軒が深いから「おいでよhouse」‐3‐コンクリートは鮮度が命

 サンマ1匹が100円台まで下がったと新聞に出ていました。

 そんなことが記事になる時代になったのですが、太古から秋は秋晴れと決まっています。

 今週は晴れ空が続きました。

 水曜日の9時頃現場へ行くと、すでにコンクリートの打設が始まっていました。

 「おいでよhouse」はかなり縦長の敷地です。

 現場内に4人、現場前に3人くらいのチームで打設して行きます。

 コンクリートを荒らしたくないので、打設は一番奥からすることが大半です。

 ポンプ車がアームを目一杯持ち上げ、奥へホースを送り込みます。

 ホースの先端をさばいているのは一番若い職人。

 これがなかなかの重労働です。

 もうひとりは満遍なくコンクリートが広がるよう、バイブレーターを当てて行きます。

 振動でコンクリートが広がる様子が、動画なら伝わるでしょうか。

 コンクリートは生ものにつき、鮮度が命です。

 打設した後を追いかけるように、左官職人がコテで押さえて行きます。

 更に気温によって1~5時間後、水が引いた後に再度コテで仕上げるのです。

 生ものが半日後には人の手では変えることができなくなり、翌日には完全に不可能になります。

 少し事情があって停滞していた現場ですが、順調に進みだしました。

 お隣の敷地も、同じようなタイミグで工事が進んでいますが、一番前の形はなかなかに特徴的です。

 2週間後あたりには建方まで進みそうで、形を見るのを楽しみにしているのです。

文責:守谷 昌紀

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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「The Longing House 」‐3‐ほぼガンタンク

 気持ち良い秋晴れの下、定例打合せ前の現場に立ち寄ります。

 この計画はT字の敷地が特徴ですが、頭の棒線の左から敷地を見てみます。

 南側から見ることになり、日の当たり方が良く分かります。

 今度は反対の北側から。

 敷地環境は人の手ではどうすることもできないので、この紐解きが建築設計の始まりとなるのです。

 T字の縦線の下。東から見てみます。

 敷地をよく見れば、どの空間をどの場所に配置するかは自然に決まって行くものなのです。

 前回「もうダメだ、が仕事のはじまり」と書きました。

 何とか擁壁の件を解決したのですが、一難去ってまた一難。

 またまた歯ごたえのある課題がでてきていたのですが、それも何とか解決の糸口が見えてきました。

 びっくりするくらい色々な課題がでてくるのが建築です。

 全く問題がなく、簡単に解決できることに、お代を払ってくれる人など居るはずもありません。

 困難こそが仕事の本質なのです。

 そんな中、スーパーパイロットが助けに来てくれました。

 トラックから手際よく一人で地面に降りたち、さっと仕事を始めます。

 いつ見ていても鮮やかなもの。

 もう完全にガンタンクを操るリュウ・ホセイなのです。

 定例打合せを終え、阪神高速で会社に戻ります。

 現場や打合せはエンターテイメントです。

 大変を楽しく。

 これが私のモットーなのです。

文責:守谷 昌紀

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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「The Longing House 」‐2‐「もうダメだ」が仕事のはじまり

この計画の敷地は形状にかなり特徴があります。

旗竿敷地は経験がありますが、T字型は私も初めてです。

平面的な形状を活かすのは勿論ですが、現実は2次元ではありません。

T字の頭の部分に面する隣地が一段高くなっているのです。

計画がスタートした際、クライアントはこの隣地に対しての安全対策も合せて提案して欲しいとのことでした。

建物の設計も簡単ではありませんでしたが、これらは建築から少し下がって、土木の世界の話とも言えます。

そこは、普段山奥の湖へ通っている経験が活きました。

山道で土砂崩れがあった時、このような方法で土留め壁を構成し、復旧工事を進めて行きます。

これなら応用できるかもと考えたのです。

当初は鉄筋コンクリートの擁壁を計画していました。

さあ基礎工事となった際に「掘り方のことを考えた時、隣地が崩れてこないか心配で……」と監督から相談があったのです。

正直、参ったなと思いましたが、京セラ名誉会長の稲盛さんからこう教えて貰いました。

 もうダメだというときが仕事のはじまり

それならと、この方法を提案したのです。

監督も「それなら何とかなるかも」と再度工法を練り直し、ようやくここまでこぎつけました。

ドリルで2mの穴を掘りますが、擁壁の地中部分があたりなかなかうまく行きません。

できるだけ擁壁に近い場所を、文字通り手探りで探します。

何とか2mまで到達すると、今度はセメントミルクを注入しながら攪拌です。

ドリルを上に移動させながら、全体にセメントミルクを練り込んでいくのです。

そして今度はH鋼を吊り下げ、セメントミルクで満たされた穴に差し込みます。

この鋼材を手仕事で微調整。

そしてH鋼を設置。

セメントが固まればもう動かすことは出来ないので、今しか調整は出来ません。

監督が「んっ!ちょっとずれてる?」。

慌てて押したり、クサビを打ち込んだり。

もうコントみたいですが、何とかなったようです。

何とかならなかったとしても、何とかするしかないのですが。

建築においての精度は、通常0.5mmくらいでしょうか。

しかし土木となるとそこまでは求められません。この現場を見れば一目瞭然です。

図面ではどう描けても無理なものは無理なのです。

どこは厳しく、どこは許容するか。

現場に足を運び、対話をしなければその判断はずれてしまい、裸の王様になってしまうのです。

文責:守谷 昌紀

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