「Shabby House」-17-レンガ三様

 「Shabby House」は色々な素材が使われています。

 レンガやタイルも多く使われていますが、最も特徴的なのは外壁です。

 外部足場がようやく外れました。

 リビングの飾り棚の上部は、大判のタイル。

 エントランスを入ってすぐの飾り壁は、古レンガを使っています。 

 レンガやタイルは職人が、一枚一枚手作業で仕上げるもの。
 
 やはり手の跡が残り、味わいがあります。

 一般的なクロス貼りと比べると、10倍くらいの費用が掛かります。

 それに値するよう、どこに、どのくらいの面積を貼るのか、慎重に考える必要があります。

 子供部屋の腰壁は杉板にペンキ塗りです。

 コンセプトにあるのは、パリのアパルトメントですが、この部屋はイギリスっぽい感じになったかもしれません。

 予定を大きく遅れ、竣工を年明けに持ち越してしまいました。

 本当に申し訳なく思いますが、それを払拭するには、良い建物にする以外にありません。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-15-ご来場有難うございました

 12月23日の祝日、無事オープンハウスを終えました。

 ソファはクライアントが先に搬入してくれました。

 その他の家具は、私が家や事務所で使っているもの。

 朝からの搬入でバタバタしましたが、天気もよく、10時のオープンを待ちます。

 1階には照明器具とソファを。

 3階にはイスを置きました。

 僅かでも家具があると、スケールを想像しやすいと思います。

 3階バルコニーと2階のデッキは何となく一体感があるような外部空間をイメージしていました。

 初めてのことで、どのくらいの人が来てくれるか、不安もありました。

 最優的には30人の方が、遊びにきてくれました。

 子供さんも含めてですが、活気があって賑やかなのは何よりです。

 子供がどんな行動をとるかは、とても気になります。

 思っていたような行動をとってくれた時、創り手冥利に尽きるのです。

 概ねとても良い反応で、ほっとしました。

 体感するしかないのが空間です。

 もし機会があれば、是非開催したいと思います。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-14-オープンハウス開催

 このたび、クライアントのご厚意により、「頑張れる家」にてオープンハウスを開催いたします。

 住宅街にある20坪の敷地に建つ、木造3階建て住宅です。延べ面積は30坪(各階10坪)のローコスト住宅で、詳細な金額もすべて公開しています

 街中でどれだけ外部を取込めるかをテーマに設計しました。

 参加を希望される方は、下記までお名前を明記の上、メール、またはfaxでご連絡ください。当日の連絡先と地図をお送り致します。

 オープンハウスのあと、当事務所から連絡をすることはありませんので、気軽にご参加ください。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家/一級建築士 守谷昌紀
〒547-0033 大阪市平野区平野西 5-6-24
tel 06-6703-0181 fax 050-7103-3717
E-mail: info@atelier-m.com

 工事が予定より遅れていたので、開催のお願いを迷ったのですが、クライアントからの返事は、とても温かいものでした。ここに転記致します。

 守谷様

お世話になります。

この『頑張れる家』は確かに私たちの家になりますが、その夢がかなったのは、守谷さんが設計を引受けていただいたからですし、
施工会社の方が工事を請負っていただけたからだと思っております。

守谷さんはいつも私たちに、『なんでもおっしゃってください』と言ってくれますが、こちらへもお気づかいなくなんでもおっしゃて
いただければと思います。

初めて模型を見たときめっちゃカッコイイ!と思いましたが、実物はその何倍何十倍もカッコイイ!と思っておりますし、なんとも言えない感動がわきあがってきます。

オープンハウスで一人でもこんな家に住みたい、カッコイイと言ってくれる人がいたらこちらもとてもうれしいです。

本日、見学に来られていた守谷さんのお仲間(友人?)の方々のご感想はどうでしたか?またお聞かせていただければと思います。

マイベストプロを拝見させていただきました。記事の最後の『守谷さんに連絡する決断をしませんか』を読んで、守谷さんに連絡する決断をしたことを心からほんとによかったと思います。

あとは頑張って引越しの準備をするだけです。残り1週間ほどになりましたが宜しくお願い致します。

文責:守谷 昌紀
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「Shabby House」-16-家具の順番

新築の場合、どうしても優先順位が後ろになるのが家具。

建物と一体でなないテーブルや椅子などは、真っ先に減額対象となってしまいます。もちろん予算は決まっているので、竣工時から納得できるものにそろえるのは至難の業と言えます。

3階の子供部屋は、お子さんがまだ小さいこともあり、机は将来に持越しとなりました。

しかし床は、最もこだわった材です。

2階のLDKには、こだわりの家具が3点あります。

前回書いた、ダイニング横の飾り棚。

隣り合うリビングにも、名古屋のこだわりの家具屋さんから届いたものが1つ。

取手も感じが出ています。

もう1つこだわりの家具がダイニングのテーブル。

引出しのついたもので、この家の中心にくるものなのです。

竣工した瞬間からから、洗練された空間になると思います。

では何故これらが実現できたか。

常に全体の金額を把握する、クライアントの綿密な予算計画につきます。

その為に、土地探しの段階からコンサルタントと契約、サポートを受けていたのです。

加えて、とても単純ですが、その優先順位が高かったからに他なりません。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-13-光

 クライアントによる、ルーバー工事も終わり、雰囲気がでてきました。

 現場では外部工事が進みます。

 2階LDKには、ルーバーを介した光が床に落ちています。

 ルーバーの開口からからは向かいの公園のベンチが。

 玄関先にもルーバーの隙間から、光が落ちていました。

 建築は、風と光です。

 特に光は、時にはっとさせられる程の表情を見せるのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「四丁目の家」-2-減額リスト

 現在は見積り調整の真っ最中。

 webサイトにも「夢は必ず実現する」と書きました。そんな綺麗ごとを、と思う人もいるかもしれませんが、必ず実現すると思っています。現実と格闘する覚悟さえあれば。

 ちょっとかっこをつけましたが、競争見積りを実施しても、大概見積りはオーバーします。夢が現実を下回ることは有りません。クライアントの希望を叶えようと思えば思う程、その額は大きくなります。

 事務所を立ち上げた頃、毎回毎回こんな経験を繰り返していました。クライアントが見積りを初めて見た時、変な空気になったこともしばしば。

 しかし、最終的には希望の金額に収る、もしくは納得して増額して貰うなどして、建物は竣工していったのです。

 私は思いました。「粘り強く減額作業をし、施工会社と交渉し続ければ、必ず何とかなる。着地点はあるんだ」と。私はもとよりしつこい人間なのです。

 ただ、これを効率よく、分かりやすく進めるにはどうすれば良いかを考えました。

 そこで考えたのが現在の減額リスト。

 当事務所で考えた減額項目を、分かりやすいようジャンル毎に列記します。

 採用すれば幾ら減と、各項ごとに金額を明記して貰うのです。

 更にその各項に、○、□、△、×などの評価付けをして貰います。

 ○、□を採用すれば工事金額は幾ら、○、□、△まで採用した場合は幾らと、エクセルで表計算しながら進める事にしたのです。

 金額が合わなければ、更に減額項目を作成する、評価付けを厳しくするなどして、クライアントと最終着地点を模索します。

 採用項目が決まれば、施工会社にそれを伝え、最終金額の提示を求めるという流れです。

 項目は多い少ないありますが、概ね100項目程。初めて見た時は皆げんなりするものですが、金額が近づき出すと、遣り甲斐も出てきます。

 中にはこの作業が一番思い出に残ったというクライアントもいました。夢の実現は、共に葛藤するしかないのです。

 あれは辞めましょう、これは残しましょうとこちらが言うより、大切なお金と照らし合わせて、今後の暮らしに何が大切かを考えるのが一番です。

 この時間はとても大切な時間と考えます。実際残るべきものは残り、省かれるものは省かれるものなのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-15-階段

終盤になってくると、塗装部は色を決定しなければなりません。

意外と難しいのが軒天の色。

軒天とは、外部にある天井部分を言います。

外部で直接光の当たらない天井部は、明るめの色が無難です。

しかし玄関先の軒天は、外壁を追いかけることにしました。

2階にはキッチン、造り付けの家具が据え付けられ、ダイニングらしくなってきました。

名古屋の家具屋さんで造られ、送られて来た造り付けの家具。

エイジング加工がなされています。

出来上がった日から、年代物の風合いを持っているのです。

たったの一つも、こだわりのないものなどありませんが、床材も精査に精査を重ねまた。

階段が取り付くと、上下の動きが出てきます。

それだけに、階段というのはとても重要で、繊細な部分です。

公共建築のように、広さの制限がなければ違うかもしれませんが、市内に建つ住宅に、無駄に出来るスペースなどありません

しかも快適に美しく。

例えば階段の壁に付く照明。

昇り降りの邪魔にならず、電球を替えられなければなりません。

その2つの候補が右手と左手。

とても原始的な方法ですが、これが一番確実です。

事務所内で基準値は持っていますが、クライアントの身長、誰が交換するかによって、微妙に変化します。

高い位置のときは、ご主人の仕事になったのかもしれません。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-12-休みのパパは~♪

 12月に入って初めの日曜。パパの頑張る日がやってきました。

 休みにも関わらず、ご主人の兄弟、会社の方で、朝一番からルーバーの取り付け工事が始まりました。

 子供さんも見に来ていたので、ちょっと手伝って貰いました。

 デッキをとめる特殊なビスで固定するのです。

 8:45am

 まずは、ルーバーを取り付ける下地を補強して行きます。

 2:00pm

 半分程張りあがりました。

 5:00pm

 細かな調整は続きますが、全てが張り終わりました。

 ご主人と社員の方は一日中。

 弟さん、お兄さんがお昼頃から。

 皆のサポートがあって、何とか日没頃に完成しました。

 ♪ 昼間のパパは~、ちょっと違う~ ♪という歌がありました。

 パパは休みの日も、ちょっと違うのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-14-内からと外から

 現場は事務所から4km弱のところにあります。自転車で向かえば25分くらい。

 今日は10:00amから打合せでしたが、ひとつ準備に手間取ったものがあり、事務所を出たのが9:45am。

 全速力で迎えば何とかなると思ったのですが、4分遅れてしまいました。

 現場に着くとクライアントとスタッフで打合せはスタートしていました。

 遅刻は絶対駄目で恥ずべきこと。まずはお詫びからです。

 もうひとつ加えるなら、あれだけ急いでも(ほぼ全て立ちこぎ)6分しか短縮できないのだと分りました。

 何でも早めの行動が必須です。

 いくつか課題はありましたが、ひとつはルーバーのデザイン。

 シートを剥がし、監督に模型を持ってもらい、外部からの目隠し機能を確認です。

 これはOK。

 続いて内部から。

 明るい方を見ると随分印象が変わります。

 目隠し機能を確保しつつ、内から欲しいのは採光。

 模型はダンボールなので、厚みが5mm。

 実際は15mmなので、それも加味して寸法、角度を決定しました。

 少し行くと大きな池があります。

 外周がウォーキングコースになっていて、今は紅葉の中を歩く感じ。

 晴れた日は、横を通るだけでも得をした気分になれます。

 日々の仕事、日々の暮らしの中に、どれだけ楽しみを見つけられるか。

 それがとても大切だと思うのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm