「ダイヤモンドカットの家」‐3‐気持ちよく干したい

 先週の日曜日、棟上げを迎えました。

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 ご家族、監督、私達での手作りの棟上式ですが、御幣は立派なもの。

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 お子さんは長男、長女、次男の3人。

 米、塩、お神酒を一緒にまいて回りました。

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 一番下のお子さんは、生後5ヵ月からの付き合いです。

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 この家は、寝室前のバルコニーが広く、12畳強ありますが庇を深くしています。 

 寝室内にも、簡易な物干金物がついており、気持ちよく洗濯物が干せるはずです。

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 まだ防水工事前で、ブルーシートに覆われてますが、次男君も一緒に走り回っていました。

 この洗濯干場。住宅の設計において、テーマになることがしばしばです。

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「四丁目の家」はそれがメインテーマでした。

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「黒壁の家」は奥さんがひどい花粉症で、物干部屋を設けました。

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 この大きなバルコニーは片側の壁が、斜めに下りてきます。

 道路側からの視線を切り、出来るだけ光を取り込む為のものなのです。

 オリンピックのエンブレム問題、新国立競技場のコンペの一件もあり、デザインという言葉が、良い意味で使われていないことが多々あります。

 色々なものが100円で買える時代がやってきました。それは、努力の積み重ねによって実現されたはずで、皆が喜んでいます。

 しかし、人類の歴史において、異常な事態なのではとも思います。ものに愛情を注ぐのがともて難しくなる気がするのです。

 もの創りは、尊い行為だと思っています。そこに「意」を注ぐのが、デザインという行為です。それは勿論、洗濯物干し場にも。

 さて、上手く乾いてくれれば良いのですが。

文責:守谷 昌紀

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「阿倍野の長屋」‐12‐これがフルリノベーションだ

 11月初めに撮影をした「阿倍野の長屋」。

 webサイトのページが完成しました。

101北側外観

 北向きの四軒長屋の中央二軒のフルリノベーション。

601※外観 - コピー

 以前の外観です。

102北東外観

 必要なもの、必要でないものを整理整頓していきました。

103エントランス

 エントランスに寄り付きがあると、街への印象はぐっと変わってきます。

201LDK西から

 やはり、これがメインカットでしょうか。

 光庭、ロフト、ボルダリングと、この家の特徴が良く分かります。

202LDK北西から

 上のお兄ちゃんを、奥さんと次男君が見ている写真も楽しそうです。

204キッチン

 食事の風景も、実際に作って貰ったと書きました。

203LDK北から

 ご主人のお母さんも一緒に暮らします。

604※1階 - コピー

 以前のダイニングは1階にありました。

 ボルダリングの壁の後ろに階段があり、5段下がったところに中2階があります。

105中2階和室

 この部屋は、お母さん専用リビング。

 ご家族の友達が遊びに来た時、丁度良い距離感が5段なのでは、という奥さんとの会話から出来上がったものです。

 うるさ過ぎず、一人にせず。そんな気づかい、愛情を空間にしました。

 305ロフト北向き

304ロフト西向き

 ロフトは、子供専用の空間です。

 おもちゃが、リビングに出てこないのが兎に角嬉しいと、奥さんに言って貰いました。

401光庭

 そして、環境を大きく改善したのがこの光庭。

 階段下にも空間があり、裏の路地へと繋がっています。夏には、ここから路地で冷やされた風が入ってくるのです。

 床にあるアクリルの床も、階下に光を落とすためのもの。

402LDK夕景

 洗濯を一手に引き受けるお母さんのリクエストは、広い物干し。

 手前半分を月見台という位置づけにして貰いましたが、とても広い物干台になりました。

403月見台

 快晴のもと、ハルカスを眺めるこの光景を、イメージしてプランを練って行きました。

 「こうしておけばよかった、という所は全くありません」と言ってもらいました。

 北向き四軒長屋の中央二軒に光と風を導いたフルリノベーション。
 
 私も、ほぼやり切ったという気持ちです。

文責:守谷 昌紀

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「White Eaves」‐2‐地鎮祭

 地鎮祭は快晴のもと。日差しが12月とは思えないほど。

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 今回の工事は、初めて仕事をする施工会社。社長は女性で「素晴らしい天気で、幸先良いスタートですね」と。

 もし雨が降ったら「雨降って地固まる」と言うのですが、こんなところに場数の差が出るのものです。

 流石は歳の効、といえば怒られそうですが。

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 2階には若いご家族で、お子さんは5歳、3歳の姉弟です。

 1階には、ご主人のお母さま世帯がある、2世帯住宅。敷地の間口が大きく、規模の大きな住宅です。

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 地鎮祭での私の仕事は、斎鎌(いみかま)で草を刈り取ること。

 折角なので、気合を入れて挑みます。

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 ご主人のよる鋤入れ。

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 ご家族による、玉串奉奠(たまぐしほうてん)。

 長男君は、ちょっと恥ずかしかったようで、お母さんに手を引かれてでした。

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 最後に、四方へ塩、米をまくのには、興味をもってくれたようです。

 少しでも記憶に残ってくれたなら、嬉しい限りです。

 この日の宮司さん。非常に声が大きく、気持ちの良い式典でした。

 それで、帰り際に「素晴らしい式典でした」と伝えました。

 プロというのは、なかなか評価されにくいものです。良かったことは良かった。そうでなかった場合は触れない。

 実務以外の私のスタンスです。

文責:守谷 昌紀

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「White Eaves」‐1‐プロローグ

 仕事の場は、常に競争です。

 「White eaves」は、ネット上のコンペでした。

 参加した経緯、選んで貰った過程は4月、日記に書きました。

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 しかし、実際に工事請負契約に至ったのは12月7日。

 コンペのスタートから、1年2カ月掛かってしまいました。

 「申し訳ありません」という気持ちと、「とことん付き合います」という気持ちの、両方があります。

 何度も見積り調整を行い、納得して貰えるところまで、ようやくたどりつけました。

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 敷地は北側に道路がありますが、この道は一方通行です。ところが、抜け道になっているようで、結構な交通量があるのです。

 車で仕事から帰ってきた際、まずは仮駐車。そして、後続がないのを確認できたら、ゆっくりと車庫入れ。

11岸和田の家PプレG11 1504011 - コピー

 この、駐車時のタイヤの軌道から、プラン、フォルムを練って行きました。

 デザインという言葉が、機能を犠牲にし、表面上のことを指している場面が、本当に多くあると感じます。

 それらは、本来デザインと呼ぶべきものではありません。デザインとは、良心にうったえかけるもので、必ず、分かち合えると信じるからこそ、意味があるのです。

 デザインを和訳すると意匠となります。匠として、物創りのプロとしての意思。

 その意思は正しかったのか。5月下旬に、問うことになります。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐2‐若い大工による上棟

 10月にプロローグを書いて以来、2ケ月が過ぎました。

 その間、現場が動いていなかった訳ではありません。

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 月曜日に建て方が行われました。

 この辺りは工場も多いエリアですが、それに負けないくらいの敷地です。

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 夕方、現場に着くと、概ね躯体は組みあがっていました。

 プレカットの時代になり、建て方のスピードは格段に速くなりました。

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 エントランスの庇は、車から濡れずに玄関へ寄り付くために考えました。

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 1階にあるLDK。

 東西に長く、南からの光を多く受けられるようプランしています。

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 プライバシーを確保し、光の反射板としての役割もある中庭。

 この時期の夕方、これだけ明るければ必ず価値があるはず。

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 夕日を背にする若い大工。

 建築現場での職人不足が危惧されるなか、若い職人を見るとほっとします。

 まだ話は出来ていませんが、棟梁の下に付いてく常駐してくれるのでしょうか。

 それも含めて楽しみにしています。

文責:守谷 昌紀

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