「山の手の家」-1-プロローグ

 昨年のクリスマスイブ。相談メールが届きました。

 早速事務所で会い、年末にバタバタと調査を始めたのです。

 それから9ヶ月。随分時間が掛かってしまったのですが、ようやくここまでたどり着きました。

 阪神間で山の手と言えば景色の良いところです。土地の区画も大きく、建物もかなりの面積があります。

 1階は和室を中心に4部屋あります。

 全ての部屋がゆったりと大き目で、以前の住まい手の豊かさが感じられます。


 
 キッチンは壁付けですが、長さはかなりのもの。

 設置された当時は、かなりの値段だったと思います。

 ただ、残念ながら場所がもう一つなのです。

 2階は主に家族の個室だたったようです。

 子供部屋だったのか、扉にRがついていたりして可愛い感じ。 

 階段も絨毯敷きで、非常に豪華な感じ。

 廊下などの床はワインレッドで、こだわりが感じられます。

 何と言っても特徴は「山の手」。

 2階から遠くに望む大阪湾は、近くで見るのとは全く違う美しさを見せるのです。

 何と言っても、見せ場は1階のLDK。33畳あります。

 さらに南面する庭が大きく、芝敷きになれば見違えるはずです。

 工事は10月初めからスタートします。

文責:守谷 昌紀

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「私の家」-4-スケッチ、スケッチ

 前回の記事から、随分時間が開いてしまった「私の家」。

 私の家だけに、企画の提案などが続くと、つい後ろ回しになってしまいます。

 オファーを貰っているという事は、嬉しいことです。

 しかし家族は違います。特に子供は。いつ出来るんだ、と。

 時々、この家の絵を描いては、食卓に置いてあるのです。

 娘の希望は、つるつるの壁。

 築37年になる我が家は、内部が砂壁です。

 色砂を左官で仕上げてあるのですが、手で触るとその砂が落ちてきます。
これがイヤだと。

 確かに彼女の生活の中では、この仕上げは我が家だけです。

 ただ、かろうじてザラザラ壁で過ごした事に、価値があると言えなくもありません。

 長男から、バシバシとスケッチも上がってきます。

 徐々に、その精度も上がって来ました。

 それらが、いつも断面なのが面白い所です。

 他の仕事と同じく、本気で取組んでいますが、1点決断に時間が掛かっていたところがありました。

 大きな理由は昨夏、今夏のゲリラ豪雨です。

 写真は、この夏滋賀県で見た雨雲。かなり狭いエリアで激しい雨が降っていました。

 また、お盆の豪雨で私が設計させて貰った店舗でも浸水がありました。

 この2年間、大阪は未だかつてない、ゲリラ豪雨に襲われたと言えます。

 各県の平均が36回のところ、大阪は130回と発表されたのです。

 この計画では、当初半地下を作るイメージで進めていました。ボートを置いたり、車を置いたり、おもには趣味のスペースです。

 今まで、地下を積極的に取り入れた事はありません。過去に地下を作って良かったと聞いた例はほんの僅か。やはり湿気の問題が一番でしょうか。それなら自邸でチャレンジしてみようという気持ちがあったのです。

 建物を地中に埋めるのがベターであるなら、そもそも建築などないのが理想と言えます。むしろ建築がその業のようなものを背負ってこそ、存在できるのではないか。そんな思いも、地下を積極的に取り入れてこなかった理由です。

 また、屋上緑化についても、似た気持ちがあります。

 緑化するというのは、素晴らしい事ばかりです。しかし、フラットルーフ(平坦な屋根)は、雨水を建物から早く遠ざけるという意味においては、非常に不利なものです。

 防水技術の進化によって、それらは克服されて来たのですが、どんなものにも永遠はありません。

 もし将来雨漏りが起こった時、全部屋上緑化を取ってしまうのが問題なければ良いのですが、このあたりの事は慎重に考えるべきことだと思っているのです。

 勿論、全ての方法を否定している訳ではありません。ただ、建築とは時間軸の長いものだと言う事は、熟考されるべき事だと思うのです。

 無限ではないエネルギー消費をどう抑えるかは、大きな課題です。自邸ならではの提案をしたいと思っています。

 あっと言う間に秋。

 本腰を入れて図面を描いています。子供の設計で建ってしまわないうちに。

【ここまで掛かった費用】-単位は円-
【A】<土地その他諸費用小計(税込)> 28,768,797
【B】<建築工事費>
【C】<施主支給>

□□□以下は明細□□□
【A】-1 <土地> 27,500,000
【A】-2 <土地関係の諸費用> 1,268,797
———————————————————————
小計 【A】28,768,797

【A】-2 <土地関係の諸費用>の明細
固定資産税精算 80,347
土地仲介手数料 929,250
司法書士 事務手数料 105,000
不動産売買契約書印紙代 15,000
登記費用(土地移転) 244,200

文責:守谷 昌紀

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「8.8坪の家」-3-基礎工事

 お盆前に地盤改良工事を終え、9月5日(水)は基礎のコンクリート打設でした。

 敷地は盛土で造成された浅い谷に区分されます。

 最大4m程の自沈層があった為、柱状改良をすることになりました。

 「細工谷遺跡」という埋蔵文化財の区域でもあり、杭の本数や基礎の深さは、役所と協議済みです。

 掘方の後、型枠工事、配筋工事と進みます。

 この後、審査機関による基礎の中間検査が行われました。

 構造図を見ながら、鉄筋の径や本数、ピッチを確認します。

 検査は無事に終わり、中間検査済証を頂きました。

 この部分はこの建物の特徴となる形の1つです。

 2、3階が木造、1階はRC造。

 敷地は2面の道路に接する角地ですが、両方が4m以下で、車1台通るのがやっとです。

 この道路の関係で、今回はポンプ車を使わず、ミキサー車から直接コンクリートを打設しました。

 次回は1階RC部の型枠、配筋工事です。 

文責:田辺 幸香

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