子供は。いつ出来るんだ、と。
時々、この家の絵を描いては、食卓に置いてあるのです。
娘の希望は、つるつるの壁。
築37年になる我が家は、内部が砂壁です。
色砂を左官で仕上げてあるのですが、手で触るとその砂が落ちてきます。
これがイヤだと。
確かに彼女の生活の中では、この仕上げは我が家だけです。
ただ、かろうじてザラザラ壁で過ごした事に、価値があると言えなくもありません。
長男から、バシバシとスケッチも上がってきます。
徐々に、その精度も上がって来ました。
それらが、いつも断面なのが面白い所です。
他の仕事と同じく、本気で取組んでいますが、1点決断に時間が掛かっていたところがありました。
大きな理由は昨夏、今夏のゲリラ豪雨です。
写真は、この夏滋賀県で見た雨雲。かなり狭いエリアで激しい雨が降っていました。
また、お盆の豪雨で私が設計させて貰った店舗でも浸水がありました。
この2年間、大阪は未だかつてない、ゲリラ豪雨に襲われたと言えます。
各県の平均が36回のところ、大阪は130回と発表されたのです。
この計画では、当初半地下を作るイメージで進めていました。ボートを置いたり、車を置いたり、おもには趣味のスペースです。
今まで、地下を積極的に取り入れた事はありません。過去に地下を作って良かったと聞いた例はほんの僅か。やはり湿気の問題が一番でしょうか。それなら自邸でチャレンジしてみようという気持ちがあったのです。
建物を地中に埋めるのがベターであるなら、そもそも建築などないのが理想と言えます。むしろ建築がその業のようなものを背負ってこそ、存在できるのではないか。そんな思いも、地下を積極的に取り入れてこなかった理由です。
また、屋上緑化についても、似た気持ちがあります。
緑化するというのは、素晴らしい事ばかりです。しかし、フラットルーフ(平坦な屋根)は、雨水を建物から早く遠ざけるという意味においては、非常に不利なものです。
防水技術の進化によって、それらは克服されて来たのですが、どんなものにも永遠はありません。
もし将来雨漏りが起こった時、全部屋上緑化を取ってしまうのが問題なければ良いのですが、このあたりの事は慎重に考えるべきことだと思っているのです。
勿論、全ての方法を否定している訳ではありません。ただ、建築とは時間軸の長いものだと言う事は、熟考されるべき事だと思うのです。
無限ではないエネルギー消費をどう抑えるかは、大きな課題です。自邸ならではの提案をしたいと思っています。
あっと言う間に秋。
本腰を入れて図面を描いています。子供の設計で建ってしまわないうちに。
【ここまで掛かった費用】-単位は円-
【A】<土地その他諸費用小計(税込)> 28,768,797
【B】<建築工事費>
【C】<施主支給>
□□□以下は明細□□□
【A】-1 <土地> 27,500,000
【A】-2 <土地関係の諸費用> 1,268,797
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小計 【A】28,768,797
【A】-2 <土地関係の諸費用>の明細
固定資産税精算 80,347
土地仲介手数料 929,250
司法書士 事務手数料 105,000
不動産売買契約書印紙代 15,000
登記費用(土地移転) 244,200
文責:守谷 昌紀
◆メディア掲載情報
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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